ちゅうカラぶろぐ


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自分でも意識しない内にかなり疲れが溜まっていたのか、あるいは季節の変わり目でちょっと体調を落としていたのかこの連休は用の無い日や時間は割とずっと寝て過ごしてしまいました。あとは録り溜めたビデオのチェックとかしてのんびり過ごしました。どうやら体が休養を欲してたようです。

 こんばんは、小島@監督です。
 皆さんはどんな連休を過ごされましたか?

 さて、今回の映画は「港町」です。

 老人がいる。
 腰が曲がり耳の遠くなったその老人は、カメラを手にした監督が話しかけてもその反応は鈍い。しかし一たび漁船に乗り込めばその眼つきに鋭さが加わり慣れた動きで船を駆り網を仕掛ける老練な漁師に変貌した。
 老人が獲ってきた魚は市場に持ち込まれ、魚屋が仕入れ、捌き、売られていく。人が食べない分は猫の餌になっていく。そうして小さな港町の一日は過ぎてゆく。
 そんな港町に、一人の老女がいる。求められずともカメラに向かって喋り続けるその老女はある時、丘の上で自身の半生を回想し始めた…

 ドキュメンタリー映画を製作する作家は多いですが、その中でも独自のスタイルを貫き世界的に評価の高い「観察映画」というシリーズを手掛ける作家・想田和弘監督。そのシリーズ第7作目にあたる作品が現在各地の映画祭やミニシアターで公開されています。「観察映画」は一度観てみたいと前々から思っていたのですが遂にその機会を捕まえることが出来ました。
 
 「観察映画」とは「事前リサーチは行わない」「台本は書かない」「ナレーション・テロップ・音楽は原則使わない」など、想田監督自身が決めた10ほどのルールの中で製作される映画のことで、対象をただ遠くから見るだけでなく付かず離れずの独特の距離感で接しているのも特徴であるほか、割と行き当たりばったりで撮影する事が多く、それによって対象の(あるいは「人間の」というべきか)思いがけない一面がフッと垣間見えるその瞬間を切り取れるところに「観察映画」の面白さがあるといえるでしょう。
 そもそもこの「港町」自体が偶然の産物だそうです。想田監督が2016年に発表した「牡蠣工場」という作品があるのですが、その「牡蠣工場」に挿し挟む風景ショットを撮るべくカメラを回していたらアクの強すぎる老漁師と老女と遭遇した事からあれよあれよともう1本別の映画が出来るくらいの素材が撮れてしまったそうで、その「枠に収まりきらない」感じがこの「港町」の面白さでもあります。
 その趣旨から回せる限りひたすらカメラを回し続けて作るスタンスの作品で、そのお陰か映画の神様が気まぐれに下りてきたような瞬間があります。一つは笑いを、もう一つは驚きをもたらすその瞬間は全くの不意打ちで現れ、観る者に消えぬ印象を残します。
 
 カラーで撮影したものを敢えてモノクロに加工して製作されているのもポイントで、音楽やナレーションを排し撮影の際に録れた生活音と環境音をそのまま使い観客に感情の誘導を行おうとしていない乾いた作りにも関わらず、色が無くなったことで展開する映像が現在のものではなく遠い過去のようにも少し未来のようにも感じられ、普遍的な寓意性をまとうようになり、リアリティ重視であるはずのドキュメンタリーに詩情が感じられるのが実に面白いです。

 ところでこの映画、監督曰く「見つけると追いかけたくなってしまう」そうで、結構な頻度で猫が登場する猫映画でもあります。このもふもふ成分は映画の主題とは別に推したいところで硬い映画が苦手な方でもちょっとお薦めしたいところですね。
 
 根源的ともいえる人の営み。しかしそれが静かに終焉を迎えようとしている姿を、鋭くしかし温かい眼差しで綴ったこの映画、普段目にする劇映画やドキュメンタリーともまた違う風合いで新鮮な印象と示唆を与えてくれるでしょう。是非多くの方にご覧になって欲しい作品ですね。


 余談ですが、今回の映画、たまたま観に行った日が想田監督の舞台挨拶の日で私の質問にも答えてくれた上にパンフレットにサインまで頂いてしまいました。こういう一期一会も嬉しいですね(笑)

