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ちゅうカラぶろぐ


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昨夜、音楽家・坂本龍一の訃報が。
 音楽ユニット「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」での活動によりテクノポップの草分けともなる一方、「戦場のメリークリスマス」「ラスト・エンペラー」「レヴェナント/蘇えりし者」など映画音楽でも世界的な名声を勝ち得たほかバルセロナオリンピックでは開会式の音楽を手掛けるなどそのフィールドはまさにワールドワイド。かと思えばバラエティー番組「ダウンタウンのごっつええ感じ」ではコントに出演するなど実に多彩な活躍を見せた人物です。
 アニメやゲームにも度々楽曲を提供し、「王立宇宙軍オネアミスの翼」「天外魔境〜ZIRIA〜」「聖剣伝説4」(メインテーマのみ)などを手掛けました。意外なところではゲームハード「ドリームキャスト」の電源を入れた時の起動音も彼の仕事だったりします。

 こんばんは、小島@監督です。
 現代日本の音楽に多大な足跡を残した人物でした。謹んでご冥福をお祈りします。

 さて、今回の映画は「わたしの幸せな結婚」です。

 近代日本、「異能」と呼ばれる特殊能力を代々受け継ぐ家系の者たちが国を統べる帝と共に幾多の災厄から人々を守り続けて来た。帝都に屋敷を構える異能の旧家・斎森家。その長女・美世(今田美桜)は異能を持たずに生まれたことで継母と異母妹から虐げられてきた。人生に諦観し耐え忍んで生きる美世に嫁入りが命じられる。それは若くして異能者の特殊部隊を率いる冷酷な軍人・久堂清霞(目黒蓮)との縁談だった。

 予備知識ほぼゼロで観てみたらイメージとてんで違った、という映画体験がごくたまにあります。大抵そういう時は「シネコンに着いた時間で観るものを決める」時。そういう出会いもまた楽しいもの。
 タイトルやキービジュアルのイメージからいわゆる純愛物語なのかと思いきや、それだけに止まらない魅力を秘めた作品です。大正時代の日本を思わせる世界観で伝奇ロマン的なカラーも強く、端的に言えば「はいからさんが通る」と「帝都物語」を足した感じ、と言うところでしょうか。ちょっと「薄桜鬼」に近い雰囲気もありますね。実のところいずれも私の大好物なので結構この辺に自分のストライクゾーンがあるっぽいです。ええ、見事なまでに私好みでした(笑)
 監督は「MIU404」「最愛」などTVドラマで高い評価を得る塚原あゆ子。ファンタジックな描写も多い今作のようなタイプの映画は初めて手掛けるのではないかと思うのですが、登場人物の心情を実に丁寧にすくい取りアクションとメリハリを付けています。

 何より主演2人の存在感が素晴らしい映画です。虐げられてきた故に全てを諦め自己肯定感低すぎる灰かぶり姫なヒロイン美世を演じる今田美桜、グレーの長髪というアニメのようなビジュアルをただのコスプレにせずものにしてアクションまでやってみせる目黒蓮、どちらも実に際立っていて映画の柱になっています。

 佐久嶋依里、加藤たく郎らを筆頭とした美術スタッフの手による調度や小道具類、1990年代から活躍し時代劇から現代劇まで幅広くこなす衣装製作の第一人者・宮本まさ江の衣裳デザインと言ったスタッフの仕事も見事で細部まで神経の行き届いた画面が全編に渡って楽しめるのもポイントです。

 着目する点をどこに求めるかは人それぞれと思いますが、幅広い層に訴求できる上質のエンターテインメント。エンドクレジットの後には続編作りたい気満々なシーンがもう一つありますので場内が明るくなるまで席をお立ちになりませんよう。

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4月末放映の映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』

その映画が作られていることすら全然知りませんでしたが、
先日、テレビでその紹介映像がやっているのを見ました。

どうせ過去の黄色いネズミや青いハリネズミの時のように、
「なんか思ってたのと違う」って印象になると思いきや、
めちゃくちゃゲームパッケージそのままマリオでビックリ!
そうなんです、これでいいんですよのお手本ですよね。

作品が面白いかはまだ見られないので分かりませんが、
まずは見たいと決断させる入り口は完全にクリアですよね。



さて、ホームページに今年の歌会開催予定日もアップされ、
こちらを見ていただければ23年年内全てが確認できます。

もう新型コロナウイルスによる休止もないと思いますので、
後は毎月イケイケで歌会を予定通りに開催していきます。

これで今年はまずは毎回の歌会をしっかりと開催しながら、
新人さんも多く参加してもらえるように頑張っていこう!

