ちゅうカラぶろぐ


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ここ最近、このブログでもワールドカップ絡みの話題が続くので私からも一つ。
 4年に一度のワールドカップは、飲食業にとってもイレギュラーな稼ぎ時を生み出します。「オリンピックもそうじゃないの?」という疑問が飛びそうですが、多くの競技が同時並行で行われるオリンピックでは注目度の低い所から大金星を挙げる人もいたりして個々人の興味も散ってしまいがちになるのですが、ワールドカップでは約1か月間にわたりサッカーのみという点が大きく違います。加えて日本人のお祭り好きな気性と相まって爆発的なにわかファンの増加をもたらします。
 キックオフからゲーム終了まで約2時間くらいという試合時間も絶妙で、先週19日に行われた日本対コロンビア戦が最たるものですが、夜9時にキックオフして11時前に試合が終わるというのはスポーツバーでなくともTVを店内に設置している飲食店には実にありがたい存在です。最後まで観ても終電には間に合いますし、そのまま夜通し騒ぐにも良しです。思いもかけぬ日本の勝利に渋谷や道頓堀を埋める人の波をニュースでご覧になった方も多いでしょう。自宅ではなく終了後すぐそういう場所に集まれる所に大勢いたというのはそれだけの人数がどこかしらの飲食店にいたということになります。パブリックビューイングで観ていたとしてもそこに行く前にどこかに立ち寄って食事をしていたハズ。ひとしきり騒いだ後も何割かは帰路に就かずもう1軒行くでしょうし、誰かを連れ込みホテルへ行った方もいることでしょう。日本が勝ち残る限りこの現象は続く(負けても気合と熱の入ったサッカーファンが残るとは言え)ので売る側の言う「がんばれニッポン」は割と切実で生っぽい一面もあったりします。

 こんばんは、小島@監督です。
 今日も寝不足で出勤した方とかそれこそ休み取って観戦してた方もいらっしゃるんでしょうね~

 さて、今回の映画は「恋は雨上がりのように」です。

 高校2年生の橘あきら(小松菜奈)は、バイト先のファミレス「ガーデン」の店長近藤正巳(大泉洋)に密かな恋心を抱いている。クールな佇まいを崩さない17歳のあきらに45歳でバツイチ子持ちの自分が恋心を抱かれているとは思いもしない近藤はあきらをどこかとっつきづらく感じていた。ある時あきらは近藤への想いを抑えきれず遂に告白する。近藤は当然その想いを素直に受け止めることはできずにいたが…

 眉月じゅんがビッグコミックスピリッツで連載していたコミックを原作に、今年1月にはTVアニメ化もされた作品の実写映画版が現在公開中です。17歳の女子高生と45歳バツイチ子持ちのおっさんのラブストーリーという昨今ニュースを騒がせるゴシップを思えばかなりギリギリでともすれば嫌な生々しさが出そうな設定ですが、しかし映画は清々しい余韻を残してくれる快作です。
 
 かつて陸上部のエースだったものの、アキレス腱断裂により夢と心が折れてしまい、自身の居場所も見失いがちになったあきらは、ふと立ち寄ったファミレス「ガーデン」で近藤のささやかな優しさに触れたことがきっかけで恋心を抱くようになります。この作品の特徴はあきらがほぼ一方的に募らせていると言ってもいい恋心に、近藤が戸惑いつつも真摯に向き合い大人の対応を取り続ける点にあります。
 また、映画も中盤に差し掛かると物語は別の側面を見せ始めます。近藤はかつて文学の道を志しながらも芽が出ずに挫折し、半ば諦めてしまっていることが示されます。それがあきらとの関わりの中でくすぶっていた情熱が再び目覚め始めることになっていきます。そんな折にあることがきっかけで近藤と再会することになる、近藤と同級生にして小説家として成功した男・九条ちひろに大泉洋と大学の同期でTEAM NACSで共に活躍する戸次重幸をキャスティングする差配も絶妙です。私なんかもそうですが、ある年代より上の方はむしろこの辺りの描写に共感や親近感を得られるのではないでしょうか。

