ちゅうカラぶろぐ


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昨日一昨日と両国国技館で開催されていた「THE IDOLM@STER SHINY COLORS Xmas Party -Silent night-」を配信で観ていました。歌ありトークありの内容がどうとかはさて置き極めて印象的だったのがカメラアングル。立って応援しているファンとほぼ同じ高さ。つまり早い話が出演者が歌っている時ファンの後頭部が邪魔をしていてステージが良く見えないのです。実際現地で観ているとちょくちょく起きる現象ではあるのですが、まさか「基本最前列並み」の配信でこれを体験しようとは(笑)。さすがに運営スタッフもマズいと思ったのか、観客が座って鑑賞しているトークパートを終えてからの後半のライブパートではアングルを調整してだいぶ観易くなっていましたが。

 こんばんは、小島@監督です。
 いや~ある意味これまでにない臨場感でした。でもそこまで再現してくれなくて良いのよ(苦笑)

 さて、今回の映画は「ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ」です。

 不定形生物「シンビオート」のヴェノム(声・トム・ハーディ)に寄生され共生生活を送るフリーライターのエディ・ブロック(トム・ハーディ(2役))。「人間を食べない」という条件で共生しているが代用品のチョコレートやチキンばかりの生活に欲求不満が高まる一方のヴェノムにエディは手を焼いていた。そんなある日、死刑執行を控えた連続殺人鬼クレタス・キャサディ(ウディ・ハレルソン)からの申し出を受け取材に行ったエディは、そこでキャサディに手を嚙まれてしまう。その噛み傷を介してキャサディの体内に入ったヴェノムの細胞が、あろうことか死刑執行の際に使用された薬剤に反応し、新たなシンビオート「カーネイジ」が覚醒するのだった。

 「アベンジャーズ」を中心とした「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」がマーベル映画の本流なら同じマーベル原作ではあれどMCUとは距離を置いた独立したシリーズである「ヴェノム」は言わば傍流と言えるでしょう。ですがそうであるからこそできることもあります。進化と深化を重ねる一方で上映時間の長大化が止まらないMCUは11月公開の「エターナルズ」にしろ150分を超えるものも出てきていますが、この「ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ」は何と98分。何てスマート!
 そんな短めの上映時間も手伝って物語の筋立てもとってもシンプル。パッパッと状況が整ったらあとはヴェノムとカーネイジのモンスター同士がバトるだけ!登場人物も少なめでそれ故にキャラクターの掘り下げも存分にやって見せてくれます。前作が気に入っている方ならエディとヴェノムのダメなコンビの二人羽織というか夫婦漫才的なやり取りを観てるだけでも楽しいでしょう。
 
 そんな今作を手掛けたのはアンディ・サーキス。「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラム役や「猿の惑星:新世紀」のシーザー役などモーションアクターのトップランナーとして名高い人物ですが、これまでに2本監督もこなしており今回が3本目の長編作品になります。演じる側としてこれまで携わってきてその勘所は十分に掴んでいるのか、要所を締めて余剰を排した実に手堅く仕上げてきた印象です。
 VFXには十分すぎるくらい力が入っている一方で作品そのものからは重厚さに欠けた絶妙なB級感が漂います。だが、それが良い。この軽やかさと勢いが良い。往年の「木曜洋画劇場」的風格とでも言いましょうか。プログラムピクチャーというヤツはこういう感じで良いんですよ。

 ノー天気な本編を楽しんだ後に訪れる恒例のエンドクレジット映像での情報量に驚かされますが、否が応にも先々への期待が高まります。
 重厚な大作映画も良いけどお手軽ノー天気ボンクラ映画もたまには観たいという人にぴったり。気楽な気持ちで映画館へ足を運んでください。

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1年2か月ぶりの開催となった昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
 何人かは歌会以外でもお会いしたことがあったのですが、大多数は昨年10月以来。いやマジでお久しぶりです!初めましての方もいましたね!
 ほかの方の歌を聴いたり、即興でハモってみたりするのも久しぶり。始まってすぐは部屋に入るより再会した方たちと喋るのに意識が向いてしまってチョイと出遅れてしまいましたが(苦笑)、いや~楽しかった。

