ちゅうカラぶろぐ


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こんばんは、小島@監督です。
 週末、本当に夢のような2日間を過ごして来ました。やたらと重い腕と足、そして迂闊に寝落ちすると終点まで寝込んだしまいそうだからカフェイン強めのお茶を飲みつつ新幹線の中でこの文章を書いているこの状況が、その時間が夢ではなかったことの証明です。

 そう、この11日12日と東京ドームで開催された「 THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!!!! 2023」 を観てきました。アイドルマスター5ブランドが一堂に介しての合同ライブです。今回はもう私としても久しぶりにがっつり両日現地参戦。
 配信コンテンツやバンナムフェスでブランド合同は過去にもあったものの、アイドルマスターの単独イベントでは初めて。そして今回は開催1週間前に声出しでの応援が解禁となり、3年ぶりにコールを入れられるライブとなりました。出演者の中にはこの3年の間にアイマスに加わった者もおり、というか声優としてのデビューがこの期間中という方もいましたのでその方にとってはもしかして初めて浴びる歓声だったのではないかという気もします。

 ライブは「THE IDOLM@STER」「Glow map」など各ブランドを代表する全体曲をショートメドレーで繋ぐことから始まりました。で、長くライブを観てきていても、今まで流石にそれは無かった「開幕1曲目から落涙」という経験を、今回初めてやってしまいました。いや〜声出せるって良いですね(笑)!声援を受けて明らかにハイになっている出演者もおり、声援がパフォーマンスを一段上に引き上げる様を久しぶりに観れました。
 
 ライブの開催が発表された際に、作中のユニット主体で出演者が紹介されていたので一種の対バン形式でのライブイベントになるのかと当初思っていたのですが、序盤からコラボレーションをこれでもかと突っ込んでくるアベンジャーズかスパロボみたいなストロングスタイル。今やキャラクターが300人以上いるアイマスですので「この曲をこの人とその人が組んで歌ったら面白いだろうな」とは多くの方が一度は思ったに違い無いのですが、それをとにかく大量投入してきて、その様はさながら総火演か何かのよう。選曲もそれを歌う人選もキャラクターや演じる声優の特性、ストーリー性なども良く吟味されていて、こんなに隙の無いライブはあまりお目に掛かったことがありません。イケボな女性声優集めて「MOONNIGHTのせいにして」とか青い歌姫揃えて「DYE THE SKY」とかツンデレだけ並べて「ラ♡ブ♡リ」とか観たかったに決まっとろうが!ありがとう!!

 ライブの方向性を端的に示してくれたのがDay1序盤に披露された「ミリオンライブ」のユニット「Clearsky」と「シャイニーカラーズ」のユニット「ノクチル」がコラボしての「Shihy smile」。どちらも青春の淡さを備えたユニットを組ませて、駆け出すような思春期の心情を歌うこの曲をあてがうセンスの妙に唸りました。
 新曲や鉄板な定番曲よりむしろその日出演していない人やユニットの持ち歌が多く投入されているのも特徴で、予想外と予想以上がバンバン来る心地良さもありましたね。

 今回マジで1曲1曲噛み砕いて語りたいくらいなのですが、それをやるといくら何でも文字数がおかしな事になるのでまたの機会に。
 コロナ禍が始まり、ライブそのものができなくなった2020年に15周年を迎えたアイドルマスター。その際に企画されていたことの多くは中止・延期を余儀なくされ、運営側もファンの側も試行錯誤を繰り返し、ようやく不自由さと折り合いをつけながら進む道を見つけた。皆が皆いつか来る「その日」を思いながら。その果てにこの2日間が待っていました。遠回りした時間はきっと無駄では無かった。そしてここはまだ終わりではなく通過点だと言えるのも嬉しい。
 きっと、ここからまた始まるのです。ただ今はまだこの余韻を噛み締めていよう。腕もまだ重いしね。

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さあ、コロナ禍での休止から再開して、もうすぐ2度目の歌会です。
また参加確認の電話をさせていただきますので応対願います。

