ちゅうカラぶろぐ


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秋のアニメが色々とスタート。私としてはマストの「アイドルマスターミリオンライブ!」はもちろんですが、「葬送のフリーレン」「アンデッド・アンラック」あたりも好印象。あとはeスポーツをモチーフにした「僕らの雨いろプロトコル」が題材の新鮮さも相まってちょっと気になる感じでしたね。
 
 こんばんは、小島@監督です。
 たくさん観れる時間的余裕があるわけではないから初回だけチェックして、とか思っていたのに意外と面白いのが多いのが困りもの。

 さて、今回の映画は「ジョン・ウィック:コンセクエンス」です。

 ニューヨーク地下組織の王バワリー・キング(ローレンス・フィッシュバーン)のもとで傷を癒し、準備を整えたジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)は主席連合との戦いへ向け行動を開始する。
 一方、ニューヨーク・コンチネンタルホテルには主席連合から全権を委ねられた侯爵(ビル・スカルスガルド)により告知人(クランシー・ブラウン)が派遣された。ジョン・ウィックが主席連合へ叛旗を翻したことの責任を取らされホテルは廃棄、支配人ウィンストン(イアン・マクシェーン)は追放処分となる。
 侯爵はジョン・ウィックへの刺客として白羽の矢を立てたのは、ジョンの旧友である盲目の男ケイン(ドニー・イェン)であった。

 ユニークな世界観と殺意むき出しのアクション「ガン・フー」で唯一無二の存在感を放ち、「マトリックス」に匹敵するキアヌ・リーブスの代表作となった「ジョン・ウィック」シリーズ。その4作目にして完結編となる作品が公開されました。全作を通じて監督を手掛けたチャド・スタエルスキが今作でもキアヌ・リーブスとタッグを組み、シリーズを締めくくります。3作目「ジョン・ウィック:パラベラム」までで徹底的に追い詰められたジョンは今作で遂に反撃に転じ、その長い戦いの旅路に遂に終止符を打つことになります。
 副題の「コンセクエンス」は「報い」という意味を持ちますが、実はこれ原題には無く邦題のみのもの。原題は単に「John Wick:Chapter4」。観ると分かるのですが、ストーリーでも重要な意味を持つ単語を持って来ていてかなり技ありのタイトルです。

 凝りに凝った世界観は今作も健在。フランスのルーブル美術館やドイツのボーデ美術館をロケ地に使った映像は、詳細を語らずとも殺し屋たちの世界に横たわる重厚な歴史を感じさせることに一役買っています。また、殺し屋とその関係者しかフォーカスしないので一般人は登場しても無関係というのも相変わらずで、今作では特にドイツのクラブでのファイトやパリの凱旋門周辺でのアクションシークエンスに特に顕著に表れています。この、現実と地続きにしないスタイルが凄惨な復讐の連鎖に他には無い奇妙な清廉さをもたらし、作品世界のユニークさを獲得しました。

 シリーズ最長の169分の大半はアクションに注ぎ込まれ、比喩ではなく満腹感を覚えるほどの尋常じゃないボリュームと驚異のバリエーションで展開されるそれは最早アートの領域です。アクションが物語を牽引する、同種の傾向を持つ作品としてはトム・クルーズ主演の「ミッション・インポッシブル/デッド・レコニングpart1」が挙げられますが、物語の着地点が定まっているというところに大きな違いがあると言えるでしょう。もう一つ違いがあるとすれば「ジョン・ウィック」の方には「殺意」をより強く感じられる、と言うところでしょうか。共演者にドニー・イェン、真田広之を迎えた今作では両者への多大なリスペクトと共に香港のカンフー、日本の殺陣を基調としたアクションも存分に盛り込まれ、映画を更に華やかにしています。

 圧倒的な熱量をもって大団円へ向け爆走する、比類なき一本。これぞ圧巻。ジョン・ウィックの旅路の果てをどうぞ見届けてください。
 なお、エンドクレジット後にエピローグがあります。場内が明るくなるまでお席をお立ちになりませんよう。

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「アイドルマスターミリオンライブ!」先行上映の第3幕を観てきました。それもついさっき。
 まだちょっと余韻でふわふわしています。基本がTVフォーマットで作られているものを敢えてスクリーンで観せる、それを観ることの意義を雄弁に語りかける映像と音響の迫力に酔いしれました。難産の末のアニメ化となったタイトルですが、10周年というメモリアルイヤーに相応しい作品になったと断言して良いでしょう。

 こんばんは、小島@監督です。
 もちろん本放送開始の暁には普通に自宅でも観ますがね!

