先日新型コロナウィルスの2回目のワクチン接種を受けてきました。2回目は発熱などの副反応が出やすいというので接種日と翌日もしっかり休みを取って臨みました。
その翌日、体温は37度前後の微熱程度で、弱い倦怠感がある程度でしたが、腕の痛みが1回目以上でそれこそ「肩パン食らったような」痛みがその日一日ずっと続くのがなかなか難儀でした。38~39度台の熱が出る人もいるという中ではまぁこの程度で終わって良かったというべきでしょうか。
こんばんは、小島@監督です。
とは言え朝から晩まで一日中ほとんど眠って過ごしたって言うのも何だか久しぶり。
さて、今回の映画は「竜とそばかすの姫」です。
高知県の田舎に住む高校生・内藤すず(声・中村佳穂)は、幼い頃から歌が大好きだったが、6歳の時に母が事故死したショックで人前で歌うことができなくなってしまった。
誰に聞かせるでもなく歌を作ることだけが楽しみだったある日、すずは友人のヒロちゃん(声・幾田りら)に誘われ、世界で50億人が利用するという仮想世界「U(ユー)」に参加することに。「U」では「As(アズ)」と呼ばれる自身の分身を作り全く別の生き方を選ぶことができる。すずは自身の「As」を「ベル」と名付け「U」の中で歌い始めた。
ここでなら、私は歌える…!その喜びのままに歌うベルの歌声は瞬く間に「U」の中で評判になりベルは新星の歌姫として人気を獲得していく。
しばらく後、数億の「As」を集客してのベルの大規模コンサート開催の日、突如ライブ会場に侵入してくる存在がいた。「竜」(声・佐藤健)と呼ばれるその存在にコンサートは滅茶苦茶になるが、その竜が抱える「傷」に気づいたすずはその秘密を知りたいと思うようになる。
きっちり3年ごとに作品を発表する細田守監督、その新作は「サマーウォーズ」(2009年)以来となるネット世界を舞台にした物語です。細田監督、東映アニメーション在籍時代にも「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」(2000年)という作品を手掛けており、約10年ごとに仮想現実をモチーフにした作品を製作していることになります。この20年の間にインターネットに対するツールも変遷し、「サマーウォーズ」の「OS」ではアカウントとパスワードだったものが今作の「U」ではデバイスを介した生体認証になっていたりしています。
予告編を観た時は「サマーウォーズ」との相似が気になってしまいましたが、実際観てみるとモチーフとした舞台を同じくしているだけで展開される映像そのものは強い未見性に満ちているのに驚かされました。
美しい音楽と仮想世界という舞台装置を活かしたイマジネーション溢れる自由度の高い映像はそれだけで高揚感を湧き立たせてくれます。
そして中盤に差し掛かろうかという頃登場する「竜」がこの物語の構図を明確にします。「竜」と呼称されていますが英語表記は「Beast」であり、すずが「ベル(Belle)」と名乗っていることと合わせて「美女と野獣」のオマージュになっています。ついでに言えばガストンみたいなポジションのキャラクターも登場します。細田守監督、どうやらディズニーアニメ版の「美女と野獣」が大好きらしく、単にキャラクターの名前や基本プロットだけでなく「美女と野獣」を代表するシーンとも言えるボールルームでのダンスシーンまで作中に登場します。違うところと言えば野獣からベルへ知的なアプローチがなされるのではなくベル(すず)の方から竜の内面へ踏み込んでいくところにあるでしょう。
ところで、「バケモノの子」(2015年)以降自身で脚本も手掛ける細田守監督ですが、もしかしたら計算づくで1本の線を書き切るタイプではなく見せたいシーンやセリフという点が先にあってそれを線で結ぶタイプなのではないかと思われる節があります。
特に気になったのが終盤。竜が抱える傷の秘密を知ったすずは、仮想世界ではなく現実世界の方でアクションを起こす必要に迫られます。この時のすずの行動が、というよりそれを見守る大人たちの行動がかなりちぐはぐなのです。一歩間違えれば悲劇を誘発しそうなことを善意でやってしまう、確かに現実世界では良くあることなのですが、ここでそれは正直観たくなかった。物語の最終的な着地点は悪くないのですが、ところどころに見受けられるこういった危うさは、人によっては拒否反応すら起こすものではないかとも思います。
荘厳で繊細な音楽を圧倒的なまでの映像美で魅せるこの作品、そのカタルシスに酔いしれられるなら、これほど感動的な映像体験もなかなか無いだろうと思う一方で、私は作劇に潜むアンバランスさが少し気になってしまいました。とは言え今夏公開されている映画の中で際立った出来栄えの作品であることには違いなく、日本のアニメーション映画のパワーに感じ入るには十分すぎるくらいでしょう。外に出たくないくらい暑い日が続く中、2時間身を委ねてみるのもいいと思いますよ。
その翌日、体温は37度前後の微熱程度で、弱い倦怠感がある程度でしたが、腕の痛みが1回目以上でそれこそ「肩パン食らったような」痛みがその日一日ずっと続くのがなかなか難儀でした。38~39度台の熱が出る人もいるという中ではまぁこの程度で終わって良かったというべきでしょうか。
こんばんは、小島@監督です。
とは言え朝から晩まで一日中ほとんど眠って過ごしたって言うのも何だか久しぶり。
さて、今回の映画は「竜とそばかすの姫」です。
高知県の田舎に住む高校生・内藤すず(声・中村佳穂)は、幼い頃から歌が大好きだったが、6歳の時に母が事故死したショックで人前で歌うことができなくなってしまった。
誰に聞かせるでもなく歌を作ることだけが楽しみだったある日、すずは友人のヒロちゃん(声・幾田りら)に誘われ、世界で50億人が利用するという仮想世界「U(ユー)」に参加することに。「U」では「As(アズ)」と呼ばれる自身の分身を作り全く別の生き方を選ぶことができる。すずは自身の「As」を「ベル」と名付け「U」の中で歌い始めた。
