ちゅうカラぶろぐ


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もう先々週になりますが今年のボジョレー・ヌーヴォーが解禁になり、皆さんの中にも今年の出来を味わってみた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 ボジョレー・ヌーヴォーが市場としてある意味で成熟したこともあってか、ワインのインポーターは「次」を探して仕掛けにかかっています。イタリアの新酒「ヴィーノ・ノヴェッロ」(10月30日解禁)やオーストリアの新酒「ホイリゲ」(11月11日解禁)などが数年前からワイン専門店やビストロなどでも扱われるようになり、目にする機会も増えました。どれもボジョレー・ヌーヴォーと製法はあまり変わらないのですが使っている品種が違うので味わいも結構違います。見かけたら試してみるのも一興ですよ。

 こんばんは、小島@監督です。
 そうは言いながら私もまだホイリゲって飲んだことないんですけどね(苦笑)後学のために一度飲んでおきたいものよ。

 さて、今回の映画は「モアナ 南海の歓喜」です。

 南太平洋サモア諸島で暮らすルペンガ一家にはモアナとペアという2人の兄弟がいる。兄弟は父と共に常食のタロイモやココナツの収穫にでかけたり野獣の通り道に罠を仕掛けて捕えたり、丸木舟を出して魚を獲ったりして暮らしている。
 また兄モアナにはファアンガセという名の恋人がおり、2人はもうすぐ結婚を控えている身でもあった。結婚式を前に、モアナには成人の儀を上げる必要があった。父ルペンガの吹くほら貝の音が響き渡り、モアナの成人式が始まった。

 よもやコレを観られる機会が出来ようとは、という映画を先日鑑賞の機会を得ることができました。
 この映画の製作年は1926年。監督であるロバート・フラハティが2年間サモア諸島で現地の民族と共に生活しながらその暮らしぶりをつぶさに観察し撮影しつつ、同時にフィクション的な視点でもって映像素材をモンタージュし一編の映画へとまとめ上げたこの作品を、当時の映画作家であり評論家でもあったジョン・グリアスンが「ニューヨーク・サン」紙にてその論評の中で「ドキュメンタリー」という言葉を使用して評しました。そう、これこそが映画における「ドキュメンタリー」誕生の瞬間。この作品の後イギリスでは「ドキュメンタリー映画」への運動が興り現在へ至る基礎が築かれました。「モアナ」は文字通りに伝説的な作品です。
 もちろん原典はモノクロでサイレントな映画ですが、面白いことに私が先日観たのはサウンドが付加されたバージョン。実は1980年にロバート・フラハティの娘モニカが当時の撮影地へと飛び、当時を知る現地住民の協力を得ながら環境音や民族舞踊の音楽、更には映像から予測されうるダイアローグを書き起こして台詞をアフレコし、元の映像にフィッティングしリストアするという作業を行いこの「サウンド版」を作り上げました。もっとも、私が観たのはその後2014年に2Kデジタルリマスターを行い同時に音と映像の親和性をさらに高めたバージョンです。
 フィールドワーク主体のロバート・フラハティの手法に影響を受けた映像作家も多く、1960年代に成田空港建設反対運動、いわゆる「三里塚闘争」の当事者と共に生活しながら7本の映画を製作した小川紳介などはその代表的なところで彼はロバート・フラハティの妻フランシスの著書の邦訳もしたりしています。
 
 90年前の映像に40年前に収録した音を付加した作品、というだけでも相当ユニークですが、更に面白いことにこの音と映像のシンクロぶりが凄いです。そういうものだと言われなければ同時収録したものだと思う方もいるに違いないレベルで不思議で鮮烈な映像体験と直面することになります。このちょっとうまい具合に言葉にできない得も言われぬ感覚は他に代えがたいもので、興味と時間がある人には是非観てもらいたいところ。
 この映画を観ていると、ふとロバート・フラハティのサモア諸島の人々の素朴な暮らしへの憧憬にも似た敬意のようなものを感じます。度々作中に登場するテロップには演出的な作為を禁じ得ないものの、そういう部分を含めてサモアにある種の「楽園」を見出していたように思えます。同時にこの楽園のようなイメージが後の映画たちに与えた影響も大きく、例えば日本でも「モスラ」(1961年)に登場するインファント島などもその影響下にあるとする見方もあるほどです。

