元旦いきなり能登で起きた大地震、皆さんの方は影響は無かったでしょうか。私の自宅もかなり長く揺れましたが物が落ちてきたり家具が倒れたりも無く一安心。
北陸に在住している親戚や知人が数人いるのですが、避難所入りした方もいたもののどうにか全員無事だったようで一先ずはホッとしました。
こんばんは、小島@監督です。
激動と言えど新年早々容赦が無い幕開けとなった今年、ヘビーな話はこれだけにして欲しいものですが。
さて、今回の映画は「サンクスギビング」です。
マサチューセッツ州プリマス。感謝祭の祝日に沸くなか大々的なディスカウントセールを行ったショッピングセンターで不満を煽られた客たちが暴徒状態となり死人まで発生する事件が起きた。それから1年後、当時の事件の関係者達がジョン・カーヴァーを名乗る謎の人物に次々と惨殺されていく事件が発生。街を恐怖に陥れていく。自身も狙われている事を知った地元の高校生ジェシカ(ネル・ベルラーク)達は命の危険に怯えながらもジョン・カーヴァーの正体に迫っていく。
アメリカでは11月の第4木曜日に当たる祝日「感謝祭(サンクスギビングデー)」、元を辿るとマサチューセッツ州のプリマス植民地に移住したピューリタン、いわゆる「ピルグリム・ファーザーズ」が最初の収穫を祝った記念行事が起こりとされているそうです。その日の正餐には七面鳥やマッシュポテト、コーンブレッド、アップルパイなどが定番の料理だとか。そんな祝日をモチーフにしたスラッシャー・ホラーが今作です。もともとは2007年に製作されたアンソロジー映画「グラインドハウス」の中で登場したウソ予告の一つを、手掛けたイーライ・ロス監督自身の手で16年越しに長編映画化されました。
冒頭のショッピングセンターでの狂騒からホラーを主戦場とするイーライ・ロスの本領が遺憾無く発揮された作品です。80年代B級ホラー風のロゴに、「スクリーム」などに代表される90年代スラッシャー・ホラーの趣を漂わせる作風で、初っ端からドライブがかかった後は巧みな緩急と共にジョン・カーヴァーとジェシカたちの戦いを見守ることになります。腕や首がスッ飛んだりと言った血飛沫満載な描写が景気良く飛び出すのでR18+にレーティングされています。
ゴア描写が売りの一つではありますが、それだけに寄り切ってはいないところがこの映画の面白さ。感謝祭の翌日の金曜日、多くの店で激安セールを打つことが今でいう「ブラックフライデー」の所以で、それに対するシニカルな笑いがスパイスになっているほか、終盤に明かされるジョン・カーヴァーの正体も決して重箱の隅をつつくようなアクロバティックな人選ではなく、それほど深読みしなくていいところに伏線を配してくれているのも映画に対してとても誠実に作られていると言えるでしょう。
2000年代半ばに発表された「キャビン・フィーバー」や「ホステル」などで新世代ホラーの旗手とされたイーライ・ロス監督、近年は若手作品のプロデュースをしたりアクション映画「デスウィッシュ」や「ルイスと不思議の時計」のようなジュブナイル・ファンタジーを手掛けたりと活躍のフィールドを広げていましたがやはり本領はホラーというのを実感できる映画です。ベテランの域に達しつつあり、円熟味すら感じさせてくれる手腕が生きた1本、内臓が飛び出ちゃったりするような画に抵抗が無ければ、という但し書き付きにはなりますが、気楽に楽しめる作品を観たいなら選択肢の一つに入れてみてもいいと思いますよ。
北陸に在住している親戚や知人が数人いるのですが、避難所入りした方もいたもののどうにか全員無事だったようで一先ずはホッとしました。
こんばんは、小島@監督です。
激動と言えど新年早々容赦が無い幕開けとなった今年、ヘビーな話はこれだけにして欲しいものですが。
さて、今回の映画は「サンクスギビング」です。
マサチューセッツ州プリマス。感謝祭の祝日に沸くなか大々的なディスカウントセールを行ったショッピングセンターで不満を煽られた客たちが暴徒状態となり死人まで発生する事件が起きた。それから1年後、当時の事件の関係者達がジョン・カーヴァーを名乗る謎の人物に次々と惨殺されていく事件が発生。街を恐怖に陥れていく。自身も狙われている事を知った地元の高校生ジェシカ(ネル・ベルラーク)達は命の危険に怯えながらもジョン・カーヴァーの正体に迫っていく。
アメリカでは11月の第4木曜日に当たる祝日「感謝祭(サンクスギビングデー)」、元を辿るとマサチューセッツ州のプリマス植民地に移住したピューリタン、いわゆる「ピルグリム・ファーザーズ」が最初の収穫を祝った記念行事が起こりとされているそうです。その日の正餐には七面鳥やマッシュポテト、コーンブレッド、アップルパイなどが定番の料理だとか。そんな祝日をモチーフにしたスラッシャー・ホラーが今作です。もともとは2007年に製作されたアンソロジー映画「グラインドハウス」の中で登場したウソ予告の一つを、手掛けたイーライ・ロス監督自身の手で16年越しに長編映画化されました。
冒頭のショッピングセンターでの狂騒からホラーを主戦場とするイーライ・ロスの本領が遺憾無く発揮された作品です。80年代B級ホラー風のロゴに、「スクリーム」などに代表される90年代スラッシャー・ホラーの趣を漂わせる作風で、初っ端からドライブがかかった後は巧みな緩急と共にジョン・カーヴァーとジェシカたちの戦いを見守ることになります。腕や首がスッ飛んだりと言った血飛沫満載な描写が景気良く飛び出すのでR18+にレーティングされています。
ゴア描写が売りの一つではありますが、それだけに寄り切ってはいないところがこの映画の面白さ。感謝祭の翌日の金曜日、多くの店で激安セールを打つことが今でいう「ブラックフライデー」の所以で、それに対するシニカルな笑いがスパイスになっているほか、終盤に明かされるジョン・カーヴァーの正体も決して重箱の隅をつつくようなアクロバティックな人選ではなく、それほど深読みしなくていいところに伏線を配してくれているのも映画に対してとても誠実に作られていると言えるでしょう。
2000年代半ばに発表された「キャビン・フィーバー」や「ホステル」などで新世代ホラーの旗手とされたイーライ・ロス監督、近年は若手作品のプロデュースをしたりアクション映画「デスウィッシュ」や「ルイスと不思議の時計」のようなジュブナイル・ファンタジーを手掛けたりと活躍のフィールドを広げていましたがやはり本領はホラーというのを実感できる映画です。ベテランの域に達しつつあり、円熟味すら感じさせてくれる手腕が生きた1本、内臓が飛び出ちゃったりするような画に抵抗が無ければ、という但し書き付きにはなりますが、気楽に楽しめる作品を観たいなら選択肢の一つに入れてみてもいいと思いますよ。
PR
この記事にコメントする