ちゅうカラぶろぐ


[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6]  [7
今年は特にそういうシーズンにしちゃったのか、実は先々週のミリオンライブから4月上旬まで毎週のようにアイドルマスターのイベントが開催。さすがに全部付き合えるような時間やお財布の余裕は無いのでミリオンライブの10thファイナル以外はスルーしようと思っていたのに、初日の評判の良さとX(Twitter)に上がってくる出演者の写真が素敵でついシャイニーカラーズ6th大阪day2の配信チケットを買って昨日がっつり観てしまいました。う〜む、意志が弱い(苦笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 ライブは最高に楽しゅうございました(笑)。できれば現地で観たかった…

 さて、今回の映画は「ハイキュー‼︎ゴミ捨て場の決戦」です。

 春の高校バレー3回戦、日向翔陽(声・村瀬歩)が所属し、影山飛雄(声・石川界人)が正セッターを務める宮城県代表烏野高校は黒尾鉄朗(声・中村悠一)が率い弧爪研磨(声・梶裕貴)が正セッターを務める東京都代表音駒高校と相対することになった。合宿などで幾度となく対戦しながら公式戦では一度もぶつかったことの無い両校が雌雄を決する時が来た。カラスとネコというそれぞれの校名になぞらえ「ゴミ捨て場の決戦」と呼ばれる因縁の対決が今始まる…!

 2012〜2020年まで週刊少年ジャンプで連載された「ハイキュー‼︎」、2014年からはTVアニメも放送が開始し更なるファン層を開拓しました。アニメは4シーズンに渡って製作・放送され、概ねシーズン毎に総集編も作られ限定的ながら劇場上映も行われて来た同作が初めて完全新作の劇場版が製作、先月より上映が始まっています。製作にはキャストはもちろんスタッフも満仲勧監督やキャラクターデザイン岸田隆宏以下TVシリーズの中核メンバーが再結集しています。

 「ハイキュー‼︎」という作品の主人公は日向と影山ですが、今作では事実上研磨を主人公に設定しているのが大きな特徴です。最初からバレーボールが好きで楽しくて堪らない日向ではなく、バレーボールの楽しさを実はちゃんと味わっていながら自覚できずにいる研磨が物語の主軸になることで作品の主題を明確にする手腕と、試合運びがどこか俯瞰的でドライなところなど先年ヒットした「THE FIRST SLAM DUNK」と相似したところも感じられます。
 
 この作品の出来栄えを下支えするのは実際のスポーツ中継ではなし得ないアニメならではのカメラワーク。TVシリーズからアニメ「ハイキュー‼︎」の際立った特徴の一つでしたが、劇場版となって更にダイナミズムを増しています。その極め付きと言えるのが終盤での、ある人物の主観で展開する長回しのワンショット。この映画の凄みがここに集約されていると言っても過言ではないシーンで、是非スクリーンでその迫力を味わって欲しいところですね。そこ以外でも全体を通してTVシリーズをそのまま底上げしたような端正な作画が展開するのである意味かなりゴージャスな作品です。

 高密度ながら上映時間85分というスマートさで、凝縮された疾走感で最後まで駆け抜けます。ハッタリの境界線スレスレを行きながらスポーツのリアリティと研ぎ澄まされた緊張感を演出していく、「THE FIRST SLAM DUNK」と並び、現代スポーツアニメの一つの到達点と言って良いのではないでしょうか。文字通りバレーボールを観戦するような気持ちで鑑賞して欲しい1本ですね。

拍手[0回]

昨日の歌会をお休みして、私は今回横浜へライブ遠征して来ました。
 土曜日も月曜日もいい天気だったのに日曜日の昨日だけ雨だわ寒いわでちょいと思惑通りの動きはできませんでしたが、ライブは最高に熱い時間でした。

