ちょいとした流れで普段あまり利用しない地元の温泉に日帰り入浴に行って来ました。基本は宿泊客向けで、日帰り入浴の営業時間が約3時間しかないような所。日曜日夕方の浅い時間というのもあってか自分以外は数人しかいないゆったり加減でじっくり温泉を堪能。
たまにはこういうのもありかも。
こんばんは、小島@監督です。
もちろん湯上がりにはフルーツ牛乳も飲みましたさ。
さて、今回の映画は「SAND LAND」です。
川が干上がり砂漠化が進む世界「サンドランド」、貴重な水は国王が独占し高騰の一途を辿るばかり。北方の小村で保安官を務めるラオ(声・山路和弘)は水不足に苦しむ人々を救うため南方のどこかにあると目される「幻の泉」を探す旅に出た。危険を伴う旅の同行者としてラオは魔物たちに協力を求め、悪魔の王子ベルゼブブ(声・田村睦心)とお目付け役のシーフ(声・チョー)が同行することになった。一行は道中で国王軍の戦車を強奪し、一路南を目指す。
「ドラゴンボール」「Dr.スランプ」で世界的知名度を誇る鳥山明、「ドラゴンボール」連載終了後は散発的に読切や短期連載を発表していましたが、その作品群の1つ、2000年に連載されたのが「SAND LAND」です。
主人公は老保安官と全身がピンク色の悪魔の子供、そしてお目付け役の老人というパーティーメンバーで強奪した戦車での冒険が始まります。色気も華やかさも無い地味で武骨な内容ながら今なお根強いファンを持つ隠れた名作が20年越しにアニメ化されました。脚本はドラマ「刑事7人」や令和版のアニメ「うる星やつら」を手掛けた森ハヤシ、絵コンテに「HUNTER×HUNTER」「吸血鬼すぐ死ぬ」などのベテラン神志那弘志、監督は「ドラゴンクエスト」のPVなどのほか中編アニメ「COCOLRS」が高い評価を集めた俊英・横嶋俊夫が手がけています。
冒険ロマンの王道を行く、素晴らしい出来栄えの一本です。
物語そのものは原作をほぼ忠実に映像化。しかしただ原作をなぞるだけでなく咀嚼した上で深掘りするべきところは掘り下げて見せ、より味わい深くなっています。特にラオが抱える傷や後悔の大きさが原作以上に強く描かれているのが特徴で、そこに名優山路和弘の演技が乗り、苦み走った渋さでもって物語を牽引します。
また、何よりの魅力は戦車を始めとして鳥山明が描く独特の丸みと描線を持つメカたちがディテールもそのままに文字通り縦横無尽に躍動するそのビジュアルです。「Dr.スランプ」や「ドラゴンボール」のコミックスの表紙には本編の内容とは関係無くアラレちゃんや孫悟空が様々な形のバイクや車に乗っているイラストが度々登場していたのですが、アレがそのままアニメで動いているところを観られるのはなかなか感激します。
全体を見れば少々ご都合主義が強いところも散見されるのですが、サマーシーズンに家族で楽しむアドベンチャーロマンならこれくらいは許容範囲でしょう。心地良く楽しめる一本です。「ドラゴンボール」と比較して決定的に知名度が足りてないせいか客入りがどうにも芳しくないようですが、それで素通りするには勿体無い逸品。できればこれに続いて「COWA!」もアニメ化されるくらいヒットしてくれると嬉しいのですが、難しいかな〜(苦笑)
たまにはこういうのもありかも。
こんばんは、小島@監督です。
もちろん湯上がりにはフルーツ牛乳も飲みましたさ。
さて、今回の映画は「SAND LAND」です。
川が干上がり砂漠化が進む世界「サンドランド」、貴重な水は国王が独占し高騰の一途を辿るばかり。北方の小村で保安官を務めるラオ(声・山路和弘)は水不足に苦しむ人々を救うため南方のどこかにあると目される「幻の泉」を探す旅に出た。危険を伴う旅の同行者としてラオは魔物たちに協力を求め、悪魔の王子ベルゼブブ(声・田村睦心)とお目付け役のシーフ(声・チョー)が同行することになった。一行は道中で国王軍の戦車を強奪し、一路南を目指す。
「ドラゴンボール」「Dr.スランプ」で世界的知名度を誇る鳥山明、「ドラゴンボール」連載終了後は散発的に読切や短期連載を発表していましたが、その作品群の1つ、2000年に連載されたのが「SAND LAND」です。
主人公は老保安官と全身がピンク色の悪魔の子供、そしてお目付け役の老人というパーティーメンバーで強奪した戦車での冒険が始まります。色気も華やかさも無い地味で武骨な内容ながら今なお根強いファンを持つ隠れた名作が20年越しにアニメ化されました。脚本はドラマ「刑事7人」や令和版のアニメ「うる星やつら」を手掛けた森ハヤシ、絵コンテに「HUNTER×HUNTER」「吸血鬼すぐ死ぬ」などのベテラン神志那弘志、監督は「ドラゴンクエスト」のPVなどのほか中編アニメ「COCOLRS」が高い評価を集めた俊英・横嶋俊夫が手がけています。
冒険ロマンの王道を行く、素晴らしい出来栄えの一本です。
物語そのものは原作をほぼ忠実に映像化。しかしただ原作をなぞるだけでなく咀嚼した上で深掘りするべきところは掘り下げて見せ、より味わい深くなっています。特にラオが抱える傷や後悔の大きさが原作以上に強く描かれているのが特徴で、そこに名優山路和弘の演技が乗り、苦み走った渋さでもって物語を牽引します。
また、何よりの魅力は戦車を始めとして鳥山明が描く独特の丸みと描線を持つメカたちがディテールもそのままに文字通り縦横無尽に躍動するそのビジュアルです。「Dr.スランプ」や「ドラゴンボール」のコミックスの表紙には本編の内容とは関係無くアラレちゃんや孫悟空が様々な形のバイクや車に乗っているイラストが度々登場していたのですが、アレがそのままアニメで動いているところを観られるのはなかなか感激します。
全体を見れば少々ご都合主義が強いところも散見されるのですが、サマーシーズンに家族で楽しむアドベンチャーロマンならこれくらいは許容範囲でしょう。心地良く楽しめる一本です。「ドラゴンボール」と比較して決定的に知名度が足りてないせいか客入りがどうにも芳しくないようですが、それで素通りするには勿体無い逸品。できればこれに続いて「COWA!」もアニメ化されるくらいヒットしてくれると嬉しいのですが、難しいかな〜(苦笑)
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先日、会期末ギリギリのタイミングながら「動き出す浮世絵展」を観てきました。プロジェクションマッピングを活用し、歌川国芳や葛飾北斎などの作品を文字通り動画にして鑑賞する展覧会で、なるほどこういう楽しみ方もあるのかとちょっと感心します。動画と合わせて浮世絵の原版や復刻版など実物も展示されており、なかなかに奥行きのある面白さでした。
こんばんは、小島@監督です。
