ちゅうカラぶろぐ


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東京や大阪などまだ継続中のところはあるものの他の所では緊急事態宣言が解除され、休業要請も徐々に緩和中でようやく「日常」が戻ろうとしています。映画館も愛知県では大手シネコンはまだ再開時期を明確にしていないものの、シネマテークが20日、シネマスコーレが23日に営業再開を告知。岐阜県では岐阜市と関市のシネックスが16日から再開。三重では109四日市が15日から再開。三重県下唯一のミニシアター伊勢新富座も30日に再開の予定だそうです。とは言え新作はほぼ全てが延期になってしまっているため旧作のみの上映となっているよう。この辺りは東京・大阪が動き出さないと難しいようですね。

 こんばんは、小島@監督です。
 でも映画がまた観られるようになる日々ももうすぐ!

 さて、今回の映画は「∀ガンダム Ⅰ 地球光」及び「Ⅱ 月光蝶」です。

 月の民「ムーンレィス」の人々は地球への帰還を果たそうとし、その先遣として環境適応テストを兼ねロラン・セアック(声・朴璐美)ら少年少女たちを地球へ送り込んで生活させた。川で溺れているところを鉱山主のハイム家の娘キエル(声・高橋理恵子)とソシエ(声・村田秋乃)に救われたロランはそれが縁で鉱山で職を得、その後技術面の覚えの良さを見込まれてハイム家の運転手となった。
 その頃大陸への移住を希望するムーンレィスの入植要請に応対していたイングレッサ領主グエン・サード・ラインフォード(声・青羽剛)は彼らの技術力の高さを危惧し市民軍「ミリシャ」の増強を図る。
 ロランとソシエが参加することになった神像「ホワイトドール」の元で執り行われる成人式の夜、月の軍「ディアナ・カウンター」がモビルスーツを以てイングレッサを襲撃。街を蹂躙する。モビルスーツが発したビームに呼応しホワイトドールは起動した。偶然乗り込むことになったロランとソシエは長い眠りから覚めたホワイトドールの力を目の当たりにする。

 1999年から2000年にかけて放送された「∀ガンダム」、その全50話を再構成し2部作として製作された劇場版で2002年に公開されました。今では辞書にまで乗るようになった単語「黒歴史」を生み出した作品でもあります。デジタルでの作業が主流になりつつある中でセル画でペイントされたカットも多く過渡期のものらしい風合いの作品になっています。
 アニメ・実写を問わず2部作・3部作の作品を一挙に製作して連続公開する形態は度々見受けられますが、この作品は日本で初めて「サイマル・ロードショー」という2作品を日替わりで上映する方式が取られました。

 2作合わせると4時間半となかなかの長尺ですが、ベースとなるTVシリーズが全50話あるため基本となる物語を追うのが精いっぱいの総集編ではあります。「∀ガンダム」は本筋だけでなく、例えばホワイトドールで牛を運んだり洗濯をしたり、あるいは老婆がたった一人でモビルスーツに戦いを挑んだり、そんな単発のエピソードにも光るものが多く、またそういう積み重ねの中で重層的に描かれる人物描写や世界観に魅力のあるシリーズであるため、それらの多くを「行間」に押し込めてしまっているのでどこか物足りなくはあります。

 しかしじゃあ全くもってつまらない作品なのか、というとそれがそうでもない不思議。編集のリズム感が良いというか「駆け足で展開しているはずなのに駆け足しているように見えない」ような印象があります。
 同時に新たに作り起されたシーンや、TVシリーズを全面的にブラッシュアップしたシーンの多くが戦闘シーンではなく食事であったり祭りであったり、人の営みを描くシーンに費やされていることも起因しているでしょう。一時は「皆殺しの富野」とまで言われた富野由悠季監督ですが「ブレンパワード」あたりから作品の雰囲気に変化が生じていて、特にこの「∀ガンダム」では何かを掴んだのではないでしょうか。後の「オーバーマン・キングゲイナー」や「Gのレコンギスタ」で観られるようなテイストが見受けられるようになってきています。

 「∀ガンダム」を語る上でもう一つ外せないのが菅野よう子の手による音楽です。フルオーケストラの荘厳なシンフォニーだけでなくケルト調のサウンドや成人式の儀式のシーンで登場する素朴な祭りの歌まで、ジャンルという垣根を飛び越えたサウンドの数々が物語を彩ります。正直言ってこの音楽が無ければ「∀ガンダム」の評価はもっと低いものになっていたんじゃないかとさえ思える素晴らしい楽曲の数々で、個人的には「予約してまでサントラCDを買った」のは今のところ「∀ガンダム」が最後です。劇場版でもその手腕は存分に活かされ、その楽曲群が富野監督の独特な編集に乗った時にもたらされる相乗効果が奇妙なまでに心地良いのです。

 さっきのサントラの件だけではないですが、この「∀ガンダム」という作品、私としては丁度大学生活も後半に差し掛かりこれから社会に出ようかという時期に観ていたこともあって単に2色ではない様々な価値観が相乗も相克もするこの物語に受けた影響はかなり大きく、今観てると当時の自分の心情が思い出されてちょいとほろ苦くなったり変な笑いが出たりしますが(苦笑)、それでも忘れ難い作品です。せっかくだしまた久しぶりにTVシリーズ見返そうかな。

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