 こんばんは、小島@監督です。
 また前のように定期開催される日が戻ってくると嬉しいですね。

 さて、今回の映画は「エターナルズ」です。

 7000年前、宇宙の創造主セレスティアルズの命を受けて彼らは地球に降り立った。不死の種族「エターナルズ」、彼らの使命は知的生命体を捕食する怪物ディヴィアンツから人類を護ること。数千年にも渡る長い戦いの末にエターナルズはディヴィアンツを討ち果たすことに成功する。
 それから500年の時が流れ、現代。エターナルズのセルシ(ジェンマ・チャン)とスプライト(リア・マクヒュー)は正体を隠し人間社会に紛れて暮らしていた。普通の人間である恋人のデイン(キット・ハリントン)との関係に悩むセルシだったが、そんな彼女の前に滅びたはずのディヴィアンツが襲い掛かる。

 フェーズ4に入って以降新ヒーローが相次いで登場する「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」、新たに登場するのは不老不死の体を持ち歴史の陰で怪物と戦い続けた「エターナルズ」です。ある意味でこれまで築いたMCUの世界観を根底から覆す存在である彼らの物語を描くのは、今年「ノマドランド」でアカデミー賞を受賞した中国出身の女性監督クロエ・ジャオ。これほど作家性が強い監督の作品を同じ世界観の中に投入しようとしてしまう当たり、MCUも実に懐が深い。

 MCUならではの華々しさを宿しつつも、展開するのは強烈な作家の個性に裏打ちされた物語。数千年に渡るエターナルズの宇宙規模の戦いを現在と過去を行きつ戻りつしながら描いていくその圧倒的なスケール感はシリーズの中でも随一ではないでしょうか。どこか竹宮惠子の「地球へ…」や手塚治虫の「火の鳥」を彷彿とさせる物があります。
 白人・黒人・アジア系が混在しているだけでなく同性愛者や手話を言語とする者までいるダイバーシティぶりを見せるエターナルズの面々は、それ自体が現代アメリカの在り様が集約されたものと言えるでしょう。面白いのは外見こそ多様性に富んだ彼らエターナルズですが、皆が皆使命に縛られており、その命令によってしか動けないという点にあります。これまでMCUに登場してきたヒーローたちは能力や宿命に葛藤することはあっても基本的に自由意思で戦ってきていた事とは極めて対照的。非常に異質な存在を、しかし同じ世界観の中で共存させてしまえるのはひとえに10年以上シリーズを積み重ねて来たからこそ可能になった事とも言えますね。

 叙情性の強い作風のクロエ・ジャオ監督ですが、意外と言うか何というかアクション面でも割とアイディア豊富で、エンターテインメントな映画もものにできるところも魅せてくれます。と言うか作品の端々から滲み出て来る雰囲気を観るに監督は恐らくかなりのアメコミヒーローファンなのではないでしょうか。いや絶対に一度マーベル映画撮ってみたくて色々妄想膨らませたことがあるに違いないと思わせる匂いがします(笑)

 インド映画のパロディ的なシーンが盛り込まれたり今作でもアジア圏への目配せを怠らないMCUですが、皮肉な事にクロエ・ジャオ監督が公然と政府批判的な発言を行うためか、先のMCU作品である「シャン・チー」に引き続いてこの映画もまた中国で現在上映が禁止のままとなっています。サノスの脅威が世界を少しだけ近づけたMCUとは違い現実の断絶は少しずつ大きくなっている様に思います。
 作品自体もかなり異質である故か賛否両論となっていますがなるほどそうなるのも頷ける逸品ですが、ハマる人はその分のめり込めるタイプの作品でしょう。私は結構楽しめてしまいました。
 ところで公開延期が重なったこの1〜2年の遅れを取り戻そうとしているのは良いのですが、さすがに「エターナルズ」「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」のマーベル映画3ヶ月連続公開は忙しない。もうちょっとのんびりしてくれても良いのよ(苦笑)

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10月の終わりに受験した「ウィスキーエキスパート」試験の合格通知が届きました!これでソムリエに続いてお酒の専門資格が一つ増えました。採点評価を見るとギリギリの成績だったようですが合格は合格です(笑)特に試験前の1か月はボジョレー・ヌーヴォーの準備などで連日遅くまで残業していてまともに勉強できない日の方が多かった中でもどうにか結果を残せてホッとしています。
 私の勤め先は会社で取得を推奨している資格に合格すると資格手当が付くようになるだけではなく受験料など掛かった諸費用が経費扱いとなって戻ってくるという制度があり、昨年同じ試験に合格した人に聞いてみたら試験会場の大阪までの往復の交通費まで会社持ちにできるらしく物入りな年の瀬に結構な金額が戻ってくるのがとてもありがたい。