 さて先日、名古屋能楽堂まで「能狂言鬼滅の刃」を観てきました。人生で初めての能楽鑑賞です。
 能楽師観世流シテ方で人間国宝の大槻文蔵、和泉流狂言方の野村萬斎、囃子方葛野流亀井広忠という第一人者たちがチームを組み、今や説明の必要も無くなった吾峠呼世晴の傑作「鬼滅の刃」を新作能として仕立てました。昨年東京と京都で初演され大反響を呼んだ舞台が今回名古屋初上演です。漫画を原作とした能楽の演目は極めて異例で、美内すずえ原作「ガラスの仮面」の劇中劇「紅天女」以来だとか。

 物語は原作1巻の狭霧山のエピソードと5巻の那田蜘蛛山編を中心とした二幕構成。能楽でいう「五番立」に沿った形で進行していきます。
 五番立とは即ち、
・翁(おきな。五番立は必ず「翁」「千歳」「三番艘」という祝祭儀礼から始まる。「鬼滅の刃」ではこれに代わり竈門炭治郎の父・炭十郎が炭治郎へヒノカミ神楽を相伝する姿が描かれる。)
・脇能(わきのう。神々や精霊が登場し世の安寧を祈り社寺の縁起を語る。「高砂」「養老」「竹生島」など。ここでは炭治郎は錆兎と真菰との特訓を経て鬼狩りの力を得るまでが描かれる。)
・修羅能(しゅらのう。主に「平家物語」の登場人物が現れ、自身の最期や死後の苦しみを語る。「敦盛」「清経」「八島」など。ここでは藤襲山で炭治郎が鬼殺隊の最終選別に挑む。)
・鬘能(かづらのう。「源氏物語」の登場人物など女性が主役となり恋の物語とその苦悩が優雅な舞と謡の中で展開する。「松風」「羽衣」「西行桜」など。ここでは眠り続ける竈門禰豆子が夢の中で遠き日を追想する。ここまでが前場。)
・雑能(ざつのう。他に分類しにくい演目は皆ここに振り分けられる。「隅田川」「道成寺」「安宅」など。休憩を挟みここから後場。任務中の負傷で療養していた炭治郎、我妻善逸、嘴平伊之助が復帰して那田蜘蛛山へ向かうまでが前段の狂言から地続きで語られる。)
・切能(きりのう。鬼や天狗などの異能が登場する。「鵺」「土蜘蛛」「殺生石」など。那田蜘蛛山で炭治郎達は下弦の伍・累との戦いに挑む。)
という流れで展開し、各番の合間にコメディ色の強い狂言が入るほか、前場と後場の合間には「アイ(間)狂言」が入ります。アイ狂言では時を平安時代に遡り不老不死の身体を得るも陽光の下に出られなくなった鬼舞辻無惨が生への渇望と死への恐怖に押されながら千年の彷徨に出る様が語られます。
 シテ方の大槻文蔵氏は下弦の伍・累を、狂言方の野村萬斎氏は鬼舞辻無惨のほか炭治郎の父・竈門炭十郎、鱗滝左近次、更に鎹烏まで4役を演じています。

