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ちゅうカラぶろぐ


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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
 始まる前は最近過労気味なので軽く流す感じにしようと思っていたのに気付けば全力を促す部屋が出来上がってしまってまあまあカッ飛ばしてしまいました(苦笑)。そういうのも歌会の楽しみだったりしますね。
 皆さん、プレゼント交換には何を選ばれたんでしょうか。私は「シャークインパクト」という悲鳴を上げながらサメから逃げるカードゲームをチョイスしました。

 ご覧くださいこのステキなパッケージアート。「かさばらなくてちょっと主張の強い物」を探していたらサメ映画スキーな私が放っておけるはずもないアイテムを見つけてしまいましたですよ。

 こんばんは、小島@監督です。
 で、私の手元に何が来たかと言えばかときちさんセレクトのちゅうカラのロゴが入ったQUOカード。これはさすがに軽率に使うには勿体無い。何かケースに入れて飾っておこうか。

 さて、忙しくてまともに新作が観れていないここ最近。とは言え何か観たいと配信作品を探していたらAmazonプライムで思わぬタイトルを見つけました。というわけで今回の映画は「アビス」です。

 カリブ海ケイマン海溝付近で原子力潜水艦が不可解な形で消息を絶った。アメリカ政府はハリケーンが接近していることを考慮し、近くで稼働していた海底石油プラットフォーム「ディープコア」に協力を依頼し、そこに海軍特殊部隊による調査チームを派遣する。ディープコアのリーダーであるバッド(エド・ハリス)は、プラットフォームの設計者にして別居中の妻でもあるリンジー(メアリー・エリザベス・マストラントニオ)が同行して来ているのを知り、心中穏やかではない。更に調査チームの司令官コフィ大尉(マイケル・ビーン)の高圧的な態度とも衝突しながら調査が始まった。
 しかし襲来したハリケーンによりディープコアはダメージを受け海上との通信も途絶してしまった。海底で孤立したディープコアのメンバーたち。そこで彼らに接触して来たのは、深海に棲息する未知の知的生命体だった。

 「アビス」は1989年に製作された、後に「タイタニック」や「アバター」を手掛けることになるジェームズ・キャメロンが監督した海洋SFアドベンチャーです。物語のベースとなっているのはキャメロンが高校生の頃に書いて短編小説だとか。視覚効果の第一人者であるデニス・ミューレンがVFXを手掛け、同年のアカデミー視覚効果賞を受賞しました。ここでの流体の表現の挑戦が、後年「ターミネーター2」でロバート・パトリックが演じた液体金属型サイボーグ「T-1000」へと昇華することになります。

 映画は、深海に棲息する未知の生命体の存在だけでなく、深海潜水艇同士のチェイスという珍しいシーンが登場するほか、液体呼吸にまつわるトピックが盛り込まれるなどジェームズ・キャメロンの海洋に対する造詣と探究心の深さが窺える、センス・オブ・ワンダー溢れる作品になっています。大半のシーンが海底石油プラットフォームの中で展開し、登場人物の数も限られた密室劇でありながら海の底知れない深さ、広さを感じさせてくれるのも良いですね。
 興味深いのは、海を舞台にしていること、異なる種族とのコンタクトが物語のキーであること、勇気と行動力に溢れるヒロインや猜疑心から暴走する軍人が登場することなど後のキャメロン作品に見られる諸要素が既にこの映画には多く盛り込まれている点です。尺をたっぷりと使うので上映時間が長い(上映版で140分、完全版が171分)こともそうですね(笑)。後年のフィルモグラフィーを思えばアーキタイプのようにも見えます。

