ちゅうカラぶろぐ


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ある意味これも「ウマ娘」の影響と言って間違い無いのですが、G1レースだけたまに馬券を買って観るようになりました。毎回じゃないのは単に土日がスケジュール的に買いに行く暇が無いことも多いからで、買ってもせいぜい500円くらいの本当に気楽な遊びという程度。
 買うようになって日が浅いのでどこら辺を見て予想立てるべきかまだ分かるような分からないような感じで大抵は当たりませんが、昨日の天皇賞(秋)では初めて3連複を当てることができてこれがなかなか嬉しい。倍率は20倍ちょっとなので大したことはないのですけれど。

 こんばんは、小島@監督です。
 しかし昨日のイクイノックスのあまりの強さにはさすがに観てて震えました。しかも2,000mレースのワールドレコードだとか。とんでもない馬がいたものです。

 さて、今回の映画は「シン・ゴジラ:オルソ」です。
 今回は粗筋については割愛します。

 「色彩」がもたらす情報量は自分たちが思っているより遥かに多い。それを削ぎ落とした時、見えるものが大きく変わります。
 2016年に公開された庵野秀明監督の傑作「シン・ゴジラ」、11月3日に「ゴジラー⒈0」が公開されるのに合わせてモノクロ版が製作され全国で僅か7館、それも3日間だけのごく限定的なものながらスクリーン上映されました。
 タイトルの「オルソ」とはオルソクロマチックフィルム(青と緑の色調にのみ反応し赤色に対して感度を持たないフィルム)のことだそうです。映像を観た感覚では単に色彩を落としただけではなく陰影を強調しているような印象でした。「オルソ」はモノクロ化に当たっての方針のようなものでしょう。また今年11月30日を以て事業終了を決定している東京現像所がDCP(デジタルシネマパッケージ)を手掛けた最後の作品となりました。

 もともとカラーだった映像をモノクロにする、というのがどの映画にもハマるものではありませんが、こと「シン・ゴジラ」に至っては驚くほどにマッチし作品が「何を見せたいか」が鮮明に浮き彫りになりました。
 まずゴジラ第二形態(いわゆる「蒲田くん」と俗称されるアレ)や終盤の「在来線爆弾」などCG臭さが抜けなかった箇所で画面に統一感が生まれている上、どことなくスーツアクトやミニチュアワークを見ているような質感になり往年の「東宝特撮映画」的テイストが割増になっています。何よりゴジラが熱線を吐き首都を焼き払うあのシーンの恐ろしさの際立ちは特筆もの。
 人物についても陰影を強調した画面は特にクローズアップでの緊張感を増幅させていて、会議の場面が多い本編と絶妙な親和性を生み出しています。雰囲気としては岡本喜八監督の名作「日本のいちばん長い日」に近い印象。観ていて思った以上にセリフを集中して聴いている自分に気付いたのも発見でした。色彩が無くなったぶん、脳のリソースに余裕ができたんでしょうか。

 映像が全体的にクラシックな風格を持ち得たことは音声面でも好影響を与えており、劇中で使われている伊福部昭の音楽やもともと最近の映画にしては3.1chとチャンネルが少なく、外に広がるというより内に閉じていくような音響設計とも相性が良くなっていて、総じて作品そのものの純度が上がった格好です。
 何度も観ていて慣れているはずの映画を実に新鮮な気分で楽しむことができました。

 2016年当時、封切りから少し遅れてIMAX版も公開されていてそれも観に行っているのですが、正直なところ画面も音響もIMAXのハイスペックさを持て余しているような印象でこう言っては何ですが「ただ追加料金を払って普段より大きなスクリーンで観た」以外の付加価値を感じられなかったのですが、今回のモノクロ版はむしろこの映画に必要なのは引き算だったと実感させてくれる稀有な映像体験でした。

 せっかくの代物なのに公開規模が小さ過ぎるのがホント勿体無い。いずれBlu-rayや配信で観られる機会もできると思いますが、その時は是非その目で確かめていただきたいですね。

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