ここでなら、私は歌える…!その喜びのままに歌うベルの歌声は瞬く間に「U」の中で評判になりベルは新星の歌姫として人気を獲得していく。
しばらく後、数億の「As」を集客してのベルの大規模コンサート開催の日、突如ライブ会場に侵入してくる存在がいた。「竜」(声・佐藤健)と呼ばれるその存在にコンサートは滅茶苦茶になるが、その竜が抱える「傷」に気づいたすずはその秘密を知りたいと思うようになる。
きっちり3年ごとに作品を発表する細田守監督、その新作は「サマーウォーズ」(2009年)以来となるネット世界を舞台にした物語です。細田監督、東映アニメーション在籍時代にも「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」(2000年)という作品を手掛けており、約10年ごとに仮想現実をモチーフにした作品を製作していることになります。この20年の間にインターネットに対するツールも変遷し、「サマーウォーズ」の「OS」ではアカウントとパスワードだったものが今作の「U」ではデバイスを介した生体認証になっていたりしています。
予告編を観た時は「サマーウォーズ」との相似が気になってしまいましたが、実際観てみるとモチーフとした舞台を同じくしているだけで展開される映像そのものは強い未見性に満ちているのに驚かされました。
美しい音楽と仮想世界という舞台装置を活かしたイマジネーション溢れる自由度の高い映像はそれだけで高揚感を湧き立たせてくれます。
そして中盤に差し掛かろうかという頃登場する「竜」がこの物語の構図を明確にします。「竜」と呼称されていますが英語表記は「Beast」であり、すずが「ベル(Belle)」と名乗っていることと合わせて「美女と野獣」のオマージュになっています。ついでに言えばガストンみたいなポジションのキャラクターも登場します。細田守監督、どうやらディズニーアニメ版の「美女と野獣」が大好きらしく、単にキャラクターの名前や基本プロットだけでなく「美女と野獣」を代表するシーンとも言えるボールルームでのダンスシーンまで作中に登場します。違うところと言えば野獣からベルへ知的なアプローチがなされるのではなくベル(すず)の方から竜の内面へ踏み込んでいくところにあるでしょう。
ところで、「バケモノの子」(2015年)以降自身で脚本も手掛ける細田守監督ですが、もしかしたら計算づくで1本の線を書き切るタイプではなく見せたいシーンやセリフという点が先にあってそれを線で結ぶタイプなのではないかと思われる節があります。
特に気になったのが終盤。竜が抱える傷の秘密を知ったすずは、仮想世界ではなく現実世界の方でアクションを起こす必要に迫られます。この時のすずの行動が、というよりそれを見守る大人たちの行動がかなりちぐはぐなのです。一歩間違えれば悲劇を誘発しそうなことを善意でやってしまう、確かに現実世界では良くあることなのですが、ここでそれは正直観たくなかった。物語の最終的な着地点は悪くないのですが、ところどころに見受けられるこういった危うさは、人によっては拒否反応すら起こすものではないかとも思います。
荘厳で繊細な音楽を圧倒的なまでの映像美で魅せるこの作品、そのカタルシスに酔いしれられるなら、これほど感動的な映像体験もなかなか無いだろうと思う一方で、私は作劇に潜むアンバランスさが少し気になってしまいました。とは言え今夏公開されている映画の中で際立った出来栄えの作品であることには違いなく、日本のアニメーション映画のパワーに感じ入るには十分すぎるくらいでしょう。外に出たくないくらい暑い日が続く中、2時間身を委ねてみるのもいいと思いますよ。
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先週、体調が微妙っぽかったんですが、倦怠感→咳→発熱→鼻炎 などなど、どんどん悪化して、1番ひどいときは、38度でノドが痛くなるくらい、ゲホゲホしてました。
これで、コロナの検査は陰性だったので、よかったんですが、逆にいえばコロナでなくても、体調管理を疎かにしたら、ひどい目にあうぞって事は、今回の事でよーくわかりました。仕事も結果3日も休んでしまったし
(さらにいえば、そのあとで元々の連休があったんですが、見事に潰れました。計5日体調回復に努めました)
さて、そんな体調不良でも、心の支えになってくれるお供、TVゲーム。
先週から始めた『スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ』
ビギナーモードとはいえ、1周目クリアしました。
味方の組織、部隊はさておき、異星人の同盟、前作までの敵の残党に加えて新勢力がいくつか出てきましたが、最初のうちはどれがどれやらわからん状態で、なんか「えぇ、知ってますよ」ってアホの子っぽくプレイしてました(笑)
登場するキャラは、今までのスパロボに出てきた作品からですが、「ムーン・デュエラーズ」からのキャラもいます。主役機のサブパイロットの声優が「日笠陽子」「茅野芽衣」「東山奈央」って狙いすぎでしょw
…といっても5年の話ですので、私が言っても今更感。
さすがの今年で30年の歴史なので、いろんな声優さんが参加してますね。当時はそこまで有名じゃなかった人とかいるんだろうなぁ
ちなみに今のお気に入りキャラ「アリエイル・オーグ」です。
カットインのときに、マントをバッサァってするのが、カッコいいんですよ。いや、キャラは可愛い女の子なんですけどね。
アルトアイゼンとの合体技もカッコイイしねー。
エクセレンも昔から好き。キョウスケの嫁がエクセレンで、相方がアリエイルって感じ。
ゲーム中でもしっかり主力です。
しかし、これから先はエクセレンの声優さんは水谷優子さんだから、新規ボイスは声優が交代しない限りはないのよね。寂しいわぁ…
そうそうスパロボではラストバトルのときは恒例で、JAMの主題歌が流れるんですが、だいたいはオフボーカルのアレンジ版がほとんど。それでもアツくなりますけどね!