 個人的には大好きな作品なのですが、「ターミネーター」「タイタニック」「アバター」が強すぎるせいかそれらと比べると知名度は今ひとつのよう。作品への評価自体は悪くないものの興業的には振るわなかったらしく、「アビス」から2年後の1991年に公開され世界的に大ヒットした「ターミネーター2」の陰に隠れてしまっている印象です。長くTV放送もされていませんですし、DVDも絶版に近い状態。権利関係で何かトラブルでもあったのか未だにBlu-rayが発売されていないと、もう一度観たいなと思いながらも叶わぬ極めて視聴環境の厳しい埋もれかけた作品でしたが、不意に配信で観られることになったのに驚きました。また、2016年頃にキャメロンがBlu-ray化を見越した4Kリマスターを準備している、というニュースが入って以降続報も無いなと思っていたら先頃遂に完成したようで、本国アメリカでは来年初頭にBlu-rayがリリースされるほか、限定公開ながら劇場でのリバイバル上映も実施されるそうです。
 巨匠の監督作品でありながら長く日の目を見ずにいた一本にようやく再発見の時が訪れているようです。せっかくなので日本でもその波に追従して劇場上映して欲しいところですね。

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連日残業で若干過労気味な中、僅かな休みで敢えて東京遠征を敢行してきました。目的地は10ヶ月ぶりの東京ドームです。

 こんばんは、小島@監督です。

 というわけでこの週末東京ドームで開催された「異次元フェスアイドルマスター★♥︎ラブライブ!歌合戦 」をDay2だけ観てきました。本当は両日観たかったのですが、休みが確保できませんでした(苦笑)

 現在多くのフォロワーとなる作品が誕生する原動力となりステージイベントと共に成長してゆくアイドルものをジャンルとして確立したと言って良い「アイドルマスター」と「ラブライブ!」、これまでアニサマやバンナムフェスなどでコラボレーションしたことはありましたが、今回遂に2大タイトルが正面からぶつかり合う大型イベントが実現しました。
 私はアイマスの方が関わりが深くてラブライブはAqoursはともかく虹ヶ咲や蓮の空あたりとかは馴染みが薄かったりするのですが、そうは言ってもこのコラボレーションが生み出す化学反応は現地で体感せねばなりますまいて。

 アイマスからはシンデレラガールズ、ミリオンライブ、シャイニーカラーズが、ラブライブからはAqours、虹ヶ咲、Liella、蓮の空が出演した今回のフェス、オープニングにそれぞれ1曲ずつ披露した後はブロック毎にコンセプトを変え、時には先に披露されたブランドの楽曲の返歌となる曲をもう一方のブランドから持ってくるというような、なるほど「歌合戦」という言葉が相応しい流れを作りつつ、少なくない曲数でコラボレーションを織り込んでくれるまさにここでしか観られない特別なお祭り感を前面に出したセットリストとなっていました。

 私が観たDay2ではシンデレラガールズの「流れ星キセキ」(しかも単独ライブでも久しく観れていないニュージェネレーションズ3人のみでの披露!)とAqoursの「WATER BLUE NEW WORLD」というどちらもTVアニメのクライマックスの重要なシーンで使われたナンバーを1stブロックに持って来たことがまず驚き。初っ端から最終盤のようなエモーショナルな演出を決める一方で、ハンドクラップが楽しいLiellaの「スター宣言」を受けてアイマス側から繰り出されるのが「ウンババウッホッホ」という最高に知能指数の低いコールが続く(何ならネットで検索する時は曲のタイトルよりも「ウンババ」で検索した方が早い)ミリオンライブの「ジャングル⭐︎パーティー」だったりするので、感情の持って行き方が良く分からなくなりもしましたが。

 ライブはアイマスのメンバーがラブライブの「Snow halation」を、ラブライブのメンバーが「M@STERPIECE」を歌う最終盤でクライマックスを迎えます。ラブライブの原点であるμ'sが東京ドームでファイナルライブを開催したのは7年前。ただ年度末の平日開催だったこともあり、私もそうでしたが現地どころかライブビューイングすら観れずに終わった人も多く、ある意味で忘れ物のようになっていました。「M@STERPIECE」の方も劇場版のクライマックスで使われた曲で、かなり長い間ライブで使われなかったことで奇妙に聖域化していたところを昨年765ASの単独ライブで久しぶりに披露されて以降は度々登場するようになり、これでようやく「アイマスを象徴する曲」になり得た気がします。