実のところ私のように駆け込みで観に行った人が結構多く、本来なら空いているハズの時間帯なのにかなり混んでいてじっくりとは観られなかった箇所がいくつかあるのが勿体無かったですね。もっとベストなタイミングを捕まえられると良いのですが。
さて、今回の映画は「MEGザ・モンスターズ2」です。
絶滅したはずの巨大サメ「メガロドン」とかつて死闘を演じたジョナス・テイラー(ジェイソン・ステイサム)は今は汚染物質を不法投棄する業者を摘発する活動を行っていた。
中国人実業家ジウミン・ジャン(ウー・ジン)の招聘で海洋研究所「マナ・ワン」を訪れたジョナスは、再びマリアナ海溝探査の潜水艇に乗り込むことになる。その探査をきっかけに再び呼び覚まされるメガロドン。しかも目覚めたのはそれだけではなかった。
スティーブ・オルテンのSF小説を原作に、2018年に製作されたジェイソン・ステイサムVS巨大サメ、という魅惑のシチュエーションが熱い海洋パニック映画にまさかの続編が登場。冒頭の古生代のシーンで観客を鷲掴みにした後は、前半は深海で、後半はリゾート地で、という流れ自体は前作を踏襲しているものの前作を軽々超えるボリュームを時間いっぱいみっちり詰め込んで一気呵成に畳みかける最高に楽しいエンターテインメントになっています。
前作ではヒロイン・リー・ビンビンを差し置いてシャワーシーンがあったこともネタの一つになったジェイソン・ステイサムは、今作でも懸垂しながら登場するなど面白シーンに事欠きません。中盤には「魁!!男塾」の江田島平八みたいなムーヴをキメるシーンまで登場し、そのコミック的なヒーローぶりに、むしろ安心してパニックに身を任せられる不思議な感覚を味わえます。どちらかと言えばサメ映画にステイサムが出演しているのではなくステイサム映画にサメが出演している映画です。
物としてはアメリカ映画ですが製作には中国資本が強く入っているのも前作同様で、前作では中国市場のレーティングへの配慮が色濃く出過ぎたのか、せっかくの美味しいシチュエーションを活かしきれていないぬるさがあったのですが、踏み込み加減が分かってきたのか今作では配慮を感じさせるショットはあるものの、それとモンスターパニックの迫力をちゃんと両立させられるようになっており、結果としてエンタメとして一段上の出来栄えになっています。
次から次へとジョナスたちを襲う危機の連続ぶりに、気付けば何だかハイになって来る不思議。気が滅入りそうなほどの猛暑が続く真夏のエンタメはいっそこれくらいノー天気にやり切ってくれる方がスッキリして頭を切り替えられそうです。これぞポップコーンとコーラが似合う映画。2時間浮世を忘れて楽しんじゃってください。
こんばんは、小島@監督です。
実のところ私のように駆け込みで観に行った人が結構多く、本来なら空いているハズの時間帯なのにかなり混んでいてじっくりとは観られなかった箇所がいくつかあるのが勿体無かったですね。もっとベストなタイミングを捕まえられると良いのですが。
さて、今回の映画は「MEGザ・モンスターズ2」です。
絶滅したはずの巨大サメ「メガロドン」とかつて死闘を演じたジョナス・テイラー(ジェイソン・ステイサム)は今は汚染物質を不法投棄する業者を摘発する活動を行っていた。
中国人実業家ジウミン・ジャン(ウー・ジン)の招聘で海洋研究所「マナ・ワン」を訪れたジョナスは、再びマリアナ海溝探査の潜水艇に乗り込むことになる。その探査をきっかけに再び呼び覚まされるメガロドン。しかも目覚めたのはそれだけではなかった。
スティーブ・オルテンのSF小説を原作に、2018年に製作されたジェイソン・ステイサムVS巨大サメ、という魅惑のシチュエーションが熱い海洋パニック映画にまさかの続編が登場。冒頭の古生代のシーンで観客を鷲掴みにした後は、前半は深海で、後半はリゾート地で、という流れ自体は前作を踏襲しているものの前作を軽々超えるボリュームを時間いっぱいみっちり詰め込んで一気呵成に畳みかける最高に楽しいエンターテインメントになっています。
前作ではヒロイン・リー・ビンビンを差し置いてシャワーシーンがあったこともネタの一つになったジェイソン・ステイサムは、今作でも懸垂しながら登場するなど面白シーンに事欠きません。中盤には「魁!!男塾」の江田島平八みたいなムーヴをキメるシーンまで登場し、そのコミック的なヒーローぶりに、むしろ安心してパニックに身を任せられる不思議な感覚を味わえます。どちらかと言えばサメ映画にステイサムが出演しているのではなくステイサム映画にサメが出演している映画です。
物としてはアメリカ映画ですが製作には中国資本が強く入っているのも前作同様で、前作では中国市場のレーティングへの配慮が色濃く出過ぎたのか、せっかくの美味しいシチュエーションを活かしきれていないぬるさがあったのですが、踏み込み加減が分かってきたのか今作では配慮を感じさせるショットはあるものの、それとモンスターパニックの迫力をちゃんと両立させられるようになっており、結果としてエンタメとして一段上の出来栄えになっています。
次から次へとジョナスたちを襲う危機の連続ぶりに、気付けば何だかハイになって来る不思議。気が滅入りそうなほどの猛暑が続く真夏のエンタメはいっそこれくらいノー天気にやり切ってくれる方がスッキリして頭を切り替えられそうです。これぞポップコーンとコーラが似合う映画。2時間浮世を忘れて楽しんじゃってください。
昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
今回は人数の少ない部屋に入ったこともあり、とにかく物量を歌う流れに。コレ歌おうと準備していたカードは早々に使い切り、何年も歌っていない曲をふと思い出して歌ったりしてました。ところどころフレーズごとメロディを忘れているのもあったりしてちょいと危なっかしいのが反省点。
こんばんは、小島@監督です。
それだけ歌ってるのに、「ああ〜あれ歌ってみれば良かった」というのが終わった後に出てきてしまうのも何だか面白いですね。
さて、今回の映画は「アイドルマスターミリオンライブ!第1幕」です。
ソフトボールやバスケットボールなどの部活の助っ人で忙しい日々を送る中学生・春日未来(声・山崎はるか)は、しかし自分自身の夢を見つけられずにいた。ある日、未来は知り合いからアイドル「765PRO ALLSTARS」のライブチケットを譲り受ける。何気ない気持ちで765PRO ALLSTARSのライブを観に訪れた未来。それが未来にとっての大きな転機となるのだった。
これを「満を持して」と言わずに何とする。
