昨日一昨日と「アイドルマスター」が15周年を迎えて両日「だいたい15時間生配信」と称してアニメシリーズや過去のライブ映像を15時間(実際のところは17時間くらい)、それこそ早朝から深夜までブチ抜きで配信するイベントをやっていました。一昨日は仕事だったので大して観れませんでしたが昨日は食事と家事に当ててた時間以外はほぼずっと鑑賞。10周年記念ライブの映像は今改めて見返すと当時は全く気付かなかったような発見も結構あって面白かったですね。
こんばんは、小島@監督です。
とは言え本来なら今年は15周年のメモリアルイヤーでビッグイベントがいくつも開催されていたはず。そう思うとおのれコロナ。ライブ、また観たいですね…
さて、今回の映画は「ドヴラートフ レニングラードの作家たち」です。
1971年、ソ連・レニングラード。小説家セルゲイ・ドヴラートフ(ミラン・マリッチ)は厳しさを増す政府の統制下において自身の作品を発表できないでいた。元妻のエレーナ(ヘレナ・スエツカヤ)と別れ、娘ともたまにしか会えない日々。新聞や雑誌の小さな記事で糊口をしのぎ、詩人のヨシフ・ブロツキー(アルトゥール・ベスチャスヌイ)と共に発表の場を得るために闘うがなかなかその機会は訪れない。そんな中、友人で画家のダヴィッド(ダニーラ・コズロフスキー)に闇取引の容疑で捜査の手が伸びようとしていた。
1970年代初頭のソ連と言えばフルシチョフが亡くなりブレジネフ第一書記とコスイギン首相が政府のトップにいた時期で、冷戦下ではありましたがアメリカとの間に戦略兵器制限交渉、いわゆる「SALT」締結に向けて動いていた時期でもあります。映画で言えばこの頃アンドレイ・タルコフスキー監督が「惑星ソラリス」を発表したりしていますが正直文学方面についてはあまり明るくはなく、それゆえ今回観たこの映画の題材は新鮮で興味を惹かれるものでした。
監督は「フルスタリョフ、車を!」(1998年製作)などで知られるアレクセイ・ゲルマンの息子で、製作半ばで亡くなった父の遺作である「神々のたそがれ」(2013年製作)を作品を引き継ぎ完成させたアレクセイ・ゲルマン・ジュニア。
作品を発表できずに彷徨と葛藤を重ねるドヴラートフたち作家や芸術家の姿を描くこの物語は、時にユーモアを交えはしますが基本的にはかなり淡々としています。そうであるが故に却って息苦しさが伝わってきます。鈍色が覆うような色調の映像も印象的で、この辺りは撮影を担ったウカシュ・ジャル(「ゴッホ~最期の手紙」でゴールデングローブ賞など世界で評価された)の功績も大きいでしょう。反面、ある程度の知識を観客が持っていることが前提で作られているようなところもあり、私のようにこの分野に明るくないと少々置いてきぼりを食らう場面もあります。そして淡々としてる分、置いて行かれると眠くなるのでご注意ください。私!?いやぁ~HAHAHA(そっと目をそらす)
なかなか興味深いのはドヴラートフは別に反体制派を標榜しているわけではない点です。この頃ソ連にはソルジェニーツィンという公然と体制に戦いを挑んだ作家もいましたが、ドヴラートフは決してそうではなく「書きたいものが時の政府の求めるものに合わない」だけ、でありだからこそ時代の空気が重くのしかかってくる、というのは現代日本でも共通しそうな感覚とも言えるでしょう。「表現の自由」とは、自分とは相容れない類の表現を「自分は気に入らなくてもそういうのがあって良い」と容認するところにあるからです。他者への許容量が低くなる昨今と相まって、半世紀前のレニングラード(現・サンクトペテルブルク)の姿を克明に描写しようという姿勢の向こうに現代へのテーゼが見えます。
もう一つこの映画を特徴的にしているものに音楽があります。使われている音楽の基本が何とジャズ。パンフレットの解説を読むまでほとんど知りませんでしたが、60年代後半にソ連や隣国ポーランドではジャズがムーブメントを起こしフェスイベントも開催されていたようです。ブレジネフ政権下ではこれも抑圧されていたようですが、カフェなどで秘かに演奏され続けていたそうです。ジャズは時代を象徴する音楽だったようですね。
作りそのものよりも題材がかなり人を選ぶタイプの映画ですが、描き上げるテーマは今でこそ伝わるものと言えます。ご興味のある方は是非。
