ちゅうカラぶろぐ


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今年もボジョレー・ヌーヴォーの季節がやってきました。
ヌーヴォーの広告で良く見かける「10年に1つ」とか「50年に1度」とかいうあのコピーなんですが、フランス・ボージョレ―地区から定期的に(4月頃からほぼ月1回程度)世界へ発信されるヴィンテージ・レポートの聞こえの良い所を一般消費者の購買意欲を掻き立てようと販売者が安易に短くまとめた結果、みたいなところが多いので文面をそのまま鵜呑みにはできなくなってしまっているのが現状です。
確かに極端な当たり年というのは存在して、近年では2009年がそれに当たり、その年のヌーヴォーは「どんな安物を買っても美味い」レベルでした。また「ハズレの年」も同様に存在し、最近では2012年がそれに該当するのですが、そう言う年ではむしろ生産者の醸造技術のレベルが如実に商品に出るのでそれはそれで楽しみ方というのがあったりします。
今年は夏季に天候が崩れはしたもののその後は持ち直したようで結果的にはかなり優良なヴィンテージになってるらしいとか。「偉大な」なんてフレーズが久しぶりに飛び出したので結構自信あるみたいです。まあ私もまだ飲んでいないので「らしい」「みたい」なんて曖昧な表現しかできませんが(笑)

こんばんは、小島@監督です。
実はボジョレー・ヌーヴォーのようなその年の出来を占う新酒というのは世界中にあり、近年ではイタリアのヴィーノ・ノヴェッロ(こちらは既に解禁済み)なんかも輸入され始めているのでご興味ある方は探してみてください。

さて、今回の映画は特集上映「ベルイマンの黄金期」より「第七の封印」です。

十字軍の長い遠征を終えて帰国の途に着く騎士アントニウス(マックス・フォン・シドー)とその従者ヨンス(グンナール・ビョルンストランド)。
そのアントニウスの前に死を宣告するために死神(ベント・エケロート)が現れた。その死神に対し、アントニウスは自らの命を賭けてのチェス勝負を申し込む。それは死を恐れてと言うより戦役で疲れ揺らいだ信仰を取り戻す時間をつかみ取るための行いであった。
アントニウスの家路と共に続く死神との対局。果たしてその行方は。

1957年に製作(日本での初公開は1962年)されたこの映画は、騎士と死神のチェス対決を通して神の存在を問い掛けるという哲学的なテーマを内包した物語です。
騎士アントニウスは死神との対局と共に故郷への旅を続け、その中で黒死病の蔓延に苦しむ民衆や魔女狩りで火あぶりにされようとしている女性と出会い、都度信仰心を揺らがされ「問」を重ね、その答えを求めるかのように死神との対話を重ねます。
実は十字軍遠征と黒死病蔓延と魔女狩りの横行はそれぞれ相当時代に隔たりがありますが、監督ベルイマンは恐らくその辺承知の上で盛り込んで来てると思いますので多分ツッコミは厳禁です(笑)
題材と言い洗練された会話と言いとても半世紀以上前の映画とは思えない逸品です。特に押井守作品のファンの方にはきっとストライクに違いないと思います(笑)
また、単に小難しいセリフが飛び交うだけの作品ではなく鍛冶屋の妻を寝取った旅芸人と鍛冶屋との珍妙なやり取りなどコミカルなシーンもあり、決して堅いだけの作品ではないのも楽しい所。

後になって知ったのですがこの映画は当時非常に画期的な作品だったそうです。どの辺りがというと、何と「死神が登場する事」それ自体だそうです。
ホラー映画もモンスター映画も既に多数製作されていながら「死」そのものを具現化した「死神」が映画に登場したのはこの作品が初めてだそうで、それに合わせて「黒衣を纏った白い顔の男(下図参照)」という死神のビジュアルや「チェスをたしなむ」ところなどはその後の作品に多大な影響を与えました。

私もそうですが「死神」というとこの姿をイメージされる方、多いのではないでしょうか。もっとずっと昔からあるイメージかと思ったんですが実はかなり新しいものだったんですね。
物語の面白さもさることながらこう言ったところも楽しんでほしい作品ですね。

私は企画上映の機会を捕まえて映画館で楽しむことができましたが、古い作品ですので既にDVDも発売されています。映画ファンはもちろん、先述した押井ファンに加えライトノベルファン、そして何がしかの形で創作に携わる方には特に観ておいてほしい作品ですね。きっと得られるものがあると思いますよ。

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死の神って考え方。 By グリ
死に関する神様はどんな神話にも登場しますもんねー!人間が避けては通れない共通の恐怖概念の一種だからこそ崇められるような。
ある意味、死神はこれ!っていう概念をビジュアル化して打ち出すのは難しかったでしょうし画期的というのも頷けますねヽ(○´ω`)ノ

ヌーボーと聞くと駄菓子を思い出してしまう・・・w
DATE : 2014/11/21(Fri)16:20:36 EDIT
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