ちゅうカラぶろぐ


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遂に大河ドラマ「いだてん」が最終回に。
 日本人初のオリンピック出場選手・金栗四三、1964年東京オリンピック招致に尽力した田畑政治、そして語り部として登場しながら物語にも深く関与する古今亭志ん生の3人を主軸に半世紀に渡る日本のオリンピックとの関りと近現代のスポーツと文化を落語の「噺」の体で描き出す、実に重層的な物語に毎週楽しみにしながら観ていました。一つの文化が勃興する様だけでなく、政治の生臭いうねりの中に飲み込まれていく様や戦災、天災、差別の姿も描いてみせて今日へのアイロニーも強く、未見の方には多分年内中に放送されるであろう総集編でもいいからご覧になって頂きたいドラマですね。

 こんばんは、小島@監督です。
 視聴率的には大苦戦だったと聞いていますが数字に騙されてはいけない。こんなに熱くて楽しいドラマは久しぶりでした。

 さて、今回の映画は「コマンドー 4Kリマスター版」です。

 かつて精鋭部隊「コマンドー」の指揮官として名を馳せたジョン・メイトリクス(アーノルド・シュワルツェネッガー)だが、今は退役し愛娘ジェニー(アリッサ・ミラノ)と共に静かに暮らしていた。
 そんな折、コマンドーの元隊員たちが次々と何者かに襲撃され殺害される事件が発生。事態を重く見たフランクリン・カービー将軍(ジェームズ・オルソン)はメイトリクスの元を訪ね危険を伝え護衛を残して行った。しかし将軍が去った直後メイトリクスは襲撃されジェニーが誘拐され、自身も武装集団に拘束されてしまった。

 まさかこういうのが正規の配給網に乗って劇場公開される日が来ようとは。おかげで今まで自宅でしか観たことがなかったものをスクリーンで観ることができました。
 1982年製作の「コナン・ザ・グレート」でハリウッドメジャーへの主演デビューを果たし、1984年の「ターミネーター」大ヒットでその地歩を固めつつあったアーノルド・シュワルツェネッガーが鍛えぬいた肉体を存分に活かしたアクションを見せ、アクションスターとしての地位を本格的に獲得した作品、それが1985年に公開された「コマンドー」です。これまでにもリバイバル上映されたことが無いでは無いのですが、4Kリマスター版として今回は初めて日本語吹替版、それも名作と名高い1989年に「日曜洋画劇場」で放送されたバージョンでの上映です。TV放送用として製作された吹替版が公式に全国ロードショーされるというのはかなり異例。というかまず記憶にありません。

 物語そのものは至って単純なマッチョ・アクション映画です。1988年にアクション映画に革命をもたらしたとまで言われる「ダイ・ハード」が登場するまでは主流のスタイルだったとも言えます。ジェニーをさらわれて怒り心頭のメイトリクスが手段を選ばず敵を最速で追い詰めてぶちのめして回るだけの作品ではあるのですが、登場人物のキャラクターや台詞回しに独特の魅力があります。
 今もなお愛される要因の一つに吹替版の存在があるでしょう。「筋肉モリモリマッチョマンの変態です」「とんでもねぇ、待ってたんだ」「一番気に入ってるのは、値段だ」「お前は最後に殺すと約束したな、あれは嘘だ」などのネットスラングにもなった名台詞が流れるようなリズムの会話の中にポンポン飛び出してきます。この吹替版翻訳を手掛けたのは平田勝茂さん。1970年代から活躍する吹替翻訳の第一人者で、「ダイ・ハード」や「スターウォーズ」、「007」など多くの作品を手掛け、今年も「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」などを担当しています。「コマンドー」はそんな平田勝茂さんの代表作の一つと言えるでしょう。近年ではリップシンク(口の動きとイントネーションにセリフの長さや訳語のチョイスを合わせること)が重視されることもあるという吹替版ですが当時はまだそれほどでもなく「大意さえ伝われば後は自由」という制約の少なさが前述のような名台詞の数々を生んだともいえます。

 原語の良さを堪能できる字幕版も良いですが、吹替版には吹替版ならではの良さがあります。「コマンドー」はその楽しさを端的に味わわせてくれる作品として最適の1本です。両方見比べてみるのも一興。洋画を観る楽しさをたっぷりと堪能してほしいですね。

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