で、ムーン・デュエラーズはいうと、『Shining storm 〜烈火の如く〜』が歌として流れます!しかも、Cパートを含めたフルサイズですよ!こりゃすごい。
そして、クリアするまでリピートし続けるんですが、
なんと最後の敵にトドメをさして、戦闘終了になるのと、同時に歌が終わったんですよ!
PS5の取り込み機能が禁止だったので、残せてないのが悔しいって初めて思いましたわ。
ラスボスに勝った以上の達成感がすごい(笑)
まぁフィールドに戻ったら、また頭から再生開始となりましたけどね。
というわけで、ただいま2周目をプレイ中。無双ができる周回はいつになるかなぁ
これで、コロナの検査は陰性だったので、よかったんですが、逆にいえばコロナでなくても、体調管理を疎かにしたら、ひどい目にあうぞって事は、今回の事でよーくわかりました。仕事も結果3日も休んでしまったし
(さらにいえば、そのあとで元々の連休があったんですが、見事に潰れました。計5日体調回復に努めました)
さて、そんな体調不良でも、心の支えになってくれるお供、TVゲーム。
先週から始めた『スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ』
ビギナーモードとはいえ、1周目クリアしました。
味方の組織、部隊はさておき、異星人の同盟、前作までの敵の残党に加えて新勢力がいくつか出てきましたが、最初のうちはどれがどれやらわからん状態で、なんか「えぇ、知ってますよ」ってアホの子っぽくプレイしてました(笑)
登場するキャラは、今までのスパロボに出てきた作品からですが、「ムーン・デュエラーズ」からのキャラもいます。主役機のサブパイロットの声優が「日笠陽子」「茅野芽衣」「東山奈央」って狙いすぎでしょw
…といっても5年の話ですので、私が言っても今更感。
さすがの今年で30年の歴史なので、いろんな声優さんが参加してますね。当時はそこまで有名じゃなかった人とかいるんだろうなぁ
ちなみに今のお気に入りキャラ「アリエイル・オーグ」です。
カットインのときに、マントをバッサァってするのが、カッコいいんですよ。いや、キャラは可愛い女の子なんですけどね。
アルトアイゼンとの合体技もカッコイイしねー。
エクセレンも昔から好き。キョウスケの嫁がエクセレンで、相方がアリエイルって感じ。
ゲーム中でもしっかり主力です。
しかし、これから先はエクセレンの声優さんは水谷優子さんだから、新規ボイスは声優が交代しない限りはないのよね。寂しいわぁ…
そうそうスパロボではラストバトルのときは恒例で、JAMの主題歌が流れるんですが、だいたいはオフボーカルのアレンジ版がほとんど。それでもアツくなりますけどね!
で、ムーン・デュエラーズはいうと、『Shining storm 〜烈火の如く〜』が歌として流れます!しかも、Cパートを含めたフルサイズですよ!こりゃすごい。
そして、クリアするまでリピートし続けるんですが、
なんと最後の敵にトドメをさして、戦闘終了になるのと、同時に歌が終わったんですよ!