 「モアナ 南海の歓喜」は名古屋では12月7日までシネマテークで上映しています。現在の作品とはテンポがまるで違うので眠くなってしまう方もいるかもしれませんが、もはや歴史の教科書に出てくるような領域の作品に触れられる機会もそうそうないので興味の湧いた方はどうぞご覧になってみてください。

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ちょいと縁あって昨日「AD-LIVE」というイベントのライブビューイングを観に行ってきました。
 鈴村健一を座長に岩田光央、森久保祥太郎、櫻井孝宏、小野賢章、浅沼晋太郎ら6人の声優がタイトル通りキャラクターとシチュエーションだけセッティングして脚本無しのアドリブ芝居を繰り広げるというものです。
 各出演者には舞台中に必ずやるべき「お題」が当人にだけ知らされる形で設定されているほか、全員が中に台詞の書かれた紙が何十枚と折り畳まれて収められた肩掛けカバンを提げていて出演者は随時それを取り出して引いた紙に記されたセリフを観客にその紙を見せながら言う、というのが特徴でコレがあらぬ方向へ物語を加速させていく原動力になっていくのです。観客どころか出演者にすら着地点が分からない状態で舞台が進むので謎のスリル感と共にハイテンションな笑いがこれまた予測不可能な角度から繰り出されるのでまさに抱腹絶倒。いやこれは面白いものが観れました。

 こんばんは、小島@監督です。
 ベテランの声優陣たちは同時にすぐれた俳優でもあるというのを実感させてくれるイベントでした。今年の上演はこれが最後だそうですが来年また機会があれば観てみたいですね。

 さて、今回の映画は「ヴェノム」です。

 サンフランシスコ、若き天才企業家カールトン・ドレイク(リズ・アーメッド)がCEOを務める「ライフ財団」への独占取材で不用意に黒い疑惑を突き付けたその日にジャーナリスト・エディ・ブロック(トム・ハーディ)は仕事も恋人も失った。
 傷心の日々を送るエディにライフ財団の研究員ドーラ・スカース(ジェニー・スレイト)が接触を図る。財団の黒い噂は真実だった。宇宙生命体「シンビオート」を利用して人体実験を行っていたのだ。ドーラの手引きで研究所に忍び込んだエディはそこでシンビオートに寄生されてしまった。

 また一人、偉大なクリエイターがこの世を去っていきました。
 スタン・リー。1960年代から活躍し「スパイダーマン」や「アイアンマン」「X-メン」などの原作を手掛け、コミック業界に変革をもたらし、現在へと至る礎を築きました。現代のアメリカンカルチャーを語る上で決して外せない人物であると同時にアメコミヒーロー映画ファンとしてはマーベル作品に毎回必ずどこかでカメオ出演するファンキーなお爺ちゃんとしても有名で、「どこで登場するんだろうか」と思いながら観るのも一つの楽しみでした。
 そんなスタン・リーの生み出したヒーロー「スパイダーマン」のヴィランとして1988年に登場するやヒーローに匹敵するほどの人気を獲得したキャラクター「ヴェノム」を主人公にした映画が現在公開中です。スパイダーマンに関連するキャラではありますが、今年シリーズ10周年となった「マーベル・シネマティック・ユニバース」の系譜ではなく、スパイダーマンもまだ存在していない(今のところ)完全に独立したタイトルになっています。

 本国アメリカでは今一つ評価が芳しくないそうですが、観ててつまらない、ということはありません。むしろかなり面白いです。ポスターなどでは「最悪」のキャッチコピーが躍っていますが、「最悪」というよりは「口は悪いガキの良い兄ちゃん」ですヴェノム(笑)始めこそエディと反目するものの、シンビオートの中でも決して最強というワケではないらしいヴェノムは人生に落伍気味のエディにだんだん感情移入していって気づけば人生相談に乗っちゃったりします。このどこか「寄生獣」や「ド根性ガエル」を思わせる珍妙なバディ関係が見所で、この変にキャラクターが立っている辺りに「ゾンビランド」(2009年製作)で注目を集めた監督ルーベン・フライシャーの手腕を感じますね。