 鑑賞して思うのはこちらの想像を遥かに超える原作と能楽との相性の良さ。
 蜘蛛の力を持つ累には「土蜘蛛」が、水の呼吸の表現には「船弁慶」からの引用が見受けられるだけでなく、炭治郎を始めとして主要人物の多くは顔つきよりも着物の柄でキャラクターを印象付けていることも客席からの視認性の高さに直結していますし、鱗滝だったり鋼鐡塚だったり能面を付けたキャラクターが多数登場することや、ヒノカミ神楽という神楽舞が物語の重要なピースだったりする、そういう様々な要素ももちろんですがそれ以上に根幹のところで強烈な親和性を見せます。能舞台で「橋がかり」と呼ばれる長い通路は、ただの通路ではなく常世と現世を結ぶ道でもあります。その道を通り本舞台に現れる鬼達は炭治郎達に討たれ、その道を戻ることで黄泉の国へと還っていきます。常世へ帰る鬼の魂、それに思いを馳せられる炭治郎の舞と謡が鎮めるのです。
 恐らく古典と比べたら演出も現代的であり盛っている方だとは思いますが、それでもアニメや2.5次元とは根本が違う抽象画や水墨画のような引き算の美が観る者のイマジネーションに作用して力強い印象を刻みつけてくれます。何より能舞台で舞われるヒノカミ神楽の姿はそれだけで強烈な説得力。なるほど鬼も調伏できようやという神気のようなものすら感じ入る程でした。

 現代の漫画をベースにしながら既に古典のような風格を持ち合わせていて、再演を重ねて遥か先の未来で古典として息づいていてほしいとふと思っていました。伝統芸能への入り口としてこれほどのものもなかなか無いでしょう。良い経験ができました。これから古典能もいろいろ観てみたいなぁ。

 なお、今回の文章を書くにあたり、「能狂言鬼滅の刃」パンフレット、「日本芸術文化振興会」ホームページなどを参考に致しました。

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先日、お誘いを受け珍しく歌会以外でもカラオケを楽しんできました。今回は「90年代以前の曲」縛り、出来ればアニソンも少なめで、というレギュレーション。いや〜久しく使ってない錆び付いた鍵付きの引き出しを開けるような感じで楽しかったすね(笑)!
 昭和歌謡もたまに聞いてみると結構カッコいいのもあったりして、何かの時のために覚えておいても良いかと思うものもあったり。

 こんばんは、小島@監督です。
 たまにはこういうのも楽しい。また何かの折にやれたら良いなぁ。

 さて、今回の映画は「パーフェクトブルー」です。

 アイドルグループ「CHAM」に所属していた霧越未麻(声・岩男潤子)は、あるミニライブを最後にグループを脱退し女優への転身を図った。しかし本人の思いとは裏腹にヌードグラビアやレイプシーンもあるドラマの撮影などアイドル時代には考えられなかったような仕事が続いた。アイドルの頃からのファンは未麻の現状を嘆くものの、未麻の仕事は次第に軌道に乗っていく。獲得した人気と裏腹に心をすり減らす未麻はやがてアイドル時代の自分の幻影まで見るようになる。そんな折、未麻の仕事の関係者が惨殺される事件が相次いで発生した。果たしてそれは自分自身が起こした事なのか?虚構と現実の境界が曖昧になる中で未麻は更に追い詰められていく。

 2010年に46歳の若さで病没した夭折のアニメーション作家・今敏。一線で活躍したのは15年程度、寡作ゆえに手掛けた作品数も少ないながら日本のアニメ史、映像史に残した足跡は極めて大きい人物です。その今敏の初監督作品が1997年に製作されたこの「パーフェクトブルー」(なお劇場公開は翌1998年)です。先頃公開25周年を記念して4Kリマスター版が製作され、只今限定公開中です。当初1週間限定と告知されていましたが、平日でも満席になるなど人気の根強さを伺わせて、公開館では軒並み上映期間が1週間延長される事になりました。客層がてっきり自分と同世代かそれ以上の方達ばかりだろうと思っていたのですが、見渡すと結構若い方もいるのに驚き。どういう経緯でこの作品を知り得たのか、興味が湧きますね。