前回、約1年ぶりの参加確認でしたが、ここまでブランクがあると、
さすがにちょっとキョドった私がいたのかもしれませんね。
メンバーが電話にでると、いちいちちょっと緊張しましたものね。

あれだけ以前は歌会を重ねて、ゲームをしながらでも話せたのに、
今さら緊張するなんで、ちょっと情けなかったりしていました。

そして歌会でも、進行の仕方をちょっと?かなり忘れていて、
また慣れるまでは数回の歌会を重ねないといけませんね。

次回の歌会では、もっとスムーズに進行できたらと思います。



さて、週末に東京は武蔵野の森総合スポーツプラザという場所に、
『Aquar』のライブがあり駆けつけました。うん、またラブライブ。
そして、ついに声出しの公演となり、やっぱり迫力が違いましたね。

しかし、ここ一年間はやたらと遠征してしまっているのですが、
歌会も始まったことだし自重するべきではと思う今日この頃。

遠征すれば交通費や宿泊費だってバカにならないのですが、
やっぱりこういうのに友人と行くのは楽しかったりしますよね。

ライブそのもののちょっとした非日常感はさることながら、
その後の友人との夕食なども、遠征したからこその楽しみです。

そしてまさに今日、東京から新幹線で帰るときのことでした。

私の乗っていた新幹線が定時刻に発車し動き出そうとすると、
1~2メートルは動いたくらいで急ブレーキがかかりました。

乗っている私が軽く前に放り出されそうな感じだったのですが、
電車でこれほどの急ブレーキを感じることは初めてでした。

どうやら発車直後にホームの非常停止ボタンが押されたらしく、
それで新幹線が止まってしまったとのアナウンスが流れました。
誰がなんのためにそんなことをやったかは分かりません。

窓から外を見るとホームをあわただしく走り回る駅員が数人。
そしてホームの全線に新幹線が待機の状態になっているようです。

その後、安全確認のためということで10分程の遅れとなりました。
自分の乗る電車が遅延の原因になるなんて初めての体験でした。

結局、最後までなぜそうなったのかは分かりませんでしたが、
自分が感心したのは、その後の新幹線の運行状況でした。

たった10分でも、たった1本でも運行がずれてしまうことがあれば、
すべての電車の運行を調整しなければならないですよね。

それを遅れながらもしっかり修正して、全車両を運行するのは、
本当に神がかった仕事なのではないかと思いました。

そしてその修正の一部でしょう、私の乗った名古屋到着の新幹線は、
本来停まるはずだったホームではないところに停まったようです。
そういう細かい修正を臨機応変に対応しているのでしょうね。

電車が遅れて駅員にキレている人をみることがありますが、
そういう人は遅延に対応する人の気持ちはわからないのでしょうね。

そんなバカは乗らなくていいからさっさと歩いて帰れと思います。

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行動規制緩和の波がアイマスにも。今週末開催のライブから遂に声出しが解禁となり3年ぶりにコール入れられる現場が帰って来ます。OK OK、今からでも腹筋鍛えにかからなくてはなりませんな。

 こんばんは、小島@監督です。
 コールの入れ方忘れていそうでそれだけちょっと心配(笑)

 さて、今回の映画は「キラーカブトガニ」です。

 カリフォルニア州の海辺の街のビーチで奇妙な事件が起こった。何かに体を食い荒らされた鯨の死体が流れ着いたのだ。更には白骨化した人間までも発見された。しかも街の一角でカブトガニに顔を食いちぎられるという事件まで発生し街はパニックに陥る。
 下半身が不自由で車椅子生活を送る高校生フィル(ディラン・ライリー・スナイダー)はどうにかして歩きたいと悪戦苦闘の日々を送っていた。プロムの夜、フィルはガールフレンドのマディ(アリー・ジェニングス)や兄のハンター(ブライス・ダーフィー)、留学生のラドゥ(チェイス・パジェット)たちともども狂暴化したカブトガニの襲撃に立ち向かうことになる。

