ちゅうカラぶろぐ


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「エヴァ新劇場版」の完結編の封切り日が遂に来年1月23日に決定。したのは良いのですが、待たされすぎて楽しみよりも先に「本当にその日に公開されるの!?」感が先に立ってしまうのが何とも(苦笑)。終わってしまところを観たくないような、でも一日も早く観たい謎のジレンマ。

 こんばんは、小島@監督です。
 そうは言いながら無論ちゃんと公開されたら即観に行きますとも。

 さて、今回の映画は「鬼滅の刃 無限列車編」です。

 炭治郎(声・花江夏樹)と善逸(声・下野紘)、伊之助(声・松岡禎丞)の3人は新たな任務を受け列車「無限」に乗り込んだ。そこには煉獄杏寿郎(声・日野聡)が先に乗り込んでいた。鬼殺隊の最高位の一人であり「炎柱」の位を持つ煉獄に、炭治郎は過日の戦いでかつて父より教わった「ヒノカミ神楽」が自身を救ったことへの疑問をぶつけるが、色よい回答は得られなかった。そんな折、車掌が検札に訪れる。切符にハサミが打たれたその直後、列車の中から鬼の気配がし始めた…

 最早「社会現象」と呼ぶに相応しいムーブメントを巻き起こしている「鬼滅の刃」は、どこか不思議な雰囲気の作品だなと思っています。これに匹敵する規模の流行を起こした直近の作品と言えば「進撃の巨人」あたりになるのでしょうが、壁に囲まれた街という閉塞感やそれすらも踏みにじるほどの理不尽を前になお刃のような眼を向けて立ち向かう人間たち、という辺りに流行や共感の源泉を見て取れる分ある意味で分かりやすかったのですが、そういう強いフックを最初から持ち得ていたタイプの作品ではありません。特に1,2巻辺りは原作を今読んでみてもかなり地味な部類に入るんじゃないかと思います。ただ冒頭から強く前面に出ていて、かつ炭治郎のモチベーションに大きく寄与しているのが「長男だから」というのは目を引きました。これまで少年バトル漫画ではクローズアップされてこなかった感覚ではないでしょうか。勤勉で責任感が強くそして何より人だけでなく鬼に対してすらその悲哀を掬いとる優しさを持つ少年、確実にこれまでの主人公像とは一線を画します。ある意味で現代的とは言えない思考感覚でもあるでしょう。顔の一部に痣のある炭治郎を筆頭に皆どこかしら「醜」を感じさせる部分を持っているちょっと癖のある和風のビジュアルと共にこの少し古風な感覚が物語を牽引しているのは興味深いところです。

 映画は原作の7~8巻の前半に相当する部分を映像化しています。ほぼ全く説明が入らずTVシリーズのラストシーンからそのまま地続きに始まるのでもしTVシリーズなり原作なりを知らないまま突っ込むと面食らうこと必至。その点注意が必要です。
 TVシリーズから高いクオリティを誇っていた作画は今作でも見事なもので、「最初から劇場版を意識して作られている」点で更にスケールとカロリーが大きくなっており、単純に観ていて楽しい作りになっています。
 またシナリオについても原作への理解度が非常に高いのが特徴です。鑑賞後に原作を読んでみましたがよほどちゃんと咀嚼しないとこういう風には料理し得ないであろうシーンのオンパレードで、原作からのファンも満足のいく出来栄えになっているんじゃないかと思います。つくづく「鬼滅の刃」はスタッフにもキャストにも恵まれた作品だと言えますね。

 何より初日だけで10億の興収を叩き出してみせる集客力は本物です。私は公開2日目となる一昨日に観に行きましたがミッドランドスクエアシネマだけで20回以上も上映されると言うのにそのほとんどが満席、それも席数制限をかけていない正真正銘の満席というのはもう長いこと見ていない光景です。この作品で「映画を初めてスクリーンで鑑賞する」なんて子ども達もきっといるかと思うとそれだけで嬉しくなります。暗く厳しい話しか聞かなかった今年の映画館で今度こそ起死回生となる1本が登場しました。もっと先へ、行けるところまで行って欲しい。そして映画館を救っておくれ。がんばれ長男。

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