 この映画のウィークポイントは実は最序盤にあり、尺の関係上仕方なかったのかもしれませんが近藤店長がいかに冴えない人物かをベテランウェイトレス久保佳代子(濱田マリ)が全て台詞で喋ってしまう点にあります。ここだけは作劇上相当にマイナスで、私も一瞬「コレはハズレ掴んだか?」と考えてしまったくらいなので、ここがバシッと決まっていれば更に映画の印象が良くなったに違いないだけにもったいない所です。しかしここが終わると途端に映画の魅力が急速に立ち昇ってくるのでマイナスはすぐに帳消しになるのですが。

 ちょっぴり際どく見える設定ながら人と人を繋ぐ「縁」が一度は歩みを止めた者の背中をほんの少しだけ押して新たな一歩へと導いていく、まさに雨上がりの空を思わせるような作品です。梅雨時で外を出歩くのが少しおっくうな時でも、この映画を観終える頃には晴れ間が広がっているかもしれませんよ。

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今朝がた関西地方で大きな地震が。このブログをご覧になっている方の中にも友人や親戚、取引先の相手が罹災したという方もいらっしゃるのでは。私の職場でも良く商品を発注するメーカーの物流拠点が地震による停電で身動き取れなくなっているところがあったりしてその規模の大きさを感じます。

 こんばんは、小島@監督です。
 と言ってもその影響の大きさを測れるようになるのは恐らく明日以降になってから。今週はイレギュラーの対応に追われることになりそう。

 さて、昨日は新栄のダイアモンドホールまで「FLOW 15th Anniversary TOUR 2018「アニメ縛り」」名古屋公演を観に行って来ました。
 FLOWメジャーデビュー15周年を記念し、昨年12月に日本青年館で開催され好評を得た「アニメ縛り」が今年4月から全国21か所でツアーとして開催されており、名古屋公演はその19か所目の公演になります。「アニメ縛り」の名の通り、FLOWが15年間で手掛けたアニソン21曲を一気に聴き倒すイベントです。FLOWは今やアニサマなどの大型イベントの常連ではありますが、今まで一度もライブで聴く機会が無く、今回遂にその機会を捕まえることが出来ました。

 まだツアーが終わっておらず、コレを読んでいる方の中に次回の札幌はともかく最終公演の豊洲に足を運ぶ方もいらっしゃるかもしれませんので敢えてここで詳細を語ることはしませんが、ライブの冒頭や各所に「アニメ縛り」ならではともいえる粋な趣向が施され、観客のボルテージを上げてくれます。
  セットリストはもちろん「GO!!!」(「NARUTO-ナルト-」OP)「DAYS」(「交響詩篇エウレカセブン」OP)「風ノ唄」(「テイルズオブゼスティリア」OP)「愛愛愛に撃たれてバイバイバイ」(「サムライフラメンコ」OP)など熱い曲ばかり!叫ぶし腕振るし跳ぶしで凄い発汗量でした私(笑)

 余談ですが、FLOW自身による選曲だったのか、それとも会場のスタッフが気を利かせてくれたのか分かりませんが、ライブ開始前に場内のスピーカーから流れていたのはFLOWの曲ではなくアニソン。それも「only my railgun」などに混ざって「じゃじゃ馬にさせないで」(「らんま1/2」OP)とか「時の河」(「横山光輝 三国志」OP)とか「Tank!」(「カウボーイビバップ」OP)流れるかなり俺得なチョイス。誰だアレを用意した人は。一緒に美味い酒が飲めそうじゃないか。 

 FLOWのパフォーマンスやMCを観ていて感じるのはアニメーション、作品そのものだけでなく製作に携わるスタッフやキャラクターに命を吹き込む声優たちへの強いリスペクトです。浮沈の激しい場所で10年以上も一線で活躍しているというのはこういう事なのでしょう。だからこそこの「勘どころが分っている」感じがとても楽しい。
 何よりここ最近はライブビューイングでの鑑賞が主体でしたがやっぱり現地は良い。生音の迫力と昂揚感を全身で満喫。これぞライブ!楽しいぜ!