 サメとかピラニアとかいろいろやってくる海から、意外と今まで無かったカブトガニが襲来する映画が登場です。監督はこれが長編デビュー作となるピアース・ベロルツハイマー。ピアース監督は脚本、製作も一手に担い、6年がかりで完成にこぎつけたそうです。「エイリアン」のフェイスハガーのような動きで人間に襲い掛かる小型カブトガニが脱皮を繰り返し人間サイズになり、更にそれ以上の巨体に成長する個体まで登場します。

 物語もVFXも緩く、言ってしまえばB級どころかC級に類する作品ですが、それで吐いて捨てるにはちょっと惜しい「何か」を感じさせる映画です。チープなCG主体だろうと思っていたらパペットやスーツアクト主体というアナログ色の強い画面と言い、ホラーコメディを基調にモンスターパニックから怪獣特撮へとシフトチェンジする展開と言い馬鹿馬鹿しいのに何だか妙に心惹かれるものがあります。
 こんな作品だと言うのに足の動かなかったり発達障害と思しきキャラクターがサラッとメインを張っており、ハンディキャップのある人を腫物のように扱わない姿勢は日本の作品ではあまり見かけないので興味深いところでもありますね。

 更に面白いことに、この映画、日本の特撮へのリスペクトが強く感じられるのも特徴です。クライマックスの展開はそんな日本へのラブコールのようにも見えるのが微笑ましい。
 「シャークネード」や「ダブルヘッドシャーク」などサメ映画がジャンルとして先鋭化していった背景には日本市場からのニーズが無視できなかったとどこかで聞いたことがありますが、こういうのを観ていると何となくそれも実感できてしまいます。
 日本の特撮が好き過ぎていつか自分で作ってみたかった海の向こうの映画少年な作り手と、そういうのを受け入れてしまえる日本のファンの一種の共犯関係を楽しむ映画と言えるでしょう。

 はっきり言ってゲテモノなので毒にも薬にもならぬものを楽しめるタイプでない方には一切観る必要の無い映画です。こういう珍品映画をたま~に観たくなってしまう方だけどうぞ。

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私の家の近くにある『TSUTAYA』が閉店してしまうそうです。

出来たばかりの時は『スターバックス』などもあったりと、
朝方まで営業していたり、そんなお店も少ない地域なので、
いつも車を停めるにも苦労するくらい人気の店でした。

それでもやっぱりCDやDVD、本などはネット配信が進み、
目に見えて客の数も減っているなあと思っていました。

開店当時から、かなりお世話になっていたお店だったので、
Amazonなどでなくていいものは、ここで買ったりしていました。
当然、私一人がこんなことをしてもしょうがないのですけどね。

やっぱりいつも通っていたお店が無くなるのは寂しいですね。



さて、歌会で選曲時にカードへ記入をする筆記具として、
みなさんには消えるボールペンを準備していますよね。

以前は普通の消えないボールペンを準備していましたが、
消えるボールペンに気が付いてから、すぐ変更しました。
やっぱりこの消えるボールペンって便利なんですよね。

みんな人間ですもの、書き間違いなんて当たり前です。

消えないボールペンで記入して間違えたりすると、
取り消し線(横棒)を引いたり、新しい紙で書き直したりと、
見苦しかったり、全部書き直しが面倒くさかったりします。

書き直しをしたいなら、鉛筆やシャープペンシルですが、
これはこれで消しゴムがいるので面倒くさいですよね。
そして消しゴムはカスがでるので、またそれも鬱陶しい。

しかしこの消えるボールペンだと、最初から本体に付属し、
またカスもでないので、もう完璧だと思いませんか。

と、思っていたのですが、先日は消えないボールペンを、
久しぶりに使ってみたところ、これがすごい驚きでした。

めっちゃ書き味がスムーズで気持ちがいいんですよね。

消えるボールペンのメリットって大変すごいのですが、
実は書き味を結構犠牲にしていたんだと感じましたね。

最初は消しゴム無く消えるメリットがあまりに便利すぎて、
書き味などは全然意識していなかったのですが、
今になって改めて、使ってみるとこの書き味が気持ちいい。
そしてインクの黒の発色もハッキリしてていいんですよね。

会社でも消えるボールペンをいつも持っていたのですが、
今では消えないボールペンもセットで持つようになりました。

ところで消えるボールペンって消しゴムでこすってみても、
意外となかなか消えないんですよね。なんかあるのかな?