 ただエディがシンビオートに寄生される、いわば「本題」が始まるまでがかなりもっさりしていることや中盤にいくら勢い任せといっても程ってものがと言いたくなるくらいそれまでの流れを崩す行動を取る人物がいるので物語としては実は相当に適当です。そりゃ批評家筋には評判悪いのも分かろうというものです。でもただ何も考えずに観るにはとても面白いのが困りもの(笑)やさぐれジャーナリストおじさんとヤンキーエイリアンの凸凹コンビの活躍をどうぞご堪能あれ。

 余談ですが、今後公開予定の数本のマーベル映画のカメオ出演パートの撮影は既に済んでいるようで、もうしばらくエクセルシオール爺さんの姿をスクリーンで観られる機会がありそうです。ですが、それが余計に寂しさをいや増してしまいますね…

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昨日「アイドルマスターシンデレラガールズ」の6thLIVEメットライフドーム公演Day2のライブビューイングに行って来ました。シンデレラガールズ初の単独ドーム公演、出演者全員個別の衣装や更に進化した舞台演出、それらに負けない演者のパフォーマンス、3時間半ノンストップで堪能しました。ですが、今回は現地で2日間全力で満喫してきたちゅうカラメンバーが大勢いるので詳細な感想はそちらに譲ります。来月1日2日のナゴヤドーム公演で久々に両日現地参戦するのでそこでがっつり書き連ねてやりますぜフゥーハハハ。

 こんばんは、小島@監督です。
 それでも小早川紗枝役立花理香さんと塩見周子役ルゥ・ティンさんのデュオ「羽衣小町」による「美に入り彩を穿つ」が最高に艶やかだったことと、橘ありす役にして元AKB佐藤亜美菜さんドームで万感のセンターとなった「in fact」と道明寺歌鈴役新田ひよりさんの巫女装束風の衣装にポニーテールというスタイルが実にSo cuteだったことには触れておかねばなるまいて(笑)

 さて、今回の映画は「search/サーチ」です。

 デビッド・キム(ジョン・チョー)は3年前に妻を喪って以来、娘マーゴット(ミシェル・ラー)との関係がぎこちないものになっていることが悩みの種だった。ある日、デビッドのもとに「友人の家で勉強会をする」とマーゴットからのメッセージが入る。デビッドは苦い思いでそのメッセージを読むが当たり障りのないメッセージをマーゴットに返した。しかし深夜、マーゴットからの着信が入るが熟睡していたデビッドはそれに気づかなかった。そしてそれ以来、マーゴットの消息は途絶えてしまう。デビッドはあらゆる限りの手を尽くし、マーゴットの行方を探るのだが。

 何と全てPC画面上のみで展開するユニークなスタイルのサスペンス・スリラーが現在公開中です。監督のアニーシュ・チャガンティはこれが長編としては初監督作ながらサンダンス映画祭で観客賞を受賞するなど各所で絶賛されました。実は「全編PC画面の映画」というだけなら2014年に製作された「アンフレンデッド」(製作は「パラノーマル・アクティビティ」などを手掛けたジェイソン・ブラム)というホラー映画があるのですが、日本国内での公開規模は大きくなかったこともあって(私としてもまだ未見)知名度もさほど高くはなく、私も含め多くの方にとっては新鮮な映像体験になった事でしょう。

 一種のPOV映画ともはたまた全編アドベンチャーゲーム的画面が展開するともとれる癖の強い映像が展開する作品ですが、この作品の魅力は始まってしまえばそんな画面の癖など気にならなくなるストーリーテリングにあります。マーゴット失踪後デビッドはマーゴットが利用しているSNSのアカウントを調べて履歴やフォロワーを追い、マーゴットが向かった先やその原因を突き止めようとします。その中で父は娘の思いがけない姿を知ることになっていくのですが、現代的なツールで普遍的な物語を紡ぐ、その語り口のテンポが絶妙な上に、かなり細かいところに大量の伏線が仕込んであり、それが急激な勢いで収束していく終盤のカタルシスが絶品です。決して手法に溺れることなくストーリーを語るための最善手を選び取ってみせたところがこの映画の強みです。