 こんばんは、小島@監督です。
 なお、試験に落ちた場合は全て実費。天と地の差が激し過ぎる(苦笑)

 さて、今回の映画は「ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトル・スター・ウォーズ))」です。

 のび太(声・小原乃梨子)はスネ夫(声・肝付兼太)の自主製作SF映画を手伝っている最中に大きな失敗をして追い出されてしまった。ドラえもん(声・大山のぶ代)に泣きついたのび太は、ドラえもんのひみつ道具としずか(声・野村道子)の協力を得ながらスネ夫たちとは別に映画を作ろうとする。その最中、しずかが持ってきたウサギのぬいぐるみが行方不明になってしまった。一方、出木杉(声・白川澄子)の協力を取り付け映画の製作を進めるスネ夫とジャイアン(声・たてかべ和也)は撮影したテープに奇妙なものが映り込んでいるのを発見する。
 その日の晩、のび太とドラえもんは自室で親指ほどの大きさの少年・パピ(声・潘恵子)と出会う。パピはピリカ星から来た異星人であり、独裁者の手から亡命してきたというのだ。

 1985年に「映画ドラえもん」シリーズの第6作として製作された作品です。今年に入ってリメイク版が製作されたもののコロナ禍を受けて来年春へと延期になっています。公開を控えての特別企画として期間限定でデジタルリマスター版がリバイバル上映されました。幼い頃に父親に連れられて観に行った映画を36年も経った後にもう一度スクリーンで観られる日が来ようとは、長生きはするものです。

 「スーパーマン」や「メトロポリス」「フランケンシュタインの怪物」など様々なSF映画のパロディを散りばめたオープニングから始まるのは、タイトルの元にもなった「スターウォーズ」へのオマージュに「ガリバー旅行記」のリリパット国冒険譚の章を組み合わせたような物語。地球人より遥かに小さい人類が住む星で起きた軍事クーデターと内戦にのび太たちが期せずして関わっていくことになります。36年前の作品ですがクーデターの構図などは最近ミャンマーで起きたものとよく似ているため(当時のイメージとしてはチリのピノチェト政権あたりをモチーフとしていたのではと思います。)、こういったものの本質の変わらなさという皮肉にペシミスティックな気分になります。
 
 近年のドラえもん映画は概ね上映時間が100~110分程度で製作されていますが1980年代当時は藤子不二雄原作のアニメ映画を2~3本立てで上映することが春休みの定番であり(「宇宙小戦争」も「忍者ハットリくん+パーマン 忍者怪獣ジッポウVSミラクル卵」という50分の中編が同時上映された)、トータルで2時間半前後のプログラムとしてパッケージされていました。メイン番組であった「ドラえもん」の上映時間は基本90分台で製作され、そのため藤子・F・不二雄の描いた原作に対してかなり詰め詰めになっている部分があり、今観るとドラえもん達だけでなく敵味方問わずで皆何かしら段取り優先の軽率な行動を取っているのが目に留まります。また、作画なども今の洗練された物に慣れているとやはり流麗とは言い難い部分があるのも確かです。
 ですが、「親指サイズの宇宙人とのファーストコンタクト」や「改造したラジコン戦車に乗って宇宙空間で戦闘機とドッグファイト」というセンス・オブ・ワンダーの塊のような状況の数々は理屈を超えて今観てもどうしようもなくワクワクさせられてしまいます。

 そしてこの映画を語る上で武田鉄矢の歌う主題歌「少年期」も外せないでしょう。エンディングだけでなく劇中でも印象的な使われ方をするこの曲の、「どうして僕は大人になるんだろう、ああ僕はいつ頃大人になるんだろう」という歌詞は幼かった当時の自分にも何がしかの「刺さるもの」を残していました。大人になった今聴くと、今度はノスタルジーと共に深く沁み込むような何かを感じます。

 「大人になる」ということの一つが「子供の頃無邪気に触れていたものの価値に気づく」ということであるとするなら、この映像体験はまさにそれを実感する時間でした。ああ、自分は何も知らずにこういう贅沢なものを観ていたんですね。
 こういう「再会」は大歓迎なので「ドラえもん」はリメイクを製作する度に旧作のリバイバル上映してくれないかな。もう一度スクリーンで観たいもの結構ありますし(笑)