と、思ったのですが・・・

そういえば、4月以降の歌会のお店、予約した覚えがない。

最近、いろんな人にスマホでホームページを見せながら、
年内にある歌会の日程を教えたりなんかしていました。

しかしながらJOYSOUND金山さんで歌会の日程を見せて、
「この日程でお願いします!」と言った覚えがないのです。

このまま予約をしないで忘れていたら、4月末の歌会の時、
お店に行って予約されてないことになっていないか思うと、
突然にヘンな汗をかいて、不安で一杯になってきます。

慌てて、お店に向かおうと思いたったのですが今となっては、
歌会以外の日に私がお店に顔を出すと、お店の人には、
絶対に歌会をキャンセルしにきたと思われそうでちょっとイヤ。

それでも、もう不安でお店に行かないワケにはいかないので、
せっかくだから「いつもワガママな客でスイマセン」と感謝を込め、
高島屋の地下街でちょっとお菓子の差し入れを準備しました。

そして、お店に向かい、予約の状況を聞いてみたのですが、
そんな心配は取り越し苦労で、バッチリ予約はしてありました。

うん、いよいよもって物忘れが激しくなってきたようです。

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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。再開からこちらようやく体が習慣づいて来たような。やはり月1でも3ヶ月続けると違って来ますね。
 それはそれとしてまさか生のハマグリを頂けるとは予想外どころではなかったですが(笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 何の巡り合わせか帰宅したらオカンがご近所さんから生わかめを頂いており、二つ合わせて潮汁にしました。出汁がもう実に美味。

 さて、今回は映画館の話。
 先週、一旦その歴史に幕を下ろした1軒の映画館。その休館直前にそこを訪ねて来ました。名古屋市営地下鉄東山線の新栄町駅を降り錦通を歩いて数分、あるいはJR中央線千種駅から錦通を15分ほど歩いたところにそれはあります。


「名演小劇場」です。
 開館は1972年。名古屋の自主的演劇鑑賞組織(いわゆる労演)であった「名古屋演劇同好会(略称・名演)」所有の劇場として、つまり映画館ではなく文字通りの劇場としてオープンしました。演劇鑑賞組織が運営する劇場としては当時全国初だったそうです。演劇だけでなく落語なども上演されていたとか。

 写真ではちょっと分かりにくいかもしれませんが今でも舞台は残っており、スクリーンは舞台奥の壁に設られています。なお写真の左側に映り込んでいるのはテレビカメラ。休館前の様子を取材に来ていたようです
 2003年に大規模な改装が行われて常設の映画館としてリニューアル。ですがその後も不定期に舞台公演が行われていたようです。翌2004年にはもう一面スクリーンが増設されて以後スクリーン2面を有するミニシアターとして営業が続けられていました。柳楽優弥がカンヌ映画祭で最優秀主演男優賞を受賞した「誰も知らない」(2004年製作)や、内容の重さや配給権の高騰により公開が見送られていた「ホテル・ルワンダ」(2004年製作。日本での公開は2006年)など高く評価されながらも公開に難渋した作品を上映した実績があります。

 こちらは屋外ロビーの様子。今までに上映された作品のチラシが隙間無く貼られています。

 
 休館前の最後のプログラムとして上映されたのは「ジェラール・フィリップ生誕100年映画祭」、夭折の俳優ジェラール・フィリップの主演作全てと彼の生涯を追ったドキュメンタリー「ジェラール・フィリップ最後の冬」を上映する特集企画になります。
 この日私が観たのは「モンパルナスの灯」。1958年に製作された作品で、画家アメデオ・モディリアーニの晩年を描いた物語です。芸術家として高いプライドを持ちながら世間の無理解に苦しみ、貧困とアルコール中毒、そして結核に苛まれます。モディリアーニに新しい恋人ができても何くれとなく世話を焼く元カノのベアトリスや「あいつは才能はあるが運が無い。だから死んだら絵を全部買ってやる」と言い切る画商のモレルなどフランス映画らしいキャラクターが何人も登場する、フランス映画の古典としても楽しめる逸品です。監督はジャック・ベッケル。フランソワ・トリュフォーらヌーヴェルヴァーグの旗手たちの敬意を集めた人物です。この映画の翌年、ジェラール・フィリップは肝臓がんを患いモディリアーニと同じ36歳で亡くなり、またジャック・ベッケル監督も翌1960年に没するなど曰くつきの作品でもあります。