 また、この映画のもう一つ特筆すべきポイントは主人公親子がアジア系である点です。本国アメリカでも大ヒットした「search/サーチ」は、近年多国籍なキャスティングが主流となったハリウッドで尚も残る「アジア系アメリカ人が主人公では客が取れない」という先入観を打ち砕いてみせた点で画期的な作品となりました。主要人物の8割以上がブラックアメリカンとアフリカ系で占められ鮮烈な印象を与えた「ブラックパンサー」も記憶に新しいところで、政治面ではトランプ政権の排他的な側面が強調されがちですが、一方でこういう新たな時代の萌芽を感じさせるトピックが起こるところにアメリカの複雑さと懐の深さが見え隠れします。

 クリエイティビティ溢れる画面に普遍的な物語と現代的なテーゼを融合させた見事な逸品。こういうのに突然出会えてしまうから映画を観るのは止められません(笑)どうぞスクリーンでこのパワフルなエンターテインメントをご堪能してみてください。

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先週末、目に留まった方はお知りになったと思いますが、香港映画の雄レイモンド・チョウ氏がお亡くなりに。1960年代に黄金時代を築いたショウ・ブラザーズに勤めたのち1970年にゴールデン・ハーベスト社を設立し、ブルース・リー、ジャッキー・チェン、サモ・ハンなど日本でも名の知れたスターを次々と輩出していきました。ある意味でこの方がいなければアジア映画は現在とは少し違う姿になっていたことでしょう。既に80を超えていたので大往生という所ですが、また惜しい方が一人世を去っていきました。

 こんばんは、小島@監督です。
 たまには久しぶりに「ポリス・ストーリー」とか「ドラゴン危機一髪」でも観てみるとしましょうか。

 さて、今回の映画は「若おかみは小学生」です。

 両親を事故で亡くし、祖母・峰子(声・一龍斎春水)の経営する旅館「春の屋」で暮らすことになった小学6年生の関織子こと「おっこ」(声・小林星蘭)。旅館に到着するなりおっこに少年が声をかけた。自身を「ウリ坊」(声・松田颯水)と名乗る少年は春の屋に住み着く幽霊だった。ウリ坊はおっこに跡を継げる者が一人だけになってしまった春の屋の若おかみとなって修業していつか旅館を継いでほしいと懇願する。その熱意に負けたおっこは祖母の指導のもと若おかみとして修業を始めることになるのだが。

 児童文学を原作とし絵柄も子供向けではありながら、9月に公開されるやその完成度の高さが口コミで広まりロングランとなっている評判のアニメ映画を先日ようやく観ることが出来ました。脚本に「けいおん!」や「リズと青い鳥」など京都アニメーション作品のシナリオを多く手掛け定評のある吉田玲子、監督には寡作ながら「茄子 アンダルシアの夏」などが国内外で高い評価を得る高坂希太郎が務めています。もうこの布陣ってだけで只者ではありません。実はアヌシー国際アニメーション映画祭でもコンペティション部門に正式招待されるなど既に海外でも好評を得ています。

 観る前はてっきり成り行きで若おかみになったおっこの苦労話を中心に描く、いわゆる「朝の連続テレビ小説」的な話かと思っていたのですが、実際はかなり違いました。児童文学原作らしい個性的なキャラクター達は実に楽しく(中でも水樹奈々演じる、ある意味でおっこのライバルとなる大旅館・秋好旅館の跡取り娘真月、通称「ピンフリ」ちゃんのパワフルなキャラクターは出色)、その躍動を観ているだけでも充分に楽しいのですが、描かれる物語は大人が「子供の世界」というものに真剣に向き合った、そんな姿勢の強さを感じさせる骨太さを持っていました。

 ウリ坊を始めおっこにだけ見える幽霊たちという幻想的な部分と少しずつ春の屋の若おかみとして成長する部分を行きつ戻りつしながらその境界線で描かれるのは両親の死に対してまだ折り合いがついていないおっこがその事実とどう向き合っていくか、そこに物語の核が置かれています。季節の移り変わりを要所に挿し挟みながらおよそ1年間のおっこの若おかみとしての日々を描く物語の中で、3組の宿泊客がクローズアップされて登場します。それぞれがおっこの心の再生への一つのハードルとして現れるその客たちとのエピソードは、映画の中で決して大仰ではなく抑制を利かせ静かに、しかし丹念に積み上げられていきラストで大きく爆発します。正直私の涙腺は決壊してボロ泣きでした。鑑賞時たまたま私の前列に座っていらっしゃったご夫婦らしい2人組の方も終映後しばらく立ち上がれずに目元をハンカチで拭っていたところが目に留まったので恐らくストライクだったに違いありません。