 今敏が生涯にわたりモチーフにし続けた「虚構と現実の混淆」という命題は、この初監督作品で既に主題とされています。未麻は自身の意に沿わぬ仕事をこなし続けるうちに精神がすり減り現実との境が曖昧になっていきます。アイドル時代の幻影を見るようになると同時に出演しているドラマの内容も現実と酷似していき、今展開しているのは現実か劇中劇のシーンなのかが混然としていき観客を幻惑します。
 写実的なビジュアルをしていますが、だからと言って実写でこれをやったら絶対にチープになってしまうであろうアニメならではの映像表現がふんだんに盛り込まれているところにこの作品の凄みがあります。しかもかなり入り組んだ構図をしていながら上映時間は81分。この余剰の少なさが高いテンションと集中力を最後まで保ちつつ物語を展開するのに成功しています。

 全くの余談ですが、内容はともかく作中登場するツールはさすがに今見ると古く懐かしいものになっています。特に未麻が使うネットのブラウザが「Netscape Navigator」だったのは当時を知る者としてはちょっと胸が熱くなりましたね(笑)。1990年代も最早レトロの域に入りつつあることを思えば若い方にはかなり新鮮に映る箇所かもしれません。

 今でこそ珍しくなくなりましたが1997年当時、こういうサイコホラーはアニメではほぼ前例が無く、この作品がジャンルを切り拓いたと言っても過言ではないでしょう。
 「考察系」と呼ばれるドラマや映画も相次いで製作されている近年を思えばその先駆者とも言える「パーフェクトブルー」は今こそ再発見の好機。早すぎた天才の傑作をどうぞご堪能あれ。

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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
 昨日はどうしてもその日の夕方にしか歯科の予約が取れなかったため30分ほど早抜けさせて頂きました。人数の少ない部屋にいたので早抜けは少々申し訳無かったですが、反面今回歌おうと思っていた曲はほぼやり切れたのでちょっと満足しています。

 こんばんは、小島@監督です。
 次回はちゃんと最後まで参加する予定。

 さて、今回の映画は「プリキュアオールスターズF」です。

 ソラ(声・関根明良)が目を覚ました時、見慣れぬ世界にいた。ましろ(声・加隈亜衣)達ともどうやらはぐれてしまったらしい。同じようにこの世界に迷い込んだらしいゆい(声・菱川花菜)、まなつ(声・ファイルーズあい)と共にはぐれた仲間たちと元いた世界へ戻る方法を探すソラ。そんな時、モンスターと戦うキュアシュプリーム(声・坂本真綾)と出会う。

 今年20周年を迎えた「プリキュア」シリーズ。それを記念して歴代のプリキュア達が総結集するアニバーサリー映画が製作されました。自分が初めてプリキュア映画を観たのが5周年記念作品の「プリキュアオールスターズ」だったので、観始めてからもう15年も経ったのかと思うとその事実に背筋がちょっと寒くなります(苦笑)。
 脚本に「Go!プリンセスプリキュア」などプリキュアシリーズのほか「ゆるキャン△」なども手掛ける田中仁、監督に「映画魔法つかいプリキュア」「映画スター☆トゥインクルプリキュア」の田中裕太と、シリーズでも高い評価を集めた人物が結集して製作されています。また、主題歌をいきものがかりが歌っていることは告知されていますが、劇中の挿入歌にMachico始め吉武千颯、礒部花梨、駒形友梨ら歴代のプリキュアのテーマ曲を歌ったメンバーが集まっての楽曲が用意されているのもポイントですね。

 「ひろがるスカイ!プリキュア」のメンバーが離れ離れになり同じようにチームをバラバラにされたほかのプリキュア達と急造チームを作って旅をすることになる、というのが物語の肝になる今作、個性的なプリキュア達のアンサンブルをテンポ良く見せながら描き出すのは「プリキュアとは?」という根幹的な問いです。ちょうど今の「ひろがるスカイ!プリキュア」の主人公ソラが「ヒーロー」である意味を問い続けるキャラクターであるのも上手く機能しています。
 単純に見えてちょっと一捻りしている構図がもたらすツイストも加わって、それらが集約しアクションとして結実するクライマックスは20周年を記念するに相応しい迫力に仕上がっています。