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今年のゴールデンウイークこと大型連休は割と綺麗にカレンダーにハマったために大抵の業態でほぼ同じ形の休日が設定される格好に。お陰様でそこら中で人混みが結構なことに。いや~映画館も大作や話題作は軒並み満席状態。盛況なのは映画好きとして嬉しい所ですが、仕事上がりに駆け込みで1本観て帰るってことがちょっと難しいのが複雑なところ。今の時期は観たいタイトルもいっぱいあるんですけどね~

 こんばんは、小島@監督です。
 連休中はここぞとばかりにいろいろ片付ける用件があるけれど、せめて1日はまるっと映画鑑賞に使いたい。

 さて、昨日は「THE IDOLM@STER SideM 3rd LIVE TOUR ~GLORIOUS ST@GE!~」静岡公演Day2のライブビューイングに行って来ました。
 今年2月の幕張イベントホールでの千葉公演を皮切りに4都市7公演で開催されたSideM3rdライブツアーもついに千秋楽。今ツアーは興味はあったものの日程的にあまり自分に都合の良いスケジュールではなかったためSideMのキャスト全員が出演した千葉公演の初日以外は当初スルーするつもりでいたのですが、ま~公演の度にTwitterなどで熱い評価が飛び交うのを見てるとさすがに気になってきて千秋楽のライブビューイングのチケットを取ってしまいました(笑)

 キャスト全員出演の千葉公演初日以外は基本的に6組のユニットが出演する3rdツアー。静岡公演Day2ではDRAMATIC STARS(仲村宗悟、内田雄馬、八代拓)、High✕Joker(野上翔、千葉翔也、白井悠介、永塚拓馬、渡辺紘)、S.E.M(伊東健人、榎木淳弥、中島ヨシキ)、FRAME(熊谷健太郎、濱健人、増元拓也)、Altessimo(永野由祐、土岐隼一)、Legenders(笠間淳、汐谷文康、駒田航)の6組が出演しました。
 
 私の個人的なハイライトは前半。開幕の「Reason」から最初のMCを経て先ずは各ユニット1曲ずつ披露。2度目のMCを挟んでからの次のブロックに現れました。胸に宿る勇気の示すまま踏み出していく決意を高らかに歌うLegendersの「Symphonic Brave」などヴォーカルで聴かせる曲で固められたこのブロックでは、特に元音楽家ユニットという設定のAltessimoの2人にによる、自分の「音」を探し続け彷徨う2人が出会うというような歌詞の「Never end「Opus」」とそこからの都築圭役土岐隼一による相棒を得た事で世界の広がりを感じる、といった内容の「Sanctuary World」が続く流れはユニットの物語性を高める曲構成で、透き通るような存在感を放っていました。

 そのほか、回を重ねる毎にシズル感めいた艶が増していくDRAMATIC STARSによる「MOONNIGHTのせいにして」や本格的に楽器を持ち込んでの生演奏を披露するHigh×Jokerの「Sunset☆Color」、ゴージャスな椅子に座ってパフォーマンスする姿が強いインパクトを与える山下次郎役中島ヨシキのソロ「GOLD~No.79~」から続くS.E.Mの疼くような後悔を残して終わったひと夏の恋をラテンミュージックに乗せたナンバー「サ・ヨ・ナ・ラSummer Holiday」、素朴な恋心を穏やかなメロディーで綴るFRAMEの「Swing Your Leaves」など、初めて聴く曲はそのパフォーマンスのレベルの高さに、そうでない曲は以前聞いた時との進化の度合いに驚かされるものが多く、キャストの中にキャラクターが深化しているのが見て取れます。

 ところでSideMライブはLVで観ると現地で観るのとはまた違う楽しみ方ができるのが大きなポイント。出演者の皆さん積極的にカメラアピールをしてくる上に、その都度女性客から黄色い声援が上がるのは他のアイマスライブでは見かけない光景で、コレが何というかとても楽しいのです(笑)

 僅か3か月の間にレベルが大きく上がった方が何人も見受けられたこのツアー。どんどん研ぎ澄まされていく様を見ていくことが出来るのは実に楽しい経験です。これからもSideM、目が離せません。