PS5の取り込み機能が禁止だったので、残せてないのが悔しいって初めて思いましたわ。
ラスボスに勝った以上の達成感がすごい(笑)
まぁフィールドに戻ったら、また頭から再生開始となりましたけどね。
というわけで、ただいま2周目をプレイ中。無双ができる周回はいつになるかなぁ
何故か梅雨明けしてから連日のように強い夕立が降るのでここ1か月近く毎週1~2回は電車が止まって帰宅するのが遅くなる、最悪ホテルで1泊するという日々が続いています。良いか悪いかこちらも段々慣れてきてしまい「夕食どこで食べよう」とか「多分これくらいの時間までには帰れるだろうからあとどれくらい時間的余裕がある」とか考えていたりします。何の気無しに職場の同僚にそんな話をしたら「いや、それはたくまし過ぎる」と突っ込まれました(苦笑)
こんばんは、小島@監督です。
とは言え、こういうのは一番疲れない方法を取るか待ち時間をいかに楽しく過ごすかしかないのですよ。
で、今日のネタもそうやって電車待ちの間に観た1本。今回の映画は「ファンタスティック・プラネット」です。
地球ではないどこかの惑星・イガム、そこでは真っ青な肌に赤い目をした巨人・ドラーグ族が文明社会を築き、小さな人類・オム族は原始的な生活を強いられ、ドラーグ族によってある者は虫けらのように踏み潰され、ある者はペットとして飼育されていた。ドラーグ族はオム族の持つ知性に脅威を感じており、議会ではオム族絶滅を図る強硬派と共存を図る穏健派とで意見が対立していた。
ある日、オム族の母子がドラーグ族の子供たちの悪戯の対象になり、その結果母親は死んでしまい、赤ん坊だけが取り残された。その様を見ていたドラーグ族の少女ティバは残された赤ん坊を拾い、「テール」と名付けペットとして飼うことを決める。ティバは「学習器」という、脳に直接知識を取り込む機械で教育を受ける際、いつもテールを手のひらに乗せていた。その結果、テールも驚異的なスピードで言語や知識を習得していった…
1973年にフランスとチェコスロヴァキアの合作で製作されたアニメーション映画です。幻想的な画風のアーティスト・ローラン・トポールが4年間かけて原画デッサンを描き、それを映像作家ルネ・ラルーが切り絵アニメーションでもって映像化した作品です。当時から高い評価を得、アニメーション映画としては初めてカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞しました。後続のクリエイターに多大な影響を与えたと言われ、日本でも宮崎駿が特に「風の谷のナウシカ」でその影響が見受けられると言われています。最近になってデジタルリマスター化され、それを受けて現在各地のミニシアターで巡回上映がされています。前から一度観てみたいと思ってましたが、ようやくそれを実現できました。
正直言ってどう説明したらいいものか、うまい言葉が見つからないくらい独創性の塊のような映像です。1日の大半を瞑想して過ごし、瞑想中は体の形が自由に変わっていくドラーグ族の生態を始め、生物もメカもどれもがシュール。ジャズピアニストであるアラン・ゴラゲールの手掛けた電子音主体の音楽も相まって唯一無二の世界観が展開します。
物語の方も一見して相当にブッ飛んでいますが、2つの生物と社会の対立と闘争とそれがもたらす変化のありさまは実にSFらしい風刺と批評精神に富んでいます。オム族をおもちゃのように扱い虐げながら一方で脅威を感じてもいるドラーグ族と、そのドラーグ族に怯えて暮らしながら同時に憎悪を募らせてもいるオム族、その狭間にドラーグ族の知識を得たテールがおり、彼の存在が恐らく長く変わらなかったであろう両者の関係に大きな変化をもたらすことになります。作中では明確な結末が用意されている対立の構図ですが、本来は簡単な答えの出ない類のものでしょう。これをどう見るかは、観客の想像力に委ねられています。
半世紀の時を経てなお「斬新」と思わせられるその世界観、「比類無い」とはまさにこのこと。普段目にする日本のアニメとは根本的に作りが違うのとヒエロニムス・ボスやサルバドール・ダリを思い起こさせるシュールレアリスム全開のビジュアルで抵抗感を覚える人も多そうですが、絶対的に他の何とも似ていない映像体験となる1本でしょう。
名古屋ではシネマテークで8月13日までの上映。百聞は一見に如かず、この機会に是非ご体験あれ。
こんばんは、小島@監督です。
とは言え、こういうのは一番疲れない方法を取るか待ち時間をいかに楽しく過ごすかしかないのですよ。
で、今日のネタもそうやって電車待ちの間に観た1本。今回の映画は「ファンタスティック・プラネット」です。
地球ではないどこかの惑星・イガム、そこでは真っ青な肌に赤い目をした巨人・ドラーグ族が文明社会を築き、小さな人類・オム族は原始的な生活を強いられ、ドラーグ族によってある者は虫けらのように踏み潰され、ある者はペットとして飼育されていた。ドラーグ族はオム族の持つ知性に脅威を感じており、議会ではオム族絶滅を図る強硬派と共存を図る穏健派とで意見が対立していた。
ある日、オム族の母子がドラーグ族の子供たちの悪戯の対象になり、その結果母親は死んでしまい、赤ん坊だけが取り残された。その様を見ていたドラーグ族の少女ティバは残された赤ん坊を拾い、「テール」と名付けペットとして飼うことを決める。ティバは「学習器」という、脳に直接知識を取り込む機械で教育を受ける際、いつもテールを手のひらに乗せていた。その結果、テールも驚異的なスピードで言語や知識を習得していった…
