先日ツイッター上で展開されたネタに「私のイメージCVは誰ですか?」をフォロワーさんに」聞くというのがあり、ちょっと乗っかってみたところ、来た返答が
小山力也、遊佐浩二、石田彰
幅広っ!全体的に説明キャラ的な雰囲気が漂う以外はまるで別ベクトルの声色です。
実はこの中で遊佐浩二だけは以前にも「声質が近い」と人に言われた事があり、今回もその名前が出たのでやっぱり近いのかな、という気がしましたね。
こんばんは、小島@監督です。
こういう質問で人のイメージを聞いてみるのもちょっと面白い。
さて、今回の映画は主演のマシュー・マコノヒーが先ごろアカデミー主演男優賞を獲得した「ダラス・バイヤーズ・クラブ」です。
1980年代半ば、テキサス。電気技師でありロデオカウボーイでもあるロン・ウッドルーフ(マシュー・マコノヒー)は、連夜に渡り数多くの女性とのSEXを楽しんでいた。
ある日自宅であるトレーラーハウスに戻ったロンはそこで昏倒し次に目覚めた時には病院のベッドだった。そこでロンは自身がHIVウィルスに感染し余命30日を宣告される。
生き延びたい一心で死に物狂いに勉強するロンだったが、アメリカの承認薬の少なさに絶望し、代替薬を求めてメキシコへ渡る。メキシコで医師バス(グリフィン・ダン)から薬品と共に利権に絡むFDA(アメリカ食品医薬品局)の実態を聞かされたロンは代替薬の密輸を思いつき、入院中に知り合ったレイヨン(ジャレッド・レト)と共に未承認薬品提供組織「ダラス・バイヤーズ・クラブ」を立ち上げるのだった。
80年代後半に実在した密輸組織とその発起人であったロン・ウッドルーフの後半生を虚実ないまぜにして描く物語です。
80年代はエイズの研究がようやく緒に就いたばかりで理解が現在ほどに無く、誤解と偏見が蔓延していた時期であり、またロック・ハドソン(1925年~1985年。「武器よさらば」「ジャイアンツ」などに出演した俳優。著名人として世界で初めてエイズ患者である事を公表した。)HIV感染と共にゲイであることを告白した事も「エイズ=ゲイ・レズの病気」という偏見に拍車を掛けました。この偏見は日本にも伝播し、オカマキャラに「エイズが移る」と揶揄する漫画も存在しました(読んだ覚えがあるけどタイトルまでは覚えてない)。保守層が強い南部テキサスではなおの事で、ロンがエイズと判明するやそれまでの友人は全てロンを「ゲイ野郎」と罵って離れて行き、電気技師の職まで失ってしまいます。
ロン自身もホモフォビア(同性愛嫌い)でしたが、ダラス・バイヤーズ・クラブのビジネスパートナーであるゲイのレイヨンとの関わりの中、性的マイノリティーへ向ける眼差しに少しずつ変化が現れるのがこの映画の見どころの一つになっています。
自身や組織の客の延命の為にメキシコを始めとした国々で低負担な未承認薬を追い求めるロンは、当然FDAやFBIに目を付けられる事になり、彼らの目をいかにかいくぐって薬を持ち込むかというレジスタンス的戦いも大きなポイントです。最終的に法廷闘争にまで発展する中、それでも自身のスタイルを曲げずに政府に向かって啖呵切ってみせるロンの姿はまさに不屈のカウボーイと言った趣です。
作中でも重要な位置づけにあるFDA認可の抗エイズ薬「AZT」は、しかし早い段階から強い副作用が知られていて低負担な薬品の早期承認を求める声が上がり、ロンのように密売組織を結成する者や激烈な政治活動を行う者が現れました。
映画は基本的にロンの視点で描かれ、俯瞰的な情報は少ないのである程度エイズについての沿革を予備知識として得ておくか、パンフレットを購入しておく方が良いかもしれません。
俳優の話に移るとアカデミー賞を受賞したマシュー・マコノヒーももちろんですが、ノミネートどまりだったとは言えレイヨン役のジャレッド・レトも目を引きます。両者ともエイズ患者を演じるためにクリスチャン・ベールみたいな減量をして臨んでおり、特にマコノヒーの病状が進むにつれてだんだん痩せて行くという神業には驚く以外ありません。
この作品、現代の実話を描いた物語ではありますが、死にゆく者が最後の輝きを見せるメロドラマというよりただの刹那的なチンピラが最終的に政府と真っ向戦いを挑む真のカウボーイへと変わりゆくさまを描くタフな成長譚です。
感動的な話で泣きたいというより、ロックな魂を感じて奮い立たせたい方にこそおすすめしたい1本。バーボンと共にどうぞ(笑)