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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
 多数の初参加の方が見えた会でしたが、楽しんで頂けましたでしょうか?私は前回参加できなかったこともあった反動と、またちょっとそういう気分になったので普段歌わない「ACE COMBAT5」や「超時空要塞マクロス」の曲など織り交ぜたりなんかして割と歌い倒させて貰いました(笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 しかしじゃんけん大会で出品されてた加蓮ポスター欲しかったなぁ…プライズ品みたいだし自力でゲットしに行くべきか。

 さて、今回は久しぶりに映画館の話。
 先週のブログで書いた沼倉愛美ファンクラブイベントが明けた翌日、私が向かったのは田端。山手線田端駅北口改札を出て右手に向かい突き当りのT字路を左へ。駐輪場へと続くスロープを下り高架をくぐると見えてくる「田端駅下仲通り商店街」、その中に佇む小さな映画館が今回の目的地、

「シネマ・チュプキ・タバタ」です。
 オフィシャルサイトはこちら。
 日本で初めて、そして現在唯一のユニバーサル・シアターとして2016年に開業しました。運営母体は視覚障害者の映画鑑賞を長く支援してきた団体「シティ・ライツ」。徹底したバリアフリーを目的として設計されたミニシアターで、館内には様々な工夫が施されています。入り口から場内へはフルフラットになっていて車椅子でも入れるようになっていますし、写真には収めていませんが赤ん坊連れでも鑑賞が可能なように小さな防音室「親子鑑賞室」が設けてあるのも特徴です。


 席数は20席。日本で最も少ない部類に入ります。スピーカーは目の不自由な方でも立体的に音響を把握できるように「ガールズ&パンツァー」などのアニメ作品の音響監督を数多く手掛けている岩浪美和氏により特別に設計された「フォレスト・サウンド」という独自のシステムが導入されています。写真ではわかりにくいですが、薄い緑色している場内の床は実は人工芝。ちょっとフカフカしています。

 全ての座席には目の不自由な方のための音声ガイド(洋画の場合は吹替音声も)を聴くことが出来るイヤホンジャックが備え付けられており、左右それぞれの音量が調節できるようにもなっています。

 音声ガイドはここでの上映のために新たに録り下されたものも多く、館内には収録に当たった声優や作品の監督のサインが各所に書かれています。写真は左から順に、
・小野大輔(「ソング・オブ・ザ・シー海のうた」)
・中上育実(「ガールズ&パンツァー劇場版」)
・戸松遥、伊藤智彦(「劇場版ソードアートオンライン オーディナルスケール」)と新海誠(「秒速5センチメートル」)
・片渕須直(「この世界の片隅に」)
のサインになっています。

 この日観た映画は「チップ先生さようなら」
 1934年にジェームズ・ヒルトンにより発表された小説を原作にした映画で1939年に製作され、監督はサム・ウッド、主演はロバート・ドーナット。
 夕暮れ時、生徒や後輩から「チップス先生」と呼ばれ慕われる老教師チッピング(ロバート・ドーナット)が暖炉の前でまどろみながら自身の教師人生を追憶する。理想に燃え憧れの学院で教鞭をとることが叶えられるも現実に挫けた青年期、生活に疲れたころ同僚に半ば強引に連れ出された旅先で出会った親子ほどに年の離れた女性キャサリン(グリア・ガースン)と恋に落ち結婚したことが転機となる壮年期、一度は引退するものの同僚や教え子が次々と戦地へ召集されるなか学院からの要請で再び教職に戻ることになる老年期…移り変わる時代の中、教師として生きてきたチッピングはその晩年に何を思うのか。
 時代の流れに呑み込まれそうになりながらもユーモアを忘れず子供たちにものを教え続ける教師の姿を端正に描き出す、学校を舞台としたヒューマンドラマの傑作で、この1939年版を始めとして現代に至るまで度々映像化や舞台化がされています。1939年版では主演したロバート・ドーナットは20代から80代までを見事に演じ分けてみせ、当時製作され大ヒットした「風と共に去りぬ」の主演クラーク・ゲーブルを抑えアカデミー賞主演男優賞を獲得しました。
 散りばめられたユーモアの中に忘れがたいセリフがフッと現れる作品で、80年も前の作品ですが是非多くの方に観ていただきたい映画と言えますね。