 また、特筆すべきトピックとしてこのイベントでは東京ドームのスコアボードを上回る超巨大なスクリーンが用意されていたのが印象的で、プロジェクションマッピングと映像演出に秀でた総合演出JUNGO氏の指揮のもと、ダイナミックなスクリーン映像でもって出演者のパフォーマンスを盛り上げます。中でも「さよならアンドロメダ」などは真骨頂とでも言うべき出来栄えで、もうほとんどアートの領域に足を踏み入れているようにも思えました。

 記念碑的なイベントとして伝説となりそうな今回のライブ、忙しい日々が続いてろくに準備もできないままに当日を迎えてしまったことだけが心残りですが、それでも心地良い高揚感に浸れる素晴らしい時間でした。
 これは虹ヶ咲や幻日のヨハネも観るようにしないといけませんな。

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最近異様に忙しくなっているせいか、今日は休みを取っていたというのに出勤するのと同じ時間に跳ねるように起きてしまい朝から苦笑い。ちょっと神経が張っていたようです。
 年内はこんな調子かもなと思うとちょっとげんなり。

 こんばんは、小島@監督です。
 来週はしばらくぶりに東京遠征が待っているのでそこでリフレッシュできると良いなぁ。

 さて、今回の映画は「ナポレオン」です。

 1798年、革命の余波で混乱が続くフランス。その中でナポレオン・ボナパルト(ホアキン・フェニックス)は天才的な軍略で諸外国からの脅威を退け国内での地歩を築きつつあった。やがて最愛の妻ジョセフィーヌ(ヴァネッサ・カービー)を得たナポレオンはますますその権勢欲を強め、遂には皇帝を称するに至った。更にヨーロッパ全土へ版図を広げようとナポレオンは新たな戦役を画策してゆく…

 いわゆるフランス第一帝政と呼ばれる時代を築いた皇帝ナポレオン1世。覇道を突き進む生涯を送った英傑が登場する映画は数多く、早い物では1927年にフランス・サイレント映画界の巨匠アベル・ガンスが実に6時間を超す大作でその生涯を描いた映画「ナポレオン」を製作していたり、1970年にはソ連・イタリア合作でワーテルローの戦いを主題にした「ワーテルロー」が製作されたりした他、同時代を舞台にしたトルストイの小説「戦争と平和」が度々映像化されたりしています。映像作家たちのインスピレーションを刺激し続けてきたとも言える題材に、今回挑むのはリドリー・スコット。「グラディエーター」や「1492コロンブス」「ロビン・フッド」など史劇も数多く手掛けて来た巨匠がまさに大作と呼ぶに相応しいスケールで映像化しました。

 物語はフランス革命以降のナポレオンの業績について著名な事件や戦役を辿るようにポンポンとテンポ良く見せていきます。160分という長尺を持ってしてもそれだけではさながら大河ドラマの総集編のような具合になってしまうところを「ゲティ家の身代金」でリドリー・スコットとタッグを組んだこともある脚本のデヴィッド・スカルパはナポレオンとジョセフィーヌの愛憎が同居する奇妙な関係性にスポットを当て一種のラブストーリーとして見せていきます。
 ナポレオンにとって生涯の運命の人とも言えるジョセフィーヌ、その出会いがナポレオンを飛躍させていきます。しかし2人の関係性は一筋縄ではいきません。欲望の大きいナポレオンと渡り合えるジョセフィーヌがただの女性であるはずもなく、「私がいなければあなたは偉大になれない」と言ってのける強さを持っています。そしてこのセリフこそがこの映画を象徴する一言です。戦役と征服を繰り返すナポレオンは、しかしある理由でジョセフィーヌから離れることを選び、それと共に彼の覇道にも陰りが生じることになります。

