本当に行ってきました、「タイトル未定」のフリーライブ。タイトル未定がメインアクトで他にもいくつかのアイドルユニットが登場する、そんなタイプのイベントでぶっちゃけこの手のライブイベントは初めてだから何もかも新鮮。どうせ観に来たのだしせっかくならばと終演後の特典会にまで参加してチェキ撮ったりサインもらったりしてました。参加してみて、とても妙な表現ですが「アイドルマスターシャイニーカラーズ」への解像度が上がったような気がします。なるほど、ノクチルやアンティーカたちはきっとこんな風に活動してるんですね。
こんばんは、小島@監督です。
驚いたことに、その日出演していたユニットの中には16時過ぎまでそこで特典会をやりながら夜に別の場所でもう1本ライブやった上に翌日も1ステージこなしていたり、タイトル未定も主催ライブの翌日には昼は名古屋でリリースイベント、夜は東京でライブみたいなスケジュールしていてそのタフさには頭が下がります。アイドルって体力勝負。
さて、今回の映画は「オッペンハイマー」です。
1950年代、ソ連との冷戦と赤狩りの風吹き荒ぶ中ロバート・オッペンハイマー(キリアン・マーフィー)はソ連へのスパイ行為の容疑をかけられアメリカ原子力委員会の聴聞に臨んでいた。
一方、原子力委員会の委員長を務めるルイス・ストローズ(ロバート・ダウニー・Jr)は公聴会に召喚される。そしてロスアラモスでのオッペンハイマーの「トリニティ実験」の詳細が明らかにされようとしていた。
巨匠クリストファー・ノーランの新作は、第二次大戦下において原爆開発の立役者となり一度は国の英雄となるもその後冷戦下ではスパイ容疑をかけられ公職を追放されたオッペンハイマーの半生を描く伝記映画。アメリカでは昨年7月に公開され大絶賛されたものの、日本にとっては非常にセンシティブなモチーフ故に公開は難航、本国に半年以上遅れてようやく公開となりました。
実際のところ、この映画は確かに広島や長崎を直接的に描きはしないものの、当初懸念されたようなアメリカの立場を強調し原爆投下を肯定するような内容ではありません。むしろ極めて優れたバランス感覚のもとに作られた映画です。そして激烈なまでに情報量の多い映画です。180分という上映時間ですが、最近のハリウッド大作が陥りがちな過剰な饒舌さは無いに等しく、1秒も余さず必要なシーンしかないと言っても過言ではありません。
次々に出てくる膨大な登場人物に対し説明などは全く無いのも特徴で、オッペンハイマーを筆頭に物理学者だけでもアインシュタイン、ハイゼンベルグ、ニールス・ボーア、エンリコ・フェルミ、デヴィッド・L・ヒルら当時の知の巨人たちが続々と登場。大半がノーベル賞受賞者だわ当人の名を冠した賞が設立されている人までいるわの軽くアベンジャーズ状態。そこに加えて彼らの家族、軍や政府の関係者が登場してきます。歴史的事実についても原子力開発史と同じくらい赤狩りやマッカーシズムについて知っておいた方がいい事は多く、濃密なダイアログとテリングで引き込んでくるタイプの作品故に予備知識が絶対に必要というわけではありませんが、見終わった後に「調べる」というアクションを起こすことはお薦めします。
IMAXやDolby cinemaなどラージフォーマットでも公開されている作品ですが、他のハリウッド映画やアニメと違い映像のスケール感で押すタイプではありません。むしろ重要視したいのは音響。この映画、オッペンハイマーの心象風景を音で表すようなシーンもあるほどかなり異様な音響デザインをしており、その迫力を十二分に味わえるかどうかが映画の印象に直結します。選べる範囲で良い音響のスクリーンを選びましょう。
あくまでもオッペンハイマーの半生とその意識と苦悩の変遷にフォーカスし続けるこの映画は、原爆投下の是非を問うような意識も赤狩りの不当さを告発するようなイデオロギーもありません。人類を滅ぼせる力を形にした男が、その存在に目の色を変える人々に恐怖する物語であり、むしろ極めてパーソナルであるが故に核の火を手にした人類のその後の不誠実さを浮き彫りにして見せていると言えましょう。
知識を持って楽しむというよりこの映画はむしろ知るためのきっかけ。この映画が何を見せて、何を見せないで語っているかは自身の手で調べてみてください。世界が均衡を崩しかけ、今また原子力政策や核抑止を意識せざるを得ない情勢だからこそ、観る価値のある作品と言えますね。他のクリストファー・ノーラン作品にも同様の傾向がありますが、後々自宅で観られるようになっても恐らく劇場鑑賞ほどに鮮烈な印象は残さないタイプなので、長いからと言わず気になっているならスクリーンで鑑賞することをお薦めします。
こんばんは、小島@監督です。
驚いたことに、その日出演していたユニットの中には16時過ぎまでそこで特典会をやりながら夜に別の場所でもう1本ライブやった上に翌日も1ステージこなしていたり、タイトル未定も主催ライブの翌日には昼は名古屋でリリースイベント、夜は東京でライブみたいなスケジュールしていてそのタフさには頭が下がります。アイドルって体力勝負。
さて、今回の映画は「オッペンハイマー」です。
1950年代、ソ連との冷戦と赤狩りの風吹き荒ぶ中ロバート・オッペンハイマー(キリアン・マーフィー)はソ連へのスパイ行為の容疑をかけられアメリカ原子力委員会の聴聞に臨んでいた。
一方、原子力委員会の委員長を務めるルイス・ストローズ(ロバート・ダウニー・Jr)は公聴会に召喚される。そしてロスアラモスでのオッペンハイマーの「トリニティ実験」の詳細が明らかにされようとしていた。
巨匠クリストファー・ノーランの新作は、第二次大戦下において原爆開発の立役者となり一度は国の英雄となるもその後冷戦下ではスパイ容疑をかけられ公職を追放されたオッペンハイマーの半生を描く伝記映画。アメリカでは昨年7月に公開され大絶賛されたものの、日本にとっては非常にセンシティブなモチーフ故に公開は難航、本国に半年以上遅れてようやく公開となりました。
