愛知県が独自に出した緊急事態宣言を受けて、ミッドランドスクエアシネマ全館、伏見ミリオン座、センチュリーシネマ、シネマスコーレが概ね5月連休明けまでの臨時休業に踏み切り、名駅界隈で営業しているのは109シネマズ名古屋と今池のシネマテークの2館のみに。この2館もいつまで営業が続くのか予断を許さない状況。致し方無いことではあるのですが、やはりきついです。
営業再開したらガンガン観に行ってやる!と思う一方で特にミニシアターに対して支援・救済のためのクラウドファンディングを立ち上げているところもあるのでそこに支援を投じようかとも思う次第。
こんばんは、小島@監督です。
で、実は私も職場が外出自粛要請と売り上げの急激な減少を受けて今週から約3週間の予定で出勤日数が週3日のみに。もうこうなったらやれるだけ積みゲーを崩しにかかります。
さて、それでも私はここで映画を紹介し続けるぜ!ということで、今回の映画は「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形」です。
戦災により両腕を失い、機械義手を付けている女性ヴァイオレット・エヴァーガーデン(声・石川由依)はC.H郵便社を営むクラウディア・ホッジンズ(声・子安武人)のもとで代筆業をして暮らしている。
ある時、ヴァイオレットのもとに一つの依頼が届いた。良家の子女のみが通うことを許される女学院。そこの生徒であるイザベラ・ヨーク(声・寿美菜子)の教育係として赴任してほしいというものだった。女学院を訪ねたヴァイオレットはイザベラと出会う。イザベラは病を患い、そしてそれ以上に将来に対して悲観していた。
昨年公開された京都アニメーション製作のアニメ映画です。多くの方が亡くなった7月の放火事件を受け公開そのものが危ぶまれていましたが、事件直前に完成していたことが判明し9月に公開されました。また監督藤田春香の意向で製作に関与した全スタッフの名がクレジットされています。製作発表の当初は2週間の限定上映との告知でしたが事件後の激励に応える形で3週間へと延伸し、公開後の高評価を受けて上映館によっては通常のロードショー作品と同様の扱いとなって更に数週間上映期間が延びたところもありました。本来であれば今月新作の劇場版が公開される予定でそのPRを兼ねての再上映が今一部の映画館で行われていますが、新型コロナウィルスの影響で新作の公開は延期となってしまいました。不遇ともいえる数奇な運命を背負わされた作品です。
実はその再上映を利用して鑑賞したため(このご時世なので観客は私を含めて4人しかいなかった)TVシリーズの方はまだちゃんと観たことが無くこの1本だけの感想になりますが、人々の心根の優しさを細やかにすくい上げる語り口に良い具合に泣かされてしまいました。「手紙」が重要なファクターになっているだけあり言葉に気を使って作られているのが分かりますし、表情や仕草の芝居も見事で決してセリフに頼り切らないのもいいですね。衣擦れの中にヴァイオレットの義手が鳴らす機械音・作動音が混じる効果音の具合も見事で細部まで血と神経の通った作品です。特に髪の毛やスカートの裾の表現が素晴らしく、この辺りにここまで繊細な書き込みができるところは京アニの真骨頂とも言えるでしょう。何もかもが「美しい」と言えるアニメ映画です。
物語の方は2部構成となっており、前半はヴァイオレットとイザベラの交流を主軸に、後半は郵便社に押し掛ける少女テイラー(声・悠木碧)とヴァイオレットと配達人の青年ベネディクト(声・内山昂輝)とのエピソードが中心となり、その2つを手紙がつなぎます。物理的に隔てられていようとも心までが離れてしまったわけではない。決して多弁ではない一通の手紙が相手の心を救うこともある。この優しい語り口こそ、多くの人を惹きつけた要因でしょう。
奇妙なまでに多くの厄災に翻弄されるシリーズですが、作品が持つテーマは今まさに真に迫るものと言えます。擦り切れそうな日々が続く昨今、ふと誰かを思うよすがとしてせめてひと時こういった作品で安らぎを得られたらと願います。
営業再開したらガンガン観に行ってやる!と思う一方で特にミニシアターに対して支援・救済のためのクラウドファンディングを立ち上げているところもあるのでそこに支援を投じようかとも思う次第。
こんばんは、小島@監督です。
で、実は私も職場が外出自粛要請と売り上げの急激な減少を受けて今週から約3週間の予定で出勤日数が週3日のみに。もうこうなったらやれるだけ積みゲーを崩しにかかります。
さて、それでも私はここで映画を紹介し続けるぜ!ということで、今回の映画は「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形」です。
戦災により両腕を失い、機械義手を付けている女性ヴァイオレット・エヴァーガーデン(声・石川由依)はC.H郵便社を営むクラウディア・ホッジンズ(声・子安武人)のもとで代筆業をして暮らしている。
ある時、ヴァイオレットのもとに一つの依頼が届いた。良家の子女のみが通うことを許される女学院。そこの生徒であるイザベラ・ヨーク(声・寿美菜子)の教育係として赴任してほしいというものだった。女学院を訪ねたヴァイオレットはイザベラと出会う。イザベラは病を患い、そしてそれ以上に将来に対して悲観していた。
昨年公開された京都アニメーション製作のアニメ映画です。多くの方が亡くなった7月の放火事件を受け公開そのものが危ぶまれていましたが、事件直前に完成していたことが判明し9月に公開されました。また監督藤田春香の意向で製作に関与した全スタッフの名がクレジットされています。製作発表の当初は2週間の限定上映との告知でしたが事件後の激励に応える形で3週間へと延伸し、公開後の高評価を受けて上映館によっては通常のロードショー作品と同様の扱いとなって更に数週間上映期間が延びたところもありました。本来であれば今月新作の劇場版が公開される予定でそのPRを兼ねての再上映が今一部の映画館で行われていますが、新型コロナウィルスの影響で新作の公開は延期となってしまいました。不遇ともいえる数奇な運命を背負わされた作品です。
実はその再上映を利用して鑑賞したため(このご時世なので観客は私を含めて4人しかいなかった)TVシリーズの方はまだちゃんと観たことが無くこの1本だけの感想になりますが、人々の心根の優しさを細やかにすくい上げる語り口に良い具合に泣かされてしまいました。「手紙」が重要なファクターになっているだけあり言葉に気を使って作られているのが分かりますし、表情や仕草の芝居も見事で決してセリフに頼り切らないのもいいですね。衣擦れの中にヴァイオレットの義手が鳴らす機械音・作動音が混じる効果音の具合も見事で細部まで血と神経の通った作品です。特に髪の毛やスカートの裾の表現が素晴らしく、この辺りにここまで繊細な書き込みができるところは京アニの真骨頂とも言えるでしょう。何もかもが「美しい」と言えるアニメ映画です。
物語の方は2部構成となっており、前半はヴァイオレットとイザベラの交流を主軸に、後半は郵便社に押し掛ける少女テイラー(声・悠木碧)とヴァイオレットと配達人の青年ベネディクト(声・内山昂輝)とのエピソードが中心となり、その2つを手紙がつなぎます。物理的に隔てられていようとも心までが離れてしまったわけではない。決して多弁ではない一通の手紙が相手の心を救うこともある。この優しい語り口こそ、多くの人を惹きつけた要因でしょう。
奇妙なまでに多くの厄災に翻弄されるシリーズですが、作品が持つテーマは今まさに真に迫るものと言えます。擦り切れそうな日々が続く昨今、ふと誰かを思うよすがとしてせめてひと時こういった作品で安らぎを得られたらと願います。
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