 狂気に近い欲望を抱えて時代に君臨するナポレオンを演じるのはホアキン・フェニックス。「ジョーカー」でタイトルロールを演じた彼の名演が鮮烈に焼き付いている方も多いでしょう。今作でも素晴らしいまでの怪演を見せています。そしてそれを受けて立つジョセフィーヌ役はドラマ「ザ・クラウン」でエリザベス女王の妹マーガレットを演じて注目されたヴァネッサ・カービー。直近では「ミッション・インポッシブル/デッドレコニングpart one」でホワイト・ウィドウ役が記憶に新しいですね。この2人の火花散るような演技のマッチアップが映画を牽引します。

 無論それだけではなくヨーロッパ各地で大量のエキストラを動員した大規模なロケを敢行したというハイスケールなショットの数々と凝った衣装や小道具が生み出すゴージャスな映像が生み出すスペクタクルは特筆に値します。
 難点と言えば歴史的な事件や戦争、用語、人物が次々と出てくるにも関わらず「ま、言わなくても分かるでしょ?」とばかりに説明が一切無いこと。ある程度の予備知識は必須。でなければ情報量の多さに振り落とされてしまう人も少なくないでしょう。

 この映画、アメリカ本国ではApple TV+での配信オンリーだとか。これほどのスケールならやっぱりスクリーンで観たいところですし、幸いにも日本では配信に先行する形で劇場公開が実施されています。ちょっとクラシックな雰囲気もありますがこう言った史劇スペクタクル映画も少なくなって来た昨今ではむしろ貴重。この贅沢どうぞスクリーンでご堪能あれ。

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昨日開催されたジャパンカップには実に85,000人の観客が集まったとか。昨年東京競馬場で観覧する機会に恵まれましたが、その時で60,000人くらいだったと聞いています。それでも結構な人出でしたが、昨日は映像見てるともうぎっちり埋まっていて人気の程というか人出の戻り具合が一見して分かるくらい。いや壮観壮観。

 こんばんは、小島@監督です。
 レースはイクイノックスの最強ぶりと全力で逃げを打つパンサラッサに心躍らせる最高の2分20秒でした。国内に敵のいなくなったイクイノックスはそのまま引退してしまうんだろうか。世界に挑む姿を見てみたい気もしますが。

 さて、今回の映画は「駒田蒸留所へようこそ」です。

 ニュースサイトでライターをする高橋光太郎(声・小野賢章)は、仕事に馴染めないままうだつの上がらない日々を送っていた。あるとき上司の安元(声・細谷佳正)からクラフトウィスキー蒸留所を訪ねる連載を任される。嫌々ながら引き受けたその仕事で光太郎は、駒田蒸留所を引き継ぎかつて失われたウィスキー「KOMA」を復活させようと奮闘する駒田琉生(声・早見沙織)と出会う。

 ウィスキーが登場する映画は数あれど、ウィスキー蒸留所を舞台にした映像作品は非常に少ないです。パッと思いつくところですとケン・ローチ監督の「天使の分け前」(2012年)とNHKで放送していた朝の連続テレビ小説「マッサン」(2014年)くらいでしょうか。更にアニメとなると恐らく前例が無いんじゃないかと思います。自分としても仕事に直結する内容のアニメ映画なんて滅多にないですし、もうほとんど力づくで時間を作って観に行きました。
 今作を製作したのは「花咲くいろは」「SHIROBAKO」など特定の職業をフィーチャーした「お仕事シリーズ」を度々世に送り出しているP.A.WORKS。監督はそのP.A.WORKS設立時からのメンバーである吉原正行。90年代初頭からのキャリアがあり原画や絵コンテでの参加作品は多いですが監督作は意外なほど少なく「有頂天家族」くらいで劇場用映画としてはこれが初監督作品だそうです。