実際のところ、この映画は確かに広島や長崎を直接的に描きはしないものの、当初懸念されたようなアメリカの立場を強調し原爆投下を肯定するような内容ではありません。むしろ極めて優れたバランス感覚のもとに作られた映画です。そして激烈なまでに情報量の多い映画です。180分という上映時間ですが、最近のハリウッド大作が陥りがちな過剰な饒舌さは無いに等しく、1秒も余さず必要なシーンしかないと言っても過言ではありません。
次々に出てくる膨大な登場人物に対し説明などは全く無いのも特徴で、オッペンハイマーを筆頭に物理学者だけでもアインシュタイン、ハイゼンベルグ、ニールス・ボーア、エンリコ・フェルミ、デヴィッド・L・ヒルら当時の知の巨人たちが続々と登場。大半がノーベル賞受賞者だわ当人の名を冠した賞が設立されている人までいるわの軽くアベンジャーズ状態。そこに加えて彼らの家族、軍や政府の関係者が登場してきます。歴史的事実についても原子力開発史と同じくらい赤狩りやマッカーシズムについて知っておいた方がいい事は多く、濃密なダイアログとテリングで引き込んでくるタイプの作品故に予備知識が絶対に必要というわけではありませんが、見終わった後に「調べる」というアクションを起こすことはお薦めします。
IMAXやDolby cinemaなどラージフォーマットでも公開されている作品ですが、他のハリウッド映画やアニメと違い映像のスケール感で押すタイプではありません。むしろ重要視したいのは音響。この映画、オッペンハイマーの心象風景を音で表すようなシーンもあるほどかなり異様な音響デザインをしており、その迫力を十二分に味わえるかどうかが映画の印象に直結します。選べる範囲で良い音響のスクリーンを選びましょう。
あくまでもオッペンハイマーの半生とその意識と苦悩の変遷にフォーカスし続けるこの映画は、原爆投下の是非を問うような意識も赤狩りの不当さを告発するようなイデオロギーもありません。人類を滅ぼせる力を形にした男が、その存在に目の色を変える人々に恐怖する物語であり、むしろ極めてパーソナルであるが故に核の火を手にした人類のその後の不誠実さを浮き彫りにして見せていると言えましょう。
知識を持って楽しむというよりこの映画はむしろ知るためのきっかけ。この映画が何を見せて、何を見せないで語っているかは自身の手で調べてみてください。世界が均衡を崩しかけ、今また原子力政策や核抑止を意識せざるを得ない情勢だからこそ、観る価値のある作品と言えますね。他のクリストファー・ノーラン作品にも同様の傾向がありますが、後々自宅で観られるようになっても恐らく劇場鑑賞ほどに鮮烈な印象は残さないタイプなので、長いからと言わず気になっているならスクリーンで鑑賞することをお薦めします。
PR
先日、ロングラン上映中の「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」の応援上映に行って来ました。ちょっとお祭り感のある映画だったので初見でも応援上映とかと相性良いだろうな〜と思って臨んでみましたが、思った以上に好相性で滅茶苦茶楽しい。ズゴッグに歓声上げられる機会なぞそうそうありませんて(笑)
こんばんは、小島@監督です。
FREEDOMの応援上映、今のところ今週4日にも予定されています。たまには映画館で声を張り上げるスタイルで観るのも一興。居合わせた観客との運もあるので若干ギャンブルみもありますが。
さて、今回の映画は「荒野の用心棒」です。
アメリカ・メキシコ国境付近の小さな町に1人の名無しのガンマン(クリント・イーストウッド)がふらりと流れ着いた。その町ではドン・ミゲル(アントニオ・プリエート)らロホ兄弟と悪徳保安官バクスター(ウォルフガング・ルスキー)が抗争を繰り広げて死者が続出しており、儲かるのは棺桶屋だけと言われるほどの事態となっていた。名無しの男はバクスターの手下を早撃ちで倒すと自身をロホ兄弟に売り込むのだった。
1960〜70年代前半にかけて量産されたイタリア製西部劇、映画評論家淀川長治氏によって「マカロニ・ウェスタン」と名付けられたそのジャンルは、基本的にはアメリカ西部劇を踏襲しながらもアウトロー的な主人公像やハードなバイオレンス描写で、よりエンターテインメント色が強い作風が特徴です。マカロニ・ウェスタンが世界的に知られるようになったきっかけと言われているのが1964年に製作されアメリカでも大ヒットを博した「荒野の用心棒」です。黒澤明の「用心棒」を西部劇に仕立て直したこの作品は東宝や黒澤明の許可を得ないで作られたため、後年東宝と裁判にまでなった逸話もあります。この映画と後に製作されたクリント・イーストウッド主演の「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」の2作品を合わせて「ドル箱三部作」と呼ばれています(多額の興行収益を叩き出した、ということではなく最初の2作の原題に「dollar」が入ってるから)。最近三部作揃って4Kリマスター版が製作され現在一挙上映が始まっています。TV放送やレンタルなどで観たことはあるものの劇場鑑賞はしたことなかったこの三部作の1作を先日観てきました。
冒頭いきなり観客を鷲掴みする口笛のテーマ曲を手掛けたのは映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネ。からりとしたドライなテイストと激しいガンファイトで物語に引き込む手腕を見せつけるのは監督セルジオ・レオーネ。いずれも後に世界的名声を得ることになる彼らの、その知名度を上げるきっかけとなった作品です。
