昨日開催された「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th ANNIVERSARY M@GICAL WONDERLAND TOUR!!! MerryMaerchen Land」Day2を配信にて鑑賞。シンデレラガールズ10周年を記念するライブツアー、本来なら先月開催予定だった愛知公演が皮切りとなるはずでしたが延期となり、この福岡公演が最初のステージとなりました。
ソロ曲を重点にしつつ、ユニット曲では敢えてCDでのオリジナルメンバーを完全に排しての歌唱を行ったり、固定されたイメージを逆手に取った遊び心満載のステージでした。シンデレラガールズでも増えてきたハロウィンの楽曲を随所に配して季節感が前に出てきているのも楽しいところでした。
…というところは良いのですが、トラブルがあったらしくライブ終盤にサーバーダウン。配信が20~30分全く観られない状況に。クライマックスでお預けを食らうと感情の持って行き場が無くなります。アーカイブ配信で確認すれば良いことではあるのですが、リアルタイムで観られないのは痛手でした。
こんばんは、小島@監督です。
コロナ禍を受けて配信ライブも充実してきましたが、やはり現地が最強であるということを突きつけられましたね。来月の幕張公演はどうにか現地勢したいぜ。
さて、今回の映画は「シャン・チー テン・リングスの伝説」です。
アベンジャーズ達がサノスを下して後の世界。サンフランシスコのホテルで駐車場係をしている青年・ショーン(シム・リウ)は、友人のケイティ(オークワフィナ)とバスに乗り込んだところを武装した謎の集団に襲撃される。ショーンは辛くも撃退に成功するが母の形見であったペンダントを奪われてしまう。
ショーンには襲撃者の背後の存在に心当たりがあった。同じペンダントを持つ妹・シャーリン(メンガー・チャン)が次に襲われると確信したショーンは、押しかけてきたケイティと共にマカオへ向かう。その機中でショーンはケイティに自身が幼い頃から暗殺者としての訓練を受けてきたこと、実父ウェンウー(トニー・レオン)が秘密組織「テン・リングス」の長であること、そして本名が「シャン・チー」であることを告げるのだった。
7月公開の「ブラック・ウィドウ」で2年ぶりにスクリーンに帰ってきた「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」、「ブラック・ウィドウ」は時系列的に「インフィニティ・ウォー」前の物語であり、いわば番外編やエピローグ的な性格を有していましたが、いよいよ新章の開幕と言った趣です。
その「シャン・チー」、登場人物の大半がアジア系なら作中でのセリフも半分が中国語、というかなりユニークな作りをしています。正直鑑賞中は「アメリカ映画を観ている」ということを半分忘れかけていました。2018年に製作された「ブラックパンサー」がキャスト・スタッフともにアフリカ系が勢揃いしたことは記憶に新しいですが、作中の会話まで非英語が半分を占めるというのはそれよりも更に一歩踏み込んだ印象です。もちろん作中のセリフのほとんどが日本語だったクリント・イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」(2006年)という前例もありますが、「父親たちの星条旗」と対として二部作で製作されたものと、10年以上連綿と続くシリーズの系譜の一つとして登場したというのはまた趣が異なるものがあります。
物語の印象を率直に言えば往年の香港武侠映画です。特に「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」などで知られるツイ・ハーク作品辺りのイメージ。その中に更に例えばそれは「グリーン・デスティニー」(2000年)であったり、「レッド・ブロンクス」(1995年)辺りのジャッキー・チェン作品であったり、あるいはドラゴンボールやポケットモンスターのような日本アニメであったりと言ったイメージが雑多に盛り込まれた印象です。言うなれば「ハリウッドに影響を与えたアジアンカルチャーの集合体」のような作品、と言えばよいでしょうか。そもそも「シャン・チー」というキャラクター自体がブルース・リーがもたらしたカンフーブームをきっかけに誕生したキャラクターだそうで、ある意味でこの作品のテイストも自然の流れというところでしょう。
無論それらがただの劣化コピーではなくリスペクトと共に作品内に昇華されているところが見事です。また、かなり奔放な作りをしていながら、一方で何者でもなかった青年が大いなる力と共に使命と責任に目覚める、という流れはアメコミ映画の王道であり、それらが両立した形で作品世界の中に内包してしまえる「MCU」の懐の深さにも改めて驚かされます。
ほとんど映画出演が無かったのに大抜擢という新鋭シム・リウの演技が輝く一方でトニー・レオン、ミシェル・ヨーというアジアの大ベテランの演技が光るところもポイント。特にアクションもバリバリこなすトニー・レオンの存在感が圧巻です。香港映画を楽しんできた向きにはこの辺りも見どころです。
ところでこの映画、マーベル映画の人気を早くから下支えしてきた日本・韓国・台湾や近年の伸長著しい中国をはじめとするアジア市場へのファンコールに応えたような趣が強いのですが、最近の対立感情が強まりつつある米中関係を象徴してか、中国では未だ許可が下りず上映開始の目途が立っていないのはいささか皮肉が過ぎるというべきでしょうか。
