この春に公開になる仮面ライダー映画に実に38年ぶりに藤岡弘が出演する事になったとか。
正直なところ、ここ数年のライダー映画はあまり惹かれなくてTVで放送されたりでもしない限りほとんどスルーしていたのですが、この切り札を持ってきたとなれば出来がどうとか言わずにもう観に行くしかない感じがします。
こんばんは、小島@監督です。
「仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊」は3月29日公開予定。
さて、今回の映画はドキュメンタリー映画「バック・コーラスの歌姫〈ディーバ〉たち」です。
多くの観客を魅了せずにおかないスターたちのステージやその楽曲を収録したCD、大抵そこにはバックコーラスを担う人々がいる。
超一流の実力を持ちながらも、スポットライトを浴びる事無くパンフレットなどにクレジットされることも少ないバックコーラスシンガーたち。
そんな彼女たちと彼女らと共に仕事をこなし、リスペクトを忘れないブルース・スプリングスティーンやベット・ミドラー、スティーヴィー・ワンダーらへのインタビューをもとに構成された、誰もがその声を耳にしながらその名を知られていない人々にスポットライトを当てたドキュメンタリー。
上手く言い表せませんが、非常に意義深いドキュメンタリーです。次々登場する名曲の数々に騙されてるだけかもしれませんが(笑)、本当に面白い映画です。良く知ってる曲の中にはつい口ずさんでいるのはメインの歌詞ではなくコーラスの旋律の方だったりする曲はありませんか?その旋律を歌い上げた人たちの物語です。
何より原題「20FEET FROM STARDOM(直訳して「スターまでの20フィート)」が彼女らの境遇を象徴的に物語っています。
スターに憧れ1度はチャンスを掴むものの、結局売れずに挫折して転職したり、傲慢なプロデューサーに騙され別人の曲としてリリースされて名前が売れる機会を与えられず結局失業し家政婦に転身した者がいるかと思えば、スターダムに手の届く距離にいながら華美な世界につきものの煩わしさを嫌い、バックコーラス一筋に生きる事を選び、一流のアーティスト達から多大なリスペクトを浴びる者がいたりと、彼女たちの生き様も様々です。スターになれなかった彼女らの苦労譚がこの映画の肝の一つと言えます。
しかし、この映画のスタンスは「スターと呼ばれるには何かが足りなかった」だけで、バックコーラスシンガーたちを決して敗者だとは捉えていません。いわゆるランキング的な勝敗などとはもっと別のところ、ひたすらに「音楽」を愛した者たちの生き方を描き出している所こそが重要です。
そんな彼女らの現在につながる存在としてジュディス・ヒルが終盤のメインに登場するのが印象的です。
ジュディス・ヒルの名に聞き覚えが無くともマイケル・ジャクソンが生前「THIS IS IT」でデュエット相手に抜擢し、その追悼式で「heal the world」を歌い上げて世界の注目を浴びた女性、と言えば覚えのある方もいるでしょう。あれほど注目された後も彼女はまだスターの座には届いてはいません。ソロ歌手を目指す傍らスティーヴィー・ワンダーのバックコーラスを務めたりしています。
ラスト、ジュディス・ヒルとそれまでに登場したコーラスのメンバーがセッションする映像がこの映画のクライマックスです。
この映画のもう一つのポイントは、年代ごとに脚光を浴びる者たちや、求められる音楽のジャンルが変われどその後ろで歌っていた彼女ら、あるいはともに仕事をした者たちの言葉はそのまま現代音楽史を形作る事になっている点です。特にアメリカでは近年1960~70年代のポップス黄金期を形作った者たちの証言を映像で残そうという動きが強まっていて、この映画もその流れの中で製作された物なのでしょう。
音楽の素晴らしさと人生への普遍的な教訓に満ちたこの映画は、観る者の心にきっと何かを残してくれる素敵な作品です。ドキュメンタリーなんて堅苦しいとか思わず、多くの人に観て欲しい映画ですね。