ずっと昔にTVで観ているので内容は知っていたものの、ちゃんとスクリーンで観るとその凄みに震えます。以前に観てるからというだけでなくそこらじゅうで他作品からの既視感を覚えるのでついパロディだらけに錯覚してしまうくらいですが、でも出元はこっち。予備知識も無いままこれを直撃した方たちの衝撃はいかばかりか。後続に与えた影響の計り知れない大きさを実感します。
一つのジャンルを確立してみせた作品のパワーは数十年の時を経ても色褪せない。
「午前10時の映画祭」に限らずとも近年シネコンでも旧作の上映が増えたのはコロナ禍がもたらした影響の一つでしょうか。口笛一つに痺れる経験もなかなか無いので是非この機会を捕まえて欲しいですね。
なお、三部作とは言うけれど監督・主演・音楽が同じと言うだけで作品自体は全く連続していないので、どこから観てもOKですよ。
こんばんは、小島@監督です。
FREEDOMの応援上映、今のところ今週4日にも予定されています。たまには映画館で声を張り上げるスタイルで観るのも一興。居合わせた観客との運もあるので若干ギャンブルみもありますが。
さて、今回の映画は「荒野の用心棒」です。
アメリカ・メキシコ国境付近の小さな町に1人の名無しのガンマン(クリント・イーストウッド)がふらりと流れ着いた。その町ではドン・ミゲル(アントニオ・プリエート)らロホ兄弟と悪徳保安官バクスター(ウォルフガング・ルスキー)が抗争を繰り広げて死者が続出しており、儲かるのは棺桶屋だけと言われるほどの事態となっていた。名無しの男はバクスターの手下を早撃ちで倒すと自身をロホ兄弟に売り込むのだった。
1960〜70年代前半にかけて量産されたイタリア製西部劇、映画評論家淀川長治氏によって「マカロニ・ウェスタン」と名付けられたそのジャンルは、基本的にはアメリカ西部劇を踏襲しながらもアウトロー的な主人公像やハードなバイオレンス描写で、よりエンターテインメント色が強い作風が特徴です。マカロニ・ウェスタンが世界的に知られるようになったきっかけと言われているのが1964年に製作されアメリカでも大ヒットを博した「荒野の用心棒」です。黒澤明の「用心棒」を西部劇に仕立て直したこの作品は東宝や黒澤明の許可を得ないで作られたため、後年東宝と裁判にまでなった逸話もあります。この映画と後に製作されたクリント・イーストウッド主演の「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」の2作品を合わせて「ドル箱三部作」と呼ばれています(多額の興行収益を叩き出した、ということではなく最初の2作の原題に「dollar」が入ってるから)。最近三部作揃って4Kリマスター版が製作され現在一挙上映が始まっています。TV放送やレンタルなどで観たことはあるものの劇場鑑賞はしたことなかったこの三部作の1作を先日観てきました。
冒頭いきなり観客を鷲掴みする口笛のテーマ曲を手掛けたのは映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネ。からりとしたドライなテイストと激しいガンファイトで物語に引き込む手腕を見せつけるのは監督セルジオ・レオーネ。いずれも後に世界的名声を得ることになる彼らの、その知名度を上げるきっかけとなった作品です。
ずっと昔にTVで観ているので内容は知っていたものの、ちゃんとスクリーンで観るとその凄みに震えます。以前に観てるからというだけでなくそこらじゅうで他作品からの既視感を覚えるのでついパロディだらけに錯覚してしまうくらいですが、でも出元はこっち。予備知識も無いままこれを直撃した方たちの衝撃はいかばかりか。後続に与えた影響の計り知れない大きさを実感します。
一つのジャンルを確立してみせた作品のパワーは数十年の時を経ても色褪せない。
「午前10時の映画祭」に限らずとも近年シネコンでも旧作の上映が増えたのはコロナ禍がもたらした影響の一つでしょうか。口笛一つに痺れる経験もなかなか無いので是非この機会を捕まえて欲しいですね。
なお、三部作とは言うけれど監督・主演・音楽が同じと言うだけで作品自体は全く連続していないので、どこから観てもOKですよ。
先日、ネットで見ていて「これホント?」と思ったことがあり、
最近は単行本の重版(再販)は初版より値段が高いらしいとか。
私自身最近は漫画の本を買っていないのでわからないですし、
そもそもすでに漫画自体が高すぎて引いてるくらいなので、
それより高いなんてのは、この業界は終了寸前の印象です。
もっとも売れ筋の作品で販売が簡単に見込めるようならば、
リスクは考えないで、安心して重版ができるのでしょうけど、
マニアがやっと買うような作品だと、重版は恐いでしょうね。
こういうリスクも電子書籍だと無いでしょうし、そういう意味でも、
今後は電子書籍はどんどん後押しされていくのでしょうね。
さて、会社での仕事中、外部の人に電話を掛ける時に限って、
つい口が慣れちゃっていて、よく言いそうになってしまうのが、
「もしもし、カラオケサークルのかときち(本名)です。」
まだ参加確認の電話に慣れていなさそうな若いメンバーには、
まずは『カラオケサークルの』と付けて、話し始めるのですが、
この言い回しに口が慣れていて無意識に言いそうになります。
もっとも参加確認の電話に限って、すっかり慣れ切った私は、
口が勝手にしゃべってしまうので、すでにもうトラップです。
参加確認で話していることは、意識せずともテンプレなので、
一言一句とまでは言わないまでも、当然ほぼ同じ内容です。
参加確認時はヘッドセットをしながらの通話が基本なのですが、
それこそ極端な時はゲームしたりプラモデルを作りながら、
他所事を考えていても、そのテンプレを話せてしまうのです。
もっと言うと、参加の可否まで聞いておきながら電話を切ると、
「今の人参加だっけ?欠席だっけ?」と瞬時に忘れることも。
特に次回歌会の参加確認の週はこれが顕著に出てしまい、
