ちゅうカラぶろぐ


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これも時代の流れかTOHOシネマズの鑑賞料金が2,000円に。遂に大台に乗ってしまった印象です。私は今のところ自分の行動圏内にTOHOシネマズが無いので影響は少ないですがいずれ他のシネコンも追従する事でしょう。とは言え普段あまり映画を観ないライト層の方たちにとってはたまに観る分IMAXや4DXなど追加料金を必要とするスクリーンへの抵抗も少ないようで、実際コレで影響を被るのは私みたいに毎週のように映画館に行くヘビーユーザーの方だろうなぁ、という印象です。

 こんばんは、小島@監督です。
 実はミッドランドに限って言うと会員特典が強力で、今ほとんど1,300円で観れているから何気に安上がり。あのアドバンテージは維持してもらいたいところですが。

 さて、今回の映画は「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」です。

 ブルックリンで配管工を営む兄弟、マリオ(声・クリス・プラット/宮野真守)とルイージ(声・チャーリー・デイ/畠中祐)は排水管が破損して洪水状態となった街を救うべく地下へ乗り込んだところ、奇妙な土管に吸い込まれてしまう。
 ルイージともはぐれてしまったマリオが迷い込んだ先は「キノコ王国」と呼ばれるところだった。そこでマリオはキノコ王国が暗黒の国ダークランドの大魔王クッパ(声・ジャック・ブラック/三宅健太)に侵攻されつつあること、そして恐らくルイージも捕まっているらしいと知る。マリオはキノコ王国のピーチ姫(声・アニャ・テイラー=ジョイ/志田有彩)と共に冒険の旅に乗り出すことになる。

 1981年にアーケードゲーム「ドンキーコング」でデビューして以降ゲームの歴史の最前線に常に居続けると共に任天堂の代名詞とも呼べるキャラクターともなったちょび髭の配管工兄弟マリオとルイージ。アメリカを中心に何度かアニメ化もされたほか1993年には実写映画「スーパーマリオ/魔界帝国の女神」が製作されました。当時はまだTVゲームの映画化そのものが少なく、また原作への理解度も低かったため未だに「クソ映画」の代名詞の一つ扱いされるほど出来栄えとしてはイマイチでした。それから30年の時を経てのアニメ映画化は、マリオを取り巻く環境、取り分け世界的知名度を勝ち得た今だからこそ可能となったと言える、「原体験」を徹底的に活かした作品になっていました。

 マリオの名を世界に轟かせた「スーパーマリオブラザーズ」ではクッパに攫われたピーチ姫を助けに行くのが目的でしたが、はぐれてしまったルイージを見つけ出すためにピーチ姫とバディを組む、という形になっているなど物語が自然に流れになるような工夫はされているものの正直なところストーリーとしては類型的かつ薄味と言わざるを得ません。批評家筋からそっぽ向かれたというのも頷けます。
 しかしこの映画の魅力はその弱いストーリーを補って余りある映像にあります。「スーパーマリオブラザーズ」「ドンキーコング」「マリオカート」などゲームの要素が極彩色のカラフルな映像の中で躍動します。作中ただ横に流れて行くだけの直線的な映像が長く続くカットがありますが、本来危なっかしいこんなカットも観客にゲームをプレイした「原体験」があれば意味のある映像に変わります。このような映像が全編に渡って登場します。更に言えば劇中のBGMも大半が原作のゲームからアレンジしたものを使っていますし、作中にはマリオに限らず「レッキングクルー」「パルテナの鏡」「パンチアウト」などのNintendoタイトルがイースターエッグのように仕込んであるのもポイントです。
 ゲームをプレイした事のある方に向けた内輪受けの映画のようにも思えますが、今の世の中マリオに全く触れた事の無い人がどれだけいるのでしょう。そういう「自信」が作品全体にみなぎり高いアトラクション性を勝ち得ました。

 昨今の大作クラスの映画ですと150分を超えることも少なくないですが、今作は93分という弛みも退屈もしない上映時間も絶妙です。4DXやIMAX3Dのような上映形式での鑑賞が可能ならそちらを選んだ方がより楽しい体験になること必至。こう言っては何ですが、自宅のTVで観ると却って物足りないと言うかこの楽しさは味わいきれない類の作品だと思います。せっかくならこのビッグウェーブに乗ってしまいましょう。

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