 ウィスキーという酒が完成までに非常に長い時間を必要とするように、さすがとしか言いようがないほど丹念なリサーチと主題へのリスペクト、丁寧な仕事の結実を感じさせる作品です。エンドクレジットで協力としてもの凄い数のクラフトウィスキー蒸留所の名前が出てきた時には驚きました。舞台となる駒田蒸留所のディテールの見事さ、地に足の着いた登場人物たち、どれもとても心地良い。「継承」をテーマとした物語に気を衒うようなところは全く無く、あまりに真面目過ぎてむしろ薄味に感じてしまう方もいるでしょうが、題材自体が極めて珍しいものである以上余計なフックは却って不純物になってしまうことを思えばコレで充分と言えます。

 主演である小野賢章、早見沙織を筆頭に変にアニメっぽくないフラットで自然体な演技を出演者たちがしているのも特徴で実写映画的な雰囲気を持っているのも面白いところ。早見沙織はこの映画の主題歌も歌っているのですが、正直最初は誰が歌っているのか分かりませんでした(苦笑)。いや、あんな歌い方もできる方だったとは。

 主舞台である駒田蒸留所は、長野県佐久市あたりに所在するメーカーとして登場しますが、モデルとなっているのは富山県砺波市にある三郎丸蒸留所。マスターブレンダーでありCEOでもある稲垣貴彦さんはこの映画のウィスキー監修も務めています。外観や内装、「ZEMON」というポットスチル(お酒の素とも言えるもろみを蒸留するための銅製の釜のこと)を導入していることなどがほぼそのままであるほか、作中言及される「再建資金の一部をクラウドファンディングで確保した」「他の蒸留所と原酒の交換をした」などのトピックは時系列こそ不動であれ三郎丸蒸留所の来歴で実際にあったことが採用されているようです。この辺り、「true tears」「クロムクロ」「花咲くいろは」などに代表されるように積極的に地場を取り込むP.A.WORKSらしい一面であると言えますね。余談ですがこの「ZEMON」というのは三郎丸蒸留所が高岡銅器を用いた梵鐘製作の老舗である老子(おいご)製作所と共同開発したポットスチルです。

 作中、ウィスキーにかなり長い冬の時代があったことが語られています。大手メーカーも率先して販売促進策を打ちますがなかなか芽が出ず、今のようにウィスキーが人気を獲得するようになるにはハイボールが人気を獲得してその後定着したこともそうですが、ドラマ「マッサン」のヒットが一役買いました。私もあそこで急にウィスキーの売り上げが伸びたのを良く覚えています。さすがに映画では「マッサン」について触れることはなく「ある時期を境に冬が明けてきた」くらいの描写に留まっていますが、この映画が日本ウィスキーの更なる飛躍のきっかけになると良いですね。
 
 作品自体があまり身近では知らないだろうことを平易に語り見せるような作りをしてくれていますが、背景やモチーフに対する知識を得てから観るとまた味わいも深くなる、そう言ったところもウィスキーとの共通項。映画を楽しんで興味が湧いたら、是非一歩踏み込んで調べてみたり、あるいはレストランやバーでウィスキーをオーダーしてみてください。きっと新しい楽しさが待っています。

 

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1日乗車券を片手に地下鉄を乗り回し謎解きを街歩きを楽しむ、「地下迷宮に眠る謎2023」友人と連れ立って挑戦して来ました。街の観光とのタイアップなので難易度はそんなに高くないだろうと思っていたら甘かった(苦笑)。昼過ぎから始めたのですが、日没までに解き切れず最後の部分は解散後に自宅に持ち帰って解く始末。割とガチめのヤツなのでこれからトライする方はだんだん日も短くなりますし午前中から始めることをお薦めします。それと結構歩くので歩きやすい履き物で。あと、途中で一つでもピースを失くすと詰むので都度都度ご確認をお忘れなく。