何度も仕事で言いかけて、本当に気を付けています。
今では会社で電話をする前には脳内で自分を戒めるように、
『〇〇会社のかときち(本名)です!』と繰り返している始末です。
こうやって書くと、歌会をお誘いする相手に心無いようですが、
いえいえ、歌会当日には感謝の心でいっぱいですので、
参加確認の電話の時は寛大な心でよろしくお願いします。
最近は単行本の重版(再販)は初版より値段が高いらしいとか。
私自身最近は漫画の本を買っていないのでわからないですし、
そもそもすでに漫画自体が高すぎて引いてるくらいなので、
それより高いなんてのは、この業界は終了寸前の印象です。
もっとも売れ筋の作品で販売が簡単に見込めるようならば、
リスクは考えないで、安心して重版ができるのでしょうけど、
マニアがやっと買うような作品だと、重版は恐いでしょうね。
こういうリスクも電子書籍だと無いでしょうし、そういう意味でも、
今後は電子書籍はどんどん後押しされていくのでしょうね。
さて、会社での仕事中、外部の人に電話を掛ける時に限って、
つい口が慣れちゃっていて、よく言いそうになってしまうのが、
「もしもし、カラオケサークルのかときち(本名)です。」
まだ参加確認の電話に慣れていなさそうな若いメンバーには、
まずは『カラオケサークルの』と付けて、話し始めるのですが、
この言い回しに口が慣れていて無意識に言いそうになります。
もっとも参加確認の電話に限って、すっかり慣れ切った私は、
口が勝手にしゃべってしまうので、すでにもうトラップです。
参加確認で話していることは、意識せずともテンプレなので、
一言一句とまでは言わないまでも、当然ほぼ同じ内容です。
参加確認時はヘッドセットをしながらの通話が基本なのですが、
それこそ極端な時はゲームしたりプラモデルを作りながら、
他所事を考えていても、そのテンプレを話せてしまうのです。
もっと言うと、参加の可否まで聞いておきながら電話を切ると、
「今の人参加だっけ?欠席だっけ?」と瞬時に忘れることも。
特に次回歌会の参加確認の週はこれが顕著に出てしまい、
何度も仕事で言いかけて、本当に気を付けています。
今では会社で電話をする前には脳内で自分を戒めるように、
『〇〇会社のかときち(本名)です!』と繰り返している始末です。
こうやって書くと、歌会をお誘いする相手に心無いようですが、
いえいえ、歌会当日には感謝の心でいっぱいですので、
参加確認の電話の時は寛大な心でよろしくお願いします。
昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
ま、今回1番のトピックはX(Twitter)で「タイトル未定」というアイドルユニットがちょっと気になってます、ということを呟いたらCDを5枚も頂いてしまったことですね(笑)。ありがとう、こすけ君!取り敢えず新譜の「群青」聴きましたよ!短編映画みたいなMVも良い感じ。
こんばんは、小島@監督です。
タイトル未定、4月6日7日に名古屋でフリーライブやるらしく、せっかくなので観に行ってみようか思案中。率直に言って「オッペンハイマー」のタイムテーブル次第。
さて、今回の映画は「漫才協会 the movie 〜舞台の上の懲りない面々〜」です。
漫才協会、浅草フランス座演芸場東洋館にて毎月1〜19日までの上席中席の興行を受け持つ一般社団法人である。そこに所属する芸人たちはどんな思いで舞台に立っているのか。芸人たちの悲喜交々に寄り添い綴るドキュメンタリー。
もっとあるものと思っていたのですが、東京で常設でお笑いの舞台がある劇場は1館だけだそうです。2023年に漫才協会7代目会長に就任したナイツ塙宣之は、大阪に人気で大きく水を空けられている状況に強い危機感を抱いているようで普及のために様々な施策を仕掛けており、恐らくはその一環としてドキュメンタリー映画が製作されました。ナイツ塙宣之は企画だけでなく監督・インタビュアーもこなし、相方である土屋伸之もナレーションを務めています。インタビューの聞き手が同じ分野の人、と言うのも良し悪しあるのですが、ことこの映画に限って言えばそれが上手く機能しているように見受けられました。
目的意識が非常にはっきりしている作品で、観るまではもっとバラエティー番組じみているのかと思いましたが至って真面目に作られています。どこかハンドメイドのような素朴さがあるのも映像製作をメインフィールドにしていない人物が監督を務めているから、というだけでなく目的に対する誠実さの現れとも言えます。数多くの芸人たちが映画に登場しますが、彼らの人となりに焦点を当てているのでネタの映像はごく少ないのも特徴です。
青空球児・好児、爆笑問題、サンドウィッチマンら著名な芸人も登場しますが、むしろ映画でしっかり時間を取って紹介しているのは、結成3年の若手コンビや相方が急死して1人になってしまった人、事故で片腕を失ったピン芸人、離婚したのに何故か今も同じ家で暮らし同じ部屋で寝ている夫婦漫才コンビ、数十年会費だけ払って一度も舞台に立たない芸人(?)と多士済々。個人的にはかつてTVで一世を風靡したX-GUN、BOOMER、金谷ヒデユキらが今は浅草東洋館に出演していると知れたのも収穫でした。
ところで浅草の演芸場出身と言えば忘れてはならない世界的なビッグネームとなった人物が1人おり、その人物がどこで出てくるかなと思ったら、ちゃんと言及はするし関係者も出てくるけど名前も顔も出てこないと言うのには笑ってしまいました。恐らくは権利関係の問題でしょうが、これを笑って流せるかどうかがこの映画を面白いと思えるかどうかの分水嶺のような気もします。
いささか饒舌で総花的ではあるものの最近ちょっと漫才も気になって来ていて、一度どこかでお笑いライブを観てみたいと考えている中では実に興味深い逸品でした。やっぱりあれこれ考えずに一度大須の演芸場とかにも行ってみた方が良いかな。