 こんばんは、小島@監督です。
 
 というわけで、この週末24、25日に開催された「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 10thLIVE TOUR Act-4 MILLION THE@TER!!!! 」を、今回珍しく両日現地で観てきました。「アイドルマスターミリオンライブ!」10周年を記念して昨年4月から約1年間かけて行われた大型ツアーもいよいよファイナル。特にday2はミリオンライブ始まって以来初めての39名全員出演がするとあって、メモリアルイヤーを締め括る集大成の予感に始まる前からかなりの期待度の高さをもって迎えられました。
 ところでact4の会場となった横浜Kアリーナは、昨年9月にオープンしたばかりの約20,000人動員可能なライブイベント特化型のハコで、今回初めて行きましたが音質の良さが出色。響き方の綺麗さもかなりのものです。アイマスライブは基本的に出演者の歌唱以外は事前に製作した音源を流すスタイルですが、こけら落としのゆずのように生音を聴かせるバンドサウンドならより一層違いが鮮明になるように思います。

 ミリオンライブの楽曲群の中でも名曲の誉れ高いものの一つに今回も披露された「UNION‼︎」と言う曲があります。曲中の歌詞に「ひとりじゃ届かない ひとりも手離さない」という印象的なフレーズがあるのですが、今回のact4はまさにそれを象徴するかのように初めて39名全員に個別の衣装が用意され、更に2日間かけて全員ソロ曲披露の見せ場を用意してみせます。ゲーム「ミリオンライブシアターデイズ」(略称ミリシタ)で使われるショートバージョンを基調に、全てフルコーラスでの歌唱ではなかったのですが、短いからと言って軽やかに流すのではなく短いからこそ全員が一切力を抜かない全力投球。特に舞浜歩役戸田めぐみさんは腰部神経根症を患い一時は足がまともに動かないほどの状態から3年越しにようやく復帰しての今回のステージで、まだ完全復活には至っていないと言うのにソロ曲「ユニゾンビート」やユニット曲「Dance in the light」で見事なダンスを踊ってみせ、震えるほど感動してしまったのは恐らく私だけではないはずです。

 ユニット曲の方もこれまでの10年間の中でお馴染みとなった曲だけでなく出演者が揃わずにいわゆるオリメンでの披露が叶わなかった曲やそもそも機会すら作れずにいた曲が次々に登場。そんなライブを展開するなら演出に奇をてらったものは何も必要は無く、ある1曲のためだけに衣装を替えてくるというのがあったくらいで、真っ向勝負の王道が持つ強さを全編に渡り叩きつけてきます。
 長い間に置き去りにして来た忘れ物を一つ一つ拾い上げて行くかのようなセットリスト、その多くが実は演出や運営側が用意したものではなく出演者の意向が強く事前アンケートを取って全員が納得できるように組み直したものだとMCで語られていたのも驚きです。送り手たる出演者たちの情熱を、受け手であるプロデューサー(観客)が全力で応えることで生まれる奇跡のようなグルーヴは、ちょっと筆舌に尽くし難いものがあります。

 一方でMCが何だかとんちんかんだったり、突如珍妙な動きをする人がいたり、打ち合わせも無しに面白い方向へ転がって上手い具合に締まらなかったりするグダグダっぷりもやっぱりミリオンライブ。集大成たる10thを締め括った後の去就をどうするのかと思ったら「いや普通に11thをやるだけですよ?」と言うのもらしくて良い。更に2017年以来となる765ASとの合同イベント「HOTCH POTCH FESTIV@L 2」の開催も発表されて、まだまだミリオンライブは止まらないようです。と言うかこっちもいっぱい忘れ物がある状態だからね!期待するよ!!

拍手[1回]

いよいよ今週最終回を迎える「王様戦隊キングオージャー」、実のところニチアサをだいぶ溜め込んでいて、「仮面ライダーギーツ」も最終回を観たのが今年に入ってからみたいなザマだったのですが、キングオージャーはそうやって追っかけで観ているウチにハマってしまい、これは最後はリアタイしたいぞとこの1ヶ月くらいの間に出遅れていた20数話ぶんを一気見。48話からの最終章に間に合わせた上に初めてファイナルライブツアーにまで応募してしまいました(笑)。その最終章も48、49話ともこれまでの全ての蓄積が昇華した素晴らしい出来映えでX(Twitter)ではラスト3話を劇場版で観たいという声がトレンド入りするほど。大抵録画で観てるニチアサですが、今度ばかりは最高最後のクライマックスをリアルタイム視聴したいところ。

