ちゅうカラぶろぐ


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こんばんは、小島@監督です。
仕事の都合で明日の更新が難しいため1日前倒しで更新させていただきます。

ちゅうカラ旅行に参加された皆さんお疲れ様―!参加したかったよこんちくしょー!

さて、今回の映画は認知症を患い福祉施設に入所した老人の姿を描き世界的に高い評価を得たスペイン発のアニメ映画「しわ」です。
実は昨年既にNHKEテレでの特集番組内で1度放送されている作品なのですが、ノーマークでスルーしてしまい、ちょっと後悔していたところにこの度スクリーン上映が始まりありがたい限り。
ちなみに配給はスタジオジブリ。ジブリは宮崎駿を筆頭に自社製作作品があまりに有名なので目立ちませんが優秀な海外アニメーション作品を買い付けて三鷹の森ジブリ美術館での上映を始め全国の映画館へ配給する事業も行っています。

エミリオはかつて銀行で支店長を勤めていたが、引退後認知症の症状が見え始め息子夫婦の手によって養護老人施設へと預けられることになった。
施設には様々な行動を取り、様々な思い出を持つ老人たちがいた。同室となったミゲルは陽気な性格だが金に汚く抜け目が無い。他にも他人の言葉をオウム返しにしか喋れないラモン、面会に来る孫の為に紅茶やジャムを集めるアントニア、アルツハイマーの夫モデストの世話を焼く為に入所したドローレスらと出会う。
施設の「一階」に暮らす彼等はまだ自分の事をこなせるものの更に心身の老いや病状が進行すると完全介護が必要な者が集められる「二階」へと連れて行かれ、二度と一階へ戻る事は無い。
ある日ふとした事から自身がアルツハイマー症である事に気づいてしまったエミリオは、二階へと足を運び遠くない将来の自身の姿を目にして愕然としてしまうのだった。

人生の終焉をいかに生きるか?という、誰もがいずれは通る道ながら目を背けてしまう普遍的なテーマを真正面から描いて見せた類い稀なパワーを秘めた映画です。
非常に重い内容でありながら、さりげない温かさと仄かな希望も感じられ、決して苦しいだけの映画にはなっていません。でもかなり「きつい」のは確かです。

この映画最大のポイント、そして最大の強みは、このテーマを描くのに「アニメという手法を取った」点に尽きます。
シナリオだけで見たら実写でも差支えない物語なのですが、アニメにしたことで、より高い普遍性を手に入れたと言って良いでしょう。実写にした場合より生々しい感覚を観客へ訴える事は出来そうですが、「普遍性」という点では薄れてどこか遠い物語の様に感じられてしまうはずです。手描きの描線を活かしたシンプルなデザインのキャラクターには、人種や国籍、言ってみれば「スペインっぽさ」を感じさせる部分がほとんど無く、誰が観ても物語の中に自身や家族を投影しやすくなっています。

人生の最後をどう生きるか?いやそもそもその時どう生きられる道が残っているのか?観る者に重い問いかけを投げかけるこの映画、決して気楽に楽しめる作品ではありません。
ですが、観るだけの価値はあります。コレを観る前と後で自分の中の何かが変わっているかもしれません。それほどのパワーを持っています。公開館が非常に少ないために映画館で観る機会を持つのは難しいかもしれませんが、ソフト化されたらレンタルでも構わないので是非多くの方にご覧になっていただきたいですね。

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