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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
 私は先週のアイマスライブの余韻を引きずった方々と共にアイマス中心の部屋で歌い倒しておりました。
 ロビーで繰り広げられてるゲームバトルも気にはなるところでしたが。特にあの漢字組み合わせて必殺技っぽい名前を作るカードゲームがね!ちょっとやってみたかった(笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 そうそう、じゃんけん大会でゲットした「青島ネクター」、濃厚な完熟みかんの味がストレートに来る(実際ストレート果汁だし)、マジで美味い逸品でした。浜松に立ち寄る日が来たら何本か買っていこう。

 さて、今回の映画は「ランペイジ 巨獣大乱闘」です。

 サンディエゴ野生動物保護区で働く霊長類学者デイビス・オコイエ(ドウェイン・ジョンソン)は過去の経験から人とは距離を置きがちだがアルビノ・ゴリラのジョージと手話を介して会話ができ、友情をはぐくんでいた。
 ある夜、動物保護区に流星が落下。それは巨大企業エナジン社の宇宙ステーションから事故により脱出しようとしたクルーのポッドが大気圏突入に失敗し墜落したものだった。中には動物に変異をもたらす病原体サンプルが運び込まれていたが墜落によりサンプルは流出。数体の動物が病原体を浴び、その中にはジョージもいた。翌日、ジョージは体格が倍近くに巨大化した上に性格が凶暴化。デイビスを困惑させる。
 一方、ワイオミング州南部の森では狼が、フロリダ州の沼地ではワニがそれぞれサンプルを浴び巨大化かつ凶暴化。3体の巨獣は破壊の限りを尽くしながら突き進んでいく…!

 一応原作となるビデオゲームが存在する映画化作品なのですが、どこからどう見てもB級そのもののシナリオなのにやたらと力の入った映像と、主演俳優のスター性で何だかとっても楽しめてしまう不思議な逸品、それが「ランペイジ 巨獣大乱闘」です。
 ぶっちゃけ旧い名作映画やアイマスライブの感想とか書いててちょっと後回しにし過ぎてもう公開も終盤に差し掛かっていますが私がコイツの感想を書かずに何とする!みたいな気分もあるので今こそここでコイツの登場です。

 物語に対して予告編で見せていること以上の事は全くもってない上、その展開についても恐らく大抵の方の予想通りに話が進んでいくのですが、それでつまらないなんてこはありません。「でっかい奴らが街のど真ん中で暴れるぜ!」というその一点のみをひたすらに突き詰めた破壊とパニックの描写の質量が尋常じゃありません。破壊と爆煙の合間に申し訳程度の人間ドラマが差し挟まれるような印象の、脳筋ぶりがいっそ清々しいくらい。特に高層ビルの壊されっぷりの妙なきめの細かさが観ていて変な笑いが出てくるレベルです。

 もう一つ、この映画における重要なポイント、それは主演ドウェイン・ジョンソンのスター性と言ってもいい圧倒的存在感です。ゴリラと手話で会話できるインテリながら「元・特殊部隊員」というご都合が過ぎる設定もドウェイン・ジョンソンだから、たとえ悪党に捕まっても拘束具を自力で引きちぎって脱出できてしまうのもドウェイン・ジョンソンだから。こういうテンポ重視のエンターテインメントにおいていくつかの事柄を「彼だから」で納得させられてしまう力業は見事の一言。実際本編中でのその活躍ぶりはほとんど「第4の巨獣」です。でもそれでいいのです、だってドウェイン・ジョンソンだから。

 この映画を観る時は、知能指数はできるだけ下げて臨みましょう、あれこれと突っ込んでいたら頭が痛くなってきます(笑)細かいことはどうでもよくなるアメリカンでマッシヴな作りに日ごろの憂さを一時忘れさせてくれるなかなかの快作。これもまた、エンターテインメントの一つのあり方です。


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ちょうど今月1日から以前このブログでも触れた「バーフバリ 王の凱旋」の完全版の上映が始まっています。インド映画は特に大作クラスともなると基本的にとても長い(途中休憩が入るほど長くなるものも多い)ため、国際市場に乗せる時はある程度短く編集されるのが通例で、「バーフバリ」も例外ではなく先ごろ上映されて評判になったものは完全版より約25分ほど短いインターナショナル・バージョンです。それを日本での熱気の高まりに応える形で配給会社が根強い交渉を続けた結果、今回の上映開始に繋がりました。170分と長丁場ですが、既にご覧になっている方はインターナショナル・バージョンとの比較を、初見の方にはあの超ド級の熱量を味わってみて欲しい所ですね。