ハリウッド映画を取り巻く情勢も刻々と変化しているなと実感できる作品です。ちょうど新章の幕開けという意味では新たに入りやすい位置づけをしていますし、MCUにこれまで興味をあまり持てなかった人も、トライしてみてはいかがでしょう。
ソロ曲を重点にしつつ、ユニット曲では敢えてCDでのオリジナルメンバーを完全に排しての歌唱を行ったり、固定されたイメージを逆手に取った遊び心満載のステージでした。シンデレラガールズでも増えてきたハロウィンの楽曲を随所に配して季節感が前に出てきているのも楽しいところでした。
…というところは良いのですが、トラブルがあったらしくライブ終盤にサーバーダウン。配信が20~30分全く観られない状況に。クライマックスでお預けを食らうと感情の持って行き場が無くなります。アーカイブ配信で確認すれば良いことではあるのですが、リアルタイムで観られないのは痛手でした。
こんばんは、小島@監督です。
コロナ禍を受けて配信ライブも充実してきましたが、やはり現地が最強であるということを突きつけられましたね。来月の幕張公演はどうにか現地勢したいぜ。
さて、今回の映画は「シャン・チー テン・リングスの伝説」です。
アベンジャーズ達がサノスを下して後の世界。サンフランシスコのホテルで駐車場係をしている青年・ショーン(シム・リウ)は、友人のケイティ(オークワフィナ)とバスに乗り込んだところを武装した謎の集団に襲撃される。ショーンは辛くも撃退に成功するが母の形見であったペンダントを奪われてしまう。
ショーンには襲撃者の背後の存在に心当たりがあった。同じペンダントを持つ妹・シャーリン(メンガー・チャン)が次に襲われると確信したショーンは、押しかけてきたケイティと共にマカオへ向かう。その機中でショーンはケイティに自身が幼い頃から暗殺者としての訓練を受けてきたこと、実父ウェンウー(トニー・レオン)が秘密組織「テン・リングス」の長であること、そして本名が「シャン・チー」であることを告げるのだった。
7月公開の「ブラック・ウィドウ」で2年ぶりにスクリーンに帰ってきた「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」、「ブラック・ウィドウ」は時系列的に「インフィニティ・ウォー」前の物語であり、いわば番外編やエピローグ的な性格を有していましたが、いよいよ新章の開幕と言った趣です。
その「シャン・チー」、登場人物の大半がアジア系なら作中でのセリフも半分が中国語、というかなりユニークな作りをしています。正直鑑賞中は「アメリカ映画を観ている」ということを半分忘れかけていました。2018年に製作された「ブラックパンサー」がキャスト・スタッフともにアフリカ系が勢揃いしたことは記憶に新しいですが、作中の会話まで非英語が半分を占めるというのはそれよりも更に一歩踏み込んだ印象です。もちろん作中のセリフのほとんどが日本語だったクリント・イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」(2006年)という前例もありますが、「父親たちの星条旗」と対として二部作で製作されたものと、10年以上連綿と続くシリーズの系譜の一つとして登場したというのはまた趣が異なるものがあります。
物語の印象を率直に言えば往年の香港武侠映画です。特に「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」などで知られるツイ・ハーク作品辺りのイメージ。その中に更に例えばそれは「グリーン・デスティニー」(2000年)であったり、「レッド・ブロンクス」(1995年)辺りのジャッキー・チェン作品であったり、あるいはドラゴンボールやポケットモンスターのような日本アニメであったりと言ったイメージが雑多に盛り込まれた印象です。言うなれば「ハリウッドに影響を与えたアジアンカルチャーの集合体」のような作品、と言えばよいでしょうか。そもそも「シャン・チー」というキャラクター自体がブルース・リーがもたらしたカンフーブームをきっかけに誕生したキャラクターだそうで、ある意味でこの作品のテイストも自然の流れというところでしょう。
無論それらがただの劣化コピーではなくリスペクトと共に作品内に昇華されているところが見事です。また、かなり奔放な作りをしていながら、一方で何者でもなかった青年が大いなる力と共に使命と責任に目覚める、という流れはアメコミ映画の王道であり、それらが両立した形で作品世界の中に内包してしまえる「MCU」の懐の深さにも改めて驚かされます。
ほとんど映画出演が無かったのに大抜擢という新鋭シム・リウの演技が輝く一方でトニー・レオン、ミシェル・ヨーというアジアの大ベテランの演技が光るところもポイント。特にアクションもバリバリこなすトニー・レオンの存在感が圧巻です。香港映画を楽しんできた向きにはこの辺りも見どころです。
ところでこの映画、マーベル映画の人気を早くから下支えしてきた日本・韓国・台湾や近年の伸長著しい中国をはじめとするアジア市場へのファンコールに応えたような趣が強いのですが、最近の対立感情が強まりつつある米中関係を象徴してか、中国では未だ許可が下りず上映開始の目途が立っていないのはいささか皮肉が過ぎるというべきでしょうか。
ハリウッド映画を取り巻く情勢も刻々と変化しているなと実感できる作品です。ちょうど新章の幕開けという意味では新たに入りやすい位置づけをしていますし、MCUにこれまで興味をあまり持てなかった人も、トライしてみてはいかがでしょう。
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