 こんばんは、小島@監督です。
 一方で「仮面ライダーガッチャード」の方はまだ8話。先は長い(苦笑)。

 さて、今回は配信作品から一つご紹介。「ポップスが最高に輝いた夜」です。

 1985年1月28日夜、40名を超すハリウッドのA&Mスタジオにトップアーティスト達が集結した。目的はチャリティ・ソング「We are the world」のレコーディング。用意された時間は一晩だけ。アメリカ音楽史上に残る名曲はいかにして生まれたか。伝説の一夜が幕を開ける。

 その事件性ともたらした影響の大きさは1960年代末のウッドストック・フェスティバルに匹敵するのではないでしょうか。1984年、イギリスでボブ・ゲルドフが発起人となり当時深刻化の一途を辿っていたアフリカの飢餓救済のためにスーパースター達が一堂に会したプロジェクト「バンド・エイド」。それに呼応する形でアメリカでハリー・ベラフォンテが提唱したのが「USAフォー・アフリカ」、そのチャリティ・プロジェクトのためにマイケル・ジャクソンとライオネル・リッチーが共作し、クインシー・ジョーンズとマイケル・オマーティアンの共同プロデュースという形で誕生した曲が「ウィ・アー・ザ・ワールド」です。
 この曲を巡る経緯を描いたドキュメンタリーについては「STARS/ウィ・アー・ワールド」(1985年)や「We are the world the story behind the song」(2004年)などがあり、あるいはもっと断片的な物ならYouTubeで観られるものもあったりしますが、当時の撮影素材で未公開だったものや新たに収録した当時の関係者のインタビューで構成し、改めてこの曲の意義を語ったドキュメンタリーです。今年1月に開催されたサンダンス映画祭で特別上映が実施され、その後Netflixにて配信が開始されました。

 マイケル・ジャクソン、ライオネル・リッチー、クインシー・ジョーンズ、レイ・チャールズ、スティービー・ワンダー、ブルース・スプリングスティーン、ボブ・ディラン、ダイアナ・ロス、シンディ・ローパー…名だたるスター達が一晩だけとは言え同じスタジオに集まりレコーディングなんて実現したことが奇跡のよう。映画は特に奇を衒ったところは無い極めてオーソドックスな作りをしているのですが、そもそも大元のアーカイブ映像自体があまりにパワフルなのでそれで充分と言えるでしょう。
 個性が強すぎるメンバーを相手にカリスマティックに陣頭指揮を執るクインシー・ジョーンズ、アイディアを出しながらメンバー間の緩衝材にもなるライオネル・リッチー、多人数での同時収録という環境に戸惑いながらどうにか馴染もうと奮闘するボブ・ディラン、自身のミスすらユーモアに変えるスティービー・ワンダー、何故か歌う度にノイズが走るシンディ・ローパー、そして並々ならぬ情熱でプロジェクトに臨み準備段階からエネルギッシュに奔走するマイケル・ジャクソン、居並ぶ天才たちがそれぞれがピースとなって1つの曲が組み上がって行く様にゾクゾクします。繰り出される逸話と映像の数々が見せるのは、マーケティング的な思惑を超えて音楽やエンターテインメントが持つ「力」を極限まで具象化させようとしたエネルギーと、それが放つ煌めきそのもの。天才たちがシンプルな動機に突き動かされ伝説となるに至る様は、浮世の複雑さに翻弄される日々を送る身としては非常に眩しく映ります。

 1980年代のポップカルチャーが残した偉大なレガシーの記録。混迷深める現代で改めて語り直す意義は決して少なくないはず。ただ、Netflixで気軽に自宅で観られるのはありがたいですが、欲を言えばこれはミニシアターのスクリーンで観たかったかな(笑)

拍手[0回]