小山力也、遊佐浩二、石田彰
幅広っ!全体的に説明キャラ的な雰囲気が漂う以外はまるで別ベクトルの声色です。
実はこの中で遊佐浩二だけは以前にも「声質が近い」と人に言われた事があり、今回もその名前が出たのでやっぱり近いのかな、という気がしましたね。
こんばんは、小島@監督です。
こういう質問で人のイメージを聞いてみるのもちょっと面白い。
さて、今回の映画は主演のマシュー・マコノヒーが先ごろアカデミー主演男優賞を獲得した「ダラス・バイヤーズ・クラブ」です。
1980年代半ば、テキサス。電気技師でありロデオカウボーイでもあるロン・ウッドルーフ(マシュー・マコノヒー)は、連夜に渡り数多くの女性とのSEXを楽しんでいた。
ある日自宅であるトレーラーハウスに戻ったロンはそこで昏倒し次に目覚めた時には病院のベッドだった。そこでロンは自身がHIVウィルスに感染し余命30日を宣告される。
生き延びたい一心で死に物狂いに勉強するロンだったが、アメリカの承認薬の少なさに絶望し、代替薬を求めてメキシコへ渡る。メキシコで医師バス(グリフィン・ダン)から薬品と共に利権に絡むFDA(アメリカ食品医薬品局)の実態を聞かされたロンは代替薬の密輸を思いつき、入院中に知り合ったレイヨン(ジャレッド・レト)と共に未承認薬品提供組織「ダラス・バイヤーズ・クラブ」を立ち上げるのだった。
80年代後半に実在した密輸組織とその発起人であったロン・ウッドルーフの後半生を虚実ないまぜにして描く物語です。
80年代はエイズの研究がようやく緒に就いたばかりで理解が現在ほどに無く、誤解と偏見が蔓延していた時期であり、またロック・ハドソン(1925年~1985年。「武器よさらば」「ジャイアンツ」などに出演した俳優。著名人として世界で初めてエイズ患者である事を公表した。)HIV感染と共にゲイであることを告白した事も「エイズ=ゲイ・レズの病気」という偏見に拍車を掛けました。この偏見は日本にも伝播し、オカマキャラに「エイズが移る」と揶揄する漫画も存在しました(読んだ覚えがあるけどタイトルまでは覚えてない)。保守層が強い南部テキサスではなおの事で、ロンがエイズと判明するやそれまでの友人は全てロンを「ゲイ野郎」と罵って離れて行き、電気技師の職まで失ってしまいます。
ロン自身もホモフォビア(同性愛嫌い)でしたが、ダラス・バイヤーズ・クラブのビジネスパートナーであるゲイのレイヨンとの関わりの中、性的マイノリティーへ向ける眼差しに少しずつ変化が現れるのがこの映画の見どころの一つになっています。
自身や組織の客の延命の為にメキシコを始めとした国々で低負担な未承認薬を追い求めるロンは、当然FDAやFBIに目を付けられる事になり、彼らの目をいかにかいくぐって薬を持ち込むかというレジスタンス的戦いも大きなポイントです。最終的に法廷闘争にまで発展する中、それでも自身のスタイルを曲げずに政府に向かって啖呵切ってみせるロンの姿はまさに不屈のカウボーイと言った趣です。
作中でも重要な位置づけにあるFDA認可の抗エイズ薬「AZT」は、しかし早い段階から強い副作用が知られていて低負担な薬品の早期承認を求める声が上がり、ロンのように密売組織を結成する者や激烈な政治活動を行う者が現れました。
映画は基本的にロンの視点で描かれ、俯瞰的な情報は少ないのである程度エイズについての沿革を予備知識として得ておくか、パンフレットを購入しておく方が良いかもしれません。
俳優の話に移るとアカデミー賞を受賞したマシュー・マコノヒーももちろんですが、ノミネートどまりだったとは言えレイヨン役のジャレッド・レトも目を引きます。両者ともエイズ患者を演じるためにクリスチャン・ベールみたいな減量をして臨んでおり、特にマコノヒーの病状が進むにつれてだんだん痩せて行くという神業には驚く以外ありません。
この作品、現代の実話を描いた物語ではありますが、死にゆく者が最後の輝きを見せるメロドラマというよりただの刹那的なチンピラが最終的に政府と真っ向戦いを挑む真のカウボーイへと変わりゆくさまを描くタフな成長譚です。
感動的な話で泣きたいというより、ロックな魂を感じて奮い立たせたい方にこそおすすめしたい1本。バーボンと共にどうぞ(笑)
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