今年で誕生10周年を迎えた「アイドルマスターミリオンライブ!」が遂にアニメ化。TV放送に先立つ形で全12話を3部構成として期間限定の劇場先行上映が始まりました。脚本に「アイカツ!」「妖怪ウォッチ」「宇宙兄弟」などの加藤陽一、監督は「ガンダムビルドダイバーズ」や「劇場版アイカツスターズ!」の綿田慎也が手掛け、アニメーション製作は白組が担っています。白組は「シン・仮面ライダー」や「アルキメデスの大戦」などのVFX製作の方で定評のあるスタジオですが、一方でアニメ製作も「もやしもん」や「NIGHTHEAD2041」などの実績があります。
2020年にTVアニメ化の第一報がもたらされてから3年、コロナ禍の影響をモロに受けて製作が大幅に遅れようやくの完成となりました。「アイドルマスター」は今年、4月に「シンデレラガールズU149」が放送され10月末からは「シャイニーカラーズ」の先行上映も控えていてシリーズのアニメ作品を間断無く楽しめる1年となっています。遅れたのを逆手に取って発信の時期を合わせて一挙に盛り上げてしまおうというところでしょうか。こちらとしては「輝きの向こう側へ!」以来9年ぶりとなるアイマスの劇場上映にウキウキしながら観に行きました。
待たされただけの甲斐はあったというか、基本TVフォーマットで製作されたアニメとしてはかなりの出来栄えです。中には茜(声・小笠原早紀)のように決まったモーションしか取れないゲームの制約から解放されて文字通りに躍動するようになったキャラクターもいます。
今回の第1幕は4話までとなっているので言わば「起」と「承」の入口で終わってしまうため物語としては必然消化不良になりますが、主要人物だけで50人以上いる大所帯を未来、静香(声・田所あずさ)、翼(声・Machico)の3人を主軸にしつつ要所で各キャラクターをテンポ良く見せていくので群像劇として見事に成立していますし、声優陣の演技も10年分の積み重ねをこの晴れ舞台に活かそうという意識が全編にわたりひしひしと伝わってきます。
当然アイドルアニメなので楽曲の歌唱シーンも充実。物語の起点となる第1話のライブシーンも個人的なツボをバシバシ刺激されて情緒を揺さぶられましたが、圧巻は第2話。楽曲と映像が物語とダイナミックにリンクする極めて熱量の高いシーンが展開し、鳥肌が立つよう。普通にTV放送で観ていても「映画館で観たいなここ」と思ったに違い無く、スクリーンで鑑賞出来た甲斐もあると言うものです。
最早待ち疲れたと言って良いファンの期待というハードルを超えてきた上にただファンの方だけを見ている内向的な作品にはならず、ちゃんと外を向いて作られているのに賞賛を禁じ得ません。ぶっちゃけブログに書くなら最後まで観てからにしようと思っていて今回は別の映画についての話にしようと頭の中で文面の構成を粗方組み立てていたのに、今はコレを語りたいんやと気付けばうっかり書いてしまいました。この第1幕だけで充分なくらい楽しいのにまだ第2幕も第3幕も控えているとかヤバい。これは何としても完走しなくては。ただ流石に週替わりで特典を用意しようというあざとさに付き合いきれるほど時間的余裕は無いですが(苦笑)
出来れば応援上映も観に行きたいですし、割と間口も広く作られているのでこのアニメをきっかけにご新規さんを引きずり込めたら最高ですね(笑)
今回は人数の少ない部屋に入ったこともあり、とにかく物量を歌う流れに。コレ歌おうと準備していたカードは早々に使い切り、何年も歌っていない曲をふと思い出して歌ったりしてました。ところどころフレーズごとメロディを忘れているのもあったりしてちょいと危なっかしいのが反省点。
こんばんは、小島@監督です。
それだけ歌ってるのに、「ああ〜あれ歌ってみれば良かった」というのが終わった後に出てきてしまうのも何だか面白いですね。
さて、今回の映画は「アイドルマスターミリオンライブ!第1幕」です。
ソフトボールやバスケットボールなどの部活の助っ人で忙しい日々を送る中学生・春日未来(声・山崎はるか)は、しかし自分自身の夢を見つけられずにいた。ある日、未来は知り合いからアイドル「765PRO ALLSTARS」のライブチケットを譲り受ける。何気ない気持ちで765PRO ALLSTARSのライブを観に訪れた未来。それが未来にとっての大きな転機となるのだった。
これを「満を持して」と言わずに何とする。
今年で誕生10周年を迎えた「アイドルマスターミリオンライブ!」が遂にアニメ化。TV放送に先立つ形で全12話を3部構成として期間限定の劇場先行上映が始まりました。脚本に「アイカツ!」「妖怪ウォッチ」「宇宙兄弟」などの加藤陽一、監督は「ガンダムビルドダイバーズ」や「劇場版アイカツスターズ!」の綿田慎也が手掛け、アニメーション製作は白組が担っています。白組は「シン・仮面ライダー」や「アルキメデスの大戦」などのVFX製作の方で定評のあるスタジオですが、一方でアニメ製作も「もやしもん」や「NIGHTHEAD2041」などの実績があります。
2020年にTVアニメ化の第一報がもたらされてから3年、コロナ禍の影響をモロに受けて製作が大幅に遅れようやくの完成となりました。「アイドルマスター」は今年、4月に「シンデレラガールズU149」が放送され10月末からは「シャイニーカラーズ」の先行上映も控えていてシリーズのアニメ作品を間断無く楽しめる1年となっています。遅れたのを逆手に取って発信の時期を合わせて一挙に盛り上げてしまおうというところでしょうか。こちらとしては「輝きの向こう側へ!」以来9年ぶりとなるアイマスの劇場上映にウキウキしながら観に行きました。
待たされただけの甲斐はあったというか、基本TVフォーマットで製作されたアニメとしてはかなりの出来栄えです。中には茜(声・小笠原早紀)のように決まったモーションしか取れないゲームの制約から解放されて文字通りに躍動するようになったキャラクターもいます。
今回の第1幕は4話までとなっているので言わば「起」と「承」の入口で終わってしまうため物語としては必然消化不良になりますが、主要人物だけで50人以上いる大所帯を未来、静香(声・田所あずさ)、翼(声・Machico)の3人を主軸にしつつ要所で各キャラクターをテンポ良く見せていくので群像劇として見事に成立していますし、声優陣の演技も10年分の積み重ねをこの晴れ舞台に活かそうという意識が全編にわたりひしひしと伝わってきます。
当然アイドルアニメなので楽曲の歌唱シーンも充実。物語の起点となる第1話のライブシーンも個人的なツボをバシバシ刺激されて情緒を揺さぶられましたが、圧巻は第2話。楽曲と映像が物語とダイナミックにリンクする極めて熱量の高いシーンが展開し、鳥肌が立つよう。普通にTV放送で観ていても「映画館で観たいなここ」と思ったに違い無く、スクリーンで鑑賞出来た甲斐もあると言うものです。
