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ちゅうカラぶろぐ


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昨年の健康診断の結果が今ひとつだったので、特定保健指導を受けることに。抑うつ状態と診断される直前の時期に行ったものですが、今見るとなるほど前年比であれこれ悪くなっててメンタルの悪化がこういうところにも数字に現れていたのかと妙に感心してしまうくらい。

 こんばんは、小島@監督です。
 まあ取り敢えずは減量しろって話ですよ(笑)。せめて去年よりは良い状態に持って行かないとね。

 さて、今回の映画は「BLUE GIANT」です。

 ジャズに魅了され、テナーサックスを始めた宮本大(声・山田裕貴)は世界一のジャズプレイヤーになることを夢見て仙台から上京した。大学入学を機に上京した高校の同級生・玉田俊二(声・岡山天音)のもとに転がり込んだ大は、ある日訪れたライブハウスでピアニスト・沢辺雪祈(声・間宮祥太朗)と出会う。大は雪祈にバンドを組もうと持ち掛けるのだった。

 ジャズをモチーフにした映画の歴史は古く、世界最初の音声映画のタイトルが「ジャズ・シンガー」(1927年)だったりするほどです。発祥の地がアメリカ南部のニューオリンズである故にジャズ映画はアメリカの独壇場のように思われがちですが、日本にも「さらばモスクワ愚連隊」(1968年)「ジャズ大名」(1986年)「スウィングガールズ」(2004年)のような例があり、独自の系譜を形成しています。その日本ジャズ映画の新たな系譜であると同時にアニメ映画・青春映画としても傑作の部類に入る作品が登場しました。
 石塚真一のコミックを原作に、「モブサイコ」「名探偵コナン ゼロの執行人」などを手掛けた立川譲が監督を務めました。音楽を担ったのは日本ジャズのフロントランナーの一人であるピアニスト・上原ひろみ。面白いのは脚本を書いたNUMBER8という方、なんと「BLUE GIANT」の担当編集者だそうです。作者に引けを取らないほどのクリエイティブな人物が編集に居たりするものなのですね。

 強い音楽があり、映像があるなら、ストーリーを語るのにセリフは決して前に出る必要は無い、という映像作品としてはある意味当然のことを真っ直ぐに叩き付けてくる作品です。原作の単行本10巻分を120分にまとめているとのことでいささか駆け足気味ではありますが、特に大たちのライブに足を運ぶ観客たちにも相応の想いやドラマがあることを僅かな点描で示唆してみせる手腕は大したもの。
 思いの全てをサックスにこめるパワースタイルの大、華麗なテクニックを見せつける雪祈、キャリアが浅い故に必死になって叩く俊二のドラム、これらが重なり合うセッション、上映時間の30%近くを占めるライブシーンは音だけでなくそれを視覚化した映像も見事でそれらが織りなすエモーションはまさに比類が無い。上原ひろみら日本のトップジャズアーティストらの名演と言って良いこのライブシーンの迫力は自宅のTVじゃどうしたって格落ちするので劇場での鑑賞は必須。選べるならなるたけ音響の良いところを選んで欲しいくらいです。

 欠点があるとすればライブシーンにおいてCGも多用されているのですが、手書きのシーンに対して質感が浮いているシーンが散見されることでしょうか。「けいおん!」などが軽々とやっているように見えるので一見忘れがちですが楽器演奏をアニメートするというのは実は相当に難しい代物である故、致し方ないのかもしれませんがもう少し質感のすり合わせをして欲しかったカットがあります。
 とは言えそんなのは些細な欠点。圧巻の音楽と映像を是非ともスクリーンで体感して欲しいですね。
 なお、エンドクレジット後にもうワンシーンあります。おまけどころかそれが無いとちゃんと映画がオチないので場内が明るくなるまで席をお立ちになりませんよう。あと、LP盤を模したパンフレットが最高にカッコいいのですが、非常にデカいので購入を検討している方はトートバッグもご持参ください。


 

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