 こんばんは、小島@監督です。
 むしろ問題は尺が長すぎて上映回数が少ないことだったりする。こればかりはいろいろどうしようもない、最高に面白いんですけどね(苦笑)

 さて、昨日はさいたまスーパーアリーナで開催された「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 5thLIVE BRAND NEW PERFORM@NCE!!!」Day2のライブビューイングに行って来ました。
 作品として5周年を記念するライブであると同時に、昨年6月に配信が開始され、GREEでのサービス終了後は「ミリオンライブ」の作品の柱を引き継ぐ形となっている「シアターデイズ」(通称「ミリシタ」)の1周年を祝うライブイベントで、私は残念ながら観れずじまいでしたがDay1にはミリシタからの追加キャラクターである桜守歌織役香里有佐さんと白石紬役南早紀さんが大型イベントに初出演を果たしています。また、Day1と出演者が総入れ替えとなるDay2では一昨年9月より病気療養のため長期休業に入っていた田中琴葉役種田梨沙さんの復帰後(他作品を含めても恐らく)初となる大型イベント出演も評判となりました。

 ライブは「ミリシタ」のテーマ曲でもある「Brand New Theater!」で開幕後、驚くことにそのまま9曲ノンストップで展開。開幕に限らず全体的にMCの配置を最小限に、徹底的に演者のパフォーマンスを楽しんでもらう構成を取っていました。
 ユニット曲ではライブでの定番曲になりつつあるもののCD収録時のメンバーでの披露が今まで1度も実現していなかった「ジレるハートに火をつけて」が遂にオリジナルメンバーでの披露となったほか、ミュージカルのワンシーンをそのまま切り出したような台詞の掛け合いが何度も行われる「昏き星、遠き月」など強いインパクトを与える曲が多かったのですが、ライブでより強い印象を残したのはむしろソロ曲。全員ステージのどこかで1曲ソロ曲を披露するようになっていて、基本的に直近でリリースされた新曲中心ではありましたが、そのどれもが5年の積み重ねを経てより深化した演者とキャラクターとの一体性を楽しめるようになっていたのも面白いところ。
 印象に残ったところとしては、「Only one second」で伸びる高音をロックビートのナンバーと共に響かせる高山紗代子役駒形友梨さん、新曲「Sister」を作詞作曲を自らこなしまさに全てを以てキャラクターを表現して見せた天空橋朋花役小岩井ことりさん、ジャジーなリズムに乗せてセクシーなダンスで魅了する百瀬莉緒役山口立花子さん、そして何より期せずしてどれもが今ある日々から一歩を踏み出すことを歌い上げるステージ終盤の3曲、ジュリア役愛美さんの「スタートリップ」、田中琴葉役種田梨沙さんの「シルエット」、最上静香役田所あずささんの「SING MY SONG」はイベントタイトル「BRAND NEW PERFORM@NCE」の名に相応しい、まさに白眉と言って良い凄みに溢れたパフォーマンスでした。

 これまでの蓄積と共に新たな一歩を確かに踏み出したことを感じさせる見事なステージ。来年には久しぶりに大規模ツアーが開催されることも告知され、ミリオンライブ、まだまだ楽しみが尽きません。
 …でも来年のツアー、愛知公演は無いだろうな…会場が無い…

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いよいよ近づいてきた夏の暑さ対策として自室の窓にすだれを掛けてみたのですが、そうしたら驚いたことにアシナガバチに巣を作られました。幸いできて1日2日くらいのところで気づけたためまだ小さく、早めに手が打てたので事なきを得ましたが、油断できないぜ大自然。

 こんばんは、小島@監督です。
 あまりに窓の真ん中に作られてしまったので駆除せざるを得ませんでしたが、実のところアシナガバチなら性格も大人しいですし蛾が寄り付かなくなるので軒先に出来るくらいなら放っておいてもそんなに問題は無いんですけどね。

