忍者ブログ

ちゅうカラぶろぐ


[3968]  [3966]  [3965]  [3964]  [3963]  [3962]  [3961]  [3960]  [3959]  [3958]  [3957
先日ひょんなことからホンダ・フィットを譲り受けることに。仕事でならともかくプライベートでは長く軽自動車しか運転していなかったので普通車の感覚に慣れるべくここ最近は休日の度に時間を作って軽くドライブしています。10年くらい前の型なのですが乗りやすいし軽と比べれば当然ですがシートもゆったり。今はまだちょいと不安なので近所を回るくらいですが慣れれば遠出も良さそうです。

 こんばんは、小島@監督です。
 せっかくの機会ですし行動限界を少しずつでも広げていきたいですね。

 さて、今回の映画は「爆音映画祭」より「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」です。

 幾度の戦いを経てもなお地球からの宇宙移民を統制し続ける旧弊と腐敗に満ちた地球連邦政府の在り方に絶望したシャア・アズナブル(声・池田秀一)は「ネオ・ジオン」を結成し反乱の狼煙を上げた。シャアは地球連邦政府があるチベット・ラサへ小惑星「5thルナ」を衝突させる作戦を敢行する。連邦軍外郭団体のアムロ・レイ(声・古谷徹)とブライト・ノア(声・鈴置洋孝)はそれを阻止しようと行動を開始するが。

 「爆音映画祭」というのは、通常の上映とは異なり映画館にライブ用の音響機材を設置して特別にチューニングし、通常上映よりも大音響で映画を鑑賞する、という企画でかつてミニシアター「吉祥寺バウスシアター」(2014年に閉館)で特別上映の目玉企画の一つだったものです。評判が広がったことでバウスシアター開催時に企画を立ち上げた樋口泰人氏によりメソッドが組み上げられ2008年以降は全国各地の映画館やライブハウスなどでも開催されるようになりました。名古屋でも109シネマズ名古屋にて時期は不定期ながらほぼ年に1回のペースで開催され、今回で6回目になります。ただ今まで機会ができず、体感するのは今回が初めてになります。
 通常より音量が大きめの上映形態であるため、大きな音の迫力が増しているのはもちろん必然的に小さな音も鮮明に聴こえるようになっているのが特徴です。その企画の特性上音楽映画との相性がことのほか良いため編成されるプログラムも音楽映画やミュージカル映画、あるいは音響に特色のある作品が自然と主力になる傾向にあるようで、今年のプログラムも半分はアーティストのドキュメンタリーやライブ映像を楽しむ作品で構成されていました。

 アムロとシャアの最後の戦いを描く「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」、いわゆる「逆シャア」はTVシリーズの再構築ではない初めての完全新作劇場版として1988年に製作されました。回転するスペースコロニーの描写などごく限定的ではありますがガンダムシリーズで初めて3DCGが使われた作品でもあります。DVDや配信などで何度も観ている作品ではありますがスクリーンで鑑賞したのは今回が初めてです。

 初めてのスクリーン鑑賞がそうさせたのか、はたまた「爆音映画祭」という上映形態がそうさせたのか、良く知っているはずの「逆襲のシャア」という物語に初めて触れたような新鮮な印象を味わいました。というより「今までこの物語を真正面から観た事が1度も無かったのだ」ということを叩きつけられた気分です。開幕のオーケストラの音に鷲掴みされた後は気づけばのめりこんで観ている自分がいました。一軍というより一国を率いようとしているのに本質は自身の持ち得ないものを持っているアムロに対する拘りだけに突き動かされるシャアや、まだその気構えもできない内に「大人の論理」の渦に放り込まれ、更に元々不安定な性格だったクェス・パラヤ(声・川村万梨阿)に翻弄されることで均衡を見失っていくハサウェイ・ノア(声・佐々木望)の心情もよりダイレクトに感じ取れたように思います。

 改めてこの作品を観てみたとき、1988年と言えばまだ冷戦期の最中にあって「戦争」と言えば「ベトナム戦争」、あるいは当時よくニュースで報じられていた「イラン・イラク戦争」のイメージも強かったであろう時に既に今日的なテロリズムとの戦いの在り様に富野由悠季監督が直感的に気づいていたような節があります。恐らくこの直感をよりブラッシュアップして映像化したのが後年「∀ガンダム」の序盤で起こる戦いの姿のように思います。しかもそれでさえいわゆる「9.11」の前に作られているところに驚きがあります。
 と同時に、この映画の数年後を舞台にした「ガンダムUC」が、ここまでの物語で描かれてきた戦いを体感した者たちがバナージやオードリーに「何か」を伝えようとする描写が多いのも、ガンダムシリーズに「何か」を感じ取った当時の青少年たちが次代の少年たちへ語り継ごうとする試みの物語であったのだとようやく腑に落ちるような感覚も味わいました。

 正直言って今回自身の中にここまでの感情を湧き立たせてくれるような映像体験になるなどとは観る前は思ってもおらず、そういう意味では非常に稀有で貴重な体験でした。爆音映画祭、甘く見ていたぜ。機会があったらまた何か観に行こう。

拍手[1回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
忍者ブログ / [PR]