ちゅうカラぶろぐ


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週末にまたしても台風がストライク。自宅の方は特に問題もなく無事でしたが、明けて今朝から電車がストップして出勤が昼過ぎになってしまったのだけは月初に仕事が集中する身としてはきついものがありましたが(苦笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 台風で身動きが取れない間は最近バンダイチャンネルで配信が始まった「ルパン三世スペシャル」と「劇場版ドラゴンボールZ」を観て過ごしてました。あとデレステとミリシタ(笑)

 さて、今回の映画は「モリのいる場所」です。

 昭和49年、東京。画家熊谷守一(山崎努)は自宅からほとんど出ることなく宅内の庭をぶらつきながら草花や生物を観察し、絵を描く生活を30年以上続けていた。妻の秀子(樹木希林)も特に嫌がるでもなくその日常を飄々と暮らしていた。そんな二人のもとには不思議と連日様々な人が呼んでもいないのに訪ねてくるので何故か大忙し。
 だが、近隣に高層マンションの建設の危機が忍び寄る。マンションが完成すれば庭に陽が射さなくなり訪れる生物たちも行き場を失う。庭を守るため、夫婦が下した選択とは。

 先月惜しまれつつ亡くなった名優・樹木希林。その追悼のため、主に最近の出演作を中心に各地の映画館(東海地方ではミッドランドスクエアシネマや伏見ミリオン座など)で回顧上映が行われています。今回はそうした作品の中から一つをご紹介。封切は今年5月、カンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得し話題となった「万引き家族」より少し先んじる形で公開されました。「万引き家族」ほどには注目度が高くなかったせいか公開規模も小さめでしたが、これはこれでなかなかの佳品です。
 W主演となった山崎努と樹木希林ですが、劇団文学座に在籍していた頃より実に半世紀以上に渡る交流がありながら共演したのはこれが初めて。というか結果的に最初で最後の共演作品となりました。監督と脚本は「南極料理人」(2009年製作、主演堺雅人)などで知られる沖田修一が手掛けました。

 日本の美術史にその名を残す画家・熊谷守一(実は東濃の出身で、中津川市付知町には記念館も設立された地元の名士だったりもする)、都心の真ん中で仙人のような生き方をし続けたその晩年の姿を描く作品、ではあるのですが何とも不思議な味わいの作品です。まぁ30年も引きこもり同然に暮らしながら自宅の庭で見えるものをモチーフに絵を描き続け、文化勲章を受章してもしれっと辞退してしまうほどユニークな人物なので普通の尺度では測れない部分をどう描き出すかが肝になるのではありましょうが。
 映画の尺としては99分とそれほど長い方でもないのですが観ている間はかなりゆったりとした穏やかな時間に包まれているのを感じます。「つまらないから退屈で時間がなかなか過ぎない」のではなく「心地良い時間がゆったりと過ぎていく」感覚です。何より主演二人の飄々とかつ超然とした演技が観ていて実に気分が良いというのもあります。
 監督の沖田修一は何故か割と良く食事するシーンを差し挟んできてしかも別段特別な料理というワケでもないのに妙に美味しそうに撮ってしまう不思議なスキルを持っている方で、それが今作でも十二分に活かされています。観た後にはちょっとカレーうどんとか食べたくなってくるかもしれません(笑)

 終盤かなりシュールなシーンが唐突に登場しそれまでの淡々とした空気感が断線してしまうところがあり、その辺りが評価の分かれ目になりそうなところで(個人的にはそんな捻り入れて欲しくなかった)、総じてゆったりした特徴的なテンポと余韻を楽しむ佳品で、小粒ながら味わい深い作品です。初夏や初秋などちょっと時間がゆっくりと感じられる今くらいの時期に丁度いい作品なので、単に名女優の回顧というだけでなく、この雰囲気を楽しんでほしいですね。

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