ま、今回1番のトピックはX(Twitter)で「タイトル未定」というアイドルユニットがちょっと気になってます、ということを呟いたらCDを5枚も頂いてしまったことですね(笑)。ありがとう、こすけ君!取り敢えず新譜の「群青」聴きましたよ!短編映画みたいなMVも良い感じ。
こんばんは、小島@監督です。
タイトル未定、4月6日7日に名古屋でフリーライブやるらしく、せっかくなので観に行ってみようか思案中。率直に言って「オッペンハイマー」のタイムテーブル次第。
さて、今回の映画は「漫才協会 the movie 〜舞台の上の懲りない面々〜」です。
漫才協会、浅草フランス座演芸場東洋館にて毎月1〜19日までの上席中席の興行を受け持つ一般社団法人である。そこに所属する芸人たちはどんな思いで舞台に立っているのか。芸人たちの悲喜交々に寄り添い綴るドキュメンタリー。
もっとあるものと思っていたのですが、東京で常設でお笑いの舞台がある劇場は1館だけだそうです。2023年に漫才協会7代目会長に就任したナイツ塙宣之は、大阪に人気で大きく水を空けられている状況に強い危機感を抱いているようで普及のために様々な施策を仕掛けており、恐らくはその一環としてドキュメンタリー映画が製作されました。ナイツ塙宣之は企画だけでなく監督・インタビュアーもこなし、相方である土屋伸之もナレーションを務めています。インタビューの聞き手が同じ分野の人、と言うのも良し悪しあるのですが、ことこの映画に限って言えばそれが上手く機能しているように見受けられました。
目的意識が非常にはっきりしている作品で、観るまではもっとバラエティー番組じみているのかと思いましたが至って真面目に作られています。どこかハンドメイドのような素朴さがあるのも映像製作をメインフィールドにしていない人物が監督を務めているから、というだけでなく目的に対する誠実さの現れとも言えます。数多くの芸人たちが映画に登場しますが、彼らの人となりに焦点を当てているのでネタの映像はごく少ないのも特徴です。
青空球児・好児、爆笑問題、サンドウィッチマンら著名な芸人も登場しますが、むしろ映画でしっかり時間を取って紹介しているのは、結成3年の若手コンビや相方が急死して1人になってしまった人、事故で片腕を失ったピン芸人、離婚したのに何故か今も同じ家で暮らし同じ部屋で寝ている夫婦漫才コンビ、数十年会費だけ払って一度も舞台に立たない芸人(?)と多士済々。個人的にはかつてTVで一世を風靡したX-GUN、BOOMER、金谷ヒデユキらが今は浅草東洋館に出演していると知れたのも収穫でした。
ところで浅草の演芸場出身と言えば忘れてはならない世界的なビッグネームとなった人物が1人おり、その人物がどこで出てくるかなと思ったら、ちゃんと言及はするし関係者も出てくるけど名前も顔も出てこないと言うのには笑ってしまいました。恐らくは権利関係の問題でしょうが、これを笑って流せるかどうかがこの映画を面白いと思えるかどうかの分水嶺のような気もします。
いささか饒舌で総花的ではあるものの最近ちょっと漫才も気になって来ていて、一度どこかでお笑いライブを観てみたいと考えている中では実に興味深い逸品でした。やっぱりあれこれ考えずに一度大須の演芸場とかにも行ってみた方が良いかな。
私は日常、ゲーム系ニュースの配信サイトを見ていたりします。
その中のニュースで、ゲーム好きな私には面白かったのが、
『桃太郎電鉄』をプレイすることが宿題の小学校があるとか。
春休みの宿題で【桃太郎電鉄を10年以上プレイする】という、
絶対にこのゲームを知っていないと、出せないような内容です。
社会科目の宿題のようで、確かにこのゲームをやっていると、
地名やその土地の名産などを少しずつでも覚えていくので、
ゲームとは言え、結構役に立つ勉強になるとは思いますよね。
そういえばメンバーに桃鉄大会をしたいという人がいたので、
ホントにやってみたら、どれくらいの参加者が集まるのでしょう。
さて、今回の歌会では先日ここで告知をさせていただいていた、
サークルのマスコットキャラクターの名前を募集しました。
募集をしてみたものの、自分ならどんな名前を付けるかと、
実際に考えてみると、これがなかなか簡単に決められなくて、
割とハードルの高い依頼をみなさんにしていたと痛感しました。
歌会時に毎回書いてもらう次回歌会参加の確認の用紙に、
突然のようにキャラクターの名前を募集する項目があって、
これを受け取って「これはムリ!」と思った人も多いと思います。
もうみんな難しくてネタに走ってしまう人が続出と思いましたが、
歌会後にみなさんに考えてもらった名前を見てみると、
そんなこともなく、意外とアリな名前がたくさん並んでいました。
ネタに走った人の案についてはさすがにそれにはできませんが、
つい大喜利の回答のように笑ってしまうようなものがありました。
そして真面目に考えてくれた案は、捨てがたいものが多く、
これを一つに絞らなければならないかと思うとちょっと心苦しい。
次回の歌会までにみなさんが考えてくれたものをリストにして、
その中からみなさんに投票をしてもらう形で決定いたします。
すでに全部見た私からすると、いくつか本命そうなのが想像でき、
決まった後は、このキャラクターがどう育っていくか楽しみです。
今回の歌会では名前だけでなく、この2人キャラクターは、
兄弟なのか、他人なのかと想像を膨らませるメンバーも多数。
そうか、アイコンとなるキャラクターの背景まで想像するのかと、
あらためてオタクってこういう生き物かと感心してしまいました。
(↑もちろん誉めています)
そんなマスコットキャラクターの名前は次回歌会にて投票を行い、
後日、LINEグループ『中部からの歌声雑談版』にて発表します。
選ばれた名付親のメンバーには記念品をプレゼントいたします!