 名古屋という都市は、意外に小さなエリアの中に特色の強いミニシアターが点在し映画に対し独自の文化圏を築いたと言って良い土地柄で、その一翼を担った映画館の休館に寂しさを拭えません。いつの日か再開することを願っています。

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日本優勝の『WBC(ワールドベースボールクラシック)』ですが、
今回は本当に盛り上がっていたのではないかと思います。

にわかファンと言われれば本当にその通りなのですが、
それでも、目が離せないとはまさにこのことだったと思います。

野球というスポーツはとにかく試合が長いと言われますが、
今回のWBCみたいに、攻守共にスター選手ばかりだど、
中弛みするタイミングもなく、ずっと見入ってしまいます。

準決勝、決勝のドラマはマンガのような展開でしたが、
それを見守り応援して喜ぶファンの映像などを見ると、
暗い話しかない最近のニュースを忘れさせてくれますね。

だけど、侍JAPANに唯一勝ったのは中日ドラゴンズなので、
最強の野球チームは中日ドラゴンズに決定ということで。



さて、今回も歌会に参加された方、ありがとうございました。

歌会再開から3回目で進行もやっとカンを取り戻してきて、
再開直後は「今までどんな進行していたっけ?」って感じ。

しかしだんだん慣れてきたら、勝手に身体が思い出して、
ペラペラと話せるようになるもんですね。刷り込みすごい!

再開してからというもの、やはりお休みが長かったこともあり、
メンバーも退会される方や、連絡が取れない方も多く
やっぱり、そうなってしまうのは寂しく感じたりしています。

ですが、それでも3年以上ぶりに参加のメンバーがいたり、
そんな人も当時と全然変わらない様子で接したりできると、
寂しさも吹き飛ばすくらい、続けていて良かったと思います。

そして再開後から参加してくれる新人さんが本当に元気で、
サークル第?世代といった風が吹いている気がします。

いつも言っていることですが、歌会に参加される新人さんに、
楽しむための場所は作れても、楽しませることはできません。

そんな中で新人さんが楽しんでくれているのを見かけると、
まだまだ、サークルとして続けていく自信となりますね。

歌会が終わって、今日も新人さんの参加希望があります。
次回の歌会にもまた新しい風が吹いてくれることを期待します。

今回の新人さんも次回は新人さんを迎える先輩となります。
また次の新人さんを優しく迎え入れて連鎖してほしいですね。

さあ、4月以降のイベントのお知らせハガキも完成しました。
またあなたのお手元に届きましたら確認をお願いします。

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週末に代々木競技場第一体育館で開催された「THE IDOLM@STER SHINY COLORS 5thLIVE If I_wings.」を配信で鑑賞しました。
 ストーリー性の強いステージングをすることもあるシャニマスですが、今回は極め付きだったと言って間違いないでしょう。挫折と終焉が色濃く漂うDay1の異様な雰囲気、まるで世界線が変わったかの様な歓喜と祝福に包まれるDay2、2つで1つの前後編の物語を観ているようなステージに、見事なまでに翻弄される2日間でした。Day1が持つただならぬ不穏な気配への考察と不安と期待をないまぜにしながらDay2の開演を待つ時間までも含めて1つの大きなイベントでした。
 ただほとんど禁じ手に近いやり方なのでこんな大技は何度も繰り返して欲しくないですね(苦笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 ライブの最後にはアニメ化の告知も。アイマスの中でもシナリオの完成度が頭一つ抜けているタイトルだけに期待も大きいです。

 さて、今回の映画は「シン・仮面ライダー」です。
 公開直後ですしネタバレは極力避ける方向で行きます。

 山道を1台のバイクが疾走している。バイクには2人の男女が乗っていた。1人は緑川ルリ子(浜辺美波)、もう1人は本郷猛(池松壮亮)。2人は「ショッカー」と呼ばれる秘密結社に追われていた。人並外れた力を持つショッカーの構成員たち。一度は彼らの手に落ちるルリ子だったが本郷は自身の力を開放し瞬く間に構成員たちを打ち倒していく。彼もまたその身を改造・強化された人間であった。