最早待ち疲れたと言って良いファンの期待というハードルを超えてきた上にただファンの方だけを見ている内向的な作品にはならず、ちゃんと外を向いて作られているのに賞賛を禁じ得ません。ぶっちゃけブログに書くなら最後まで観てからにしようと思っていて今回は別の映画についての話にしようと頭の中で文面の構成を粗方組み立てていたのに、今はコレを語りたいんやと気付けばうっかり書いてしまいました。この第1幕だけで充分なくらい楽しいのにまだ第2幕も第3幕も控えているとかヤバい。これは何としても完走しなくては。ただ流石に週替わりで特典を用意しようというあざとさに付き合いきれるほど時間的余裕は無いですが(苦笑)
出来れば応援上映も観に行きたいですし、割と間口も広く作られているのでこのアニメをきっかけにご新規さんを引きずり込めたら最高ですね(笑)
台風接近中とは言えお盆休みだからか、昨日近所のスーパーへ買い物に行ったらキャンプの買い出しらしい人たちがチラホラと。今くらいの時期だとお馴染みの光景なのですが、今年は昨年よりもその数が多い印象。人の動きがそれだけ活発になって来たと言うことでしょう。そんな昨日夕方に結構強い雨が降り、キャンパー達はどうしているだろうかとちょっと気になったり。
こんばんは、小島@監督です。
これを書いている今、天候はとても静かだわ暑いわでとても台風が近づいているように見えない。このまま楽に済めば良いのだけど。
さて、今回の映画は「ミッション:インポッシブル/デッド・レコニングPART ONE」です。
IMFのエージェント・イーサン・ハント(トム・クルーズ)は、賞金首となったイルサ・ファウスト(レベッカ・ファーガソン)を捕らえ、彼女が持つ「鍵」を回収する任務を受ける。アラビアの砂漠でイルサと接触し「鍵」を入手したイーサンだが、アブダビ空港で思わぬ妨害に直面する。
コロナ禍の観客減少から映画館を救った「トップガン・マーヴェリック」も記憶に新しいトム・クルーズの主演最新作は、彼のライフワークとも言える「ミッション:インポッシブル」のシリーズ第7作目。シリーズ初の二部作で、何と人間ではない敵・AIとの戦いに挑みます。
タイトルの「デッド・レコニング」とは計器に頼らずコンパスなどを用いて現在地点や針路を推測しながら割り出していく航法の事を言い、ここから転じて「行き当たりばったり」とか「当てずっぽう」という意味もあります。今作は冒頭で極秘任務を負ったステルス潜水艦が登場しそれが物語の肝でもあるのでその事を指すようにも見えますが、今作は結末を決めずに撮影しながら脚本を書くという手法で作られているので作品の行方自体が「デッド・レコニング」であると言えるでしょう。
そんな作り方をしているので物語は非常に粗っぽく、登場人物の行動にイマイチ一貫性が無かったり、今作から登場するヒロイン、ヘイリー・アトウェル演じるグレースが終盤までただの嫌な女だったりと緻密とは言い難いです。ただ4作目までは1作毎に監督が変わり作品の顔も大きく異なる「ミッション:インポッシブル」ですが5作目「ローグ・ネイション」以降はクリストファー・マッカリー監督が務め続けていることにより、作品に連続性が生まれキャラクターに厚みが出て来ており、それが物語を牽引する一助になっています。
もう一つ、今作を強力に形作るのが何と言ってもアクションです。もう還暦だというのにお前に限界は無いのか?と思ってしまうほど体を張り、その名は身体性と直結していると言っても過言ではないトム・クルーズのアクションが全編に渡り展開。しかも各シークエンス毎に全く毛色の違うスタントを見せて観客を飽きさせません。164分という長尺を事実上アクションだけで牽引するパワーは並大抵のものではありません。イタリア・ローマで見せる「ルパン三世カリオストロの城」を彷彿とさせるフィアット500のカーチェイスだけでも観てるこっちは元が取れたような気分になります。
AIという今日的なテーマを扱っていますが、この1〜2年で急速な進歩を遂げているトピックに対して製作と撮影自体はコロナ禍前から始まっていたことを思うと、今作での描かれ方はどこか先見の明があると感じます。当初の予定通りに2021年に公開できていたらもっと観客の目には先進的に映っていたことでしょう。
また、AIに仕事を奪われかねないとハリウッドでストライキまで起こっている現状を思えば、走行中の列車上での格闘だろうが崖からのダイブだろうが実際にやってのけるトム・クルーズの生き様は、人間にはまだAIでは代替できない領域がある事を見せつけてくれるかのようです。
二部作の前編という体なので、164分もかけて物語は風呂敷を広げるだけ広げて終わります。そして後編は何とまだ撮影中。シナリオもまだ未完成かもしれません。どこに落着するのか全く見えませんが、PART ONEとはまた違うアクションのフルコースでこちらを楽しませてくれることでしょう。それはある意味で1920年代に活躍したムービースター、バスター・キートンを思い起こさせるような、映画というもののプリミティブな興奮に満ちた時間とも言えます。
映画とは、突き詰めればこういうので良いのかもしれませんね。
こんばんは、小島@監督です。
これを書いている今、天候はとても静かだわ暑いわでとても台風が近づいているように見えない。このまま楽に済めば良いのだけど。
さて、今回の映画は「ミッション:インポッシブル/デッド・レコニングPART ONE」です。
IMFのエージェント・イーサン・ハント(トム・クルーズ)は、賞金首となったイルサ・ファウスト(レベッカ・ファーガソン)を捕らえ、彼女が持つ「鍵」を回収する任務を受ける。アラビアの砂漠でイルサと接触し「鍵」を入手したイーサンだが、アブダビ空港で思わぬ妨害に直面する。
コロナ禍の観客減少から映画館を救った「トップガン・マーヴェリック」も記憶に新しいトム・クルーズの主演最新作は、彼のライフワークとも言える「ミッション:インポッシブル」のシリーズ第7作目。シリーズ初の二部作で、何と人間ではない敵・AIとの戦いに挑みます。
タイトルの「デッド・レコニング」とは計器に頼らずコンパスなどを用いて現在地点や針路を推測しながら割り出していく航法の事を言い、ここから転じて「行き当たりばったり」とか「当てずっぽう」という意味もあります。今作は冒頭で極秘任務を負ったステルス潜水艦が登場しそれが物語の肝でもあるのでその事を指すようにも見えますが、今作は結末を決めずに撮影しながら脚本を書くという手法で作られているので作品の行方自体が「デッド・レコニング」であると言えるでしょう。