1973年にフランスとチェコスロヴァキアの合作で製作されたアニメーション映画です。幻想的な画風のアーティスト・ローラン・トポールが4年間かけて原画デッサンを描き、それを映像作家ルネ・ラルーが切り絵アニメーションでもって映像化した作品です。当時から高い評価を得、アニメーション映画としては初めてカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞しました。後続のクリエイターに多大な影響を与えたと言われ、日本でも宮崎駿が特に「風の谷のナウシカ」でその影響が見受けられると言われています。最近になってデジタルリマスター化され、それを受けて現在各地のミニシアターで巡回上映がされています。前から一度観てみたいと思ってましたが、ようやくそれを実現できました。
正直言ってどう説明したらいいものか、うまい言葉が見つからないくらい独創性の塊のような映像です。1日の大半を瞑想して過ごし、瞑想中は体の形が自由に変わっていくドラーグ族の生態を始め、生物もメカもどれもがシュール。ジャズピアニストであるアラン・ゴラゲールの手掛けた電子音主体の音楽も相まって唯一無二の世界観が展開します。
物語の方も一見して相当にブッ飛んでいますが、2つの生物と社会の対立と闘争とそれがもたらす変化のありさまは実にSFらしい風刺と批評精神に富んでいます。オム族をおもちゃのように扱い虐げながら一方で脅威を感じてもいるドラーグ族と、そのドラーグ族に怯えて暮らしながら同時に憎悪を募らせてもいるオム族、その狭間にドラーグ族の知識を得たテールがおり、彼の存在が恐らく長く変わらなかったであろう両者の関係に大きな変化をもたらすことになります。作中では明確な結末が用意されている対立の構図ですが、本来は簡単な答えの出ない類のものでしょう。これをどう見るかは、観客の想像力に委ねられています。
半世紀の時を経てなお「斬新」と思わせられるその世界観、「比類無い」とはまさにこのこと。普段目にする日本のアニメとは根本的に作りが違うのとヒエロニムス・ボスやサルバドール・ダリを思い起こさせるシュールレアリスム全開のビジュアルで抵抗感を覚える人も多そうですが、絶対的に他の何とも似ていない映像体験となる1本でしょう。
名古屋ではシネマテークで8月13日までの上映。百聞は一見に如かず、この機会に是非ご体験あれ。
すっかり暑くなって薄着になってきたこともあって、
ちょっと出かける時にTシャツだけのことも多いです。
すると出先で思いがけずなんか首元が苦しいと感じて、
ちょっと不安な気持ちで、喉元に手を持っていくと、
(やばっ!なんかタグがあるんだけどっ!)
とTシャツの前後を間違えていた経験はないですか?
まさかいい大人になった今でも、たまにこんなことが。
社会の窓と並んで、気をつけなきゃいけない夏の日です。
さて、最近は転売問題で盛り上がってるオタク業界ですが、
テンバイヤー憎しでここまでの話となるのでしょう。
このテンバイヤー憎しのところだけをスポットしていると、
それこそこのクソ暑い最近にムダにイライラしますよ。
正直なところメーカーや問屋、小売、それこそ国まで、
多くのそれぞれの立場に立って考えてみようとすると、
そりゃ無くならんわな、という結論に達しちゃいます。
メーカーならちょい少なめ出荷で射幸心を煽りたいし、
国だって税金払っていただけたら別に良いですし、
小売も在庫抱えないほど売れていれば問題ないですものね。
テンバイヤーがいてギリギリ消費者全員に届かない状況が、
実は消費者以外のどの層にも美味しかったりするのです。
究極的には世界に1個しかないモノを2人欲しがれば、
それだけで価値が上がっていってしまうものですし。
よく転売が続くと業界が衰退するなんて話も聞きますし、
実際にその通りだと思うのですがメーカーにしても、
衰退が見えてきたらその段階で何か手を打つでしょう。
某雑誌が転売容認的なことを言って処分されました。
メディアが言っていいことではなかったのでしょうが、
何割かは本質をついていたのではないでしょうか?
オモチャ大好きなYouTuberが、転売について語っていて、
転売はやっぱり喜ばしいことではないと言っていました。
ですが、買えないことに腹を立てていることよりも、
偶然買えるタイミングがあった品物との巡り合わせに、
自分はこの品物と縁があったくらいに思ったほうが、
もっとその品物を好きになれると言っていました。
取り方によれば買えない負け惜しみに聞こえますが、
それくらいの方がもっと楽しめるのかもしれません。
どうせたくさん買い集めても死んだら終わりですから、
そんな一生懸命にクローゼットを溜め込ようなことは、
結構生きることにかけてはナンセンスかもしれませんね。
ちょっと出かける時にTシャツだけのことも多いです。
すると出先で思いがけずなんか首元が苦しいと感じて、
ちょっと不安な気持ちで、喉元に手を持っていくと、
(やばっ!なんかタグがあるんだけどっ!)
とTシャツの前後を間違えていた経験はないですか?