毎年のことながら本当に面倒な確定申告をこの連休中に終わらせました。ふるさと納税だけでなくここ数年は何だかんだ医療費も掛かってるのでいくらかでも返ってくるならやらないとね。ただ気合いを入れないとやる気すら起きないので毎年2月の休日を1日一切予定を入れないようにしています。良いことと言えば医療費絡みの領収書を雑に扱わなくなったことでしょうか。

 こんばんは、小島@監督です。
 年末調整してるサラリーマンな私ですらこの面倒臭さなので自営業の方の労力はいかばかりかと敬意すら覚えてしまいます。

 さて、今回の映画は「ストップ・メイキング・センス」です。

 この映画は1983年、当時絶頂期にあったトーキング・ヘッズが同年6月にリリースしたアルバム「スピーキング・イン・タングス」を引っ提げてのライブツアーを敢行。12月にハリウッド・パンテージ・シアターで3公演が開催され、その模様を撮影・編集し翌1984年に公開された作品です。音楽ドキュメンタリー映画の傑作としてマーティン・スコセッシ監督の「ラスト・ワルツ」と並び称される伝説的作品で、2021年、米国議会図書館により本作は保存のためにナショナル・フィルム・レジストリに登録され、公開40周年に合わせて2023年に4Kレストア版が製作。アメリカ本国に引き続いて日本でも公開。一部のシネコンではIMAXでも上映されています。監督は後に「羊たちの沈黙」を手掛けることになるジョナサン・デミ。デミ監督は意外とフィルモグラフィーにドキュメンタリー映画が多い方で、これ以外にもフォーク・ロック・シンガーのニール・ヤングを追ったドキュメンタリーなど10本以上手掛けています。

 開幕、ステージに立つのはアコースティック・ギターとラジカセを携えたデヴィッド・バーンただ一人。そこから1曲進むごとにステージにメンバーが一人ずつ増えていくユニークな構成。メンバーに増えるにつれトーキング・ヘッズの世界観が強く広がって行くのが見えるようです。全員出揃ってからも批評的精神と神経質な趣のパフォーマンスは留まるところを知らず、中でも電気スタンド1本を時に家に、時に恋人に見立ててチークダンスまで踊ってみせたりする中盤のパフォーマンスが圧巻。「ストップ・メイキング・センス(センスなんて関係ないさ)」と言いながら照明デザイン、衣装のコーディネート、演劇的な手法を取り入れた演出まで含めて隅々までセンスの塊のようなステージです。デヴィッド・バーンが2019年に発表したブロードウェイ・ミュージカル「アメリカン・ユートピア」の原型をここに見ることも可能でしょう。

 撮影監督を務めたジョーダン・クローネンウェスは、同内容の3公演にそれぞれ6台のカメラを毎回違う場所に配置しました。それらの映像をジョナサン・デミ監督はシームレスに編集しトーキング・ヘッズの唯一無二の世界観を余すこと無く映画の中に凝縮しています。MCもほとんど無く89分間ノンストップで駆け抜け、文字通り観客は音楽を全身で浴びるような体験を味わえます。4Kレストア版と言えど極端にクリーンにすることはせず、原盤の風合いを活かした形にしているのも良い方向に働いています。
 ライブ映像を主体とした音楽ドキュメンタリーとして後続に与えた影響が計り知れない1本。極端に言えばそれ以後にリリースされたライブ映像作品はほぼ全てこれの影響下にあると言っても過言ではないと言われている作品です。出来るだけ大きなスクリーンで味わって欲しい逸品。ぜひこの機会に。

拍手[0回]

そんなことがあるのかとちょっと驚いたのが帝国劇場で上演予定だったミュージカル「ジョジョの奇妙な冒険」が「準備不足」を理由に直前で初日を延期したそうです。出演者の病気や怪我による休演はたまに目にしますし、最近では人手不足から設営が出来なくてイベント中止というやるせないものも聞こえて来るようになりましたが、大手の東宝で、それも帝国劇場の演目でそれをやってしまっては今後の演劇界そのものへの信頼度に影響しそう。