 さて、今回の映画は「大いなる幻影」です。

 第一次大戦のさなか、フランス飛行隊のマレシャル中尉(ジャン・ギャバン)とド・ボアルデュー大尉(ピエール・フレネー)はドイツ軍に撃墜され、捕虜となってしまう。2人は度々収容所からの脱走を企てるがうまく行かない。何度失敗しても諦めない2人に対し、ドイツ軍はかつての古城に造られた収容所へと連行した。脱走不可能とされるその収容所の所長を務めるのはかつて2人を撃墜した貴族出身のラウフェンシュタイン大尉(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)。同じ貴族階級出身のド・ボアルデューとラウフェンシュタインには友情が芽生えるも、マレシャルの脱出計画は着々と進行していく…

 1937年にフランスで製作され、公開時にはルーズベルト大統領に絶賛され、ゲッベルスには敵対視されるなどの逸話を持ち、オールタイムベストなどを問えば必ずその名が挙がる不朽の名作。そのデジタルレストアバージョンが現在各地のミニシアターで順次公開中です。自分としても一度は観ておかねばと思っていた作品を鑑賞する機会を遂に得ることが出来ました。

 開幕してすぐ見受けられる、検閲はあるけどチェックは緩く手紙や小包などの郵便物がそのまま届く上に酒保(兵営地での売店)で買い物もできる捕虜収容所の大らかな雰囲気にちょっと驚いてしまいます。監督ジャン・ルノワールはフランス映画におけるリアリズムを確立した人物であるため、決してこの雰囲気もファンタジーではなかったかもしれません。製作から僅か数年後には世界大戦が再び勃発するため、その流れの中でより冷酷なものになっていったのでしょう。
 それでも捕虜はいつ解放されるか分からないゆえに常に脱走を企て、歩哨はそれに目を光らせます。そこに独特の緊張感が宿る作品です。また、収容所からの脱走劇を主軸に据えながらも収容された捕虜たちの国籍や人種を越えた交流やド・ボアルデューとラウフェンシュタインの敵同士ながらも相手への敬意を無くさない関係性など様々なドラマが重層的に展開し複雑で芳醇な物語が紡がれます。作中語られる関係性は多いですが、全てが対立や敵がい心から融和へと向かっていこうとする辺りにどこか「願い」のようなものを感じさせずにはおきません。

 この映画、作品自体ももちろん素晴らしいですが、作品にまつわる物語もまた劇的です。公開後、多大な反響を得るも1941年にフランスがドイツに占領されてからは上映が禁止に。戦後再上映を試みるも検閲でカットされたシーンも多く、戦災でネガも紛失してしまいルノワール監督が散逸したフィルムを集め再編集して完全な形での再公開にこぎつけたのは1958年のこと。ファシズムが台頭していた国ではとことん嫌われていたようで、日本でもフランス公開から間もなくフィルムが輸入されてきており試写では絶賛されたものの軍部からの圧力がかかり公開中止に追い込まれ、初上映は1949年と戦後になってから。
 ところでデジタルレストア版の原盤となったフィルムは現在フランスの映画保存施設「シネマテーク・フランセーズ」に保管されているものですが、それはルノワール戦後再編集されたものではなく37年当時のオリジナルフィルムが保管されています。ではそれはどこからもたらされたのか?それをは意外にもソ連。ナチス占領下のパリ、ゲッベルスのフィルム廃棄命令を無視したナチス高官(帝国映画院所長を務めたフランク・ヘンゼルなど諸説ある)の手によりベルリンへ密かに送られ、ベルリン陥落後は占領したソ連軍によってゴスフィルモフォンド(ソ連国立映画保存所)へ運ばれ、60年代にフランスへ送還されたものだそうです。

 時代の荒波に揉まれながらもなお様々な人の想いとささやかな抵抗によって消え去ることなく今も観ることが出来る、まさしく時を越えた傑作です。映画館で鑑賞できる機会は限られていますが、DVDでも配信でも構いません、多くの人の心を突き動かし繋いできたその「力」を是非一度ご覧になってみてください。
 


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先週訃報が流れた西城秀樹さん、私も今回のことで知ったのですが、アニソンで言えば「ちびまる子ちゃん」のOP「走れ正直者」や「∀ガンダム」のOP「ターンAターン」などがありますが、コール&レスポンスやサインライト、大規模イベントでのトロッコを使用して会場を回るといった現在のアイドルライブで一般的となったもののいくつかの起源であったり、発売開始後売りあぐねていたソニーのウォークマンを使った姿が週刊誌に掲載されたことでその売上に貢献するなど、日本のポップカルチャーに多大な足跡を残した方でした。自分の好きなアイマスも知らずその延長線上にいるかと思うと相当に感慨深いです。