そんな作り方をしているので物語は非常に粗っぽく、登場人物の行動にイマイチ一貫性が無かったり、今作から登場するヒロイン、ヘイリー・アトウェル演じるグレースが終盤までただの嫌な女だったりと緻密とは言い難いです。ただ4作目までは1作毎に監督が変わり作品の顔も大きく異なる「ミッション:インポッシブル」ですが5作目「ローグ・ネイション」以降はクリストファー・マッカリー監督が務め続けていることにより、作品に連続性が生まれキャラクターに厚みが出て来ており、それが物語を牽引する一助になっています。
もう一つ、今作を強力に形作るのが何と言ってもアクションです。もう還暦だというのにお前に限界は無いのか?と思ってしまうほど体を張り、その名は身体性と直結していると言っても過言ではないトム・クルーズのアクションが全編に渡り展開。しかも各シークエンス毎に全く毛色の違うスタントを見せて観客を飽きさせません。164分という長尺を事実上アクションだけで牽引するパワーは並大抵のものではありません。イタリア・ローマで見せる「ルパン三世カリオストロの城」を彷彿とさせるフィアット500のカーチェイスだけでも観てるこっちは元が取れたような気分になります。
AIという今日的なテーマを扱っていますが、この1〜2年で急速な進歩を遂げているトピックに対して製作と撮影自体はコロナ禍前から始まっていたことを思うと、今作での描かれ方はどこか先見の明があると感じます。当初の予定通りに2021年に公開できていたらもっと観客の目には先進的に映っていたことでしょう。
また、AIに仕事を奪われかねないとハリウッドでストライキまで起こっている現状を思えば、走行中の列車上での格闘だろうが崖からのダイブだろうが実際にやってのけるトム・クルーズの生き様は、人間にはまだAIでは代替できない領域がある事を見せつけてくれるかのようです。
二部作の前編という体なので、164分もかけて物語は風呂敷を広げるだけ広げて終わります。そして後編は何とまだ撮影中。シナリオもまだ未完成かもしれません。どこに落着するのか全く見えませんが、PART ONEとはまた違うアクションのフルコースでこちらを楽しませてくれることでしょう。それはある意味で1920年代に活躍したムービースター、バスター・キートンを思い起こさせるような、映画というもののプリミティブな興奮に満ちた時間とも言えます。
映画とは、突き詰めればこういうので良いのかもしれませんね。
こんばんは、小島@監督です。
去る7月28日、1軒の映画館が閉館しました。
「名古屋シネマテーク」。開館は1982年。名古屋のミニシアターとしては最古参の映画館でした。前身は倉本徹氏が代表を務めていた自主上映サークル「名古屋シネアスト」、ホールでの貸切上映を続けていたシネアストが常設の映画館として今池スタービルに居を構えたのが始まりです。
独自の選別眼で他に類を見ないラインナップで上映を続けて来た映画館で、最後の年となった今年に入ってもジャン=リュック・ゴダールや原一男と言った監督の特集上映が組まれたほか、シネコンではあまりお目にかかれないジョージアやハンガリーなど東欧諸国、イスラム語圏の映画の特集企画を度々組んで来ました。1998年に日本公開されインド映画の知名度を飛躍的に向上させた「ムトゥ踊るマハラジャ」を東海地方でいち早く紹介したのもシネマテークです。
積極的に舞台挨拶が行われ、映画と観客の距離感が近い映画館でもありました。私も「港町」の想田和弘監督など、何度か観させてもらいました。来日していたイランの巨匠アッバス・キアロスタミが唐突に来場してその場で舞台挨拶が組まれた、なんてこともかつてあったようです。
館内の至るところに貼られたサイン色紙。中には庵野秀明のものも。
年に一度自主映画の集中上映を行なって来た映画館でもあり、「何でも持って来い!」と題して持ち込み作品を無審査でそのまま上映する企画も行われ、無名時代の園子温や黒沢清、沖田修一らの作品が上映されたこともあったと聞きます。
写真はありませんが、倉本徹氏が収集した映画に関する書籍や資料を配架した私設の図書館が併設されていました。閲覧は自由、有料ながら貸出しも行なっていました。3,000点はあろうかというそれらの書籍のほとんどは群馬県にあるミニシアター「シネマテークたかさき」が引き継ぐそうです。
堅い映画ばかりでなくB級の魅力溢れる「サイコ・ゴアマン」、アンソニー・ホプキンス主演のサスペンス「ハイネケン誘拐の代償」、韓国ホラーの俊作「コンジアム」などエンターテインメントも幅広く上映。この硬軟織り交ぜたラインナップの懐の深さが魅力でした。会員になると翌月の上映作品の紹介とタイムテーブルを載せた「シネマテーク通信」が送られてきて、毎月コレが届くのが結構楽しみでした。
アニメ映画の上映も多く行われ、私が初めてここで観た映画も「鉄人28号白昼の残月」でした。日本の作品だけでなくユーリ・ノルシュテイン、ヤン・シュヴァンクマイエル、ミッシェル・オスロなど海外の作家の作品も数多く紹介してくれました。
最後にシネマテークに訪れた日に観たのは2本。
1本目は「ロング・グッドバイ」、ロバート・アルトマン監督が1973年に発表した、レイモンド・チャンドラーの「長いお別れ」を大胆に翻案した作品です。原作の寡黙さを無視し象徴とも言えるギムレットも出て来ませんが、軽妙な語り口がクセになる作品で松田優作はこの映画からインスパイアされて「探偵物語」を生み出したことで知られています。こんな軽やかなフィリップ・マーロウも悪くない。
2本目は「世界が引き裂かれる時」、2022年にウクライナ・トルコの合作として製作された作品です。シネマテークでの最後の新作として上映されました。2014年にウクライナで起きた旅客機撃墜事件を背景に、ロシアとの国境付近で住む夫婦の日常が紛争に侵食されていく様を描きます。ロシア・ウクライナ紛争最前線の息詰まる空気感が反比例するように美しい映像の中で描き出され、観る者の魂に刻みつけてきます。
実は閉館後に一度立ち寄りました。来週以降の上映予定のボードに何も貼られていないのが寂しさをいやます。
シネマテークに行くようになるまで、映画好きとは言いながらただ一時の娯楽として観ているに過ぎなかったように思います。シネコンよりずっと映画との距離が近い場所で、時に寝落ちしてしまうこともありましたが(苦笑)、ここで映画と向き合う楽しさと深入りする面白さを学ばせてもらいました。どれだけ感謝しても足りないくらいです。この寂しさを埋められるような映画館は現れないかもしれません。
シネマテークでの映画帰りに立ち寄る事が常だった書店「ちくさ正文館」も先月31日に閉店。自分の好きだった場所が相次いで無くなってしまい、この喪失感はちょっと上手く言い表せないくらい。