 こんばんは、小島@監督です。
 ジョジョミュージカル、普段観劇はしない私でも行けるなら行きたいと思っていたのですがこのニュースを聞いてモチベーションだだ下がり。

 さて、今回の映画は「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」です。

 C.E.(コズミック・イラ)75、ギルバート・デュランダル(声・池田秀一)がキラ・ヤマト(声・保志総一朗)により討たれたことにより、彼が提唱した「デスティニープラン」は潰えた。しかしその後の混乱は一向に収まる気配を見せず世界には紛争が溢れていた。反コーディネーター思想団体「ブルーコスモス」の先鋭化や新興国の台頭がもたらす激化する戦闘を憂いた者たちによりラクス・クライン(声・田中理恵)を初代総帥とした世界平和監視機構「コンパス」が設立され、キラ達はそのメンバーとして世界各地の紛争調停のために奔走する日々を送っていた。
 そんな折、目覚ましい発展を遂げる新興国「ファウンデーション」からコンパスへ、ブルーコスモス本拠地への合同作戦を提案される。

 「機動戦士ガンダムSEED」とその続編「SEED DESTINY」は21世紀に入ってからのガンダムブランドを牽引して来たと言って過言ではない作品です。この大ヒットが無ければその後の「00」や「UC」「鉄血のオルフェンズ」などの作品群が生まれていたかどうか定かではありません。その「SEED」の劇場版製作の第一報があったのは2006年。しかしその後は特別総集編「スペシャルエディション」やHDリマスター版の製作、「スーパーロボット大戦」や「G-GENERATIONS」「EXVS」などのゲーム作品への登場などで作品世界が広がる一方でようとして劇場版の続報が無く、2016年にメインライターであった両澤千晶の病没もあり、もう企画自体が凍結されてしまったのではないかと思っていました。そこから実に18年の時を経て今になって遂に公開まで漕ぎ着けようとは。もう何かの奇跡でも見ているかのよう。両澤千晶没後は夫である監督福田己津央と「SEED」「SEED DESTINY」のノベライズを担当した後藤リウが共同でシナリオを書き継ぎ完成させたそうです。

 最早待ちくたびれたという言葉すら生温いほど待っただけの甲斐はあった、素晴らしい出来栄えの快作です。観たかったものがほぼ全部詰まってる逸品に仕上がっていました。
 物語は前半じっくりとした語り口で状況を作り上げ、後半大きくギアチェンジして一気呵成に畳み掛けてくる構成をしています。前作と言うべき「SEED DESTINY」では混迷と迷走を極め作り手すら落とし所を見失っているかのようでしたが今作ではキラとラクスのラブストーリーを主軸とし迷いの無い足取りで大団円まで疾走します。

 タイトルの「FREEDOM」は、主人公キラが駆るガンダムの名がフリーダムであると言うことのほかに文字通りの「自由」を意味しているのでしょう。今作のキラは世界を背負い数々の規範に束縛された状態からの旅路を辿ることになります。更に言えばシン・アスカ(声・鈴村健一)も過去の自分から少し自由になって明るさを取り戻していますし、後半に差し掛かったあたりから登場するアスラン・ザラ(声・石田彰)に至ってはもう色んな意味でフレームインしてるだけで面白くなるレベルの自由そのものの振る舞いを見せます。
 
 そんな彼らがまさに縦横無尽に躍動するクライマックスは、アイディアも作画のカロリーも圧倒的。1stガンダムのオマージュを随所に散りばめアクセントとしつつ、恐らく見せたいビジュアルから逆算して組み上げいるであろう絵コンテとキャラクターのドラマが相乗効果を生み、ボルテージが天井知らずに上がって行きます。このアッパーテンションはほとんどお祭り映画のノリ。続編であり完結編であると同時に20年越しの同窓会でもあるこの作品を最高の形でエモーションを醸成してくれます。

 作り手の見せたいものと受け手である観客が見たいものがこれほど噛み合うのも意外と少ないのではないでしょうか。そもそもその機会自体が無いだろうと諦めていただけになおさら喜びに満ち溢れています。かつて「SEED」にハマった人も不満を持っていた人も、そしてこれから触れるであろう人も受け止めるだけの度量を持った極上のエンターテインメント。こういうのはもう上映期間中にスクリーンで観て何ぼです。特に当時ハマっていた方は何としても観に行きましょう。この祭りを素通りするなど勿体無い。

