ちゅうカラぶろぐ


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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
 今回は気が付けば気心の知れた仲間が集まって、気が付けば90年代のアニソン固めになる奇妙な流れに。十数年ぶりに歌ったり聞いたりした曲やそう言えば歌ったこと無いわコレみたいな曲ばかりでなかなか普段こうはならない流れを楽しみました。10代の時期に聴いてた曲たちって結構覚えてるものですね。

 こんばんは、小島@監督です。
 今回歌ってみようかと思って用意して来た曲はほとんどやらなかったのでそれは次回に持ち越し。

 さて、今回の映画は「M3GAN/ミーガン」です。

 両親を事故で喪い自身も心身共に傷を負った少女ケイディ(ヴァイオレット・マッグロウ)を、叔母のジェマ(アリソン・ウィリアムズ)は引き取った。ジェマはおもちゃメーカーに勤めるエンジニアだが、上司からの要望が厳しく多忙な日々を送っており心の傷が癒えないケイディと向き合う時間を取れずにいた。そこでジェマは開発中断中のアンドロイド「M3GAN(ミーガン)」(エイミー・ドナルド、声・ジェナ・デイヴィス)に密かに調整を施しケイディに与えることにした。優れた学習能力を持つミーガンは少しずつケイディの閉ざした心を解きほぐしていく。しかしジェマはミーガンに依存しつつあるケイディに危惧を抱いていた。

 AIや人工知能をモチーフに取った作品の歴史は古く「2001年宇宙の旅」のHAL9000や「鉄腕アトム」を思えばもう60年以上作り続けられていますが、発展著しい近年はいよいよリアリティを持って迫って来たと言えますね。
 「ハッピー・デス・デイ」や「ゲット・アウト」などホラーをメインに比較的ローバジェットながら野心的かつ創造的な作品を世に送り出し続けるプロダクション「ブラムハウス」を率いるジェイソン・ブラムと、「ワイルドスピード」や「アクアマン」など大作を手掛けながら折に触れホラーに帰ってくるジェームズ・ワンが「インシディアス」以来のタッグを組みプロデュースしたSFスリラー。監督はこれがハリウッドデビューとなるニュージーランドの俊英ジェラルド・ジョンストン。奇妙に踊りながら人を襲うシーンが予告編で公開されるや評判となったのでそれでご記憶の方もいらっしゃるでしょう。気になっていた作品なのですが公開終了目前でようやく機会を捕まえることができました。

 100分ちょっとという上映時間も含めて、明快なコンセプトと余剰の少ないスピーディーな構成で非常にスマートかつ洗練された作品です。
 ホラー以前にまずサイエンス・フィクションとして優れているのが良いですね。学習型AIが最優先のオーダーに最適解を求めるあまり倫理の壁を超えてしまうというだけでなく、ユーザー(ここではケイディ)と接する中で回答がユーザー好みに特化されていき、心の隙間に入り込んでしまいケイディはやがて依存するようになり実の家族であるジェマとの間で亀裂が生じるというところの「ありそう」と思わせてくれる生っぽい恐ろしさがあります。独り身でケイディを引き取るも仕事を優先してしまい子供のことをミーガン任せにしてしまうジェマにシングルマザーの苦悩や恐怖を見出すことも可能でしょう。

 そして何より恐怖も笑いも、この映画の感情の振れ幅を一手に引き受けるミーガンの突出したキャラクター性が最大の見どころ。可愛いと薄気味悪さが共存した不気味の谷の真ん中を行くようなデザインや、演じるエイミー・ドナルドの高い身体能力が遺憾無く発揮されたダンスやスタントの数々が実に目を引きます。
 正直これ1作で終わらせてしまうには勿体無いくらいに魅力的なキャラクターなので是非シリーズ化を検討して欲しいところですね。何なら「チャイルドプレイ」のチャッキーとかエスターとかとクロスオーバーしてガチンコファイトするようなのも観てみたい。

 終盤はエンタメに振り切っていくものの急速に発展を続けるAIというものに思い巡らせるには格好の一本です。AIによる自動生成で脚本も映像も作れてしまい自身の仕事が脅かされることへの危惧も理由の1つとしてハリウッドでは今俳優組合と脚本家組合がストライキを起こしている只中を思えば恐らく作り手の思惑以上にタイムリーなトピックとなりました。
 もっと早めに観てご紹介できれば良かったのですが(笑)、公開中に観れただけ良しとしましょう。

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