 こんばんは、小島@監督です。
 とは言え久しぶりの謎解きゲームは楽しかった。次は屋内でやれるヤツにしたいかな(笑)

 さて、今回の映画は「ちびねこトムの大冒険 地球を救え!なかまたち」です。

 夏休み最初の日、トム(声・藤田淑子)と仲間たちは最近山頂で謎の発光が目撃されたり奇妙な音が聞こえたりと怪現象が相次いだピント山へ探検に向かう事にした。山頂にたどり着いたトム達は、そこで突如発光した巨石に飲み込まれてしまう。そこには地球の精霊チキ(声・坂本千夏)がいた。チキが言うには分裂した自身のかけらと一つにならなければ地球が滅びてしまうと言うのだが。

 2013年に58歳で死去したアニメ作家、中村隆太郎。出崎統監督作品の原画や佐藤順一監督作品の絵コンテなどを手掛け、1994年に宮沢賢治の小説をアニメ化した「グスコーブドリの伝記」で監督デビュー。「serial experiment lain」(1996年)で国内外で高い評価を集めました。先鋭的な映像表現の担い手で、作家色の強い作品を生み出すアニメーターだったと言えるでしょう。その同氏が「グスコーブドリの伝記」より前の1992年に完成させながらお蔵入りとなった本当の意味での初監督作品、それが「ちびねこトムの大冒険」です。「アニメ関係者ですら観た者は少ない」と言われるほどの幻の1本で、ミニシアターでの限定上映とは言え劇場公開にまで漕ぎ着けたのは中村隆太郎没後の2014年。その後もソフト化や配信にも乗ることはなく、鑑賞するには散発的なTV放送かミニシアターなどでの単独上映を期待するしかないという代物です。今回、大須シネマにて2週間ロードショーされる事になり、それを利用してこの幻の作品を観てきました。

 飯野真澄の手による児童文学を原作にしたこのアニメは、80分とそれほど長くない上映時間ですが、実に60,000枚という作画枚数を投入して作られました。キャラクターデザインは後年中村と共にPSソフト「ポポロクロイス物語」のアニメシーンにも参加した大橋学、作画に参加したアニメーターの中には後に「人狼」を手掛けた沖浦啓之などもいます。音楽に川井憲次、音響監督に斯波重治、美術監督に小倉宏昌と「機動警察パトレイバー」の主要スタッフが並び、キャストも藤田淑子、坂本千夏以下は野沢雅子、高山みなみ、かないみか、中尾隆聖、大塚明夫、飛田展男ら錚々たるメンバーです。これでもお蔵入りとなって20年以上日の目を見ることなく埋もれていたあたりに時の運の難しさを感じさせます。

 子供向けファンタジーらしい穏やかな語り口のイントロから、突如地球の命運を懸けた冒険へ出ることになるトムたち。作画の妙は前半は細かなキャラクターの芝居に、後半はダイナミックなアクションに、それぞれふんだんに投入された枚数でもって画面の迫力を支えます。後に「lain」で見せるアバンギャルドな映像表現の片鱗も既に現れているほか、終盤にはまるで「名探偵コナン」を先取りしたようなスケボーアクションまで登場します。どのシーンもそれほど主張は強くないのですが、少し注意して観るだけで実に贅沢な作りをしていることが分かるはず。
 メッセージ性が強すぎて今観るには少し気恥ずかしさもありますが、声優陣の見事な演技も手伝って重厚さすら漂う余韻を残す一本です。

 この出来栄えでも埋もれることがある、という時の不思議さを噛み締めてしまう一本。これを逃すと次はいつになるか分からないのでお時間のある方は是非どうぞ。
 


 

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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
 今回は数年ぶりに会えて話せた人たちが何人もいて何だか嬉しくなりました。こういう時間は良いですね。
 後はお笑いユニットの「東京03」を熱心に薦められました。お笑い、興味はあるもののイマイチ取っ掛かりを掴めずにいたのでまずはそこから行ってみましょうか(笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 とかやってたら今期イチオシの「16bitセンセーション」をあまり布教できずに終わってしまったのが若干の心残り(苦笑)。