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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした!
実に1年ぶりというブランクに、慣らし運転のような感じで行こうかと思っていたらそんなに甘くなかったというか、あんなにがっつり歌い込むことになろうとは。ハードなリハビリだぜ(笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 とは言え今度こそ以前の様な定期開催ができる日々が戻って来て欲しいですね。もちろん私も来月も行く気満々ですよ。

 さて、今回の映画は「ほの蒼き瞳」です。

 1830年冬、ニューヨーク州ウエストポイントの陸軍士官学校で一人の士官候補生が遺体となって発見された。心臓がくりぬかれたその異様な遺体の噂が広まることで学校の体面に傷が付くことを恐れた士官学校の幹部たちは、引退して隠棲していた地元の元刑事オーガスタス・ランドー(クリスチャン・ベール)に秘かにコンタクトを取り、事件の調査を依頼する。調査を進める中でランドーは詩をこよなく愛する風変わりな士官候補生エドガー・アラン・ポー(ハリー・メリング)と出会い、捜査の協力を求めるが。

 「ファーナス 訣別の朝」など硬派なクライム・ドラマを得意とする監督スコット・クーパーと名優クリスチャン・ベール、これで3度目のタッグとなる今作はルイス・ベイヤードの出世作となった「陸軍士官学校の死」を原作にした、実在の人物も織り交ぜながら展開するノワール・サスペンス映画です。雪の降り積もる冬、闇夜と霧が立ち込めどこかモノトーンの陰鬱で静謐な画面とともに重厚な物語が綴られます。
 昨年12月に一部劇場で先行公開されたのち、現在はNetflixで配信されています。公開時にタイミングを掴めず今回配信で観ましたが、こちらも慣れてきてしまっているとは言えこのクラスの作品でも劇場公開より配信が基本フォーマットという昨今の潮流には驚きを禁じ得ませんね。

 今作でのクリスチャン・ベールは引退した元刑事ランドー、更には妻とは死別し一人娘も失踪していなくなってしまい失意と厭世の日々を送る人物です。ただそこはクリスチャン・ベール、当然只者ではありません。くたびれきった風貌ながら、刑事としての力量は確か。しかしそれ以上に闇も抱えている人物を強烈な説得力を以って演じています。
 そんなランドーとコンビを組むことになるのはエドガー・アラン・ポー。言わずと知れたゴシックとホラー、そして推理小説の先駆的人物です。残っている写真を見ると細面なので体が弱いような印象を受けていましたが、実際は陸軍士官学校に在籍していた(ただし規則違反で退学になってる)ことを思えば虚弱体質などではなかったに違いありません。この映画でもポーは繊細な心情の持ち主でありつつも割とタフな一面が描かれたりしており、ランドーとポー、凸凹というには緊張感のあるコンビが物語を牽引します。ポーを演じるハリー・メリングの演技も素晴らしく、クリスチャン・ベールとのハイレベルな演技のぶつかり合いはこの映画を形作る重要なファクターです。
 ところでポーの晩年に近い時期の著作に「ランダーの別荘」という作品があり、今作の主人公もランドー(訳し方の違いだけで綴りは同じ)という名ですし、探せばポーの著作に因んだ小ネタがもっと忍んでいるかもしれません。

 非常によく練られたミステリーで、物語は最後まで予断を許しません。最後に訪れる結末の苦い余韻はなかなかです。渋みのある作品を味わいたい時には打ってつけです。ただやっぱりこういう作品はスクリーンで観たいですね。自宅だとどうしても邪魔が入ったりしますし。