正直なところ、ここ数年のライダー映画はあまり惹かれなくてTVで放送されたりでもしない限りほとんどスルーしていたのですが、この切り札を持ってきたとなれば出来がどうとか言わずにもう観に行くしかない感じがします。
こんばんは、小島@監督です。
「仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊」は3月29日公開予定。
さて、今回の映画はドキュメンタリー映画「バック・コーラスの歌姫〈ディーバ〉たち」です。
多くの観客を魅了せずにおかないスターたちのステージやその楽曲を収録したCD、大抵そこにはバックコーラスを担う人々がいる。
超一流の実力を持ちながらも、スポットライトを浴びる事無くパンフレットなどにクレジットされることも少ないバックコーラスシンガーたち。
そんな彼女たちと彼女らと共に仕事をこなし、リスペクトを忘れないブルース・スプリングスティーンやベット・ミドラー、スティーヴィー・ワンダーらへのインタビューをもとに構成された、誰もがその声を耳にしながらその名を知られていない人々にスポットライトを当てたドキュメンタリー。
上手く言い表せませんが、非常に意義深いドキュメンタリーです。次々登場する名曲の数々に騙されてるだけかもしれませんが(笑)、本当に面白い映画です。良く知ってる曲の中にはつい口ずさんでいるのはメインの歌詞ではなくコーラスの旋律の方だったりする曲はありませんか?その旋律を歌い上げた人たちの物語です。
何より原題「20FEET FROM STARDOM(直訳して「スターまでの20フィート)」が彼女らの境遇を象徴的に物語っています。
スターに憧れ1度はチャンスを掴むものの、結局売れずに挫折して転職したり、傲慢なプロデューサーに騙され別人の曲としてリリースされて名前が売れる機会を与えられず結局失業し家政婦に転身した者がいるかと思えば、スターダムに手の届く距離にいながら華美な世界につきものの煩わしさを嫌い、バックコーラス一筋に生きる事を選び、一流のアーティスト達から多大なリスペクトを浴びる者がいたりと、彼女たちの生き様も様々です。スターになれなかった彼女らの苦労譚がこの映画の肝の一つと言えます。
しかし、この映画のスタンスは「スターと呼ばれるには何かが足りなかった」だけで、バックコーラスシンガーたちを決して敗者だとは捉えていません。いわゆるランキング的な勝敗などとはもっと別のところ、ひたすらに「音楽」を愛した者たちの生き方を描き出している所こそが重要です。
そんな彼女らの現在につながる存在としてジュディス・ヒルが終盤のメインに登場するのが印象的です。
ジュディス・ヒルの名に聞き覚えが無くともマイケル・ジャクソンが生前「THIS IS IT」でデュエット相手に抜擢し、その追悼式で「heal the world」を歌い上げて世界の注目を浴びた女性、と言えば覚えのある方もいるでしょう。あれほど注目された後も彼女はまだスターの座には届いてはいません。ソロ歌手を目指す傍らスティーヴィー・ワンダーのバックコーラスを務めたりしています。
ラスト、ジュディス・ヒルとそれまでに登場したコーラスのメンバーがセッションする映像がこの映画のクライマックスです。
この映画のもう一つのポイントは、年代ごとに脚光を浴びる者たちや、求められる音楽のジャンルが変われどその後ろで歌っていた彼女ら、あるいはともに仕事をした者たちの言葉はそのまま現代音楽史を形作る事になっている点です。特にアメリカでは近年1960~70年代のポップス黄金期を形作った者たちの証言を映像で残そうという動きが強まっていて、この映画もその流れの中で製作された物なのでしょう。
音楽の素晴らしさと人生への普遍的な教訓に満ちたこの映画は、観る者の心にきっと何かを残してくれる素敵な作品です。ドキュメンタリーなんて堅苦しいとか思わず、多くの人に観て欲しい映画ですね。
PR
この記事にコメントする