まさかいい大人になった今でも、たまにこんなことが。
社会の窓と並んで、気をつけなきゃいけない夏の日です。
さて、最近は転売問題で盛り上がってるオタク業界ですが、
テンバイヤー憎しでここまでの話となるのでしょう。
このテンバイヤー憎しのところだけをスポットしていると、
それこそこのクソ暑い最近にムダにイライラしますよ。
正直なところメーカーや問屋、小売、それこそ国まで、
多くのそれぞれの立場に立って考えてみようとすると、
そりゃ無くならんわな、という結論に達しちゃいます。
メーカーならちょい少なめ出荷で射幸心を煽りたいし、
国だって税金払っていただけたら別に良いですし、
小売も在庫抱えないほど売れていれば問題ないですものね。
テンバイヤーがいてギリギリ消費者全員に届かない状況が、
実は消費者以外のどの層にも美味しかったりするのです。
究極的には世界に1個しかないモノを2人欲しがれば、
それだけで価値が上がっていってしまうものですし。
よく転売が続くと業界が衰退するなんて話も聞きますし、
実際にその通りだと思うのですがメーカーにしても、
衰退が見えてきたらその段階で何か手を打つでしょう。
某雑誌が転売容認的なことを言って処分されました。
メディアが言っていいことではなかったのでしょうが、
何割かは本質をついていたのではないでしょうか?
オモチャ大好きなYouTuberが、転売について語っていて、
転売はやっぱり喜ばしいことではないと言っていました。
ですが、買えないことに腹を立てていることよりも、
偶然買えるタイミングがあった品物との巡り合わせに、
自分はこの品物と縁があったくらいに思ったほうが、
もっとその品物を好きになれると言っていました。
取り方によれば買えない負け惜しみに聞こえますが、
それくらいの方がもっと楽しめるのかもしれません。
どうせたくさん買い集めても死んだら終わりですから、
そんな一生懸命にクローゼットを溜め込ようなことは、
結構生きることにかけてはナンセンスかもしれませんね。
コロナ感染者が東京で3000人を超えました。東海地方でも人数は増えていますが、もう何人であっても変わらない人は変わらないって感じがします。
対策などあれこれ話す事は多いですが、結局できるのは極々狭い範囲の自己防衛のみ。
日々発表される数字はもう数字という表記というか記号でしかないと見えてきてますね。
そんな中、週末くらいから、倦怠感が出始めて夜勤で睡眠不足も続いてるし「夏バテかな?」くらいに思ってましたが、だんだん咳がひどくなってきて、37度に達したので念の為に病院へ。
まさか陽性じゃないよなー?と思っていますが、果たして…。
すでに発売日が決定している『スーパーロボット大戦30』
PVは大迫力かつファンのツボをついた戦闘アニメに合わせて、毎度お馴染みjamPROJECTの新曲で、テンションあがりまくりな内容です。
さすがの品薄と言われたフィギュア付き限定版は無理でしたが、追加コンテンツ全部載せのデジタル版は予約しました。価格はめっちゃ高かった…。
で、それとは別でセールで、スパロボオリジナルユニットのみでのストーリーである「オリジナルジェネレーション:OG」シリーズの最新作(とはいっても発売されたのは2016年)『ムーン・デュエラーズ』が安くなっていたので購入。なかなか価格が下がらないタイトルだったので、スパロボ熱が再燃している今はありがたいタイミング。
OGシリーズは、途中までプレイ&クリアはしていましたが、時間がかかるタイトルは、先延ばししまくった、かつさっきいった安くならない。という理由で今までやってなかったわけです。
で、やっとプレイするわけですが、2016年の発売日はもちろん、それまでのストーリーなんぞ忘れているわけです。
そんな私に朗報。なんとこれまでの作品のストーリーダイジェストムービーが用意されていたのです。ありがたやー。
もちろん、最初の1作目から視聴。
…なめてました。『OG』『OG2』『OG外伝』『第2次OG』『OG インフィニティバトル』『OGダークプリズン』すべてのムービーをみるのに、1日かかりましたわ。※再生時間が10ナン時間とかあるわけではない。
で、プレイ開始。昔やっていたときは、ゴニョゴニョ的なヤツで、戦闘楽々、ストーリー読むだけ的なプレイをしてしましたが、今やそれをすると違法人扱いとなるので、ちゃんとプレイをしています。
とはいえ、お優しいビギナーモードですけどな(笑)
しっかしながら、オリジナルだからこその戦闘アニメは、アングルなどの演出は、すごいの一言につきます。
過剰ともいえる演出ですが、ロボットアニメ好きなら納得の内容。開発者の愛を感じますねー。
戦闘アニメだけなら、YouTubeでもまとめムービーとかで見れるんですが、やはりストーリーをみて、自身で選択してだと思い入れも変わってくるもんですね。
とりあえずは、今は1周目クリア目指して頑張っております。
やりたい事があるって、遊びに行けない今だと、ありがたいもんですね。
とりあえず新作『スパロボ30』の新情報を糧に生きていきたいと思います。