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本日、1年ぶりの歌会に参加いただいた方、お疲れ様でした。

久しぶりの歌会すぎて、どんな進行を今までしていたのか、
全然思い出せず、探り探りでじれったくて申し訳ありません。

でも、それはそれで長く休んでいた会の再開を感じられて、
そのじれったい自分がちょっと楽しかったりしました。

それでもやっぱり、スムーズな進行は必要かなと思い、
歌会当日の流れはどこかにメモっておこうかなと思いました。

そう思うと、私が3年前の歌会開始前に病院に運ばれた後、
私不在で、歌会の進行を無事やりとげたスタッフって、
よく頑張ったなと、今更になって感心している次第です。

さあ歌会のお休みも終わり、これからは毎月開催していきます。
そんな再開した『中部からの歌声』をよろしくお願いします。



さて、前回のブログでネット記事の見出しに釣られることで、
ついその記事を見に行ってしまうという事を書きました。

もう釣られてなるものかと思ってはいるのですが、
やっぱり見出しにサラっと釣られるのは治らないみたいで。

【衝撃画像】プロレスで過去最悪の事故、胴体切断で選手死亡・・・

ネットで上記のようなタイトルを見つけたので、思わずクリック。
プロレス好きなので、気になってしょうがありませんでした。

アントニオ猪木やジャイアント馬場が全盛の時に比べると、
最近のプロレスは段違いに、派手で豪快な技が増えてきました。

近年のプロレスは昔と違って、大変スピーディーになり、
また技も相手を頭から落としたり、高難度な飛び技などと、
とにかく派手で破壊力のありそうなものばかりです。

見る人を飽きさせないよう、進化と言えば聞こえはいいですが、
正直、ちょっと無茶ではというようなことをする傾向にあります。

ですからやっぱり事故も多く、亡くなったレスラーも多いです。

そして『衝撃画像』、しかも胴体切断と言うからには、
またやりすぎでしまったかと、かなり怖い見出しですよね。

プロレスというエンターテイメントでそこまでするのか思いつつ、
その結果がこの胴体切断なのかとそのページをみると・・・

ブロッケンマンにラーメンマンがキャメルクラッチを決める画像が。

ざっけんな!!!(でも漫画で良かった)

いや、まあね。ちょっと考えれば分かりそうなものでしたが、
なんかそこまで頭が回っていなかったんですよね。

キン肉マン画像に釣られた自分がちょっと情けなかった私でした。

衝撃画像

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なにぶん不調の源がメンタルなので、復職したとはいえ良くなってるかどうかの感覚がイマイチ分からなかったのですが、思いがけないところで調子が戻りつつあることの実感を掴めました。
 読書ができるようになってきたのです。ここ数か月まともに「本を読む」ことができず、文章を読んでいてもただ文字の流れを目で追っているだけで内容がまるで頭に入ってこなかったのですが、ようやく「読める」ようになってきました。まだ調子良かった時ほどのスピードでとはいかないものの、やっと小説を楽しめる感覚が戻ってきて嬉しい限り。

 こんばんは、小島@監督です。
 このままいろいろ順調に戻ってくると良いのですが。

 さて、今回の映画は「SHE SAID その名を暴け」です。

 2017年、ニューヨークタイムズの調査報道記者ジョディ(ゾーイ・カザン)は、ハリウッド女優のローズ・マッゴーワンが著名な映画プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタインから性暴力を受けたという情報を掴み、彼女へのインタビューを開始した。しかし、マッゴーワンは事実を認めるもののキャリアへの悪影響を恐れて記事に実名を出すことは拒否された。
 ジョディは産休から復帰したミーガン(キャリー・マリガン)と共にワインスタインの過去を調べ始める。数十年に及ぶワインスタインの性暴力についての情報を掴む2人だが、示談で被害者に金銭を掴ませるとともに秘密保持条項を結ばせることで沈黙を強いるワインスタインの方策と、それを長年許してきた業界の隠蔽構造に調査は難航する。