 今作のゲスト声優として出演している坂本真綾、種崎敦美の演技が予想以上に素晴らしいのも良いですね。特に種崎敦美は近年「DRAGON QUESTダイの大冒険」のダイや「SPY×FAMILY」のアーニャ、「魔法使いの嫁」の智世など年齢も性別も性格もバラバラな役を次々に演じる底の深さをここでも見せてくれています。
 
 一方で、70分の尺の中で4つの視点が展開するのでさすがにかなり忙しなくなってしまっている上に、数年ぶりに取り入れられたミラクルライトも前説でも本編でも子ども達に向けてどのように使うかを語りかけたりしないのは少し残念です。良い歳した自分なら数年離れていたくらいどうということはないですが、幼稚園〜小学校低学年の子ども達をメインターゲットにしているなら3年変われば次の世代にいる事を忘れないで欲しかったなと思いますね。

 終盤にはかなり意外なキャラクターがカメオ出演するサプライズもあり、総じて今までプリキュアを楽しんで来たファン達に向けて作られている印象ですが、その分、私は思いっきり楽しめました。今期の「ひろプリ」も後半に差し掛かり、物語の行く末も含めてまだまだ楽しませてもらえそうです。

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 俺氏、人生初法被。

 こんばんは、小島@監督です。

 というわけで、この週末愛知県国際展示場まで「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS Shout out Live!!! 」Day1を観て来ました。初めて行きましたが、ちょっと距離的に遠いけどすぐそばにセントレアがあるおかげで飲食店にもトイレにも困らない環境がとても快適。
 「アイドルマスターシンデレラガールズ」のゲーム「スターライトステージ」の8周年を記念してのライブイベントが開催されました。今回は「愛」と「叫ぶ」をテーマにセットリストを構築し、バックバンドを擁しての生演奏と共に展開します。生演奏が入るライブで声を出せるイベントというのは3年半ぶり。生音のダイナミズムに身を委ねて声援を張り上げる気持ち良さを満喫して来ました。

 開演前のオーバーチュアもバックバンドの演奏で始まる今回のステージ。辻野あかり役梅澤めぐさんと木村夏樹役安野希世乃さんをセンターに据え、開幕1曲目の「無限L∞PだLOVE」からラブソングとロック色の強めの楽曲たちをアグレッシブに畳み掛けて来ます。面白いのは「ミラーボール・ラブ」のようなディスコナンバーや「きゅん・きゅん・まっくす」のような可愛さに全振りしたアイドルソングをかなり大胆に、ちょっとガラが悪いくらいにアレンジして聴かせてくれます。そこまでアレンジは強くなくとも生演奏に映える楽曲が多く選ばれ、その歌唱メンバーの妙と合わせて既存曲の新たな顔を見せる驚きに溢れていました。一方で西園寺琴歌役安齋由香里さんのソロ「セレブレイト・スターレイル」、三船美優役原田彩楓さんのソロ「Little More」(中盤のサックスプレイが絶品!)、早坂美玲役朝井彩加さんと砂塚あきら役富田美憂さんのデュオ「Hardcore Toyworld」など新曲の比率もいつになく多く、そう言った驚きもライブのボルテージを牽引してくれます。

 全てを締め括るライブの最後の曲に多田李衣菜の最初のソロ曲「Twilight Sky」をチョイスするセンスも心憎い。「ロックなアイドルを目指したい」というパーソナリティである彼女の曲がシンデレラガールズにおけるロックのシンボルになって全体の曲として歌われること、1stライブの際にある1人のPの発案と努力(観客全員分のサイリウムを自費で用意して配布してイメージを伝え、それに皆も応えたのが今でも語り草)によってこの曲が歌われる時は観客席がオレンジとブルーの2色で夕焼け空を表現するのがスタンダードになったこと、それらのコンテクストが混然と意味を持ち非常にエモーショナルな時間でした。