 物語を下支えする作画の方も背景美術や服装、小物などのデザインに至るまで隅々にまで神経の行き届いた、まさに「細部に神宿る」映像を楽しむことが出来、極めてレベルの高い作品となっています。
 絵柄が完全に子供向けのそれなのでノーマークだった方も多いに違いない、思いがけない所から現れた傑作。観ればきっとこんな旅館に泊まってみたくなること請け合いの珠玉の逸品です。封切日から公開されていた館では既に終盤に差し掛かっていますが、評判の高さを受けてこれから上映が始まるところもあり、是非この素敵な作品を多くの方にご覧になっていただきたいですね。

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先週ゲームアプリ「アイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズ」、いわゆる「ミリシタ」のステージイベント「ミリシタ感謝祭」が開催されていたのですが、これがなかなかに面白い趣向のイベントで、開演するとアプリ内とニコ生で同時中継が始まり会場に行けなくても観ることができるほかコメントやスタンプを送れるようにもなっていてそれがステージの進行にも関与できるようになっていました。開演時刻が先日の歌会が終盤に差し掛かった時間帯だったのでスマホやタブレットで中継を観ながら終わりの集まりに加わっているプロデューサーの姿を目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかもありがたいことにアーカイブ配信もしてくれた(昨日までで終了)のでところどころ見逃していた私も後追いで全部観れたのもありがたい限り。

 こんばんは、小島@監督です。
 しかしこういう事できるなら期間限定で構わないからアイマスの過去のライブもアーカイブ配信したりしてくれないかな~

 さて、今回の映画は「HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」です。

 横浜に突如出現した巨大モンスター。たまたま遊びに来ていた美墨なぎさ(声・本名陽子)、雪城ほのか(声・ゆかな)、九条ひかり(声・田中理恵)の3人はプリキュアに変身しモンスターの撃退に成功する。しかしその直後てるてる坊主のような姿をした奇妙な存在が3人に攻撃を仕掛けてきた。
 一方、野乃はな(声・引坂理恵)たちはみんなで連れ立ってピクニックを楽しんでいた。そこに横浜でプリキュアを襲った謎の存在「ミデン」(声・宮野真守)が現れはなたちに攻撃を仕掛ける。はなを庇いミデンの攻撃を受けた薬師寺さあや(声・本泉莉奈)たちは何と記憶を失い幼児の姿へと変えられてしまった…!

 さあ、今年も秋のプリキュアのシーズンがやってまいりました。何気に私がちゅうカラブログの月曜日を担当するようになってもう6年半経過しますが、その間公開された全作品の感想をこのブログで書かせていただいております。当然今回も書きますよ!ええ!初日に観れたしね(笑)!

 今年の秋の劇場版はシリーズ15周年を記念して、これまでのプリキュア全55人が総出演する祝祭色の強い映画として製作されました。「全員登場します(しかも台詞付きで)」「でも尺は今まで通り75分で」というシリーズ最大級の制約に、製作陣の皆さん良くここまで答えたなと感心する1本に仕上がっています。
 と言っても基本的にほとんどはカメオ出演で物語の核にいるのはタイトルにある通り現在放送中の「HUGプリ」の5人と「ふたりはプリキュア」の2人の7人のみになります。巧いなというかホントに今作の製作は大変だったんだなと感じるのは、今期の「HUGプリ」は今作の前に春に公開された「プリキュアスーパースターズ」とは別にTVシリーズ上で3本のクロスオーバーエピソードが製作されており、そこではな達が言葉を交わした人物は既に顔見知りとして劇中に登場し、この辺りの説明を一切省いてみせた点です。「しなきゃいけないステップだけどやる事多過ぎてしてる場合じゃない」事柄はTVシリーズで先に済ませておいたことで結果的にかなりハイテンポにもなりダレの少ない作品になっています。

 TVシリーズとの差別化として、面白いことにキャラクターの輪郭線の色をTVシリーズのそれとは変えてきている事も特徴の一つ。些細な違いのように見えて普段と大きく印象が変わる上にCG主体で展開するクライマックスのアクションシーンとの親和性も高く、これもまたアニメーションならではの面白さという所でしょう。
 もう一つの大きなポイントとして今作の敵役ミデンを演じる宮野真守の存在感です。何せ主役級が55人も登場するような作品にあってそれと位負けしないようなヴィランとなれば宮野真守くらいアクの濃い役者を持ってこないとダメだというのが良く分かる強烈な怪演を見せてくれます。