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「ウマ娘」の影響か、せいぜいG1レースくらいとは言え時折競馬中継を観るようになりました。昨日もジャパンカップ観てたのですが、コントレイルの圧巻のラストランに鳥肌。レース後の福永騎手も厩務員の方もボロ泣きしてる様にこちらももらい泣き。いや~凄いものが観れました。

 こんばんは、小島@監督です。
 なお、馬券は買ってません。ただ観てただけです。

 さて、昨日と一昨日開催された「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th ANNIVERSARY M@GICAL WONDERLAND TOUR!!! 千葉公演」両日を配信で観てました。ホントは現地で観たくて休みまで取ってたのですが哀しいかなチケット取れませんでしたよ(苦笑)悔しかったので腹いせもかねて初日は太陽さんで食事しながら観てました。

 シンデレラガールズは丁度昨日で10周年。ということでライブタイトルも「Celebration Land」と銘打ち、アニバーサリーに相応しい祝祭ムードに満ちたセットリストになっていました。両日共に直近に発表された曲だけでなく作品の初期を彩った「とどけ!アイドル」や「あんずのうた」「花簪」と言った楽曲も配されていたのが初期から観てた身としては嬉しいところ。

 出演者が各日で少しずつ入れ替わっており、それに合わせてセットリストも相当数変更してくる構成を採った今回のライブ。Day1では何より鷺沢文香役M・A・Oさんが出演してくれていたのが大きいです。かなり早い段階からキャスティングされていた方であり毎年の総選挙の常連でもある(何なら今年は遂に1位を獲得した)くらいに人気キャラクターなのですが、当人が売れっ子なのと様々な大人の事情も絡んで今まで全く大型イベントの出演が叶わなかった方で、満を持しての登場に自担でなくとも現地で目撃したい方でした。そしてその10年分の期待にしっかり応えてくれるパフォーマンスに痺れましたね。
 Day2では今年キャストが発表された西園寺琴歌役安齋由香里さん、浅利七海役井上ほの花さん、八神マキノ役二ノ宮ゆいさんが登場。ある意味Day1とは対になっている出演者とも言えますね。3人ともデレマスとしてはこれが初ステージで何とも初々しい感じが良いですね。という反面、初っ端からかなり難しい曲をあてがわれる無茶ぶりにもちゃんと応える辺り、なかなか先が楽しみです。

 両日共に、というかどうやらこの10thツアーの大きな特徴としてこれまでユニットの曲として歌うメンバーが固定されていた楽曲を一部あるいは全員入れ替えることで新しいハーモニーとグルーヴを生み出してみせた点です。ある種の温故知新とでも言いましょうか、良く知った楽曲達の新しい一面を存分に魅せてくれました。正直現地勢している方たちを心底羨ましいと思いましたね。
 
 10周年を盛大に祝い新しい門出をイメージさせるセットリストが多く並ぶ中で、Day1では島村卯月役大橋彩香さんのソロによる「きみのそばでずっと」、Day2では最初期からのメンバー6人での「ススメ☆オトメ」が披露され、10年という時間に寄り添ってみせたのも心憎いばかり。初めてステージに立つ者だけが持ちうるもの、10年間演じて来た者だけが持ちうるもの、両者が共存するからこそなし得るシンデレラガールズならではの魅力を満喫できるステージになっていました。
 ライブ終盤には10周年記念として190人のキャラクター全員(!)が登場するアニメの製作が発表され、まだまだこのタイトルには楽しませてもらえそうです。行けるところまでは私も付き合っちゃいますよ。

 …しかしやっぱり今回は現地で観たかったなぁ……

 

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先週木曜日に解禁となったボジョレー・ヌーヴォー、今年のフランス・ボジョレー地区は春先から遅霜、長雨、日照不足とずっと天候に悩まされ続けていました。収量減と収穫の遅れに加えてコロナ禍で引き続く航空輸送の減便が重なって、「そもそもちゃんと解禁日までに輸入できるのか?」という危惧との戦いになりました。どうにか無事に解禁を迎えられて心底ホッとしています。ようやくこれで激務の要因が一つ消えたわ!