その中のニュースで、ゲーム好きな私には面白かったのが、
『桃太郎電鉄』をプレイすることが宿題の小学校があるとか。
春休みの宿題で【桃太郎電鉄を10年以上プレイする】という、
絶対にこのゲームを知っていないと、出せないような内容です。
社会科目の宿題のようで、確かにこのゲームをやっていると、
地名やその土地の名産などを少しずつでも覚えていくので、
ゲームとは言え、結構役に立つ勉強になるとは思いますよね。
そういえばメンバーに桃鉄大会をしたいという人がいたので、
ホントにやってみたら、どれくらいの参加者が集まるのでしょう。
さて、今回の歌会では先日ここで告知をさせていただいていた、
サークルのマスコットキャラクターの名前を募集しました。
募集をしてみたものの、自分ならどんな名前を付けるかと、
実際に考えてみると、これがなかなか簡単に決められなくて、
割とハードルの高い依頼をみなさんにしていたと痛感しました。
歌会時に毎回書いてもらう次回歌会参加の確認の用紙に、
突然のようにキャラクターの名前を募集する項目があって、
これを受け取って「これはムリ!」と思った人も多いと思います。
もうみんな難しくてネタに走ってしまう人が続出と思いましたが、
歌会後にみなさんに考えてもらった名前を見てみると、
そんなこともなく、意外とアリな名前がたくさん並んでいました。
ネタに走った人の案についてはさすがにそれにはできませんが、
つい大喜利の回答のように笑ってしまうようなものがありました。
そして真面目に考えてくれた案は、捨てがたいものが多く、
これを一つに絞らなければならないかと思うとちょっと心苦しい。
次回の歌会までにみなさんが考えてくれたものをリストにして、
その中からみなさんに投票をしてもらう形で決定いたします。
すでに全部見た私からすると、いくつか本命そうなのが想像でき、
決まった後は、このキャラクターがどう育っていくか楽しみです。
今回の歌会では名前だけでなく、この2人キャラクターは、
兄弟なのか、他人なのかと想像を膨らませるメンバーも多数。
そうか、アイコンとなるキャラクターの背景まで想像するのかと、
あらためてオタクってこういう生き物かと感心してしまいました。
(↑もちろん誉めています)
そんなマスコットキャラクターの名前は次回歌会にて投票を行い、
後日、LINEグループ『中部からの歌声雑談版』にて発表します。
選ばれた名付親のメンバーには記念品をプレゼントいたします!
先日の鳥山明さんの訃報の衝撃も醒めやらぬうちに、声優のTARAKOさん、そして今日はイラストレーターのいのまたむつみさんと相次ぐ訃報に、多感な時期に作品に触れてきた身としてはやるせなさばかりが募ります。少しずつその頃に鮮烈な印象を刻みつけた方々を見送る時期に、自分が差し掛かっていると言うことかもしれません。
TARAKOさんは「ちびまる子ちゃん」という金字塔でその存在を知り、実は「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」に端役で出演しているのを後から知るという感じでした。2001年に放送された「ノワール」では慈愛と非情さを併せ持つ超然とした女性アルテナを演じ、従前のイメージを大きく覆す演技に唸った覚えがあります。
いのまたむつみさんは、自分にとって最初に触れたのは「小説ドラゴンクエスト」の挿絵ではなかったかと思います。その後は「宇宙皇子」「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」「ブレンパワード」あたりの印象が強いですね。代表作の一つと言われる「幻夢戦記レダ」を観たのはほんの数年前ですし、長年藤島康介氏と二本柱で手掛けていた「テイルズ」シリーズは恥ずかしながらほとんどプレイしたことが無いため近年の実績はほぼ素通りに近く、いずれはちゃんと触れておきたいですね。
こんばんは、小島@監督です。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
さて、今回の映画は「落下の解剖学」です。
人里離れた雪山の山荘で、1人の男が転落死した。事故とも自殺ともつかぬ状況だったが、次第に殺人の線が浮上し男の妻であるベストセラー作家のサンドラ(サンドラ・ヒュラー)に容疑がかかる。現場に居合わせたのは2人の息子であり視覚障害を持つ少年ダニエル(ミロ・マシャド・グラネール)ただひとり。警察はサンドラによる殺害と断定しサンドラを起訴。裁判が始まった。証人や検事により、夫婦の嘘や秘密が少しずつ明らかになってゆく。
冒頭、サンドラは学生からのインタビューを受けるシーンから始まります。しかしサンドラは質問の回答をはぐらかし曖昧な会話が繰り返されるうち、突然大音量で音楽が流れ出しその音に邪魔されてインタビューは中止する羽目になってしまいます。
この違和感を抱かせずにおかないイントロは、しかし物語が進むにつれて理路整然と象られていくどころか次第に増幅していき観客を幻惑の迷宮に誘います。今年の米国アカデミー賞脚本賞を獲得した一作は、男の転落死をきっかけに、裁判の中でまるで緻密なパズルが組み上がっていくかのように家族が抱える嘘や秘密が解き明かされていくのを見届ける法廷劇です。「落下の解剖学」というユニークなタイトルは実に言い得て妙で、少しずつ、しかし着実にメスが入れられていくのです。主要人物はごく少数に絞り込まれ、冷静で透徹したテリングはどこかドキュメンタリー的ですらあります。
物語の鍵を握るのがダニエル。サンドラに主眼が置かれている序盤から折に触れ印象付けられるようなシーンが挟まれるほか、冒頭に流れる曲を除けば本編中に流れる音楽はダニエルが作中でレッスンのために弾くピアノの音だけ、というのも象徴的です。
目が見えないために両親のことで知らないままでいることも多いものの、公判の行方を時に証人として立ち時に傍聴人として耳を傾け、11歳という年齢で知るにはキツいことまで知ってしまい傷つきもするものの、その日々の中で誰知らず成長していきます。そして最後にある決断をするのです。