対策などあれこれ話す事は多いですが、結局できるのは極々狭い範囲の自己防衛のみ。
日々発表される数字はもう数字という表記というか記号でしかないと見えてきてますね。
そんな中、週末くらいから、倦怠感が出始めて夜勤で睡眠不足も続いてるし「夏バテかな?」くらいに思ってましたが、だんだん咳がひどくなってきて、37度に達したので念の為に病院へ。
まさか陽性じゃないよなー?と思っていますが、果たして…。
すでに発売日が決定している『スーパーロボット大戦30』
PVは大迫力かつファンのツボをついた戦闘アニメに合わせて、毎度お馴染みjamPROJECTの新曲で、テンションあがりまくりな内容です。
さすがの品薄と言われたフィギュア付き限定版は無理でしたが、追加コンテンツ全部載せのデジタル版は予約しました。価格はめっちゃ高かった…。
で、それとは別でセールで、スパロボオリジナルユニットのみでのストーリーである「オリジナルジェネレーション:OG」シリーズの最新作(とはいっても発売されたのは2016年)『ムーン・デュエラーズ』が安くなっていたので購入。なかなか価格が下がらないタイトルだったので、スパロボ熱が再燃している今はありがたいタイミング。
OGシリーズは、途中までプレイ&クリアはしていましたが、時間がかかるタイトルは、先延ばししまくった、かつさっきいった安くならない。という理由で今までやってなかったわけです。
で、やっとプレイするわけですが、2016年の発売日はもちろん、それまでのストーリーなんぞ忘れているわけです。
そんな私に朗報。なんとこれまでの作品のストーリーダイジェストムービーが用意されていたのです。ありがたやー。
もちろん、最初の1作目から視聴。
…なめてました。『OG』『OG2』『OG外伝』『第2次OG』『OG インフィニティバトル』『OGダークプリズン』すべてのムービーをみるのに、1日かかりましたわ。※再生時間が10ナン時間とかあるわけではない。
で、プレイ開始。昔やっていたときは、ゴニョゴニョ的なヤツで、戦闘楽々、ストーリー読むだけ的なプレイをしてしましたが、今やそれをすると違法人扱いとなるので、ちゃんとプレイをしています。
とはいえ、お優しいビギナーモードですけどな(笑)
しっかしながら、オリジナルだからこその戦闘アニメは、アングルなどの演出は、すごいの一言につきます。
過剰ともいえる演出ですが、ロボットアニメ好きなら納得の内容。開発者の愛を感じますねー。
戦闘アニメだけなら、YouTubeでもまとめムービーとかで見れるんですが、やはりストーリーをみて、自身で選択してだと思い入れも変わってくるもんですね。
とりあえずは、今は1周目クリア目指して頑張っております。
やりたい事があるって、遊びに行けない今だと、ありがたいもんですね。
とりあえず新作『スパロボ30』の新情報を糧に生きていきたいと思います。
開催自体が危ぶまれた東京五輪が何だかんだありながらどうにか開幕しました。開会式の選手団入場でゲームミュージックをかける趣向がオタク的にストライク。ドラゴンクエストやファイナルファンタジーは鉄板としてもクロノ・トリガーやエースコンバットとかかなりガチ目の選曲が熱く、そこだけつい真面目に観てしまいました。
こんばんは、小島@監督です。
競技の方で言うと何気なく見始めたスケートボードが結構面白く、予選から決勝まで割としっかり観てしまいました。ええ、堀米選手金メダル獲得の瞬間もしっかりと。始まってしまった以上楽しめるものは楽しむのです。
さて、今回の映画は「アメリカン・ユートピア」です。
1977年にデビューした「トーキング・ヘッズ」のフロントマンであったデイヴィッド・バーン、バンドは1991年に解散しましたがその後も多数のソロアルバムやブライアン・イーノ、ファットボーイ・スリムなどとのコラボレーションなどで評価を集め、グラミー賞受賞歴の他、映画「ラストエンペラー」(1987年製作)の劇判を坂本龍一と共作してアカデミー賞を受賞したこともあるロックシーンのトップランナーです。そのデイヴィッド・バーンが2018年に発表したアルバム「アメリカン・ユートピア」をベースに、ワールドツアーを経た後ブロードウェイ・ショーとして再構築した舞台を上演、それを「マルコムX」(1992年)や「ブラック・クランズマン」(2018年)などで知られるスパイク・リーの手によりドキュメンタリー映画化したのがこの作品です。
一見すると舞台は三方をすだれ状に加工したチェーンをカーテンにして下げているだけ、という極めてシンプルなスタイル。開幕はデイヴィッド・バーンのソロから入り、曲が進むに従いバックダンサーやバンドメンバーがカーテンをくぐって登場していきます。面白いのは「人の動きに制限をかけたくない」というデイヴィッド・バーンの意向に沿って、バンドメンバーがギターやベースだけでなくパーカッションやキーボードまでも全てケーブルレスで登場して演奏している点。更に言えば全員裸足。ダンサーだけでなくバンドメンバーも目まぐるしくポジションを変えて縦横無尽にステージ上を動くさまをスパイク・リーは時に天井からのカメラも駆使して捉えていきます。