 2017年にニューヨークタイムズが発表し、社会現象を巻き起こしたと言っていい一つの記事。「恋におちたシェイクスピア」や「ロード・オブ・ザ・リング」などをプロデュースし、映画製作会社「ミラマックス」を成功させたハリウッドの重鎮ハーヴェイ・ワインスタインの性暴力を告発したその記事は映画業界を超えて性犯罪の被害の告白を促し、いわゆる「♯MeToo運動」を加速させることへと繋がりました。その調査報道を手掛けたジャーナリスト、ジョディ・カンターとミーガン・トゥーイーの2人が如何にして記事を書き上げるに至ったかを描き上げるノンフィクション・ドラマです。
 その出自、その内容からして映画化するのは必然とも言える題材に挑んだのはユダヤ教超正統派コミュニティから脱出した女性を描いたNetflixのミニシリーズ「アンオーソドックス」で高い評価を得たマリア・シュラーダー。題材が題材なだけに主要スタッフの大半を女性が占めているのも大きな特徴でしょう。また、ブラッド・ピットが製作の一人に名を連ねています。彼が率いる「プランBエンターテインメント」は「それでも夜は明ける」「マネー・ショート」など実話ベースの映画化に定評があるプロダクションで、この題材を見出すのもある意味必然と言えますね。

 センセーショナルとは言えデリケートそのものの題材に、極めて真摯に繊細にアプローチされた作品です。物語は過剰にドラマチックにはならず、基本は2人のジャーナリストの地道な証拠集めが物語の大半を占めます。一見淡々とすら映る展開ですが、それがむしろスパイもののような緊張感を作り上げています。
 性暴力についての物語ではありますが、直接的な描写は一切登場しません。この映画は理不尽な暴力に声を上げた女性の勇気をこそ讃えるべきものであり、そんなシーンを直接描くことに意味は無いと作り手側が悉知している様が伺えます。作中には敢えて実名どころか自身が本人役で出演している方もおり、その勇気には敬服の念を抱かずにはおきません。ただ「証拠」となるテープの音声の一つが作中そのまま登場します。それだけでも充分事態の醜悪さは分かるはずです。

 やがて2人はただワインスタインのみではなく、秘密保持条項付きの示談、それを認める法律、それによりかかる業界の隠蔽体質など被害者に沈黙を強いるシステムにこそ悪の根源を見出します。このシステムの中では女性が必ずしも女性の味方をするとは限りません。ワインスタインに与する者たちの中には女性もいるという根深さ。
 興味深いのは、ワインスタインだけでなく、作中でもわずかに触れられるFOXテレビのCEOロジャー・エイルズと人気司会者のビル・オライリーがセクハラで告発され失脚した事件(これはこれで「スキャンダル」というタイトルで映画化されている)も共にトランプ氏の大統領選挙当選が発端になっている点です。ミソジニーとマッチョイズムの根深さが顕在化し時代が揺り戻しされると女性の意識にある種の危機感をもたらしたのでしょうか。

 2人のジャーナリストの奮闘による小さな流れはやがて暴流となって社会を突き動かすに至りました。ハリウッド映画では現在、性的なシーンの撮影をサポートするインティマシー・コーディネーターの導入が必須となったのもその一つ。一方で保守層が強い州では人工中絶を求めるデモが今も行われている事も地続きです。これは決して終わった話を回顧するのではなく現在進行形の事象をつまびらかにした作品と言えるでしょう。「今」だからこそ見るべき価値のある作品です。
 しかし、こういう調査報道をテーマにした作品は昔からハリウッドの王道の一つとも言えますが、日本ではほとんどそれが作られない寂しさもまるで合わせ鏡のように突き付けられてきます。いや、それ自体が日本の問題をある意味浮き彫りにしているかもしれませんが。

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