 現在国内唯一の映画館であるシネマ・チュプキ・タバタは、開業資金をクラウドファウンディングによって賄われ、現在も映画館の運営のために寄付を募っています。興味が湧いたなら足を運んでみるのも一つの支援。「映画」へのアプローチに対する一つの「答」とも言えるこの映画館、いろいろな意味で唯一無二の映像体験が待っています。こういった映画館がこの1軒だけでなく国内に何館もできるような、そんな日が訪れると良いですね。
 



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一昨日、私も太陽さんでの飲み会に参加して来ました。仕事を終えてからの参加だった上に翌日も早めに動く必要があったことから一足先に切り上げて帰らざるを得ず、実質1時間半くらいしかいられなかったのが残念でなりませんが楽しい時間を過ごせました。

 こんばんは、小島@監督です。
 新装開店したらもちろんまた通いますよ~。前より駅から近くなりますしね(笑)!

 さて、昨日と今日、2日間かけて久しぶりに東京へ遠征して来ました。一番の目的は昨日恵比寿The Garden Hallにて開催されました「沼倉愛美ファンクラブAREA NU会員限定ライブ「ぬー民の集い」」です。昨年より結成された沼倉愛美オフィシャルファンクラブ、その初めてのイベントになります。

 開幕に、強さも弱さも抱えていても強引に未来へ踏み出してみよう!というような歌詞のアップテンポナンバー「ハレルヤDRIVE!」から始まったステージは、昨夏開催された1stライブツアーよりもトークパートを多めにした構成で展開されました。
 
 トークパートでは「ぬー民議会」と題して今後のファンクラブの企画と今後発売予定のCDに収録する曲のタイトル(決まってから沼倉愛美自身が作詞するそうです)をアンケートするという趣向が行われました。
 また、4月15日は沼倉愛美の誕生日ということもありバースデーイベントという意味合いも兼ねていた今回のステージ、本人にはサプライズとして親交の深い人物たちのビデオメッセージが上映されました。上映されたのは伊賀拓郎(彼だけ声優ではなく沼倉愛美1stアルバムでのキーボード担当)、諏訪彩花、佐倉綾音、竹達彩奈、そして緒方恵美の5人。特に最後の緒方恵美は本人にも観客にも意外そのもので大きな歓声と共に迎えられました。

 ライブパートでは前半に穏やかな曲調のバラードを集中させ、後半にアップテンポナンバーを固めてくる構成。ですが、後半はいくつも候補があったものの結局は決められなかったそうで、その場でくじで引いてセットリストを決めるという大胆な趣向を取りました。その結果、既に定番になりつつある「叫べ!」や「My LIVE」に加え、中には「AntiじゃないGravity」(本人呼称。原曲「Anti Gravity」はEDMナンバーですがそれをハードロック調にアレンジしたバージョンで、昨夏の1stツアー愛知公演でのみ披露された)などもあり観客のボルテージも最高潮に。
 沼倉愛美のパフォーマンスも以前より低音に強い伸びが感じられ、そのパワーが腹の底に響くようでした。
 
 正味2時間ちょっとのそれほど長いイベントではありませんでしたが、満足度は非常に高いステージでした。既に第2回のファンクラブイベントの開催も決定し(日程も詳細も全て未定だそうですが(苦笑))、声優としての実績が長いもののソロシンガーとしては遅咲きともいえる沼倉愛美のアーティストとしての可能性がどこへ向かうのか、楽しみです。




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先週、アニメーション作家の第一人者であった高畑勲さんがお亡くなりに。
 それまでデフォルメされた感情表現が主流であったアニメーションに繊細な感情表現を持ち込んだほか、社会生活や自然環境などを綿密に調査し作品に取り込むなどし、何より「特別でない市井の人物を主役に据えても作品を成功させられる」ことを証明してみせて日本のアニメーションの方向性を大きく変えた人物です。
 東映動画(現・東映アニメーション)在籍時代に熱心な労働組合活動を行っていたことでも知られ、アニメーターの地位向上を訴え続けた方でもありその活動の中で出会った宮崎駿監督に大きな思想的影響を与えた人物でもあります。
 興行成績的な話で言えばいくつもの作品で大赤字を出している(1999年製作の「ホーホケキョ となりの山田くん」ではDVDなどソフトや関連商品の売上で最終的に黒字化を成功させるが興行収入では製作費の半分も回収できなかった)ので宮崎駿氏の足下にも及ばないレベルですが(苦笑)、彼がいなければ日本のアニメーションは現在のような成長は遂げなかったでしょう。
 2000年を過ぎて以降は監督作品こそ「かぐや姫の物語」1本だけであるものの、「キリクの魔女」といった海外アニメーションの翻訳や「レッドタートル ある島の物語」のプロデュースなど晩年まで精力的にアニメーションの現場に関わり続けました。
 ご高齢だったとは言え惜しい方を亡くしました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