どうやっても割り切れず、何を選んでも後悔せずにはいられないことに直面することも人生にはあり、しかしその割り切れない気持ちを抱いて歩いて行くしかない。伏線が回収され物語が収束するカタルシスとはいささか異なりますが、人間の機微を見事に描いてみせた逸品。
傍聴人になったような気持ちで、見届けてください。
TARAKOさんは「ちびまる子ちゃん」という金字塔でその存在を知り、実は「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」に端役で出演しているのを後から知るという感じでした。2001年に放送された「ノワール」では慈愛と非情さを併せ持つ超然とした女性アルテナを演じ、従前のイメージを大きく覆す演技に唸った覚えがあります。
いのまたむつみさんは、自分にとって最初に触れたのは「小説ドラゴンクエスト」の挿絵ではなかったかと思います。その後は「宇宙皇子」「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」「ブレンパワード」あたりの印象が強いですね。代表作の一つと言われる「幻夢戦記レダ」を観たのはほんの数年前ですし、長年藤島康介氏と二本柱で手掛けていた「テイルズ」シリーズは恥ずかしながらほとんどプレイしたことが無いため近年の実績はほぼ素通りに近く、いずれはちゃんと触れておきたいですね。
こんばんは、小島@監督です。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
さて、今回の映画は「落下の解剖学」です。
人里離れた雪山の山荘で、1人の男が転落死した。事故とも自殺ともつかぬ状況だったが、次第に殺人の線が浮上し男の妻であるベストセラー作家のサンドラ(サンドラ・ヒュラー)に容疑がかかる。現場に居合わせたのは2人の息子であり視覚障害を持つ少年ダニエル(ミロ・マシャド・グラネール)ただひとり。警察はサンドラによる殺害と断定しサンドラを起訴。裁判が始まった。証人や検事により、夫婦の嘘や秘密が少しずつ明らかになってゆく。
冒頭、サンドラは学生からのインタビューを受けるシーンから始まります。しかしサンドラは質問の回答をはぐらかし曖昧な会話が繰り返されるうち、突然大音量で音楽が流れ出しその音に邪魔されてインタビューは中止する羽目になってしまいます。
この違和感を抱かせずにおかないイントロは、しかし物語が進むにつれて理路整然と象られていくどころか次第に増幅していき観客を幻惑の迷宮に誘います。今年の米国アカデミー賞脚本賞を獲得した一作は、男の転落死をきっかけに、裁判の中でまるで緻密なパズルが組み上がっていくかのように家族が抱える嘘や秘密が解き明かされていくのを見届ける法廷劇です。「落下の解剖学」というユニークなタイトルは実に言い得て妙で、少しずつ、しかし着実にメスが入れられていくのです。主要人物はごく少数に絞り込まれ、冷静で透徹したテリングはどこかドキュメンタリー的ですらあります。
物語の鍵を握るのがダニエル。サンドラに主眼が置かれている序盤から折に触れ印象付けられるようなシーンが挟まれるほか、冒頭に流れる曲を除けば本編中に流れる音楽はダニエルが作中でレッスンのために弾くピアノの音だけ、というのも象徴的です。
目が見えないために両親のことで知らないままでいることも多いものの、公判の行方を時に証人として立ち時に傍聴人として耳を傾け、11歳という年齢で知るにはキツいことまで知ってしまい傷つきもするものの、その日々の中で誰知らず成長していきます。そして最後にある決断をするのです。
どうやっても割り切れず、何を選んでも後悔せずにはいられないことに直面することも人生にはあり、しかしその割り切れない気持ちを抱いて歩いて行くしかない。伏線が回収され物語が収束するカタルシスとはいささか異なりますが、人間の機微を見事に描いてみせた逸品。
傍聴人になったような気持ちで、見届けてください。
こんばんは、小島@監督です。
各社がトップで報じただけでなくワールドニュースのヘッドラインにもなったのでご存じの方も多いと思います。先週8日に漫画家・鳥山明さん逝去が報じられました。ちょうど昼休み中にそのニュースを知ってしまい、午後の仕事に臨むのに結構お腹に力入れないとならないくらいショックでふわふわしていました。
自分にとって初めて触れた作品は幼稚園から小学校上がったくらいの頃にアニメで見ていた「Dr.スランプ」。と言っても「見てた」ことくらいしか覚えていないのですが母に言わせると忙しい夕食時にコレを見ている間は大人しかったそうで、母にとっては遠い日の夕食の記憶に結びついているようです。原作を読んだのはもっとずっと後、ある程度漫画についての変遷を知ってからだったのでジャンプが劇画寄りの作品が主体だった時期にコレを連載してムーブメントを起こしたことの凄みに驚かされました。
その後「ドラゴンボール」が始まるに至り、直撃世代として全身で浴びることになりました。月曜日の少年ジャンプの最新号発売日と水曜日のTVアニメ放送を毎週心待ちにしたり、かめはめ波や魔貫光殺砲のマネしたりお小遣いやりくりして駄菓子屋やスーパーの店先にあったカードダスを買ったり、多分同世代の男子の大抵が多かれ少なかれ通ったんじゃないかと思われる道を私も通っていました。TVゲームに目を向ければ同氏がキャラクターデザインを務めた「ドラゴンクエスト」や「クロノ・トリガー」を何度となくプレイして、文字通りアニメや漫画、ゲームの原体験の一つとして私の血肉になっていると言っても良いくらいです。
