ちゅうカラぶろぐ


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先週連日のように報道されていた北陸での大雪、実はそのただ中の福井市に、私行ってました。
 目的は職場での出張研修で2泊3日の予定だったのですが、高速道路は通行止めになり、国道に下りれば8号線は1,000台を超す立ち往生が発生するわで身動きが取れなくなる寸前まで行き、たまたま交差点に差し掛かったところで同行していた社長に(私を含め総勢7人で行ってました)「引き返しましょう」と提案。午前中は行く気満々だった社長も2時間で数百メートルしか進まない状況に中止を決断してくれ、その交差点で強引にUターン。何とかその日の内に家に帰りつくことが出来ました。あそこで引き返さなかったら恐らく丸3日間立ち往生してた数百台の一台になってた可能性も大きく、結構際どかったなぁと思い返すと冷や汗が出てきます。

 こんばんは、小島@監督です。
 でもできれば社長には出発前に中止を決断してほしかったかな~人間は自然には勝てませんて(苦笑)

 さて、今回の映画は「ゴッホ~最期の手紙~」です。

 投げやりな日々を過ごしていた青年アルマン・ルーラン(ダグラス・ブース)は、郵便配達人だった父ジョゼフ(クリス・オダウド)から1通の手紙を託される。それはジョゼフの友人で1年前に死んだオランダ人画家フィンセント・ファン・ゴッホ(ロベルト・グラチーク)が弟テオに宛てた生前最期の手紙であった。それをパリに住んでいるはずのテオに届けてやって欲しいという。
 渋々引き受けるアルマンだったが、その旅はやがてアルマンの中で父の友情と画家の追悼というだけではない意味を持つようになっていく。果たして不遇の画家は何故自身に銃口を向けるに至ったのか。

 大変な労力を以て製作された、非常にユニークな映像を見せるアニメーション映画が昨秋より全国順次公開中です。
 1955年に製作されその後のゴッホのイメージを定着させたとも言われる「炎の人ゴッホ」(監督ヴィンセント・ミネリ、主演カーク・ダグラス)を始めとしてフィクションにしろドキュメンタリーにしろゴッホを題材とした作品は多く、1940年代以降現在に至るまで実に800本以上が製作されていますが、「ゴッホ~最期の手紙~」はその中でもかなり異色の作品と言えるでしょう。

 ゴッホの死の真相を探る旅路を描き出すのは、何と油絵。まず俳優たちによる演技を撮影し(ショットによってグリーンバックだったりセットだったりしたそうだ)、その後その映像をベースに全ショットを油絵に描き起こしてそれを撮影しアニメ映画化するという手法を取っています。実に125人の油絵画家が描き出したその枚数1秒で12枚。総枚数62,450枚の油絵によるアニメーションです。構図にはゴッホが遺した絵画の内94点に極めて近い構図を意図的に作り出し、「ゴッホの絵が動く」という無二の映像体験を生み出しています。タイトルがパッと浮かばなくてもどこかで目にした事のある絵画たちが動いている、というのはまさに「アニメーション」の本来の意味するところである「anima(魂)」と「animate(無機物に魂が宿る)」をダイレクトに見せつけるようです。

 強すぎる映像の力ばかりに目が行きがちですが、物語の方もなかなかです。1通の手紙を通してゴッホの死の真相に迫るこの物語は、アルマンがゴッホの足跡を辿りつつ関係者に話を聞いていくという形で展開し、さながらミステリーを観ているかのよう。接した人によって「天才」と呼ばれたり「狂人」と呼ばれたりと大きく印象が違いなかなか実相を容易に掴ませず、観る者を翻弄する巧みな構成をしています。「芸術的であると同時に文学的」というのがこの映画を観た後の私の率直な印象です。

 「観る」と「読む」、感覚的な「心の旅」とも言えるアニメーションの凄みを存分に味わえる、非常に熱量の高い作品です。観る前と観た後で、きっとゴッホの作品を目にした時の印象が大きく変わる、そんな体験が待っています。是非、多くの方に味わっていただきたいですね。

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