 こんばんは、小島@監督です。
 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

 さて、今回の映画は「レディ・プレイヤー1」です。

 2045年、オハイオ州コロンバス。環境汚染や政治の機能不全により世界は荒廃し、貧民街に暮らす者の多くは辛い現実から逃れるためにVRワールド「オアシス」に入り浸っていた。ウェイド・ワッツ(タイ・シェリダン)もそんな一人。「パーシヴァル」を名乗り「オアシス」でゲームに興じていた。
 その「オアシス」内では創始者ジェームズ・ハリデー(マーク・ライランス)が没後公開された遺言により「オアシス」の所有権と5,000億ドルの遺産を授与するためのクエストが開催されていた。「オアシス」内に隠された3つの鍵を巡り今日も多くのプレイヤーが戦いに挑む。

 巨匠スティーヴン・スピルバーグ、その最新作はアーネスト・クラインの小説「ゲームウォーズ」を原作に(クラインは今作の脚本も手掛けている)、VRワールドを舞台に古今東西のポップカルチャーへの愛とリスペクトをてんこ盛りにした最高に楽しい1本です。

 実は物語自体は紐解けばそれほど難しい話をしていません。個性的で欠点だらけの少年少女たちのアドベンチャーであり、スピルバーグ作品としても「E.T.」や「グーニーズ」など何度も手掛けてきた題材のその延長線上にあると言えるでしょう。VRワールドという近未来的ツールをモチーフにする一方でこのちょっと懐かしささえ覚える題材を取り込んだことで誰もが楽しめる間口の広さを獲得しています。
 ゲームと現実、その2つで物語が同時進行する二重構造自体は今や珍しくないのですが、「オアシス」自体を1つの「作品」として捉え、そのクリエイターをフィーチャーしている点がポイントで、クリエイターへのリスペクトが根底にあることで作品がより骨太なものになっています。
 何よりこの映画、スピルバーグ自身間違いなく「分かってて」作ってるのですが、スピルバーグが監督している事自体が重要です。他の監督では単にパロディ満載のエンターテインメントとして(それはそれで楽しい作品ではあったでしょうが)消費されていたかもしれません。しかしスピルバーグが監督した事で、パロディがパロディでなくむしろ彼が手掛けてきた作品群の系譜の中で語れるようになったのが大きいです。
また、そんな物語をかつて「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でスピルバーグと組んだアラン・シルヴェストリが音楽を手掛けているのもポイントですね。

 もちろん作中で目もくらむばかりに溢れ返るキャラクター達や古今東西の作品のオマージュも見どころです。あまりに数が多すぎて初見ではまずもって全てを見つける事など不可能。一旦書き出すと膨大な文章量になってしまいそうですし、探す、出会う楽しみを奪うのももったいないのでここで詳細を解説するのは割愛します。一人でじっくり深入りするように観るのも楽しいですが、画面の隅々を見渡して発見する楽しさや思い出話の引き出しが開く感覚を気の合う仲間や恋人、パートナーと鑑賞していろいろ語ってみるのも楽しいでしょう。そういう共有体験をもたらしてくれるパワーも宿しています。
 何より個人的にも大ヒットだった、「ガンダムとメカゴジラが戦っているその足元をデロリアンが疾駆する」というような80~90年代に多感な時期を過ごした方には最高にワクワクする画面がバシバシ登場するのが楽しくないわけがありましょうや(笑)

 1970年代から実に半世紀近く一線で活躍し続けてきたスピルバーグの、ある意味で「集大成」ともいえる作品です。これぞまさしくエンターテインメントの真骨頂。時に登場人物に自分を重ね合わせ、時に童心に帰らせてくれる、素晴らしい映像体験。最高に楽しい時間が待っています。沢山の要素を全て見つけようとするならBlu-ray化を待つべきでしょうが、先ずは映画館で楽しみましょう。コレはスクリーンで味わわなければもったいない!
 