ところで余談ですが今回のこの映画を観る際、クラウドファンディング「ミニシアター・エイド」の返礼品の一つである「未来チケット」を受け取ってきました。
これはあらかじめ自分で指定した映画館でのみ使えるチケットで、有効期限は再来年まで。私は6枚もらえるコースを選んでいてシネマテークとシネマスコーレで3枚ずつを割り振っています。期限まで結構時間はありますけど、できれば今年のうちに使い切ってしまえるくらいに足を運びたいですね。
こんばんは、小島@監督です。
とは言え本来なら今年は15周年のメモリアルイヤーでビッグイベントがいくつも開催されていたはず。そう思うとおのれコロナ。ライブ、また観たいですね…
さて、今回の映画は「ドヴラートフ レニングラードの作家たち」です。
1971年、ソ連・レニングラード。小説家セルゲイ・ドヴラートフ(ミラン・マリッチ)は厳しさを増す政府の統制下において自身の作品を発表できないでいた。元妻のエレーナ(ヘレナ・スエツカヤ)と別れ、娘ともたまにしか会えない日々。新聞や雑誌の小さな記事で糊口をしのぎ、詩人のヨシフ・ブロツキー(アルトゥール・ベスチャスヌイ)と共に発表の場を得るために闘うがなかなかその機会は訪れない。そんな中、友人で画家のダヴィッド(ダニーラ・コズロフスキー)に闇取引の容疑で捜査の手が伸びようとしていた。
1970年代初頭のソ連と言えばフルシチョフが亡くなりブレジネフ第一書記とコスイギン首相が政府のトップにいた時期で、冷戦下ではありましたがアメリカとの間に戦略兵器制限交渉、いわゆる「SALT」締結に向けて動いていた時期でもあります。映画で言えばこの頃アンドレイ・タルコフスキー監督が「惑星ソラリス」を発表したりしていますが正直文学方面についてはあまり明るくはなく、それゆえ今回観たこの映画の題材は新鮮で興味を惹かれるものでした。
監督は「フルスタリョフ、車を!」(1998年製作)などで知られるアレクセイ・ゲルマンの息子で、製作半ばで亡くなった父の遺作である「神々のたそがれ」(2013年製作)を作品を引き継ぎ完成させたアレクセイ・ゲルマン・ジュニア。
作品を発表できずに彷徨と葛藤を重ねるドヴラートフたち作家や芸術家の姿を描くこの物語は、時にユーモアを交えはしますが基本的にはかなり淡々としています。そうであるが故に却って息苦しさが伝わってきます。鈍色が覆うような色調の映像も印象的で、この辺りは撮影を担ったウカシュ・ジャル(「ゴッホ~最期の手紙」でゴールデングローブ賞など世界で評価された)の功績も大きいでしょう。反面、ある程度の知識を観客が持っていることが前提で作られているようなところもあり、私のようにこの分野に明るくないと少々置いてきぼりを食らう場面もあります。そして淡々としてる分、置いて行かれると眠くなるのでご注意ください。私!?いやぁ~HAHAHA(そっと目をそらす)
なかなか興味深いのはドヴラートフは別に反体制派を標榜しているわけではない点です。この頃ソ連にはソルジェニーツィンという公然と体制に戦いを挑んだ作家もいましたが、ドヴラートフは決してそうではなく「書きたいものが時の政府の求めるものに合わない」だけ、でありだからこそ時代の空気が重くのしかかってくる、というのは現代日本でも共通しそうな感覚とも言えるでしょう。「表現の自由」とは、自分とは相容れない類の表現を「自分は気に入らなくてもそういうのがあって良い」と容認するところにあるからです。他者への許容量が低くなる昨今と相まって、半世紀前のレニングラード(現・サンクトペテルブルク)の姿を克明に描写しようという姿勢の向こうに現代へのテーゼが見えます。
もう一つこの映画を特徴的にしているものに音楽があります。使われている音楽の基本が何とジャズ。パンフレットの解説を読むまでほとんど知りませんでしたが、60年代後半にソ連や隣国ポーランドではジャズがムーブメントを起こしフェスイベントも開催されていたようです。ブレジネフ政権下ではこれも抑圧されていたようですが、カフェなどで秘かに演奏され続けていたそうです。ジャズは時代を象徴する音楽だったようですね。
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