あまりの好調ぶりがあだとなってニッカの「余市」が販売終了に。
もともと人気が上向いてきていたところに「マッサン」がさらに後押しした結果です。皮肉な事に現在商品に使われている原酒は1990年代から2000年代初頭に仕込まれたもので、この頃は国産ウィスキーの人気が下火…というかどん底に近い時期で、恐らく原酒の仕込み量も少なかったんじゃないかな~って気がします。
ビールなら数週間から数ヶ月もあれば品薄状態も回復できるでしょうが、商品化まで何年もかかるウィスキーはそりゃ10年以上も先の人気など読めようはずもないですしね。
こんばんは、小島@監督です。
販売終了になったとしても「余市」のブランドは残すそう。いずれ良い形で復活して欲しいものですね。
さて、今回の映画は「百日紅-Miss HOKUSAI-」です。
江戸後期を代表する浮世絵師・葛飾北斎(声・松重豊)、その娘であるお栄(声・杏)。父に似て慎みを欠き負けず嫌いで気風の良い男勝り。色恋には不器用。だが父に劣らぬ画才を持っていた。時に北斎の代筆もこなしながら自身のスタイルを探す、彼女の青春とは。
「クレヨンしんちゃんアッパレ!戦国大合戦」などで知られる原恵一監督の新作は、故・杉浦日向子が1987年に発表したコミックを原作に、後に画号を葛飾応為と名乗る女浮世絵師・お栄の青春を描くアニメーションです。
浮世絵師葛飾応為については正直名前しか知らなかったので、今回の映画を観たのを機に少し調べてみたのですが残っている作品も少なければあまり記録も残っていない人物のようで、恐らく作中のエピソードはほとんど創作なのでしょう。ただ北斎の代筆をしたことがあるのは確かなようで、北斎作とされる作品のいくつかは応為のものではないかとする説もあるそうです。作中でも版元は代筆と知りながら何も言わずに喜んで画を受け取っているシーンもありますが、その技量は相当なものだったようですし、案外本当にそんな感じだったんじゃないかなと思います。
西洋画法への関心も強かったそうで、残っている作品の中にはその影響が強く出ている物もあり、「廓中格子先図」や「春夜美人図」は明らかにその影響を感じさせ、江戸市街の宵闇に独特の幽玄さを醸し出しています。今回いくつか画像を探して観てみたのですが、それですら結構な迫力を感じたので一度実物を観てみたくもありますね。
親子そろって破天荒な人物を描く物語ですが、さすが原恵一というべきか、要所要所で大胆さと繊細さを行き交う絶妙なさじ加減の語り口が光ります。春夏秋冬の移ろいの中、お栄は恋に戸惑い愛する者の喪失を知り、時には仕事のトラブルに頭を抱えながら、やがては全ては自身の絵筆へと昇華されていく様を時に静謐に、時に幻想的に描き出していきます。日々の小さな事件を積み重ねるような構成で特別大きな事件が待ち構えているわけでもなくちょっと淡白に感じるところも無くは無いですが、総じてクオリティが高いです。
本職の声優の出演は少ないものの出演者たちの演技もレベルが高く、特に主人公お栄を演じる杏や北斎役の松重豊、親子と寝食を共にする北斎の弟子・善次郎役の濱田岳はどれもハマり役。というかこの3人のまま実写化する所を観てみたい気もするくらいです。
そうそう、監督繋がりなのでしょう、端役で藤原啓治と矢島晶子も出演しています。どんなキャラかは観てのお楽しみ(笑)
主要上映館ではすでに終了しているものの、各地の映画館でロードショーが続いています。生真面目で堅そうな作品に見えて結構敷居は低いので、観られる機会があれば是非ご覧になっていただきたいですね。
もともと人気が上向いてきていたところに「マッサン」がさらに後押しした結果です。皮肉な事に現在商品に使われている原酒は1990年代から2000年代初頭に仕込まれたもので、この頃は国産ウィスキーの人気が下火…というかどん底に近い時期で、恐らく原酒の仕込み量も少なかったんじゃないかな~って気がします。
ビールなら数週間から数ヶ月もあれば品薄状態も回復できるでしょうが、商品化まで何年もかかるウィスキーはそりゃ10年以上も先の人気など読めようはずもないですしね。
こんばんは、小島@監督です。
販売終了になったとしても「余市」のブランドは残すそう。いずれ良い形で復活して欲しいものですね。
さて、今回の映画は「百日紅-Miss HOKUSAI-」です。
江戸後期を代表する浮世絵師・葛飾北斎(声・松重豊)、その娘であるお栄(声・杏)。父に似て慎みを欠き負けず嫌いで気風の良い男勝り。色恋には不器用。だが父に劣らぬ画才を持っていた。時に北斎の代筆もこなしながら自身のスタイルを探す、彼女の青春とは。
「クレヨンしんちゃんアッパレ!戦国大合戦」などで知られる原恵一監督の新作は、故・杉浦日向子が1987年に発表したコミックを原作に、後に画号を葛飾応為と名乗る女浮世絵師・お栄の青春を描くアニメーションです。
浮世絵師葛飾応為については正直名前しか知らなかったので、今回の映画を観たのを機に少し調べてみたのですが残っている作品も少なければあまり記録も残っていない人物のようで、恐らく作中のエピソードはほとんど創作なのでしょう。ただ北斎の代筆をしたことがあるのは確かなようで、北斎作とされる作品のいくつかは応為のものではないかとする説もあるそうです。作中でも版元は代筆と知りながら何も言わずに喜んで画を受け取っているシーンもありますが、その技量は相当なものだったようですし、案外本当にそんな感じだったんじゃないかなと思います。
西洋画法への関心も強かったそうで、残っている作品の中にはその影響が強く出ている物もあり、「廓中格子先図」や「春夜美人図」は明らかにその影響を感じさせ、江戸市街の宵闇に独特の幽玄さを醸し出しています。今回いくつか画像を探して観てみたのですが、それですら結構な迫力を感じたので一度実物を観てみたくもありますね。
親子そろって破天荒な人物を描く物語ですが、さすが原恵一というべきか、要所要所で大胆さと繊細さを行き交う絶妙なさじ加減の語り口が光ります。春夏秋冬の移ろいの中、お栄は恋に戸惑い愛する者の喪失を知り、時には仕事のトラブルに頭を抱えながら、やがては全ては自身の絵筆へと昇華されていく様を時に静謐に、時に幻想的に描き出していきます。日々の小さな事件を積み重ねるような構成で特別大きな事件が待ち構えているわけでもなくちょっと淡白に感じるところも無くは無いですが、総じてクオリティが高いです。
本職の声優の出演は少ないものの出演者たちの演技もレベルが高く、特に主人公お栄を演じる杏や北斎役の松重豊、親子と寝食を共にする北斎の弟子・善次郎役の濱田岳はどれもハマり役。というかこの3人のまま実写化する所を観てみたい気もするくらいです。
そうそう、監督繋がりなのでしょう、端役で藤原啓治と矢島晶子も出演しています。どんなキャラかは観てのお楽しみ(笑)
主要上映館ではすでに終了しているものの、各地の映画館でロードショーが続いています。生真面目で堅そうな作品に見えて結構敷居は低いので、観られる機会があれば是非ご覧になっていただきたいですね。
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