 映画全体の特徴として「物語」か「お祭り」かどちらかを優先させる必要が生じた場合は基本的に「お祭り」を取るように作っているため、ところどころ構成に粗を感じさせるもののプリキュア映画では度々モチーフにされてきた「思い出」というものに「HUGプリ」ならではの言葉で一歩踏み込み、また刺さる人にはかなり強く刺さるであろう終盤明らかにされるミデンの正体を含め芯を感じさせる決して物語をおざなりにしない作りで非常に満足度の高い作品になっています。
 プリキュアを好きな人、好きだった人に訴求できる強いパワーを持ったこの逸品、私のように現在進行形で観ている方はもちろんしばらく離れていた方もせっかくのこの記念碑的な作品をどうぞスクリーンでご堪能あれ。

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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
 今回は初参加の方も多く見えられ、またハロウィンに因んでコスプレもOKだったので見た目から華やかで賑やか。私は特にコスプレなどはしない人ですが、ああいうのは見てるだけでも楽しいのです。
 それとじゃんけん大会でゲットしたかりんとうは昨晩早速頂きました。普段よく知ってるかりんとうと違ってちょっとしっとりした感じですが美味しかった。そして確かに濃い目に淹れたお茶が合う(笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 実は帰宅したらTVの調子が悪くなっててちょっとヒヤリ。いろいろ悪戦苦闘したら取り敢えず元通りにはなりましたが、よく考えたら今のTVも使いだして10年は経ってるのでそろそろ買い替え時かもしれない。

 さて、今回の映画は「バーバラと心の巨人」です。

 いつもウサギの耳のカチューシャを頭に付けた風変わりな少女バーバラ(マディソン・ウルフ)は、毎日独り森の中で「餌」を擦りつけて回っている。他の人には気づかないが、バーバラは街に流れ込んだ不穏な空気に「巨人」の襲来を察知し、ハンターとして活動していたのだ。話したところで誰にも信じてもらえるはずがないからバーバラは自身の殻に閉じこもり孤立していく。
 ある日、一人で見回りをしていたバーバラに声をかける少女がいた。リーズ(シドニー・ウェイド)と名乗るその少女はイギリスから引っ越してきたばかりで友人がいない。不思議な行動を取るバーバラに興味を抱き一緒に行動しようとするのだが。

 どこかダークな雰囲気を持ったファンタジーとローティーンの少女の繊細な情動と成長を描く青春映画的な要素が高い次元で絡み合った不思議な風合いの作品です。原作は実はコミック。原題を「I KILL GIANTS」と言い、「ベイマックス」のキャラクターメイクにも関与したジョー・ケリーの脚本と日系人イラストレーター・ケン・ニイムラの作画による合作で、日本では2012年に翻訳され出版されています。余談ですが原作コミックの出版元はイメージ・コミックス社。「アベンジャーズ」のマーベル社などスーパーヒーローものが主流を占めるアメコミにおいては異彩を放つ会社で、近年ではドラマが大ヒットした「ウォーキング・デッド」などを送り出しています。
 製作には「ハリー・ポッターと賢者の石」や「ナイト・ミュージアム」など年齢を問わず楽しめるエンターテインメントを多く手掛けるクリス・コロンバスが務め、監督にはこれが長編初監督というデンマーク出身の映像作家アンダース・ウォルターが手掛けています。

 物語は徹底的にバーバラの心情に寄り添い、巨人と立ち向かうダークファンタジー的シーンと家族や友人とのヒリヒリとした危なげな日常を描くシーンがシームレスに入れ替わりながら展開し、それぞれが別のように見えて実は同じアングルからバーバラの「危うさ」を描き出している点が巧みです。
 この映画、観ると分かるのですがバーバラが立ち向かおうとしている「巨人」が何者であるかが中盤辺りである程度読めてしまいます。が、「うまい」と感じるのはその先。ネタバレになってしまうのであまり詳しくは言えないのですが、派手なギミックなど特に無くても物語に求心力を持たせられることに感心します。