ただ、映画ではテークで上映を予定していた作品をシネマスコーレが一部引き継いで上映するらしいことや、大須シネマが2番館としての立ち位置は保持しながらも新作も上映出来るように準備していたり、書店の方も今池のウニタ書店や金山のTOUTEN BOOKSTOREのように独自のこだわりで書籍を販売する、大手チェーンとは一線を画すショップが各所に出てきたりと、決して消えるに任せたりしない動きを見せてくれているところに一縷の希望を感じています。これらの場所がこれから先も長く続いてくれる事を願って止みません。
シネマテークもちくさ正文館も、長い間お疲れ様。そしてありがとうございました。
去る7月28日、1軒の映画館が閉館しました。
「名古屋シネマテーク」。開館は1982年。名古屋のミニシアターとしては最古参の映画館でした。前身は倉本徹氏が代表を務めていた自主上映サークル「名古屋シネアスト」、ホールでの貸切上映を続けていたシネアストが常設の映画館として今池スタービルに居を構えたのが始まりです。
独自の選別眼で他に類を見ないラインナップで上映を続けて来た映画館で、最後の年となった今年に入ってもジャン=リュック・ゴダールや原一男と言った監督の特集上映が組まれたほか、シネコンではあまりお目にかかれないジョージアやハンガリーなど東欧諸国、イスラム語圏の映画の特集企画を度々組んで来ました。1998年に日本公開されインド映画の知名度を飛躍的に向上させた「ムトゥ踊るマハラジャ」を東海地方でいち早く紹介したのもシネマテークです。
積極的に舞台挨拶が行われ、映画と観客の距離感が近い映画館でもありました。私も「港町」の想田和弘監督など、何度か観させてもらいました。来日していたイランの巨匠アッバス・キアロスタミが唐突に来場してその場で舞台挨拶が組まれた、なんてこともかつてあったようです。
館内の至るところに貼られたサイン色紙。中には庵野秀明のものも。
年に一度自主映画の集中上映を行なって来た映画館でもあり、「何でも持って来い!」と題して持ち込み作品を無審査でそのまま上映する企画も行われ、無名時代の園子温や黒沢清、沖田修一らの作品が上映されたこともあったと聞きます。
写真はありませんが、倉本徹氏が収集した映画に関する書籍や資料を配架した私設の図書館が併設されていました。閲覧は自由、有料ながら貸出しも行なっていました。3,000点はあろうかというそれらの書籍のほとんどは群馬県にあるミニシアター「シネマテークたかさき」が引き継ぐそうです。
堅い映画ばかりでなくB級の魅力溢れる「サイコ・ゴアマン」、アンソニー・ホプキンス主演のサスペンス「ハイネケン誘拐の代償」、韓国ホラーの俊作「コンジアム」などエンターテインメントも幅広く上映。この硬軟織り交ぜたラインナップの懐の深さが魅力でした。会員になると翌月の上映作品の紹介とタイムテーブルを載せた「シネマテーク通信」が送られてきて、毎月コレが届くのが結構楽しみでした。
アニメ映画の上映も多く行われ、私が初めてここで観た映画も「鉄人28号白昼の残月」でした。日本の作品だけでなくユーリ・ノルシュテイン、ヤン・シュヴァンクマイエル、ミッシェル・オスロなど海外の作家の作品も数多く紹介してくれました。
最後にシネマテークに訪れた日に観たのは2本。
1本目は「ロング・グッドバイ」、ロバート・アルトマン監督が1973年に発表した、レイモンド・チャンドラーの「長いお別れ」を大胆に翻案した作品です。原作の寡黙さを無視し象徴とも言えるギムレットも出て来ませんが、軽妙な語り口がクセになる作品で松田優作はこの映画からインスパイアされて「探偵物語」を生み出したことで知られています。こんな軽やかなフィリップ・マーロウも悪くない。
2本目は「世界が引き裂かれる時」、2022年にウクライナ・トルコの合作として製作された作品です。シネマテークでの最後の新作として上映されました。2014年にウクライナで起きた旅客機撃墜事件を背景に、ロシアとの国境付近で住む夫婦の日常が紛争に侵食されていく様を描きます。ロシア・ウクライナ紛争最前線の息詰まる空気感が反比例するように美しい映像の中で描き出され、観る者の魂に刻みつけてきます。
実は閉館後に一度立ち寄りました。来週以降の上映予定のボードに何も貼られていないのが寂しさをいやます。
シネマテークに行くようになるまで、映画好きとは言いながらただ一時の娯楽として観ているに過ぎなかったように思います。シネコンよりずっと映画との距離が近い場所で、時に寝落ちしてしまうこともありましたが(苦笑)、ここで映画と向き合う楽しさと深入りする面白さを学ばせてもらいました。どれだけ感謝しても足りないくらいです。この寂しさを埋められるような映画館は現れないかもしれません。
シネマテークでの映画帰りに立ち寄る事が常だった書店「ちくさ正文館」も先月31日に閉店。自分の好きだった場所が相次いで無くなってしまい、この喪失感はちょっと上手く言い表せないくらい。
ただ、映画ではテークで上映を予定していた作品をシネマスコーレが一部引き継いで上映するらしいことや、大須シネマが2番館としての立ち位置は保持しながらも新作も上映出来るように準備していたり、書店の方も今池のウニタ書店や金山のTOUTEN BOOKSTOREのように独自のこだわりで書籍を販売する、大手チェーンとは一線を画すショップが各所に出てきたりと、決して消えるに任せたりしない動きを見せてくれているところに一縷の希望を感じています。これらの場所がこれから先も長く続いてくれる事を願って止みません。
シネマテークもちくさ正文館も、長い間お疲れ様。そしてありがとうございました。
何故か先週はゲリラ豪雨と思しき雨に自分の帰りの足を止められる、というのが2度も発生して変に生活リズムを狂わされて妙に疲れました。で、足止め食らってる時間は映画館行ってました。空調効いてるゆったり座れる映画館は、居酒屋で2時間過ごすより出費も抑えられるのでメリットしかありませんでした。最悪映画が自分に合わなければ寝てしまえば良いですしね(笑)
こんばんは、小島@監督です。
ところで先週の更新でこのブログが遂に600回に到達しました。我が事ながらよくこんなに続いたものよと感心しますが、今後ともよろしくお願いします。
さて、この週末ポートメッセなごやで開催された「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 10thLIVE TOUR Act-2 5 TO SP@RKLE!! 」Day1を観に行って来ました。
今年で10周年を迎えるアイドルマスターミリオンライブ、そのアニバーサリーを約1年かけて祝うライブツアーが展開されており、今回は4月の埼玉公演に続いての第2公演になります。
