ちゅうカラぶろぐ


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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
 前回参加できなかったので今回が自分にとって再開後の最初の歌会になりました。歌会以外では普段あまりカラオケに行かない人なので、ここぞとばかりに満喫しました。10人近い大勢でヒプノシスマイク歌ったりできたのも楽しかったですね。
 あと取り敢えず「お願いマッスル」は覚えようと思いました(笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 そして今回で通算400回目のブログ更新になります。自分でもビビる数字になってきました。今後ともよろしくお願いいたします。

 さて、今回の映画は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」です。

 1969年、ハリウッド。かつてテレビ西部劇で名を馳せた俳優リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)は、しかし今では悪役やゲスト出演など単発の仕事で食いつなぐ日々を送りくすぶっていた。長年リックのスタントダブルを務めた相棒クリフ・ブース(ブラッド・ピット)にスタントの仕事を回す余裕も無い。リックを評価している映画プロデューサーのマーヴィン・シュワーズ(アル・パチーノ)はリックにイタリア製の西部劇に出てみないかとオファーをかけるがリックは返答を渋った。
 リックが住む家の隣には新進の映画監督ロマン・ポランスキー(ラファル・ザビエルチャ)とその妻シャロン・テート(マーゴット・ロビー)が引っ越してきていた。愛する夫や友人に囲まれ幸福の絶頂にあるシャロンを横目に次の仕事を探すべく苦闘するリック。そんなリックの前に新しいテレビ西部劇の悪役のオファーが舞い込んでくる。

 1969年のアメリカというのは現在から見ると文化史的にも現代史的にも非常に重要な事件が相次いだ年と言えるでしょう。6月にはニューヨークのゲイバーに踏み込んだ警察と居合わせた客たちの抵抗が暴動にまで発展し、後のLGBT権利獲得運動の大きなターニングポイントとなった「ストーンウォールの反乱」が、7月には人類が初めて月面に降り立った「アポロ11号」と上院議員エドワード・ケネディが飲酒運転の末に事故を起こし死体遺棄を図り非難が集中しの後の大統領への道が永久に閉ざされることになったスキャンダル「チャパキディック事件」、8月にはカウンターカルチャーを象徴するイベントとして今なお伝説となっている音楽フェス「ウッドストック・フェスティバル」が開催。夏だけでもこの密度。保守的な思想に反発した者たちのベトナム反戦運動や公民権運動、フリーセックスなどを訴えた「ヒッピー・ムーブメント」が隆盛した時期でもあります。
 ハリウッド映画の方に目を向ければ、豪華なセットが組まれた大作映画が退潮傾向にある中で比較的低予算ながら反体制的な人間の心情を描いた「アメリカン・ニュー・シネマ」が萌芽し、「明日に向かって撃て」「イージー・ライダー」「真夜中のカーボーイ」といった今も名作と名高い作品が立て続けに製作されました。そんな時代の狂騒を映画の中に蘇らせる作品、それが「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」です。
  
 レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという2大スターの初共演を始め、マーゴっと・ロビー、アル・パチーノ、ダコタ・ファニングらの豪華な出演者たちの競演を観ているだけでも充分に楽しかろうとは思いますが、何も知らずにただそれを眺めているよりはある程度の予備知識を入れておいた方が良いタイプの作品です。前述の事柄のいくつかが直接的なり間接的なり作中に描写されますし、何より重要なのはそんなハリウッドの只中で起きた、カルト集団マンソン・ファミリーの一員が引き起こした「シャロン・テート惨殺事件」がこの映画最大のモチーフとなっています。というかこの事件を知っていることが前提で作られています。

 寂しがり屋で涙もろく感情の振り幅が大きいリックとどこか諦観し陰のあるクリフのコンビの日常を丹念に描きつつ、シャロン・テートの天真爛漫な日々を交互に見せていきます。シャロン・テートは実在の人物ですがリックとクリフは架空のキャラクターであるため(と言っても作中登場するエピソードから察するに明らかに両者ともモデルがいます。それも複数。)史実と虚構が濃密に絡み合う独特の物語空間が築き上げられていきます。服装や小道具に至るまでタランティーノのこだわりが生きた画面作りも功を奏し、観る者を1969年のハリウッドへ誘います。

 リックとクリフ、シャロンの両者の時間は終盤までほとんど交差しないのが特徴ですが、その両者が交錯したとき物語は一気にドライブします。2時間以上かけて積み上げたものがどういう爆発の仕方をするのかは、ぜひご覧になって確かめてみてください。「映画」という虚構がもたらす「魔法」が存分に活かされたクライマックスが待っています。
 「ワンス・アポン・ア・タイム」というのはお伽噺の書き出しの常套句、だからこそ可能な「魔法」があり、それはイマジネーションが創造する芸術に許された「魔法」です。161分という長尺ではありますが、このパワーとエネルギーを前に退屈はほとんど感じないでしょう。もっともそれだけ上映回数に限りが出てタイミングをつかみにくくはなりますが(苦笑)、それでも多くの方に味わってほしい逸品ですね。

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