披露される楽曲はトーキング・ヘッズ時代の物も含め21曲。
開幕の「Here」では「赤ん坊の神経細胞は実は大人よりも多く、成長するにつれて減っていく」と語り掛け、そこからパフォーマンスで圧倒し、軽妙なトークで笑わせながら楽曲のチョイスやリリックでもって観客に対しメッセージを送ります。
舞台が上演されていたのは2019年、そう、大統領選挙が行われる前年であるところが重要です。「ブラック・ライブズ・マター」運動をご記憶の方も多いことでしょう。選挙人登録を観客に促しつつ、分断を煽るトランプ政権への痛烈な批判と皮肉と共に「失われた神経細胞」、すなわち多様な人間との繋がりを取り戻そうと語り掛けるのです。見事なまでに構築されたショーアップの向こう側に「このままでは本当にバラバラになってしまう」という危機感が見えます。デイヴィッド・バーン自体スコットランドからの移民であるが故にアメリカに「理想郷」を見続けたい想いがあるのでしょう。
と、小難しいことを考えもせずとも、この怒涛のパフォーマンス・ラッシュがもたらすグルーヴ感、歌って踊れて喋りまで面白い70近いお爺ちゃんことデイヴィッド・バーンのキレッキレのパフォーマンスを観てるだけでも滅茶苦茶に面白いのが何よりこの映画の魅力。この圧巻とも言うべき音楽の奔流はライブに飢えに飢えてた自分に強烈な一撃を食らわせていきました。
上映館が少ないのが残念ですし、名古屋での上映ももう残りわずかとなっているようですが、これは是非多くの方に観て欲しい逸品。
特にライブに渇望している方!そう!そこのあなた!こいつを食ってみな!飛ぶぞ。
こんばんは、小島@監督です。
競技の方で言うと何気なく見始めたスケートボードが結構面白く、予選から決勝まで割としっかり観てしまいました。ええ、堀米選手金メダル獲得の瞬間もしっかりと。始まってしまった以上楽しめるものは楽しむのです。
さて、今回の映画は「アメリカン・ユートピア」です。
1977年にデビューした「トーキング・ヘッズ」のフロントマンであったデイヴィッド・バーン、バンドは1991年に解散しましたがその後も多数のソロアルバムやブライアン・イーノ、ファットボーイ・スリムなどとのコラボレーションなどで評価を集め、グラミー賞受賞歴の他、映画「ラストエンペラー」(1987年製作)の劇判を坂本龍一と共作してアカデミー賞を受賞したこともあるロックシーンのトップランナーです。そのデイヴィッド・バーンが2018年に発表したアルバム「アメリカン・ユートピア」をベースに、ワールドツアーを経た後ブロードウェイ・ショーとして再構築した舞台を上演、それを「マルコムX」(1992年)や「ブラック・クランズマン」(2018年)などで知られるスパイク・リーの手によりドキュメンタリー映画化したのがこの作品です。
一見すると舞台は三方をすだれ状に加工したチェーンをカーテンにして下げているだけ、という極めてシンプルなスタイル。開幕はデイヴィッド・バーンのソロから入り、曲が進むに従いバックダンサーやバンドメンバーがカーテンをくぐって登場していきます。面白いのは「人の動きに制限をかけたくない」というデイヴィッド・バーンの意向に沿って、バンドメンバーがギターやベースだけでなくパーカッションやキーボードまでも全てケーブルレスで登場して演奏している点。更に言えば全員裸足。ダンサーだけでなくバンドメンバーも目まぐるしくポジションを変えて縦横無尽にステージ上を動くさまをスパイク・リーは時に天井からのカメラも駆使して捉えていきます。
披露される楽曲はトーキング・ヘッズ時代の物も含め21曲。
開幕の「Here」では「赤ん坊の神経細胞は実は大人よりも多く、成長するにつれて減っていく」と語り掛け、そこからパフォーマンスで圧倒し、軽妙なトークで笑わせながら楽曲のチョイスやリリックでもって観客に対しメッセージを送ります。
舞台が上演されていたのは2019年、そう、大統領選挙が行われる前年であるところが重要です。「ブラック・ライブズ・マター」運動をご記憶の方も多いことでしょう。選挙人登録を観客に促しつつ、分断を煽るトランプ政権への痛烈な批判と皮肉と共に「失われた神経細胞」、すなわち多様な人間との繋がりを取り戻そうと語り掛けるのです。見事なまでに構築されたショーアップの向こう側に「このままでは本当にバラバラになってしまう」という危機感が見えます。デイヴィッド・バーン自体スコットランドからの移民であるが故にアメリカに「理想郷」を見続けたい想いがあるのでしょう。
と、小難しいことを考えもせずとも、この怒涛のパフォーマンス・ラッシュがもたらすグルーヴ感、歌って踊れて喋りまで面白い70近いお爺ちゃんことデイヴィッド・バーンのキレッキレのパフォーマンスを観てるだけでも滅茶苦茶に面白いのが何よりこの映画の魅力。この圧巻とも言うべき音楽の奔流はライブに飢えに飢えてた自分に強烈な一撃を食らわせていきました。
上映館が少ないのが残念ですし、名古屋での上映ももう残りわずかとなっているようですが、これは是非多くの方に観て欲しい逸品。
特にライブに渇望している方!そう!そこのあなた!こいつを食ってみな!飛ぶぞ。