実は10年間も観ていながらミリオンライブの単独公演を現地で観るのは初めてです。本当にずっと縁が無くライブビューイングや配信でしか観た事の無かったミリオンライブの音を遂に現地で味わう事ができました。
Act-1に続き今回も10年間の軌跡を振り返るのをコンセプトにしており、特に今回は5〜9thライブの追想をメインに構成されていました。ステージのセットもよく観るとかつてのライブのモチーフがそこかしこに配置されているほか、出演者の衣装も当時の要素を盛り込んだものになっている(MCでのトークによれば生地も当時と同じに合わせているそう)と、過去のライブを強く意識したものに。
当然セットリストもそれを踏襲したものになっており、ライブの最後に披露された「グッドサイン」以外は全て5〜9thのどこかで使われた楽曲ばかりです。出演者各人のソロ曲を1曲ずつとユニット曲数曲、最終ブロックではユニット曲を大胆にリミックスしたメドレーという形で構成され、ユニット曲の中には当時と同じ衣装で披露されたものも。
5thの頃というのはちょうどミリシタがサービス開始した頃で、ゲーム中でキャラクターが踊る映像を観られるようになったこの辺りからダンスの振り付けが急激に難しくなったと出演者が語っていたのが印象的。かつて1度は披露された曲ばかりとは言えただノスタルジーを喚起させるというのではなく、どれもその後の経験や蓄積も踏まえてアップグレードしたステージを見せてくれました。
前述の通りミリオンライブをここに至るまでに一度も現地で観たことなかった事に加えて、ミリオンの楽曲の中でもジャンルの垣根を軽やかに超えて多様な曲を次々送り込んでバラエティーに富んでいた時期だった5〜6thあたりにリリースされたものが一番聴き込んだ時期でもあったため、自分にとって「現地で聴きたかった曲」だらけ。高山紗代子役駒形友梨さんの伸びやかなヴォーカルが全身を突き抜ける「REACH THE SKY」、ホールの壁にシルエットを映す幻想的なライティングのもと凛とした歌声を聴かせる白石紬役南早紀さんの「さかしまの言葉」、「のーりーこ!」コールが楽しい福田のり子役浜崎奈々さんの「WE ARE ONE!」、物語性の強い歌詞で聴かせる打ち込み系バラードの傑作「Melty Fantasia」など数年越しでやっと拾えてあまりに感無量でうっかり落涙。長い間待ち続けた甲斐がありました。
ミリオンライブは10thツアーもまだ2ヶ所4公演を残している他、ライブに合わせて名古屋市の各企業とコラボした「でらます!」、来月からはいよいよ TVアニメの先行上映もスタートと今年はいつにも増して熱い夏。熱中症起こさない程度には満喫しようと思っています。
それはそれとして真夏にポートメッセなごやへライブ観に行くのは正直言ってキツい。いやもう特に行き帰りが(苦笑)
こんばんは、小島@監督です。
ところで先週の更新でこのブログが遂に600回に到達しました。我が事ながらよくこんなに続いたものよと感心しますが、今後ともよろしくお願いします。
さて、この週末ポートメッセなごやで開催された「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 10thLIVE TOUR Act-2 5 TO SP@RKLE!! 」Day1を観に行って来ました。
今年で10周年を迎えるアイドルマスターミリオンライブ、そのアニバーサリーを約1年かけて祝うライブツアーが展開されており、今回は4月の埼玉公演に続いての第2公演になります。
実は10年間も観ていながらミリオンライブの単独公演を現地で観るのは初めてです。本当にずっと縁が無くライブビューイングや配信でしか観た事の無かったミリオンライブの音を遂に現地で味わう事ができました。
Act-1に続き今回も10年間の軌跡を振り返るのをコンセプトにしており、特に今回は5〜9thライブの追想をメインに構成されていました。ステージのセットもよく観るとかつてのライブのモチーフがそこかしこに配置されているほか、出演者の衣装も当時の要素を盛り込んだものになっている(MCでのトークによれば生地も当時と同じに合わせているそう)と、過去のライブを強く意識したものに。
当然セットリストもそれを踏襲したものになっており、ライブの最後に披露された「グッドサイン」以外は全て5〜9thのどこかで使われた楽曲ばかりです。出演者各人のソロ曲を1曲ずつとユニット曲数曲、最終ブロックではユニット曲を大胆にリミックスしたメドレーという形で構成され、ユニット曲の中には当時と同じ衣装で披露されたものも。
5thの頃というのはちょうどミリシタがサービス開始した頃で、ゲーム中でキャラクターが踊る映像を観られるようになったこの辺りからダンスの振り付けが急激に難しくなったと出演者が語っていたのが印象的。かつて1度は披露された曲ばかりとは言えただノスタルジーを喚起させるというのではなく、どれもその後の経験や蓄積も踏まえてアップグレードしたステージを見せてくれました。
前述の通りミリオンライブをここに至るまでに一度も現地で観たことなかった事に加えて、ミリオンの楽曲の中でもジャンルの垣根を軽やかに超えて多様な曲を次々送り込んでバラエティーに富んでいた時期だった5〜6thあたりにリリースされたものが一番聴き込んだ時期でもあったため、自分にとって「現地で聴きたかった曲」だらけ。高山紗代子役駒形友梨さんの伸びやかなヴォーカルが全身を突き抜ける「REACH THE SKY」、ホールの壁にシルエットを映す幻想的なライティングのもと凛とした歌声を聴かせる白石紬役南早紀さんの「さかしまの言葉」、「のーりーこ!」コールが楽しい福田のり子役浜崎奈々さんの「WE ARE ONE!」、物語性の強い歌詞で聴かせる打ち込み系バラードの傑作「Melty Fantasia」など数年越しでやっと拾えてあまりに感無量でうっかり落涙。長い間待ち続けた甲斐がありました。
ミリオンライブは10thツアーもまだ2ヶ所4公演を残している他、ライブに合わせて名古屋市の各企業とコラボした「でらます!」、来月からはいよいよ TVアニメの先行上映もスタートと今年はいつにも増して熱い夏。熱中症起こさない程度には満喫しようと思っています。
それはそれとして真夏にポートメッセなごやへライブ観に行くのは正直言ってキツい。いやもう特に行き帰りが(苦笑)
週末開催されたアイドルマスターシャイニーカラーズのイベント「283PRODUCTION SOLO PERFORMANCE LIVE「我儘なまま」」をDay2のみですが配信で鑑賞。物語性の強いステージングをするシャニマスらしく、曲と曲の合間に朗読劇を挟みセットリストの流れで物語を綴る構成のイベントです。劇中の登場人物の心情を代弁するかのような歌曲のパフォーマンスと言いミュージカル的な色合いも強く、特にメインを張った2人の内、三峰結華役の希水しおさんは声優以上に舞台劇の経験が多い方とあってその表現力の粋を堪能させてもらいました。終幕にはエンドロールまで流してみせる趣向も面白かったですね。