 こんばんは、小島@監督です。
 しかし追悼特集で作品を放送してくれるのは嬉しいのですが何もよりによりによって一番重たい「火垂るの墓」にしなくても…却って気が滅入ってしまう(苦笑)

 さて、今回の映画は「映画プリキュアスーパースターズ!」です。

 野乃はな(声・引坂理恵)たちは、はぐたん(声・多田このみ)に花畑を楽しんでもらうべく、郊外へと出かけて行った。はぐたんと共に満開の花々を満喫するはなたち。ところがそこに突然巨大な怪物が現れた。「ウソバーッカ」(声・北村一輝)と名乗るその怪物の攻撃に翻弄され、さあや(声・本泉莉奈)とほまれ(声・小倉唯)がさらわれてしまう。
 ウソバーッカは更にほかのプリキュアたちも打倒すべくその場を去って行った。はなはウソバーッカの姿に微かに記憶をかすめるものを感じるが、まずは危機を伝えるべく宇佐美いちか(声・美山加恋)へと会いに行くのだった。

 毎年恒例となった春のプリキュアシリーズ・クロスオーバー映画、今年は現在放送中の「HUGっと!プリキュア」を物語の主軸に、「キラキラ☆プリキュアアラモード」と「魔法つかいプリキュア!」のキャラクター達総勢12人が登場し華やかで賑やかな物語が展開します。
 短い上映時間(約70分前後)とフォーマットと制約が極めて多い中で様々な工夫を凝らすこのシリーズを毎回感心しながら観ていますが、今作もなかなかに見せてくれます。

 今作最大の特徴は全編に散りばめられたアイルランドをモチーフとしたビジュアルの数々です。主人公・はなが幼い頃に家族で旅行し不思議な妖精クローバー(声・小野賢章)と出会った街はアイルランドの首都ダブリンですし、そのクローバーもアイルランドのシンボルがシャムロック(クローバーのこと)から名前とデザインのモチーフにしているようです。また、そのクローバーが「力」を使う時などに画面に現れる独特な紋様があるのですが、それらはアイルランドの国宝であり「世界で最も美しい本」と言われる聖書の手写本「ケルズの書」の装飾に施された紋様がビジュアルモチーフになっています。
 また、音楽面でも新たに書き起こされたBGMの多くがケルティック・サウンドがベースになっていたりとコンセプトが統一されているのが大きなポイントです。
 余談ですが、今作の公開日は3月17日。アイルランドでは「聖パトリック・デー」という祝祭日で、アイルランドにキリスト教を広めた聖人・聖パトリックの命日に当たります。「聖パトリック・デー」はアイルランドに限らず世界各地でパレードが行われていたりしますが、日本では横浜や表参道などでパレードが行われていたりアイリッシュ・パブでフェアが開催されたりするほかは知名度はまだそれほどでもなく、作中でも特に「聖パトリック・デー」について言及されてはいません(パンフレットでは触れられている)。ひょっとしたら子供たちに訴求力の高いプリキュアで印象付けて今後押していきたいオトナの意向が働いているのかもしれませんが。

 劇場用作品だけあって作画のレベルも総じて高く、アクションは勿論のこと「そこでそんなにグリグリ動かしますか?」と言いたくなるような、むしろコメディシーンで無駄に躍動感出していたりするのが楽しく、ダレることなく最後まで突っ走ります。
 物語については重要なポイントである「約束」の落としどころがいささか安易に感じられる部分があるのが難点ですが、そもそも全体の尺が短いので掘り下げ方としては必要十分は満たしているといえるでしょう。

 今年シリーズ15周年を迎えたプリキュア。何かいろいろ仕掛けてくる気満々のようです。その皮切りともいえるこの映画は、シリーズの原動力は充分に感じられる一本です。登場作品やキャラクター達に愛着のある方もそうでない方も、この機会に観てみるのも一興ですよ。

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例年より早く満開になった桜の影響でこの週末の人出が凄い事に。職場の最寄り駅も間近に桜の名所があるのですが、ま~ここ数日テンションの上がった方の多いこと(笑)ハイになった人たちで人口密度の上がったいつもの駅構内はちょっと面倒くさいけどこれもまた季節の風物詩といったところでしょうか。
 
 こんばんは、小島@監督です。
 皆さんはどこかで花見しましたか?というか、今年はだいぶ早いので次の週末に照準合わせて予定組んでいた方たちはどうするのでしょう?

