ちゅうカラぶろぐ


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先日「アイドルマスター シンデレラガールズ」に鳴り物入りで新登場した2人のアイドルがファンの間で賛否両論。個人的には7年続いて10周年も視野に入れようかという時期にテコ入れして波紋を投げかけるのは変に小さくまとまらないためにも必要と思うのでその采配に特に気にならなかったのですが、そうして出てきた2人のキャラが金髪紅眼で刹那的な吸血鬼の末裔(自称)とその従者である黒髪ショートで無愛想な少女という十数年前のギャルゲーのヒロインテイスト全開でむしろそっちに変な笑いが出ました。自分も良く買っていたしこの手のジャンルが一番売れていたという1990年代終盤~2000年代前半にはこんな感じのキャラクター、良くいたような気がします。

 こんばんは、小島@監督です。
 2人の歌う楽曲も今のところキャラ優先で少し浮いたような感じですが、世界観の懐が異様に深いデレマスの事、その内に馴染んでいくんじゃないかな。ライブイベントでどのようなお披露目になるのかも少し楽しみ。

 さて、今回の映画は「アリータ:バトルエンジェル」です。

 「没落戦争(ザ・フォール)」と呼ばれる戦争より300年、世界は空中都市「ザレム」とザレムから排出された廃棄物が山となるほど堆積している屑鉄の街「アイアンシティ」、支配者と被支配者の二つの世界に分断されていた。
 アイアンシティでサイボーグたちのメンテナンスを生業とするサイバー医師のイド(クリストフ・ヴァルツ)は、屑鉄の山を物色中にボロボロに壊れた少女の頭部を発見する。奇跡的に脳が無事であることに気づいたイドは少女にボディーを与えアリータ(ローサ・サラザール)と名付けた。
 イドの元で暮らし始めたアリータはパーツ屋の青年ヒューゴ(キーアン・ジョンソン)たちとも交流を持つようになり穏やかな日々を過ごすが、ある日、女性だけを狙う連続殺人犯であるサイボーグと遭遇した事で自身の中に高い戦闘能力が宿っている事を知る。それがアリータの過酷な戦いの始まりのであった…

 木城ゆきとのSFコミック「銃夢」の映画化権をジェームズ・キャメロンが獲得したというニュースが走ったのはもう20年近く前になります。私と同じくらいの世代でそこそこ年季の入ったアニメ・マンガファンにとっては当時結構大きなニュースであり、記憶に残っている方も多いことでしょう。ですがその後ほとんど続報が出ず、ハリウッドに良くある塩漬けにされてそのまま消え去る企画の一つに埋没してしまったのかと思いきや、今になって遂に実現。長生きはするものです。もっともジェームズ・キャメロンは監督はせずに脚本と製作を担い監督は「シン・シティ」や「プレデターズ」などを手掛けたロバート・ロドリゲスが担っています。実はジェームズ・キャメロンが原作付きの脚本を書くのは長いキャリアの中でコレが初めて。それだけ原作に惚れ込んでいるのが分ります。

 率直に言ってジェームズ・キャメロンもロバート・ロドリゲスも原作の「銃夢」が大好きなんだなとそのリスペクトぶりがとても良く分かる楽しい映画です。確かに設定はいくつもアレンジしていますし、ところどころ人物の感情描写が散漫だったりもしますが何より世界観の確固たる構築ぶりは原作への理解無しでは不可能でしょう。

 主人公アリータをフルCGで作り上げる今作の映像スタイル、キービジュアルだけを見た場合少々違和感を覚えた方も多いかとは思いますが、物語が動き出すと途端にそれは消え去り、むしろ可愛いとすら思えてきます。意図的に目を大きめにしたビジュアルはそれ自体が日本のコミックへのリスペクトであり、同時にアリータが世界の中である種の「異物」であることを視覚的に訴えてくれるため、極めて合理的で見事なセンスしています。更にアリータが駆け回ることになるアイアンシティのビジュアルも含めて映像世界の完成ぶりが素晴らしく、私が観たのは2D版ですがIMAX3D版などで観るのも楽しいハズです。企画が塩漬けになっている間にキャメロンは「アバター」を手掛けてCG技術が飛躍的に向上したのも大きな要因になったでしょう。10年前や15年前ではこうはいかなかったはずで、長い雌伏の時間を待たされただけの甲斐はあったと言えるでしょう。
 また、ロドリゲス一流の腕やら首やらスパンスパン飛ぶアクションシーンが今作でも展開しますが基本的にそれは皆サイボーグということでレーティングの指定が入っていないのは何だか可笑しくちょっとフフッとなります。

 直情的で喧嘩っ早いけど純粋なアリータのキャラクター造形は実に可愛らしいと同時にその躍動的なバトルシーン、自身の力で運命と未来を切り拓いていく姿はまさに「ターミネーター」のサラ・コナーや「ダークエンジェル」のマックスなどジェームズ・キャメロンが描き出してきたバトルヒロインたちの系譜に連なるに間違いなく、そのキュートさも含めてある意味で集大成とも言える出来映えになっています。

 画面の隅々まで神経の行き届いたこれぞハリウッドとでも言うべきエンターテインメント。こういうのはスクリーンで楽しんで何ぼのタイプの作品です。原作好きな方も良くは知らないよという方も、日本が生んだコミックが一流のクリエイターの手でどのような映像世界へと構築されたのか、どうぞその目で確かめてみてください。

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