拍手[3回]

たまに違う路線を使うと楽しいというか、ちょいとお誘いを受けて軽い遠出。何をしたかと言えば最近お笑いにも興味の湧いてきた私にも是非と、数人で集まって東京03のコントライブのBlu-ray鑑賞してました。ゲストが佐倉綾音の日と百田夏菜子の日でどちらが良いかと尋ねられ、即答で「佐倉綾音で」と答えた自分の声豚ぶりよ。

 こんばんは、小島@監督です。
 年末の決勝くらいしか観ていない「M-1グランプリ」の、その周辺のコンテンツの楽しみ方も色々聞けたのでじわじわと観ていこう。タイミングが合えば一度ライブも観てみたいですね。

 さて、今回の映画は「レザボア・ドッグス」です。

 ダイナーに集められた6人の男たち。それは裏社会の大物ジョー(ローレンス・ティアニー)が宝石店強盗を企てるために集めたメンバーだった。それぞれ色に因んでホワイト(ハーヴェイ・カイテル)、オレンジ(ティム・ロス)、ブロンド(マイケル・マドセン)、ピンク(スティーブ・ブシェミ)、ブルー(エディ・バンカー)、ブラウン(クエンティン・タランティーノ)とコードネームを付けられた男たちによって強盗は実行された。しかし計画は失敗し男たちは逃走を余儀無くされる。誰かが裏切り警察に通じている疑いを抱いた男たちは、互いに銃を突きつけ合うことになるのだった。

 複雑に入り組んだプロットや激しいバイオレンス描写、日本映画への深い造詣でフィルムメーカーとして独自の地歩を築いた人物、クエンティン・タランティーノ。自身が引退作と表明している作品「The Movie Critic」を準備中の同氏の初監督作がこの「レザボア・ドッグス」です。当時から若手製作者を積極的に支援していたハーヴェイ・カイテルによって見出され、1992年に製作されました。初公開から30周年を記念して先頃4Kリマスター版が製作され、久しぶりにスクリーンにお披露目されました。タランティーノ作品はそれなりに観ているのですが、これを観るのは今回の再上映が初めてだったりします。

 ひと言で言って才気煥発というか、「俺を観ろ!俺の映画を観ろ!」という叫びが聞こえてきそうな一本です。ようやくチャンスが巡ってきた監督のたぎるような情熱が見えてくるよう。
 登場人物の耳が切り落とされると言った残酷な暴力描写(カンヌ国際映画祭では上映前に観客に注意を促すメッセージが映し出されたと聞きます)と、本筋と無関係の様々なパロディや引用を織り交ぜた会話が延々と続く手法が初監督作にして既に十二分に盛り込まれています。また、一見無軌道に見えながらも緻密に組み上げられた時間構成と人間描写がスタイリッシュに付けられた劇中曲と共に展開し、この時点でクエンティン・タランティーノ特有のスタイルは出来上がっていたのだと強烈に印象付けてくれる作品です。後の作品は多くが150分前後の長尺になる中にあって100分というスマートな時間に収まっている点や、映画の大半は逃走場所として出てくる倉庫の中で展開し、舞台劇のような雰囲気を持っているのもポイント。
 ごく限られたロケーションだけで展開するのは低予算だから、と言うのも大きいように見えます。製作費90万ドルというのはかなりのローバジェットで俳優の多くは私服で出演したなど、なかなかにギリギリな話も聞きますね。

 まだまだ粗削りなところも多いのですが当時から既にカルト的な人気を勝ち得ていたのも頷ける逸品。ブライアン・シンガー監督の「ユージュアル・サスペクツ」と並び1990年代を代表するインディペンデント映画の一つとも言えるでしょう。劇場上映はそろそろ終了ですが、鑑賞するだけならAmazonプライムなどで配信もされています。独特なリズム感のダベりの面白さをどうぞご堪能あれ。

拍手[0回]

昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
今年最初の歌会は楽しめましたでしょうか。結構初参加の方も多くて驚き。私も今回初参加の方がいる部屋で部屋長をしてルールなどをレクチャーするのを久しぶりにやりました。前は良く引き受けていたのですが、長いことやってないとちょいとたどたどしくなってしまって少し反省。それでもはじめましての方がまた参加して頂けると嬉しいですね。

 こんばんは、小島@監督です。
 あと今回はかなりの曲数歌えたので大満足でした。

 さて、今回の映画は「アイドルマスターシャイニーカラーズ」です。

 櫻木真乃(声・関根瞳)は、芸能事務所283(つばさ)プロダクションのプロデューサー(声・夏目響平)と出会いスカウトされたことでアイドルの道を歩み出す。事務所には真乃とユニットを組むことになる風野灯織(声・近藤玲奈)と八宮めぐる(声・峯田茉優)、そして違うユニットでデビューし始めたアイドル達との出会いがあった。

 昨年4月期に放送された「シンデレラガールズU149」を皮切りに、約1年間で3本のアニメシリーズが放送・上映される「アイドルマスター」、その最後の1本となる「シャイニーカラーズ」がTV放送に先駆け全3章構成で昨年10月より劇場先行上映が行われ、今月より最終章である第3章の上映が始まっています。脚本に「アイカツ!」シリーズや昨年公開・放送され反響を呼んだ「アイドルマスターミリオンライブ!」の加藤陽一、監督は「映画すみっコぐらし」「シンデレラガールズ劇場」のまんきゅう、製作は「大雪海のカイナ」などのポリゴンピクチュアズが手掛けています。
 劇伴がフィルムスコアリング、即ち先に作られたBGMを場面に合わせて入れ込んでいくのではなく先に完成した映像に対し後からBGMを載せていく手法が取られており、状況よりもむしろ登場人物の心情に寄り添うように劇伴が作られていて、全体的にポエトリーな雰囲気を漂わせているのが特徴です。

 原作であるゲーム「シャイニーカラーズ」はアイマスの中でも取り分けシナリオに定評のあるタイトルで、時に重厚ですらあるそのテイストをどこまでアニメに落とし込むのか期待して観ていましたが予想に反して物語はかなり薄味。ユニットそれぞれの理想像を提供しようと行動するプロデューサーの姿は良いものの、主軸にいる真乃もあまり葛藤や成長が描かれているとは言えませんし他のキャラクターもそれほど掘り下げられている感は薄いです。敢えて言うならタイトル立ち上げから1年目くらいのまだ軸足が定まり切ってなかった頃を彷彿とさせます。終盤のクライマックスで展開する283プロダクションのアイドル全員が出演することになる1stライブが実際のシャイニーカラーズの1stライブをセットリストや構成までなぞっていたところを観ると恐らくそのふわっとした感触は意図的にやっていることでしょう。物語の起伏と引き換えにタイトルが持つエッセンスを凝縮した、そんな奇妙な印象を受けました。

 製作スタジオがポリゴンピクチュアズということもありフル3DCGで作られていますが立体的なハイライトを宿した瞳や、雨や汗で顔に貼り付いた髪の毛の艶やかさなかなり面白い箇所にこだわりを感じられるビジュアルをしています。同じフルCGでも先行作である白組製作の「ミリオンライブ!」とはまるで方向性が違う見せ方をしているので製作スタジオが持つ特性を見比べてみる楽しさ、と言うのもありそうです。
 

 物語そのものより醸し出される雰囲気を楽曲と共に楽しむアニメ、それがシャイニーカラーズです。実のところ元がTVフォーマットとは言えスクリーンで観る楽しさがあまり提供できているとは言えず、4話分まとめて観るより1話ずつ自宅のTVで観る方が合うタイプの作品だと思ってしまったのは内緒(苦笑)。
 先行上映はまもなく終了。TV放送開始は4月からの予定だそうです。シャイニーカラーズは踏み入れれば訴求力の強いタイトルだと思っているので、これを機にファンが増えてくれると嬉しいですね。そして私イチオシのストレイライトの3人がアニメで躍動する日が来てくれたらなお嬉しい(笑)。

拍手[0回]

/