 さて、今回の映画は「ハーヴェイ・ミルク」です。

 1978年11月27日、サンフランシスコ市庁舎で発砲事件が起きた。それにより市長ジョージ・マスコーニと市政執行委員であったハーヴェイ・ミルクが死亡した。2人の死にサンフランシスコ市内は悲しみに包まれその死を悼む者達で市庁舎前は溢れ返った。
 ゲイ・コミュニティの権利保護運動を通して全ての社会的弱者への人権の保護を訴え続けたハーヴェイ・ミルクは何を遺したのか。関係者たちへのインタビューと本人の肉声や映像を記録したテープやフッテージと共にその生き様を追う。

 1984年に製作され、翌85年にアカデミー賞最優秀長編記録映画賞を受賞したドキュメンタリー映画です(日本では1988年に初上映)。ゲイ・コミュニティの人権運動を通じて一つのムーブメントを起こしたハーヴェイ・ミルクは伝説的な人物で、2008年には監督ガス・ヴァン・サント、ショーン・ペンの主演により「ミルク」のタイトルで劇映画化もされアカデミー賞最優秀主演男優賞と脚本賞を受賞するなど高い評価を得ています。
 近年のLGBT運動の先駆けともいえる人物という興味深い題材であると同時にドキュメンタリー映画としても傑作と名高い一本で、1988年に初上映して以後30年に渡り度々上映会やロードショーが行われおり、一度観てみたいと思っていた作品でしたが先日ようやくその機会を捕まえることが出来ました。

 10代で自身がゲイであることを自覚していたというハーヴェイ・ミルク、あるべき時代にあるべき者があるべきところに落ち着いたというべきか、1970年代初頭にサンフランシスコに移り住んでいます。サンフランシスコは1960年代後半から70年代前半に巻き起こったヒッピー(ベトナム戦争の反対運動を発端とし、既成の価値観に縛られた人間生活からの脱却を図ろうとする運動。「自然と愛と平和とセックスと自由を愛する」と主張する者が多かった)ムーブメントの発祥の地とも言われており、引き寄せられたようなところはあったのでしょう。
 映画の作中には8人の人物のインタビューが登場しますが皆ユニークな経歴と政治思考の人物であり、そういった多面性がサンフランシスコという街を表現しているようにも見えました。

 ハーヴェイ・ミルクが起こすことになるムーブメントと、狙撃事件後に起きた物事の流れ全てがキリスト教的伝統と多様性の間で揺らめく現代アメリカの縮図そのものと言えるでしょう。
 ところでその狙撃事件は当然作中でも大きく取り扱われていますが、なかなか驚かされることに事件直後(それも恐らく発生からほんの僅か数分後)にジャーナリストとカメラマンがかなり深入りした場所で撮影している映像が登場します。たまたまというよりはもともと市庁舎に常時誰かしら記者が詰めていたからではないかと思われるのですが、非常に生々しい緊迫感が漂う映像でその緊張感も見どころの一つと言えますね。

 30年以上前の作品ですが、一つ一つの事象が与える示唆は極めて今日的であり、翻訳に使わている言葉が若干古いこと以外は今観ても充分鑑賞に堪える、またそれだけの価値のある作品です。画質や音質がスクリーンで鑑賞しなければならないと思えるほどのハイレベルなものではないのでTV放送やDVDなどで機会が出来たら是非ご覧になってみてください。

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先々週くらいのブログで書いた演歌の巨匠たちが手掛けたというアイマスの新曲の試聴動画が公開されていました。
 それがコレです。