 さて、今回の映画は「SISU/不死身の男」です。

 第二次世界大戦末期、ソ連やナチス・ドイツの侵攻により国中が焦土と化しつつあったフィンランド。そこに愛犬と共に旅する1人の老人がいた。掘り当てた金塊を抱えて旅する老人はその道中でナチスの戦車隊と遭遇してしまう。老人が金塊を持っていることを知ったナチスたちは老人を殺して金塊を手にしようとする。しかし老人の予想外の反撃により兵士たちは次々と葬り去られて行った。やがて戦車隊の者たちは知る。その老人がかつてたった1人で300人以上のソ連兵を抹殺した伝説の兵士アアタミ・コルピ(ヨルマ・トンミラ)であることを。

 アクションだったりホラーだったり料理の仕方次第でジャンルとしては分けられるものの、ストーリーの基本骨子が「絶対に怒らせちゃいけない人をキレさせた」系映画は洋の東西を問わず広く作られています。最近では「ジョン・ウィック」や「イコライザー」もこの部類に入るでしょう。北欧の雄フィンランドから、そんな映画の新たな傑作が登場しました。

 「荒野・金塊・軍隊・アウトロー」と西部劇のようなキーワードが並ぶプロットはあくまでシンプル、唸ったり叫んだりはあれど主人公アアタミの本編中のセリフは僅か二言という切り詰められた脚本、過ぎるくらいに単純明快な物語です。
 この映画がひと味違うのはその単純明快さに迷いが無いこと、映画としての味わいをバイオレンス描写に振り切ったことにあります。地雷を食らっても火あぶりになっても首を吊られても死なない老人アアタミの超人ぶりと一緒にいるのにこちらもやっぱり何だかんだ死なない愛犬ウッコ、しかもアアタミは武器をその場その場で調達したりはするもののメインに使うのはツルハシ1本。そんなアアタミが軍隊相手に無双する姿を激烈なほどスピーディーに見せる異様なドライブ感こそこの映画の最大の魅力です。振り返る暇などありません。良く思いついたなコレ!?と言いたくなるアクションとシチュエーションの数々を全く出し惜しみする気の無いボリュームで畳みかけ、それは最早高度なギャグの領域。興奮と笑いが同時波状攻撃で襲い掛かってくる90分を観客は目撃する事になります。

 アアタミの問答無用の殺戮ぶりにちょっと快感すら覚えてしまう、このアドレナリン全開ぶりはもう観てもらわないと伝わりそうにありません。気になっている方は何とか時間捕まえて観に行ってしまいましょう。
 コイツはヤバい。
 あとせっかくなら応援上映もプリーズ。

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昨日一昨日と福岡で開催されていた「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 10thLIVE TOUR Act-3 R@ISE THE DREAM!!!」をDay2のみ配信で観ていました。現在放送中のアニメでクライマックスに展開する1stライブと同じタイトルを冠したこのイベントでは、アニメをコンセプトに文字通り「このシアターでこのアイドル達が1stライブをするならこんな感じ」という印象で、セットリストの半分は先輩達である765ASのカバーという、もう良い加減古参になって来た私を一直線で狙い撃ちにくる並びに見事に撃沈されておりました。

 こんばんは、小島@監督です。
 10周年を締め括る来年2月のツアーファイナルでは遂に39人全員が出演することが発表され、これは何としても観に行かねばなるまいて。

 さて、今回の映画は「ゴジラ-1.0」です。

 1945年、大戸島の守備隊基地に敷島(神木隆之介)が駆る零戦が着陸した。機体の不調を訴えてのものだったが、整備士長の橘(青木崇高)は機体にどこも不具合を見つけられず、敷島が何かを隠していることを勘付く。
 その日の夜、基地が突如恐竜に似た怪獣「呉爾羅」の襲撃を受け敷島と橘を残して全滅してしまった。
 戦後、心に傷を負った敷島は給料は良いが危険度の高い残存機雷掃海の仕事に就いていた。その頃、太平洋上で米国の船舶が正体不明の巨大な生物に襲撃される事故が相次いで発生していた…