 こんばんは、小島@監督です。
 面白いもので、生産者や醸造家たちはブドウの収穫に苦戦した時ほどワインの醸造を頑張ってしまうらしく、試飲してみたら去年よりどっしりと骨太な感じがして美味しいです。昨年の味を知っていると今年の味わいには結構驚かされるんじゃないでしょうか。

 さて、今回の映画は「テン・ゴーカイジャー」です。

 海賊戦隊ゴーカイジャーが宇宙帝国ザンギャックの野望を打ち砕いてから10年後、地球では残されたレンジャー・キーを利用しての公営ギャンブル「スーパー戦隊ダービーコロッセオ」が大流行していた。
 地球を訪れたキャプテン・マーベラス(小澤亮太)は、かつて地球を救ったヒーローたちを賭けの対象にするダービーコロッセオに公然と反対、運営責任者である国防大臣(山崎潤)たちに挑戦状をたたきつける。レンジャー・キーの総取りを賭けたダービーコロッセオでの100人抜き勝負。変身もせぬまま次々とレンジャー・キーの戦士たちを討ち果たしていくマーベラス。99人を打倒した彼の前に現れた最後のひとりは、かつて共に戦った地球人・伊狩鎧(池田純矢)であった。

 2011年2月から1年間にわたって放送された「海賊戦隊ゴーカイジャー」、その放送10周年を記念して製作されたVシネが期間限定で公開中です。キャストだけでなくスタッフも、どころかスーツアクターたちも当時の主要メンバーが再集結して製作されました。スーパー戦隊シリーズには「10YEARS AFTER」というヒーローたちの「その後」を描いた作品が数本製作されており、その系譜に連なる作品と言えるでしょう。余談ですが、その潮流のきっかけとなった「忍風戦隊カクレンジャー 10 YEARS AFTER」(2013年製作)は当時の出演者たちが主導となって企画を立ち上げた1本だそうです。

 「海賊戦隊ゴーカイジャー」は、スーパー戦隊シリーズ35作目を記念した作品で、それまでの34作品全てとクロスオーバーする構成と個性的な性格付けのゴーカイジャーのメンバーたちが織りなすドラマが相まって高い評価を受け、関連商品の売り上げもシリーズ最高額(当時)を記録しました。今回の「テン・ゴーカイジャー」もそれほど大きくない公開規模ながら初週の興行成績で9位に躍り出るなど根強い支持を受けていることが伺えます。

 「派手に行くぜ!」がキャッチコピーだった作品の続編だけあり、せっかくの同窓会的な作品を盛り上げようとするアイディアを60分という上映時間の中にこれでもかと盛り込まれた逸品です。基本が短期間・低予算で作られるVシネのためどうしても映像にスケール感に欠ける部分があるのは否めませんが、そこを工夫と手数でカバーして迫力を見せています。
 レギュラー出演陣が皆この10年間の経験をちょっとずつ持ち寄ってるように見えるのも楽しいところ。特に今では大ブレイクを果たし「名優」の領域に足を踏み入れつつある山田裕貴が自身のデビュー作であり原点ともいえるゴーカイブルー/ジョー・ギブケン役を今のオーラをまとって演じてくれているのが嬉しいですね。
 サブキャラクターにもゴーカイジャーでナレーションを務めた関智一が顔出しで出演していたり宿敵バスコ・ダ・ジョロキアを演じた細貝圭が似たような名前の人物で登場したりするほか、吉田メタル、松原剛志、坂田梨香子など東映特撮に縁のある俳優陣が出演しています。端役で登場している人も過去に何かしらの形でスーパー戦隊か仮面ライダーに出演している方がほとんどだそうなので、自信のある人は探してみるのも楽しいでしょう。

 連日の残業で体に疲れが溜まっていたので短めの上映時間で深く考えなくていいエンタメが観たい、という自分の希望に上手い具合にハマりました。さっくり観られる映画が観たい時というのもあったりするもの。もちろんゴーカイジャーに思い入れのある方はこの同窓会に是非参加してあげてください。こういうのは最後はファンが観てこそ完成する1本です。間を置かずBlu-rayでもリリースされますが、せっかくなら劇場でどうぞ。
   




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職場から目と鼻の先にあるローソンが、何故か3週間ほど臨時休業に。最寄駅から通勤経路を外れずに行けるコンビニは唯一ここだけで、これが思った以上に私を含めた職場の人間のモチベーションにダメージ。ちょっと足を伸ばすか大回りすれば他に何か所もコンビニはあるのですが、便利さには勝てないものですね(苦笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 とは言え残業が立て込んだ帰りがけにLチキやからあげクンを買い食いするのが常だったので、それができないとちょっと調子が狂います。