 媚びも妥協も無い超本格派来ました。イントロからして只者ではない感がバシバシ来ます。しかも巴役花井美春さん歌唱力高!何も知らずに聞いたらキャラソンとはまず思われないというか、富士そばでコロッケそば食べながら聴きたいくらい(笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 シンデレラガールズは11月と12月にドーム公演が開催されることが既に告知されていますがそのどこかでコレが披露されるかもしれないと思うとテンション上がります。

 さて、今回の映画は「バーフバリ 王の凱旋」です。

 遥か昔のインド、そこでは大国マヒシュマティ王国が栄華を極めていた。しかし王族内では血生臭い王位継承権争いが勃発していた。国政を司る国母シヴァガミ(ラムヤ・クリシュナ)は、民を愛し民衆に慕われるアマレンドラ・バーフバリ(プラバース)を次期国王として宣言するが、ビッジャラデーヴァ(ナーサル)は息子バラーラデーヴァ(ラーナー・ダッグバーティ)が王位継承権争いに敗れた事を苦々しく思い、バーフバリを排斥させるべく陰謀を巡らすのだった。
 ある時シヴァガミは王位に就く前に自身の目で土地と民を見て知ってもらうべく王宮を離れるように伝える。バーフバリは忠臣カッタッパ(サティヤラージ)一人を従え王宮を旅立った。旅路の途中でバーフバリはクンタラ王国の王女デーヴァセーナ(アヌシュカ・シェッティ)と出会い恋心を抱く。バーフバリとカッタッパは素性を隠してクンタラ王国に身を寄せる事に。
 その知らせは密偵を通じバラーラデーヴァの元へも届いた。デーヴァセーナの肖像画を手に入れたバラーラデーヴァは一目で彼女を気に入り、自身の妻として迎えることでバーフバリを貶めようと画策を始めるのだった。

 本国インドで記録的な興収を叩き出したほか世界各国でヒットを飛ばし、日本でもロングラン上映が続くインド映画を先日ようやく観ることが出来ました。
 公開規模が極端に違うのでそうとは知らずに観る方がほとんどだったようなのですが、実はこれ二部作の後編。前編である「伝説誕生」と合わせ、アマレンドラとその息子のマヘンドラ(演じるのはどちらもプラバース)、二人のバーフバリの冒険とロマンスを描きます。なお本編開始前に「伝説誕生」の粗筋を紹介する映像が流れるので物語を把握するのに特に不便はありませんでしたが、より深く楽しもうと思うならやはり前編の鑑賞は必須でしょう。と言って私もまだ前編の方は観ていないのですが。

 実のところこの映画、物語の大枠そのものはオーソドックスな貴種流離譚であり奇をてらったようなところはないのですが、語り口が尋常じゃありません。特にアクションシークエンスはVFXの力を隠しもしない、笑わせようとしてやってるのかそうでないのかすら最早判別できない超絶アクロバティックなアイディアをこれでもかと大量投入した画面が展開し、異様な熱量でもってスペクタクル映画のカタルシスを盛り上げます。アクションシーンや合戦シーンの中には「十戒」(1956年製作、監督セシル・B・デミル)「ベン・ハー」(1959年製作、監督ウィリアム・ワイラー)や「乱」(1985年製作、監督黒澤明)「レッドクリフ」(2008年製作、監督ジョン・ウー)といった古今のスペクタクル映画のオマージュを感じさせるものもあるのですが、それを自己流…というかマサラ色に染め上げて無茶苦茶なスケール感でバンバン叩き付けてくるのがポイントです。

 インド映画というといきなり踊り出すミュージカル映画というイメージの強い方も多かろうと思いますが、この映画は意外にもそれは少ないです。本編中それが観られるのは一度だけ。しかしコレがあまりにブッ飛んでるのとそもそも他も大概盛り過ぎなので「物足りない」とか「イメージが違う」というようなことは先ずありません。そんなこと考えさせる余裕もないくらいの強烈な映像が奔流となって押し寄せてきます。
 この映画の欠点ですか?「濃すぎる」という以外には特に無いですよ(笑)あとは相性の問題。

 その圧倒的な熱量でもって観る者を一時非日常的な世界へと誘う、映画の「魔法」を存分に味わえる1本です。公開もまだ続いているのですが、実は既にBlu-rayも発売されていますし配信も始まっています。上映見逃したわ~という方も、是非自分の見やすいスタイルで、娯楽映画の粋を堪能してください。
 

 

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