 また、今回のイベントは個人的に結構気合い入れて臨んだライブになりました。いわゆる自担が2人出演していて1人は北条加蓮役渕上舞さん。配信で観ていたDay2でサプライズで新曲が発表されて画面越しに思わず叫んでしまいましたが(苦笑)、今回の肝はもう1人。冒頭の法被のアイドル、望月聖役原涼子さんの出演です。この望月聖、かなり何年も前からこの子にCVが付いてステージだ歌う姿を見たいと推し続けていたキャラクターで、念願叶って今回遂に初ステージ。感無量。しかも原涼子さん(代表作は当時9歳で主演した2014年製作のアニメ「ばらかもん」の琴石なる役。まだ10代ですがキャリアは今回の出演者の中でも長い方だったりする。)の歌声が期待の遥か上行く歌唱力で心底この子が聖役で良かったと観客席で涙目になりながら聴いていました。加蓮は存在を知った時にはもうCVが付いていたので、こういう感覚を味わえたは初めてです。ホント感謝しかない。

 何というかプロデューサー冥利に尽きる、というか、まだこんな知らない感情に出くわせる瞬間があったのかというような気分を味わえた今回のライブ。次はツアーが待っているのがDay2最後に告知されました。OK、まだまだ付いて行きますよ!

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ちょいとした流れで普段あまり利用しない地元の温泉に日帰り入浴に行って来ました。基本は宿泊客向けで、日帰り入浴の営業時間が約3時間しかないような所。日曜日夕方の浅い時間というのもあってか自分以外は数人しかいないゆったり加減でじっくり温泉を堪能。
 たまにはこういうのもありかも。

 こんばんは、小島@監督です。
 もちろん湯上がりにはフルーツ牛乳も飲みましたさ。

 さて、今回の映画は「SAND LAND」です。

 川が干上がり砂漠化が進む世界「サンドランド」、貴重な水は国王が独占し高騰の一途を辿るばかり。北方の小村で保安官を務めるラオ(声・山路和弘)は水不足に苦しむ人々を救うため南方のどこかにあると目される「幻の泉」を探す旅に出た。危険を伴う旅の同行者としてラオは魔物たちに協力を求め、悪魔の王子ベルゼブブ(声・田村睦心)とお目付け役のシーフ(声・チョー)が同行することになった。一行は道中で国王軍の戦車を強奪し、一路南を目指す。

 「ドラゴンボール」「Dr.スランプ」で世界的知名度を誇る鳥山明、「ドラゴンボール」連載終了後は散発的に読切や短期連載を発表していましたが、その作品群の1つ、2000年に連載されたのが「SAND LAND」です。
 主人公は老保安官と全身がピンク色の悪魔の子供、そしてお目付け役の老人というパーティーメンバーで強奪した戦車での冒険が始まります。色気も華やかさも無い地味で武骨な内容ながら今なお根強いファンを持つ隠れた名作が20年越しにアニメ化されました。脚本はドラマ「刑事7人」や令和版のアニメ「うる星やつら」を手掛けた森ハヤシ、絵コンテに「HUNTER×HUNTER」「吸血鬼すぐ死ぬ」などのベテラン神志那弘志、監督は「ドラゴンクエスト」のPVなどのほか中編アニメ「COCOLRS」が高い評価を集めた俊英・横嶋俊夫が手がけています。

 冒険ロマンの王道を行く、素晴らしい出来栄えの一本です。
 物語そのものは原作をほぼ忠実に映像化。しかしただ原作をなぞるだけでなく咀嚼した上で深掘りするべきところは掘り下げて見せ、より味わい深くなっています。特にラオが抱える傷や後悔の大きさが原作以上に強く描かれているのが特徴で、そこに名優山路和弘の演技が乗り、苦み走った渋さでもって物語を牽引します。

 また、何よりの魅力は戦車を始めとして鳥山明が描く独特の丸みと描線を持つメカたちがディテールもそのままに文字通り縦横無尽に躍動するそのビジュアルです。「Dr.スランプ」や「ドラゴンボール」のコミックスの表紙には本編の内容とは関係無くアラレちゃんや孫悟空が様々な形のバイクや車に乗っているイラストが度々登場していたのですが、アレがそのままアニメで動いているところを観られるのはなかなか感激します。
 
