春先から進めていたDS版「ドラクエ6」がようやく一段落したので、先日からVita版「フォトカノkiss」を始めました。
いわゆる「ギャルゲー」をプレイするのは久しぶりで煩悩丸出しの展開に時にニヤニヤしたり時にちょっと引いたりしています(笑)
ただ、「フォトカノ」はアニメから入ってしまったせいか、キャストの演技が個別収録なのでどうしてもちょっと固く感じてしまうのが残念ですね。特に緑川光演じる写真部部長はアニメの伸び伸びとした演技を聞いた後だと何か物足りない感じです。
こんばんは、小島@監督です。
ところで「シュタインズゲート」はギャルゲーのカテゴリーに入るんでしょうかね?
さて、今回の映画は「映画クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」などで知られる原恵一が初めて実写映画に挑んだ「はじまりのみち」です。
この映画は「二十四の瞳」「楢山節考」などの数々のヒット作を生み出した昭和を代表する映画監督木下恵介を主人公に、木下が昭和30年に新聞に寄稿したコラムをベースにした作品となっています。
1945年、映画界では政府から戦意高揚のための国策映画製作を要求されていた。木下恵介(加瀬亮)は1944年に監督した「陸軍」がその役割を果たしていないと当局から睨まれ次回作の製作を中止に追い込まれてしまう。すっかり嫌気の差した木下は松竹に辞表を提出して脳溢血で倒れ寝たきりとなった母親・たま(田中裕子)の世話を見るため郷里の浜松に帰ってきた。
しかしその浜松も空襲に遭い、木下は山間の村への疎開を決意する。
寝たきりの母の容態を考え、バスの振動を嫌った木下は2台のリヤカーを用意し、1台に母を、もう1台に身の回りの品を乗せ兄・敏三(ユースケ・サンタマリア)と雇った便利屋(濱田岳)との3人で徒歩で山越えを図るのだった。
これは木下たちが疎開先へたどり着くまでの数日間の物語…。
物語の大部分をリヤカーで母を運ぶ道中の描写に費やした非常にシンプルなプロットの映画です。しかし監督と同時に脚本も兼任した原恵一は戦後の木下の創作活動の原点をこの数日間にこそあると見定め、失意の内に帰郷した木下の再生の物語としても描き出し見応えのある映画を作り上げました。
俳優陣の演技も見事で、ひ弱に見えて頑固な木下恵介を演じる加瀬亮はもちろん、寝たきりで言葉も上手く聞けなくなった母・たまを演じる田中裕子のただ寝てるだけなのに感じられる絶対的な存在感にも驚かされますし、作中のコメディリリーフでもある便利屋を演じる濱田岳のノリの良い演技が静かなトーンのこの作品に程良いアクセントを加えてくれます。
この映画のユニークな点は、96分の上映時間中実に5分の1に当たる20分ほどを木下映画のアーカイブス映像で構成した点です。このアーカイブス映像の使い方にぜひ注目していただきたいですね。本編中の演出もさることながらこのアーカイブス映像の使い方にこそ原恵一演出の手腕の真骨頂が味わえるといっても過言ではありません。
私は木下作品は「二十四の瞳」くらいしか観た事無かったのですが、他の作品(特に作中でもクローズアップされる「陸軍」とか)も観てみたくなりましたね。
「はじまりのみち」は日本映画の底力を感じさせてくれる作品です。実のところ、この映画題材が題材なだけに観客の大半がお爺ちゃんお婆ちゃんというプリキュアとは別の意味でアウェイな気分を味わいましたが、そのハードルを何とか超えてもらってもっともっと多くの方に観て欲しい映画ですね。
いわゆる「ギャルゲー」をプレイするのは久しぶりで煩悩丸出しの展開に時にニヤニヤしたり時にちょっと引いたりしています(笑)
ただ、「フォトカノ」はアニメから入ってしまったせいか、キャストの演技が個別収録なのでどうしてもちょっと固く感じてしまうのが残念ですね。特に緑川光演じる写真部部長はアニメの伸び伸びとした演技を聞いた後だと何か物足りない感じです。
こんばんは、小島@監督です。
ところで「シュタインズゲート」はギャルゲーのカテゴリーに入るんでしょうかね?
さて、今回の映画は「映画クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」などで知られる原恵一が初めて実写映画に挑んだ「はじまりのみち」です。
この映画は「二十四の瞳」「楢山節考」などの数々のヒット作を生み出した昭和を代表する映画監督木下恵介を主人公に、木下が昭和30年に新聞に寄稿したコラムをベースにした作品となっています。
1945年、映画界では政府から戦意高揚のための国策映画製作を要求されていた。木下恵介(加瀬亮)は1944年に監督した「陸軍」がその役割を果たしていないと当局から睨まれ次回作の製作を中止に追い込まれてしまう。すっかり嫌気の差した木下は松竹に辞表を提出して脳溢血で倒れ寝たきりとなった母親・たま(田中裕子)の世話を見るため郷里の浜松に帰ってきた。
しかしその浜松も空襲に遭い、木下は山間の村への疎開を決意する。
寝たきりの母の容態を考え、バスの振動を嫌った木下は2台のリヤカーを用意し、1台に母を、もう1台に身の回りの品を乗せ兄・敏三(ユースケ・サンタマリア)と雇った便利屋(濱田岳)との3人で徒歩で山越えを図るのだった。
これは木下たちが疎開先へたどり着くまでの数日間の物語…。
物語の大部分をリヤカーで母を運ぶ道中の描写に費やした非常にシンプルなプロットの映画です。しかし監督と同時に脚本も兼任した原恵一は戦後の木下の創作活動の原点をこの数日間にこそあると見定め、失意の内に帰郷した木下の再生の物語としても描き出し見応えのある映画を作り上げました。
俳優陣の演技も見事で、ひ弱に見えて頑固な木下恵介を演じる加瀬亮はもちろん、寝たきりで言葉も上手く聞けなくなった母・たまを演じる田中裕子のただ寝てるだけなのに感じられる絶対的な存在感にも驚かされますし、作中のコメディリリーフでもある便利屋を演じる濱田岳のノリの良い演技が静かなトーンのこの作品に程良いアクセントを加えてくれます。
この映画のユニークな点は、96分の上映時間中実に5分の1に当たる20分ほどを木下映画のアーカイブス映像で構成した点です。このアーカイブス映像の使い方にぜひ注目していただきたいですね。本編中の演出もさることながらこのアーカイブス映像の使い方にこそ原恵一演出の手腕の真骨頂が味わえるといっても過言ではありません。
私は木下作品は「二十四の瞳」くらいしか観た事無かったのですが、他の作品(特に作中でもクローズアップされる「陸軍」とか)も観てみたくなりましたね。
「はじまりのみち」は日本映画の底力を感じさせてくれる作品です。実のところ、この映画題材が題材なだけに観客の大半がお爺ちゃんお婆ちゃんというプリキュアとは別の意味でアウェイな気分を味わいましたが、そのハードルを何とか超えてもらってもっともっと多くの方に観て欲しい映画ですね。
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