鳥山明が世界的な存在たる所以はこの「原体験」を世界中の人に届けてみせたことにあるでしょう。世界中のプロスポーツ選手たちがおどけてかめはめ波やフュージョンのポーズを取って撮影した写真を見たことのある方も多いでしょう。シルエットだけで伝わるキャラクターたち、ポップな色彩のイラストレーション、緻密に描き込まれながら同時に暖かみもありつつそれでいて立体が容易に想像できるメカニックなど例示すればキリがないくらいです。「ドラゴンボール」が「MANGA」を世界市場へ引き上げた一助となったと同時に、後続のクリエイティブに与えた影響も計り知れるものではありません。「ONE PIECE」の尾田栄一郎や「NARUTO」の岸本斉史らいずれも現在世界的名声を勝ち得た漫画家が影響を公言していますし、現在の多くのファンタジーものに見られる「スライムは最弱」という恐らくドラクエがもたらした共通イメージも堀井雄二の卓抜したゲームデザインと同じくらい鳥山明のあのタマネギ型の図柄が寄与した部分も大きいでしょう。「葬送のフリーレン」でコメディ要素の一つとして登場する妙に愛嬌のあるミミックも、もともとは「ダンジョンズ&ドラゴンズ」からとは言え特に日本においてはドラクエ3で初登場したモンスターに源流を見ることができるように思います。
「ドラゴンボール」以後は長期連載を手掛けることは無くなり、「COWA!」「ネコマジン」など短期連載で軽やかな作品を不定期に発表するようになりました。中でも「SANDLAND」は個性的なキャラクターたちと観察眼と批評精神が感じられる堅実なストーリーのバランスが非常に良く、隠れた名作状態だったところがコミックス刊行から20年を経て昨年映画化され、更に今年続編が準備中という再発見ぶりに鳥山明の非凡さが伺えます。
「ドラゴンボール」も鳥山明監修の下で新シリーズが準備されていた中であり、今後更なる躍進も期待できていた中での訃報は慙愧に堪えませんが、蒔かれた種は数限りなく、それらが芽吹き大樹にすらなろうとしているところを見ると私たちはこれから先も「鳥山明以後の世界」でその遺伝子が感じられる作品たちと出会うことになるのでしょう。
今までありがとうございました。きっとこれからも時々読み返します。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
各社がトップで報じただけでなくワールドニュースのヘッドラインにもなったのでご存じの方も多いと思います。先週8日に漫画家・鳥山明さん逝去が報じられました。ちょうど昼休み中にそのニュースを知ってしまい、午後の仕事に臨むのに結構お腹に力入れないとならないくらいショックでふわふわしていました。
自分にとって初めて触れた作品は幼稚園から小学校上がったくらいの頃にアニメで見ていた「Dr.スランプ」。と言っても「見てた」ことくらいしか覚えていないのですが母に言わせると忙しい夕食時にコレを見ている間は大人しかったそうで、母にとっては遠い日の夕食の記憶に結びついているようです。原作を読んだのはもっとずっと後、ある程度漫画についての変遷を知ってからだったのでジャンプが劇画寄りの作品が主体だった時期にコレを連載してムーブメントを起こしたことの凄みに驚かされました。
その後「ドラゴンボール」が始まるに至り、直撃世代として全身で浴びることになりました。月曜日の少年ジャンプの最新号発売日と水曜日のTVアニメ放送を毎週心待ちにしたり、かめはめ波や魔貫光殺砲のマネしたりお小遣いやりくりして駄菓子屋やスーパーの店先にあったカードダスを買ったり、多分同世代の男子の大抵が多かれ少なかれ通ったんじゃないかと思われる道を私も通っていました。TVゲームに目を向ければ同氏がキャラクターデザインを務めた「ドラゴンクエスト」や「クロノ・トリガー」を何度となくプレイして、文字通りアニメや漫画、ゲームの原体験の一つとして私の血肉になっていると言っても良いくらいです。
鳥山明が世界的な存在たる所以はこの「原体験」を世界中の人に届けてみせたことにあるでしょう。世界中のプロスポーツ選手たちがおどけてかめはめ波やフュージョンのポーズを取って撮影した写真を見たことのある方も多いでしょう。シルエットだけで伝わるキャラクターたち、ポップな色彩のイラストレーション、緻密に描き込まれながら同時に暖かみもありつつそれでいて立体が容易に想像できるメカニックなど例示すればキリがないくらいです。「ドラゴンボール」が「MANGA」を世界市場へ引き上げた一助となったと同時に、後続のクリエイティブに与えた影響も計り知れるものではありません。「ONE PIECE」の尾田栄一郎や「NARUTO」の岸本斉史らいずれも現在世界的名声を勝ち得た漫画家が影響を公言していますし、現在の多くのファンタジーものに見られる「スライムは最弱」という恐らくドラクエがもたらした共通イメージも堀井雄二の卓抜したゲームデザインと同じくらい鳥山明のあのタマネギ型の図柄が寄与した部分も大きいでしょう。「葬送のフリーレン」でコメディ要素の一つとして登場する妙に愛嬌のあるミミックも、もともとは「ダンジョンズ&ドラゴンズ」からとは言え特に日本においてはドラクエ3で初登場したモンスターに源流を見ることができるように思います。
「ドラゴンボール」以後は長期連載を手掛けることは無くなり、「COWA!」「ネコマジン」など短期連載で軽やかな作品を不定期に発表するようになりました。中でも「SANDLAND」は個性的なキャラクターたちと観察眼と批評精神が感じられる堅実なストーリーのバランスが非常に良く、隠れた名作状態だったところがコミックス刊行から20年を経て昨年映画化され、更に今年続編が準備中という再発見ぶりに鳥山明の非凡さが伺えます。
「ドラゴンボール」も鳥山明監修の下で新シリーズが準備されていた中であり、今後更なる躍進も期待できていた中での訃報は慙愧に堪えませんが、蒔かれた種は数限りなく、それらが芽吹き大樹にすらなろうとしているところを見ると私たちはこれから先も「鳥山明以後の世界」でその遺伝子が感じられる作品たちと出会うことになるのでしょう。
今までありがとうございました。きっとこれからも時々読み返します。
謹んでご冥福をお祈りいたします。