 「巨人と戦う」話でありながらアクションの比重はとても少ないことと語り口が非常にセンシティブなぶん刺さる人にはドスドス刺さる一方で一切心に引っ掛からない人もいるかもしれませんが、「少女」の時期だからこその物語と言えるこのある種の普遍性は強く推したい。バーバラは最終的にどう巨人と戦うのか、是非多くの方に見届けて欲しいですね。

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少し前の話なのですが、仕事の絡みで「カバラン」の試飲会に行って来ました。その名に聞き覚えのある方もいらっしゃるかと思いますが「カバラン」は台湾のウィスキーで、誕生してからまだわずか10年ほどながら数多くのコンテストで表彰され世界的ブランドに成長したウィスキーです。本場スコットランドや日本の余市など基本的にウィスキーは高緯度で熟成させるものという常識を覆し、亜熱帯地域での熟成を成功させ世界に衝撃を与えただけでなく、現在インドや鹿児島など南方でのウィスキー商品化に拍車をかけ新たな潮流を生み出したブランドです。
 南国の蒸留酒は自然蒸発分、いわゆる「天使の分け前」がスコットランドより遥かに多い(年間20%近い!)ため急速に熟成が進むのが特徴で、そのくせ年数は若いからどこかフルーティーさを残しているところが美味しいですね。

 こんばんは、小島@監督です。
 とは言えカバランは割とお値段が張る物が多いのであまりホイホイ買って飲んだりできないからこういう機会を捕まえられるのは結構嬉しい。

 さて、今回の映画は「クワイエット・プレイス」です。

 「それ」は隕石と共に地球へやってきた。その「何か」により人類は瞬く間に存続の危機に立たされてしまう。
 荒廃した街で食糧や息子のための薬などを探すアボット一家。夫のジョー(ジョン・クラシンスキー)、妻のエヴリン(エミリー・ブラント)と3人の子供たちは手話で会話をし道路には砂を敷き詰め音を立てないように息を殺して暮らしている。街での用を終えて帰途につく一家。しかしその帰路、異変が起こった…

 ワン・アイディアを徹底して研ぎ澄ませたことで忘れがたい印象を観る者に与えてくれる逸品の登場です。ホラーやスリラー映画ではたまにこういうのが現れてくれるから観るのは止められません(笑)
 滅亡寸前の人類社会を描く映画はゾンビ映画などで度々見受けられますが、この映画が他と明確に一線を画す点はその作品内での設定やルールの描写に光る巧さにあります。「聴覚が異常発達したモンスターが跋扈している」ため「大きな音が立てられない」ことを様々な形で見せていくのですが、そのほとんどをセリフに頼らないようにしています。特に序盤は寡黙そのものなのでぼんやり観ていると肝心なところを見落す可能性もあり気を抜けません。一方で「音を立てなければ割と何とかなる」ところも見せているのが面白く、こういった終末映画にお決まりのバリケードが無かったりドアに鍵もかけていなかったり。あまつさえ兄弟でボードゲームに興じたりするシーンが登場したりしています。

 この映画を極めて忘れがたいものにしてくれるのは何より中盤から終盤の展開にあります。妻のエヴリンは妊娠しており臨月を迎えています。大きな音を立てればモンスターが襲ってくるというこの状況で!まさに極限。ビリビリ来るような緊張感が持続するハイテンションな展開が連続します。

 この映画をより豊かなものにしているポイントとして、長女リーガン役ミリセント・シモンズの演技があるでしょう。聴覚障害を持ち生まれつき耳が聞こえないリーガンはある意味で健常者よりもモンスターに対して無防備であり、また同時にコレが親子の葛藤の一つの要因ともなっているのですが、そんなリーガンを演じるミリセントは実際に聴覚障害者だそうです。それ故作中に登場する手話は実際に彼女が扱う手話であり、また作品のサウンドデザインにも影響を与えたとか。この映画が独特のパワーを持ちうるに至ったのは彼女の功績も大きいでしょう。

 ユニーク、という言葉でくくるにはもったいない、アイディアの極めて優れた磨き上げぶりが活きた上質な作品です。単にホラーとして観るには暖かな(というか熱い)余韻を残してくれる逸品でもあるので普段はホラーは苦手だ、という方でもどうぞご覧になってみてください。

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