 稀代のクリエイター・庵野秀明が日本特撮に残す爪痕がまた一つ。
 「仮面ライダー」シリーズ50周年を冠してのビッグプロジェクトとなった今作は、庵野秀明が監督・脚本を担い昭和の「仮面ライダー」を全面的に踏襲しながら石ノ森章太郎の描いた漫画を物語の基軸として、これまでのどれとも違う新たな仮面ライダーを作り上げてきました。毎週のTVシリーズと並行してスピード感重視で製作されているニチアサの劇場版とは全く違う、時間もお金も十分に投入され独特の世界観を余す事なく表現したどっしりした映像作品になっています。
 もう当然のように電柱と線路が映り込むのを筆頭に、物語、作劇、映像表現の随所に庵野秀明がこれまで手掛けた「新世紀エヴァンゲリオン」「シン・ゴジラ」「式日」「キューティーハニー」などの諸作品の要素が散りばめられており、大作であると同時に二次創作的な雰囲気を持つプライベートフィルムのようなテイストになっています。かなり強烈な癖であるためそれこそ「エヴァ」を四半世紀リアルタイムで付き合って鍛えられたのでスッと入ってきた私のような人間がいる一方で、拒否反応を示す方も少なくないでしょう。

 今作を象徴する何よりの存在が「仮面」そのものにあります。ここでの仮面は「変身」することで勝手に装着されるものではなく自身の手で被るものだからです。能楽における面が、見た目が変わらないはずなのに演者の僅かな所作で喜怒哀楽を表現するように、一見奇怪にも映る仮面が時に哭き、時に怒りを、時に決意を表現しています。と同時に本郷猛役池松壮亮、一文字隼人役柄本佑の2人は自身で変身後のバトルシーンも多く演じており、洗練されていない泥臭さが生々しい身体性を持っているのは現行の「仮面ライダーギーツ」との大きな対比とも言えますね。

 あと個人的なポイントとしてはルリ子役浜辺美波がマジで可愛い。これはもう声を大にして言っておきたい。2.5次元的な緑川ルリ子役を見事なまでに演じ切って見せていて、これをスクリーンで堪能できるだけでもある意味元が取れます。

 原典を存分に活かしながら自身の映像世界をこれでもかと展開してみせる、これぞ庵野秀明ワールド。なかなか今こういう映画を大作規模で作らせてもらえる監督はいません。こういうのはある意味「祭り」と同じなのでネタバレとファンアートが溢れ返る前にサクッと観ておきましょう。

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毎週日曜日にブログをアップすることになっている私ですが、
最近、日曜日に間に合わずに遅れてアップすること複数回。

見た目的には日曜日にアップしているようになっていますが、
実は後日アップするときに投稿日を調整している詐欺師です。
毎週月曜日にアップする小島@監督には申し訳ないです。

以前ブログを書いていた人には、事前に書いておけばなどと、
偉そうなことを言っていたのですが、もう言えませんよね。

それでも、最低1週間に1回はアップするようにしていますので、
日曜日を狙って見てくださる人、ご容赦くださると嬉しいです。

では以下は日曜日にアップできなかった原因が続きます。



さて、今週末は友人たちと、沼津に旅行へ行ってまいりました。
沼津と言えば海鮮、美味しい海鮮を食べまくる旅行です。

・・・すいません。

目的は『ラブライブ!サンシャイン!!』の聖地巡礼が100%。
ですが、今回は完全に同行者に行先はお願いしています。
ですので、聖地と言えどどこに行くかはまったく知りません。

道中はレンタカーに乗って、車内に流れる音楽はもちろん、
すべてがラブライブ!サンシャイン!!のみが延々と流れます。
『Liella!』?なにそれ?それって食べられるんですか?

そして、沼津現地に来てみるとビックリすぎる沼津の景色。
どこも作品に登場するアイドルグループ『Aqours』だらけ。
完全に街中がAqoursに乗っ取られているではないですか。

また数えきれないほどのお店がコラボされているようで、
そんなコラボされた店では店名入りの缶バッヂが売っています。

これまたびっくりしてしまったのは、おじいさんな店員さんが、
キャラクターのイメージカラーを見て、話をされていたりと、
もう完全に沼津の街にAqoursが浸透しちゃっているのです。

ちなみに現地の人の話を聞くと、作品とコラボをする際に、
なんと展開にあたっての講習会があったとのこと。
だからなんとなく商品を置いてる、なんてことはないそうです。

2日間滞在をしましたが、本当に楽しくて一瞬でしたね。
いろいろ調べると、まだまだ全然周れていないようですし、
現地の人もとても人柄がよく、また行きたいと思います。