 さて、今回の映画は「DUNE/デューン 砂の惑星」です。

 人類が地球圏外にまで進出した西暦10190年。公爵家アトレイデスの息子ポール(ティモシー・シャラメ)は、奇妙な夢を見ていた。遠い砂漠の惑星で一人の少女と出会い、そして大きな戦いに巻き込まれるのだ。
 その頃ポールの父レト(オスカー・アイザック)は宇宙帝国の皇帝から「デューン」と通称される惑星アラキスへの移住を命じられた。アラキスでは人間の思考能力を伸ばす物質「メランジ」が生産されていた。その管理権は長年ハルコンネン男爵(ステラン・スカルスガルド)が有していたが国替えが行われることになったのだ。しかしアラキスでは自由の民フレメン族が度々蜂起を繰り返し不安定な政情におかれていた。
 それは民からの敬愛を集め勢力を伸ばしつつあるアトレイデス家を失墜させようと皇帝とハルコンネン男爵が仕組んだ罠だった。陰謀によってポールは全宇宙から命を狙われることになってしまう。

 「スタートレック」や「スターウォーズ」など後進に与えた影響が計り知れず、「史上最も影響力のあるSF小説の一つ」と言われるフランク・ハーバートの大河SF小説シリーズ「デューン砂の惑星」は、同時に映像化が困難な作品として知られています。かつては1970年代にアレハンドロ・ホドロフスキーが映画化に挑むも製作費が高騰し続け中止に追い込まれ(この時の経緯や後進への影響は2013年に「ホドロフスキーのDUNE」としてドキュメンタリー映画としてまとめられた)、塩漬けになったプロジェクトを一度はリドリー・スコットが受け継ぐも頓挫し、最終的にデヴィッド・リンチが1984年に映画化するも大幅にスケールダウンされた出来栄えに惨憺たる評価を受けました。余談ですがホドロフスキーは結果的に自分の企画を取り上げられてひどく沈んだ気持ちでリンチ版を観に行ったそうですが、出来栄えのあまりのひどさに観ててだんだん元気になったそうです(笑)。それなりに高い評価を得たのは映像技術の進歩を受け2000年に製作されその後2003年に続編も作られたTVシリーズくらいでしょう。
 そんな難攻不落に挑むのは、「メッセージ」や「ブレードランナー2049」を成功させた現代SF映画の旗手ドゥニ・ヴィルヌーヴ。彼ならではの深い造詣と洞察によって、遂にスクリーンに負けないスケールの映画が出来上がりました。

 「異次元の映像体験」的なうたい文句が躍る映画ですが、ヴィルヌーヴ作品をそれなりに観ていると彼の映像センスの集大成という印象の方が強いです。銃弾以上に速い攻撃を無効化する武装「シールド」の発達により、再び日の目を見るようになった剣術による戦闘シーンや、羽ばたき飛行機械オーニソプターなど初めて観る方でもどこかで既視感を覚える映像やガジェットが散見されるのではないでしょうか。
 しかしこの映画にもし未見性を求めるならそれは細かな部分よりも全体の語り口そのものにあるでしょう。実は筋立てそのものはいささか抑揚に欠ける部分があり、ちょっとのっぺりしているのですが、1カット1カットの画が強いのです。映像の力が強い分、語る言葉は少なめになっているため小説を読むようなつもりで行ったら絵画かあるいは難解な散文詩だったくらいのギャップがあります。受動的に物語を牽引してもらおうとすると簡単に振り落とされ155分の上映時間を長くつまらないものに感じてしまうでしょう。なるほど公開からこっち賛否両論あるのも分かる気がします。ですがこちらも「せっかくだから浴びるくらい満喫してやるわ! 」くらいのつもりで行けばこれほど没入度の高い作品もなかなか無いです。

 観始めると分かりますが原題には小さく「part one」とあり、実は2部作として企画された作品です。ですので今作では結構いいところでいわゆる「俺たちの戦いはこれからだ」みたいなエンディングを迎えます。かと言って一気に2本分撮り上げたわけではなく続編の製作そのものは先頃ようやくGOサインが出てこれから始まるようで、少し間を置いて2023年の公開を予定しているそうです。ちょっと待ちぼうけを食らう格好になりますがこの出来栄えを観ると完結編となる次作の公開も期待出来ると言うものでしょう。
 比類なきこの映像詩、観るならスクリーン一択です。公開も終盤に差し掛かっていますので、まだの方は是非映画館へ。