こんばんは、小島@監督です。
年末には「異次元フェス」と題しアイドルマスターとラブライブのコラボライブイベントが発表され、今から心躍らざるを得ません。スケジュール難しいタイミングだけど両日行きたいものです。
さて、今回の映画は「君たちはどう生きるか」です。
今回はストーリーもキャストも完全シークレットで封切られたため、粗筋は割愛します。吉野源三郎の小説からタイトルが取られていますが、内容的にはほぼ無関係とだけ言っておきます。
引退作と表明していた「風立ちぬ」から約10年、宮崎駿が引退を撤回して生み出された作品が公開されました。第一報として明かされたタイトルとキービジュアル以外何もかもが封切りまで伏せられたままという異例ずくめのこの作品は、はっきり言って物語の妙を楽しむような作品ではありません。宮崎駿監督は時にストーリーより作りたい映像を優先して作劇する作家で、特に「ハウルの動く城」以降その傾向が顕著になって行きますが、今回はそれが行き着くところまで言ったという印象です。
この映画は破綻したとすら言える物語の代わりにひとえに溢れ返るイマジネーションと共にアニメーションの動きそのものを楽しむ作品です。
今回宮崎駿監督は絵コンテと演出に徹したようで、例えばただ階段を降りる動作一つにとんでもない手数で見せる全編に渡る強烈な作画は「新世紀エヴァンゲリオン」や「電脳コイル」でキーアニメーターだった本田雄作画監督の下、錚々たるメンバーの手で描かれました。ご鑑賞の際は是非エンドクレジットを注意深く見てください。作画陣にレジェンド級の名前しか出てきません。ほとんどアベンジャーズかエクスペンダブルズです。
異様に力のある映像を見せる一方で物語は断片だけ見せて放りっぱなしの要素が多く、整合性が取れていないため普通に観ても呆気に取られてしまうだけに終わるでしょう。マスに訴えるエンターテインメントというよりはアート系作品に近い印象があります。
ただ綻びだらけの物語を俯瞰すればそこに強いパーソナリティが見えてくるはずです。登場人物は宮崎駿の関係者たちに、起きる事象は監督の人生の1ページのようにも思えます。ある種の訣別の念と悔悟の感情を抱きながらそれでも作る事を止められない1人の不世出のクリエイターがその晩年に最高のスタッフの手を借りて語り上げる、それはさながら贅沢な自主映画の趣です。
自分は直撃した身ではありませんが、黒澤明のファンが晩期の一作「夢」を突き付けられた時、こんな気分だったんでしょうか。スティーブン・スピルバーグやジャン=リュック・ゴダールもそうですが、映画監督が人生も黄昏時に差し掛かった時に、作品がパーソナルな方向に行くのに洋の東西は問わないようです。
公開前はタイトルからしてもっと説教臭くなるのではと言われていましたが、そんなことは無く、むしろ語りのレベルに置いてけぼりを食う人の方が多いのでは。比類ない傑作に映る人もいる一方で時間を無駄にした気分になる凡作に映る人もいる一本でしょう。しかし、良いか悪いかを超えたところでスクリーンで観ておくべき作品というのは存在し、これはその一つと言って差し支えありません。宮崎駿という巨匠の新作を同時代で前知識も無く観る機会などもう訪れません。どうかお見逃し無きよう。
こんばんは、小島@監督です。
年末には「異次元フェス」と題しアイドルマスターとラブライブのコラボライブイベントが発表され、今から心躍らざるを得ません。スケジュール難しいタイミングだけど両日行きたいものです。
さて、今回の映画は「君たちはどう生きるか」です。
今回はストーリーもキャストも完全シークレットで封切られたため、粗筋は割愛します。吉野源三郎の小説からタイトルが取られていますが、内容的にはほぼ無関係とだけ言っておきます。
引退作と表明していた「風立ちぬ」から約10年、宮崎駿が引退を撤回して生み出された作品が公開されました。第一報として明かされたタイトルとキービジュアル以外何もかもが封切りまで伏せられたままという異例ずくめのこの作品は、はっきり言って物語の妙を楽しむような作品ではありません。宮崎駿監督は時にストーリーより作りたい映像を優先して作劇する作家で、特に「ハウルの動く城」以降その傾向が顕著になって行きますが、今回はそれが行き着くところまで言ったという印象です。
この映画は破綻したとすら言える物語の代わりにひとえに溢れ返るイマジネーションと共にアニメーションの動きそのものを楽しむ作品です。
今回宮崎駿監督は絵コンテと演出に徹したようで、例えばただ階段を降りる動作一つにとんでもない手数で見せる全編に渡る強烈な作画は「新世紀エヴァンゲリオン」や「電脳コイル」でキーアニメーターだった本田雄作画監督の下、錚々たるメンバーの手で描かれました。ご鑑賞の際は是非エンドクレジットを注意深く見てください。作画陣にレジェンド級の名前しか出てきません。ほとんどアベンジャーズかエクスペンダブルズです。
異様に力のある映像を見せる一方で物語は断片だけ見せて放りっぱなしの要素が多く、整合性が取れていないため普通に観ても呆気に取られてしまうだけに終わるでしょう。マスに訴えるエンターテインメントというよりはアート系作品に近い印象があります。
ただ綻びだらけの物語を俯瞰すればそこに強いパーソナリティが見えてくるはずです。登場人物は宮崎駿の関係者たちに、起きる事象は監督の人生の1ページのようにも思えます。ある種の訣別の念と悔悟の感情を抱きながらそれでも作る事を止められない1人の不世出のクリエイターがその晩年に最高のスタッフの手を借りて語り上げる、それはさながら贅沢な自主映画の趣です。
自分は直撃した身ではありませんが、黒澤明のファンが晩期の一作「夢」を突き付けられた時、こんな気分だったんでしょうか。スティーブン・スピルバーグやジャン=リュック・ゴダールもそうですが、映画監督が人生も黄昏時に差し掛かった時に、作品がパーソナルな方向に行くのに洋の東西は問わないようです。
公開前はタイトルからしてもっと説教臭くなるのではと言われていましたが、そんなことは無く、むしろ語りのレベルに置いてけぼりを食う人の方が多いのでは。比類ない傑作に映る人もいる一方で時間を無駄にした気分になる凡作に映る人もいる一本でしょう。しかし、良いか悪いかを超えたところでスクリーンで観ておくべき作品というのは存在し、これはその一つと言って差し支えありません。宮崎駿という巨匠の新作を同時代で前知識も無く観る機会などもう訪れません。どうかお見逃し無きよう。