 圧巻。まさにその言葉が相応しい。
 来年シリーズ70周年というメモリアルイヤーを迎える「ゴジラ」、更に国内製作30本目のアニバーサリーとなる作品が遂に公開です。これまでゴジラシリーズは第1作が製作された1954年を起点にしていることがほとんどでしたが、今作ではそれより前の時代を舞台に描かれる初めての作品となります。監督はVFXを駆使した映画を第一線で作り続けてきた山崎貴。「ALWAYS三丁目の夕日」「永遠の0」などで度々昭和の時代を舞台として来たこと、「DESTINY鎌倉ものがたり」「ゴーストブックおばけずかん」などで超自然的なものを描いて来たこと、そして「ゴジラTHE RIDE」で短編ながらゴジラを描いた経験、それらフィルモグラフィーの全てを注ぎ込んだかのような一本となっています。

 何を置いても映像の迫力が尋常じゃない1本です。
 予算規模で行ったら1/10にも満たないでしょうがハリウッドの大作映画にもタメを張れる画が全編に渡り展開します。中でもゴジラ登場シーンの大半を占める海洋でのシークエンスの数々はちょっとどうかしている出来の良さで、CGが変に浮いたようなところなど微塵も無くVFXの技術の進歩と熟練のスタッフがそれを扱うことの凄みを如実に見せてくれます。

 「シン・ゴジラ」では東日本大震災に代表される天災の象徴であり、それ故に生存本能以外の意思を感じない無機質さでやって来てただ街に踏み入りただ破壊して行く恐ろしさがありましたが、今作のゴジラは戦争の呪いの化身そのもので、人間に対し憎悪や殺意を感じさせる存在です。人間を遥かに超越した存在が明確な殺意を持って破壊の限りを尽くし街を蹂躙する。「シン・ゴジラ」とは別種の恐怖を描いています。これが、トラウマとサバイバーズギルトに苦しむ青年・敷島を軸とする人間ドラマと絶妙に噛み合うことで物語をダイナミックなものにしています。
 その人間ドラマ、一見するとベタでもあり陳腐に映ってしまう瞬間もあったり、変なところで穴というかツッコミどころみたいなものも多いのですが、主演神木隆之介の演技がとにかく素晴らしいの一言で、強い説得力でもって映画の魅力を底上げしてくれていて、決して怪獣のただの添え物になっていません。物語やセリフへの解釈、演技プランを含め、監督の予想を超えて来た部分もあったのではないでしょうか。浜辺美波、佐々木蔵之介、吉岡秀隆、安藤サクラ、山田裕貴ら共演陣の演技も見事で、ゴジラが出てきていない部分は良くできた王道の日本映画という印象です。現代日本を舞台にしたポリティカルフィクションで「官」が戦う物語でもあった「シン・ゴジラ」とここでも好対照で、国家が機能不全状態に陥り軍も力を失っていた戦後すぐを舞台に、心も体も傷を負ったボロボロの「個」がそれでも奮起し「生」を希求する物語が、ゴジラという絶対的な絶望を前に輝きを放つのです。

 伏線の張り方も分かりやすく、容易に結末が予想できてしまうのも難点とは言えますが、王道とは裏を返せばそれだけ観るためのハードルが低い証拠です。予想を裏切るのではなく予想の先を行く。最も難しい道をこの映画は選び、そして最高の場所へ辿り着きました。何よりこの圧倒的なスペクタクルはスクリーンで味わなければ勿体無い。
 これは怪獣映画の一つの到達点だ。

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