 


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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
 今回は悪天候だったこともあってか当日になってキャンセルされた方が多かったようで、私のいた部屋も大体4人くらいで回してました。おかげで他の方と合わせたりした分も足すと都合20曲近く歌った計算に。さすがに結構体力に来てました(苦笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 何気にここ最近ちょっとカラオケしたい熱があったのですが、お陰様で一気に解消できました(笑)

 さて、今回の映画は「リズと青い鳥」です。

 北宇治高校吹奏楽部に所属する3年生・鎧塚みぞれ(声・種崎敦美)と傘木希美(声・東山奈央)は、高校生活最後となるコンクールを控え、自由曲として披露する「リズと青い鳥」第三楽章で共にソロパートを任された。
 「リズと青い鳥」は童話をベースに作られた曲。孤独な少女リズと、大好きなリズのために少女へと姿を変えてリズに近づく青い鳥の2人を描く物語だ。
 童話に自分自身を重ね合わせるみぞれと希美だったが、しかし練習では2人の息は合わない。「会いたくなればまた会いに来れば良い」と考える希美と、そう遠くない未来に訪れるであろう希美との別れを恐れるみぞれ、2人の心は噛み合わないまま、コンクールの日は近づいていく。

 一昨年公開され高い評価を集めたアニメーション映画「聲の形」、その脚本を担当した吉田玲子と監督を手掛けた山田尚子によるコンビの最新作となる劇場用作品が現在公開中です。映画化もされたTVシリーズ「響け!ユーフォニアム」の続編…というよりスピンオフという位置づけで良いのでしょうか。実は「響け!ユーフォニアム」は全く観た事が無い(原作も読んだことが無い)という状況で観に行きました。
 「聲の形」ほどに剥き出しの刃を見るような感じは薄いものの、センシティブでリリカルな心情描写にはむしろ磨きがかかっており、しかも劇映画の構成としてはより高度な領域に達しています。

 休日練習の朝、校門近くで希美の登校を待つみぞれのショットから始まるこの映画は、その後やってきた希美とみぞれが部室へ向かうシーンへと続くのですが、2人の間の距離と歩調、主旋律をマリンバとピアノが追走するBGMでもってほとんど台詞が無いにもかかわらず2人の性格や関係性を見事に語ってみせます。
 快活で社交的、同級生にも後輩にも慕われる存在だがそれ故に自身の裡を吐露することが少ない希美と内向的でそもそも感情表現のヘタなみぞれ、2人の間に横たわるのは友情というよりも思慕にも似た感情であり、大好きだからこそ離れたくない、いやむしろ離したくないという利己心とのせめぎ合い。序盤スクリーンに登場する「disjoint」(「互いに素」、2つの数の最大公約数が1である状態)という単語が2人の関係性を象徴しています。思春期の少女の心情に寄った物語、という点で私はちょっと「櫻の園」(1990年製作、監督中原俊、主演中島ひろ子)を思い出しました。

 劇中劇である「リズと青い鳥」のシーンがみぞれと希美の物語と並行して描かれるので一見気づきにくいですが、作中ほぼ全てのシーンが学校の中だけで展開するのも特徴で、密室劇のような効果を生み出していると同時に「学校」という場所がみぞれと希美にとって「リズと青い鳥」におけるリズの家であることを暗喩しています。冒頭のシーンと対になるようなシーンがラストに配されている事にもぜひ注目してほしいところ。これによって物語の広がりが綺麗に収束していくのです。

 みぞれと希美のシーンでは写実的に、「リズと青い鳥」のシーンでは水彩画調に描かれた背景美術や、目元や指先、足元などクローズアップさせた箇所での仕草で心情描写をしてみせる手腕など、およそアニメでなければ成し得ない表現のオンパレードで青春映画としても同時にアニメ映画としても珠玉の傑作と言えるでしょう。
 唯一の欠点と言えば単品の作品として観た場合に最高でもシリーズ物として考えた場合に作りが地味すぎるという所くらいでしょうか。私は山田尚子監督は「聲の形」の時点でほぼ頂点に来てしまったのではなかろうかと思っていたんですが、まだまだ彼女の進化は止まらないようです。これから更にどのようにその世界観を深化して私たちに見せてくれるのか、期待して止みません。

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