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先日、それまで使っていたシェーバーが遂に電源が入らなくなり、お釈迦に。特に家電の類は壊れるまで使ってしまう性分なので実は15年以上使っていたから実際のところは大往生です。良く今まで持ち堪えてくれました。どれくらい前の物かと言えばメーカーが「National」というところでご察し頂けるかと思います。電器店で新しいシェーバー探している時に店員に「どのメーカーの物を使われているんですか?」と聞かれて「ナ………Panasonicです…」と返答に妙な間を作ってしまいました(笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 色々迷った末に今回買ったシェーバーはBRAUN製。ちょっと予算オーバーでしたがその分剃り味は良いは地肌もピリつかないわでとても快適。

 さて、今回の映画は「映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!」です。

 海岸に出現した超ゼッタイヤラネーダを倒したまなつ(声・ファイルーズあい)たち。一息ついていたところに雪の王国シャンティアの妖精・ホワン(声・楠木ともり、井上ほの花)が現れた。近くシャンティアでは王女シャロン(声・松本まりか)の戴冠式が執り行われるという。戴冠式には「世界を笑顔にできる人に参加して欲しい」とシャロンはその才や力を持った人たちに招待状を送っていた。
 招待を受けることにしたまなつたちは同じく招待を受けた音楽家や大道芸人たちと共に不思議な列車に乗り込んでシャンティアに向かった。シャロンへの挨拶を済ませて王国見物を始めたまなつたちは、そこでつぼみ(声・水樹奈々)たちと出会う。

 秋の風物詩ことプリキュア映画が今年も公開。前作「ヒーリングっど♡プリキュア」では「Yes!プリキュア5GoGo!」とのクロスオーバーが取り入れられましたが、今作でもその路線を引き継ぎ「ハートキャッチプリキュア!」とコラボレーションしています。結果的に名前の通りに常夏のようなハートとメンタルを持つまなつが春めいた名前と心を持つ花咲つぼみと雪が覆う国で出会う映画が秋に公開されるという、絶妙な匙加減で季節感がちゃんぽんな作品が出来上がりました。
 コロナ禍で製作体制やスケジュールなどに大きな変更を余儀なくされた最中に製作されたからか、これまでとは趣の異なるポイントが散見される作品となりました。何より10年以上シリーズの特色であったいわゆる「ミラクルライト」が今作では排されたのが大きいです。キャラクターが観客の子供たちに呼びかけ声を出して応援してもらうこれまでのスタイルは、声を上げない鑑賞が求められる昨今では適さなくなってしまったのでしょう。スタイルを一つ排した分、枷が外れた部分もあるので一概に悪いことばかりではなかったかもしれません。

 物語的な特徴としては思いのほか「ハートキャッチ」のメンバーが深く関与しています。前作「ヒーリングっど」の時の「5GoGo」のメンバーはあくまで客演という位置づけに過ぎませんでしたが今作ではかなり深入りしており、つぼみたちの決め台詞はもちろんのこと変身バンクもフルバージョンで登場するだけでなくクライマックスでは「ハートキャッチプリキュア!」を知る者には「おおっ」となるシーンが用意されています。作画面でもハートキャッチのキャラクターデザインを手掛けた馬越嘉彦さんを招聘して万全の体制を整えています。
 ゲストキャラクターとなる王女シャロンの設定が実は相当に重いのもポイントでしょう。正直壮絶と言っていいレベルでいつもアッパーテンションな「トロピカル~ジュ」のメンバーとはいささか食い合いにくいくらいのシリアスさです。同じ王女ということでローラ(声・日高里菜)と深く関わることになりますが、それと同時にローラは葛藤を抱えることになります。そのローラの選択や意思の在り様につぼみやえりか(声・水沢史絵)との交流が活きる形になっているのでいつもの70分尺ながらなかなか濃密に物語が展開します。

 本編終了後、いつものように次回作の特報が流れるのですが、そこで次回作の公開時期が来年秋であることが発表されます。プリキュア映画は2009年より年2本体制を取ってきましたが、遂に春公開分が休止されることになってしまいました。昨年からこっちの製作・供給体制の混乱を思えばそれも仕方のないことかもしれません。少し物寂しい話ではありますが、その分来秋公開される1本が充実した作品になることを祈っています。


 


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