 全体を見れば少々ご都合主義が強いところも散見されるのですが、サマーシーズンに家族で楽しむアドベンチャーロマンならこれくらいは許容範囲でしょう。心地良く楽しめる一本です。「ドラゴンボール」と比較して決定的に知名度が足りてないせいか客入りがどうにも芳しくないようですが、それで素通りするには勿体無い逸品。できればこれに続いて「COWA!」もアニメ化されるくらいヒットしてくれると嬉しいのですが、難しいかな〜(苦笑)


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先日、会期末ギリギリのタイミングながら「動き出す浮世絵展」を観てきました。プロジェクションマッピングを活用し、歌川国芳や葛飾北斎などの作品を文字通り動画にして鑑賞する展覧会で、なるほどこういう楽しみ方もあるのかとちょっと感心します。動画と合わせて浮世絵の原版や復刻版など実物も展示されており、なかなかに奥行きのある面白さでした。

 こんばんは、小島@監督です。
 実のところ私のように駆け込みで観に行った人が結構多く、本来なら空いているハズの時間帯なのにかなり混んでいてじっくりとは観られなかった箇所がいくつかあるのが勿体無かったですね。もっとベストなタイミングを捕まえられると良いのですが。

 さて、今回の映画は「MEGザ・モンスターズ2」です。

 絶滅したはずの巨大サメ「メガロドン」とかつて死闘を演じたジョナス・テイラー(ジェイソン・ステイサム)は今は汚染物質を不法投棄する業者を摘発する活動を行っていた。
 中国人実業家ジウミン・ジャン(ウー・ジン)の招聘で海洋研究所「マナ・ワン」を訪れたジョナスは、再びマリアナ海溝探査の潜水艇に乗り込むことになる。その探査をきっかけに再び呼び覚まされるメガロドン。しかも目覚めたのはそれだけではなかった。

 スティーブ・オルテンのSF小説を原作に、2018年に製作されたジェイソン・ステイサムVS巨大サメ、という魅惑のシチュエーションが熱い海洋パニック映画にまさかの続編が登場。冒頭の古生代のシーンで観客を鷲掴みにした後は、前半は深海で、後半はリゾート地で、という流れ自体は前作を踏襲しているものの前作を軽々超えるボリュームを時間いっぱいみっちり詰め込んで一気呵成に畳みかける最高に楽しいエンターテインメントになっています。

 前作ではヒロイン・リー・ビンビンを差し置いてシャワーシーンがあったこともネタの一つになったジェイソン・ステイサムは、今作でも懸垂しながら登場するなど面白シーンに事欠きません。中盤には「魁!!男塾」の江田島平八みたいなムーヴをキメるシーンまで登場し、そのコミック的なヒーローぶりに、むしろ安心してパニックに身を任せられる不思議な感覚を味わえます。どちらかと言えばサメ映画にステイサムが出演しているのではなくステイサム映画にサメが出演している映画です。

 物としてはアメリカ映画ですが製作には中国資本が強く入っているのも前作同様で、前作では中国市場のレーティングへの配慮が色濃く出過ぎたのか、せっかくの美味しいシチュエーションを活かしきれていないぬるさがあったのですが、踏み込み加減が分かってきたのか今作では配慮を感じさせるショットはあるものの、それとモンスターパニックの迫力をちゃんと両立させられるようになっており、結果としてエンタメとして一段上の出来栄えになっています。

 次から次へとジョナスたちを襲う危機の連続ぶりに、気付けば何だかハイになって来る不思議。気が滅入りそうなほどの猛暑が続く真夏のエンタメはいっそこれくらいノー天気にやり切ってくれる方がスッキリして頭を切り替えられそうです。これぞポップコーンとコーラが似合う映画。2時間浮世を忘れて楽しんじゃってください。

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