しかし、驚いたのは友人が私が知らないうちに
メチャメチャアニメに近い構図に拘って写真撮影してました。




砂浜の文字なんて、アホかと思うほどですよね。(褒めてます)
しかし、これ現地の砂浜でなくても撮れそうな気が・・・。



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先日、アニメーター木村貴宏さんの訃報が。
 「勇者王ガオガイガー」「コードギアス反逆のルルーシュ」のキャラクターデザインや作画監督が特に有名ですが80年代からアニメ製作に参加したほか、艶やかなボディラインを描ける画風を活かして90年代には「スチームハーツ」「VIPER」「ヴァリアブル・ジオ」などPCのアダルトゲームでも手腕を発揮しており、こちらで名前を覚えた方も少なくないのではないでしょうか。全体的にアニメらしい強調されたシルエットとビジュアルをしているのにフィギュアとして立体化した時に映えるデザインをしていたのも特徴で、2000年代に美少女フィギュアが活況を見せた事がありましたがその一翼を彼の生み出したキャラクターが担っていたようにも思います。
 「コードギアス」がロングシリーズとなったためにあまりそうは見えませんでしたが2010年代前半を最後にキャラクターデザインなどを手掛けることは無くなり、近年は原画での参加を主舞台としていましたが長く闘病されていたようですね。また彼の描くキャラクターが躍動するところを観たかった…

 こんばんは、小島@監督です。
 それにしても今年はまだ始まって3か月も経っていないのに訃報が多すぎる…

 さて、今回の映画は「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」です。

 アメリカでコインランドリーを営む中国系移民のエヴリン(ミシェル・ヨー)とウェイモンド(キー・ホイ・クァン)の夫婦。しかし店は赤字続きで国税庁から監査を受けている真っ最中。そんな中で故郷の中国から認知症を患う父親ゴン(ジェームズ・ホン)が来訪してくる上、「彼女」のいる娘ジョイ(ステファニー・スー)とも折り合いが悪くエヴリンの心労はピークに達していた。
 ある日領収書の束を抱えて国税庁を訪れたエヴリンは、同行したウェイモンドが突然「私は別の宇宙から来た。全宇宙を破壊しようとするジョブ・トゥパキが迫っている」と言い出す。混乱するエヴリンに、ウェイモンドは並行宇宙に存在する別の自分が持つスキルを取得する方法を教えるのだが。

 毎年このくらいの時期になると色々な洋画のポスターに躍る「アカデミー賞最有力」の文字。皆さんこのコピーを持つ映画にどんな印象を抱きますか?重厚な史劇でしょうか、あるいは感動的なヒューマンドラマでしょうか。しかし今年は一味も二味も違います。○○を△△に××するとかそれはもうちょいとここではダイレクトに書けないような下ネタも盛大に飛び出すジャンル無用の珍品が、作品賞を始め実に7冠を獲得し賞レースを席巻しました。
 マーベル映画でもおなじみの「マルチバース」を題材に、ひょんなことから宇宙存亡の危機と戦う羽目になった初老の主婦の活躍を描きます。

 ここでのマルチバースとは「あの時自分はこの道を選んだがあっちを選んだらこうなっていた」という無限のIFと可能性の世界。思いがけずその「可能性」にアクセスできるようになったエヴリンは、生活に追われて家庭崩壊の危機に直面している現実から飛び出していきます。エヴリンの混乱同様に観客も唐突にマルチバースの戦いに放り込まれ、状況も理屈も良く分からぬまま未見性の塊のような映像と展開に翻弄されることになります。IFの世界の中にはウォン・カーウァイの「花様年華」やピクサーの「レミーのおいしいレストラン」のパロディみたいなものもあり、更には画面のアスペクト比までちょいちょい切り替わるフリーダムぶり。
 しかもやたらガチャガチャしているのに謎の疾走感があり、中だるみも尻すぼみもしないまま走り切った挙句に最後は何だか感動させられてしまう不思議。私は一体何を観ていたのだろう。実写化された「セクシーコマンドー外伝すごいよ!マサルさん」だろうか。

 無茶苦茶な映画だけれどそれをやり切って見せる主演2人の演技も尋常じゃありません。キャリアの集大成と言って良いエヴリン役ミシェル・ヨーはもちろんですが、子役時代に「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」や「グーニーズ」で脚光を浴びるもその後は映画製作の方にシフトし長く俳優業から離れていたウェイモンド役キー・ホイ・クアンは本格的な復帰後第一作となる今作で見事どころじゃないカムバックを果たしました。しかもミシェル・ヨーは主演女優賞を、キー・ホイ・クァンは助演男優賞をそれぞれ獲得する栄誉に浴しています。

 コレが作品賞まで獲ってしまうとは保守的と思われたアカデミー賞も結構ロック。こういうのは熱いうちに押さえておくに限るので上映中にスクリーンで観ておきましょう。かなりトガってるので合わない方も多いかとは思いますがそれはそれ!

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