ちゅうカラぶろぐ


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たまに違う路線を使うと楽しいというか、ちょいとお誘いを受けて軽い遠出。何をしたかと言えば最近お笑いにも興味の湧いてきた私にも是非と、数人で集まって東京03のコントライブのBlu-ray鑑賞してました。ゲストが佐倉綾音の日と百田夏菜子の日でどちらが良いかと尋ねられ、即答で「佐倉綾音で」と答えた自分の声豚ぶりよ。

 こんばんは、小島@監督です。
 年末の決勝くらいしか観ていない「M-1グランプリ」の、その周辺のコンテンツの楽しみ方も色々聞けたのでじわじわと観ていこう。タイミングが合えば一度ライブも観てみたいですね。

 さて、今回の映画は「レザボア・ドッグス」です。

 ダイナーに集められた6人の男たち。それは裏社会の大物ジョー(ローレンス・ティアニー)が宝石店強盗を企てるために集めたメンバーだった。それぞれ色に因んでホワイト(ハーヴェイ・カイテル)、オレンジ(ティム・ロス)、ブロンド(マイケル・マドセン)、ピンク(スティーブ・ブシェミ)、ブルー(エディ・バンカー)、ブラウン(クエンティン・タランティーノ)とコードネームを付けられた男たちによって強盗は実行された。しかし計画は失敗し男たちは逃走を余儀無くされる。誰かが裏切り警察に通じている疑いを抱いた男たちは、互いに銃を突きつけ合うことになるのだった。

 複雑に入り組んだプロットや激しいバイオレンス描写、日本映画への深い造詣でフィルムメーカーとして独自の地歩を築いた人物、クエンティン・タランティーノ。自身が引退作と表明している作品「The Movie Critic」を準備中の同氏の初監督作がこの「レザボア・ドッグス」です。当時から若手製作者を積極的に支援していたハーヴェイ・カイテルによって見出され、1992年に製作されました。初公開から30周年を記念して先頃4Kリマスター版が製作され、久しぶりにスクリーンにお披露目されました。タランティーノ作品はそれなりに観ているのですが、これを観るのは今回の再上映が初めてだったりします。

 ひと言で言って才気煥発というか、「俺を観ろ!俺の映画を観ろ!」という叫びが聞こえてきそうな一本です。ようやくチャンスが巡ってきた監督のたぎるような情熱が見えてくるよう。
 登場人物の耳が切り落とされると言った残酷な暴力描写(カンヌ国際映画祭では上映前に観客に注意を促すメッセージが映し出されたと聞きます)と、本筋と無関係の様々なパロディや引用を織り交ぜた会話が延々と続く手法が初監督作にして既に十二分に盛り込まれています。また、一見無軌道に見えながらも緻密に組み上げられた時間構成と人間描写がスタイリッシュに付けられた劇中曲と共に展開し、この時点でクエンティン・タランティーノ特有のスタイルは出来上がっていたのだと強烈に印象付けてくれる作品です。後の作品は多くが150分前後の長尺になる中にあって100分というスマートな時間に収まっている点や、映画の大半は逃走場所として出てくる倉庫の中で展開し、舞台劇のような雰囲気を持っているのもポイント。
 ごく限られたロケーションだけで展開するのは低予算だから、と言うのも大きいように見えます。製作費90万ドルというのはかなりのローバジェットで俳優の多くは私服で出演したなど、なかなかにギリギリな話も聞きますね。

 まだまだ粗削りなところも多いのですが当時から既にカルト的な人気を勝ち得ていたのも頷ける逸品。ブライアン・シンガー監督の「ユージュアル・サスペクツ」と並び1990年代を代表するインディペンデント映画の一つとも言えるでしょう。劇場上映はそろそろ終了ですが、鑑賞するだけならAmazonプライムなどで配信もされています。独特なリズム感のダベりの面白さをどうぞご堪能あれ。

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