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ちゅうカラぶろぐ


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今年観ていた中では多分1番楽しんでいたアニメ「正反対な君と僕」が遂に最終回。恋心に揺れる高校生たちの青春模様。基本的に明るくライトに描きながらも内省的な心情描写に抜群の冴えを見せるテリングに共感し、遠い10代の日々の記憶が呼び覚まされるかのよう。中でも一見斜に構えているように見えて実は相手に対して踏み込みきれず、日々の自分の言動を振り返っては自己嫌悪に陥る、主要人物の1人・平にどうにも自分を重ねてしまってハラハラしながら観てました。

 こんばんは、小島@監督です。
 もう一度最初から見返したい、そう思えるアニメも久しぶり。最高のラブコメをありがとう。

 さて、今回の映画は「踊る大捜査線N.E.W.メトロポリスを駆け抜けろ!」です。

 東京都心で「225事案」と呼ばれる誘拐事件が発生。元警視庁副総監の安住(大和田伸也)が身代金を運んでいたが、それを現在は警視庁捜査一課の刑事となった青島俊作(織田裕二)が引き継ぎ、身代金運搬を任されることになってしまう。更に3Dプリンターで作られた違法拳銃による連続殺人、毒性ウイルスの盗難と、事件が続発。青島は台東署の刑事芝田ひばり(趣里)や麻布中央署の刑事美浦秋(白洲迅)らと共に事件に挑む。

 あの男が帰って来る。
 1997年に放送され、その後の刑事ドラマの潮流を変えたと言って過言ではないほど後続に影響を与えたTVドラマ「踊る大捜査線」、その後断続的にTVスペシャルや劇場版が製作されて来ましたが2012年製作の劇場版「THE FINAL」でシリーズに一つの終止符が打たれました。長い休止期間を経た一昨年に柳葉敏郎演じる室井慎次のその後を描いた「敗れざる者」「生き続ける者」2部作の製作が契機となってシリーズ再始動が決まったそうです。それを受けて「生き続ける者」のラストには青島が登場し、新たな始まりを告げました。そして遂に14年ぶりとなる「踊る大捜査線」の新作が登場です。監督本木克英、脚本君塚良一以下主要スタッフが再結集、キャストも織田裕二を始めシリーズを彩ってきた出演者たちが多数登場します。

 一度は「完」を打ったものを甦らせるなら、語るべき相応の「物語」を見つけたのだろう、そう思っていたのですが(苦笑)
 14年ぶりの新作ということで同窓会的な見せ方や楽しさを出してくることは否定しません。1ファンとしてはやはりアガリます。サプライズ的にカメオ出演している方が非常に多いのでそれを探しながら観る楽しみというのもありますし、特に「スリーアミーゴス」の愛称で呼ばれた署長・副署長・刑事課長のコミックリリーフトリオを演じた北村総一朗、小野武彦、斉藤暁の3人は80台後半どころか90歳に足を踏み入れている方もいるのに揃い踏みして再登場してるとかちょっと奇跡に近いものがあるのはプラス要素に違いありません。

 しかしそれらを差し引いても今作は映画として決して冴えたものではありません。都心各所で大々的にロケしたと思しき冒頭のシークエンスは映画らしいスケール感を見せてくれるものの、その後は同窓会的要素に頼りがちで、特に前半は出来の悪い上滑りしたコントが続きテンポが悪く、140分という長尺でありながら無駄なものが多いと言わざるを得ません。その割に初期から見え隠れしていた「若者」と呼ばれる人たちへの冷笑というか忌避感とも言えるような感覚やネット社会への嫌悪感は先鋭的になっていてそれらがまた作品をチグハグなものにしています。どうにも作り手が「踊る大捜査線」という物語と、青島俊作という男を十数年ぶりに甦らせるにあたり何を「核」とするのかを見失ったまま走り出してしまったかのよう。「踊る大捜査線」というタイトルの懐は作り手が自覚している以上に深いはずで、近年のフジテレビの不祥事をも取り込んで見せるくらいの気概は見せて欲しかったかも。

 ただそれでも、と言えるのは主人公青島俊作を演じる織田裕二が放つ眩しいまでの存在感が際立っているからです。スターとはまさにこのこと。こう言っては何ですがトム・クルーズが放つ輝きに近いものを感じます。もうすぐ還暦、作中の青島も定年が見えてきて、かつて共に事件を追った室井、すみれ、和久らは去り、上へ行った真下は上層部の軋轢に心をすり減らし、否応無しに自身の限界も近づく中でそれでもなお走り続ける姿には胸が熱くなります。飄々としている青島ですがある意味では過去に捉われ続けているとも言え、終盤ではそれを感じさせるシーンもあります。ならばなおさらそれを前面に出しながら後進へ自分の想いを橋渡しして行くような、そんなドラマが展開して行ってくれたらな、とどうしても思ってしまいます。青島俊作ならきっとマーヴェリックにもなれるはず。

 続編への色気が見えるラストであることや、幸い興行成績も堅調らしいということで、続きを作りたい意識もあるよう。そうであるならば、青島が定年を迎える前に「踊る」が語るべき物語をちゃんと見つけて欲しい、そう思わずにはいられません。

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