今月から始まった大河ドラマ「八重の桜」に主人公・八重の父親役で松重豊が出演してるのですが、「孤独のグルメ」の印象が強すぎて食事のシーンとかゴローちゃんにしか見えません(苦笑)
井之頭五郎は鮮烈過ぎた。
こんばんは、小島@監督です。
そう言えば今回で通算50回目の更新です。こんな駄文に50回もお付き合いいただきありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
さて、今回の映画はタイムトラベルをアイディアに盛り込んだSFアクション映画「LOOPER/ルーパー」です。
タイムトラベルが実用化された近未来、犯罪組織は証拠を残さず抹殺したいターゲットを過去に送り込み、事前に過去に派遣された幹部が組織した「ルーパー」と呼ばれる処刑執行人に抹殺を依頼していた。
主人公・ジョー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)もそんなルーパーの一人。
ある日ジョーのもとに送り込まれてきたのは30年後の老いた自分自身(ブルース・ウィリス)だった。
ジョーが一瞬躊躇した隙にオールド・ジョーに殴り倒され逃走されてしまう。
このままでは組織に消されてしまうジョーは、逃亡するオールド・ジョーの追跡を開始するのだった。
とにもかくにもこの映画、「ルーパー」というアイディアが秀逸の一言。
予告編などの事前情報ではてっきり何かの手違いでジョーの元に未来の自分が送り込まれてきたのかと思ったら、何とルーパーは最終的に「30年後の自分を殺すことでその仕事を完遂する」事を宿命づけられている職業なのだと最初に呈示され、「ループを閉じる」と作中で語られるその宿命を経たルーパー達は莫大な報酬を手に入れ、自分に殺されるまでの残り30年を生きることになります。
タイムパラドックスを扱った作品としては今年映画も公開される予定の「シュタインズゲート」が近年の中では頭一つ抜けた出来ですが、豊富なテキストで緻密に練り上げた「シュタゲ」に対してこの「LOOPER」は恐ろしく雑で荒っぽくて強引です(笑)。それこそ作中で「タイムトラベルについては複雑すぎて語りたくない」なんて身も蓋も無いセリフが登場する有様です。
しかし、最初にルーパー達の非情な宿命を示した事が上手い具合に雑な部分をカバーしてくれています。
また、荒っぽいとは言えタイムパラドックスをセリフ以上に映像や演出で表現しようとしたアイディアの数々がなかなかどれも冴えていてサスペンス的な緊張感を増す事にも繋がっていて見どころは多いです。
ちょっとツボったのはジョーがオールド・ジョーに殴られた後自室に帰って鏡を覗くシーン。
傷口の具合を確かめながらほんの僅か髪の生え際に手を伸ばす仕草につい笑わされてしまいました。まーねー、30年後がああも見事に禿げ上がってると知ったらそりゃぁねぇ(笑)
物語はオールド・ジョーがなぜ過去にやってきたかその目的にジョーが気づいた時に大きな変化が訪れます。
ここからの展開が某映画をいやが応にも思い起こさせるんですが、それが何か言ってしまうとネタバレどころではなくなるのでパス。
実は、ここに限らずルーパー関連以外の部分では割とどの部分もどこかしら既視感を拭えない展開が多いです。
広告などで「衝撃のラスト」を謳っていますが、タイムパラドックス物としては確かに新鮮なラストですが別ジャンルの映画ではスタンダードとも言えるラストシーンで、やっぱり誇大広告の感が消えません(苦笑)
しかし、これだけボロクソ気味に語ってる割に、私、結構この映画気に入ってます。何かこう80年代的なB級臭さが堪らないというか(笑)。
「LOOPER」はワンアイディアをごり押しして他の部分は相当に雑なので公開規模がそれなりに大きいにも関わらずかなりはっきり好き嫌いの分かれる、言ってみれば珍味な映画です。
正直私も気軽には薦めにくいのですが、もし気になってる方がいたらレンタルなどで家で済ますにはちょっと勿体無い作品ではあるので是非映画館へ足を運んでみてください。
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