先週CDと配信がリリースされた「アイドルマスター」シリーズ15周年記念曲「なんどでも笑おう」が記念曲に相応しい名曲でつい何度もリピートしてしまいます。
この曲に乗せて展開する15周年記念PVも絶品。マジで涙目。
こんばんは、小島@監督です。
来年2月の開催が告知されたバンダイナムコフェスではきっとこの歌も披露されるはず。またアイマスに限らず多くのファンにとっても約1年ぶりのライブになるかもしれず、何としても現地に乗り込みたいですね。
さて、今回の映画は「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」です。
C.H.郵便社で代筆業を勤めるヴァイオレット・エヴァーガーデン(声・石川由依)は、かつて戦場で、誰より大切な人であったギルベルト・ブーゲンビリア少佐(声・浪川大輔)から別れの際に聞かされた言葉の意味を理解できぬままに生きてきたが、代筆業を営む中で人の心の機微を学びその真意を探る日々を過ごしていた。
ヴァイオレットはギルベルトの母の月命日に彼の代わりを担うかのように花を手向けに訪れていた。そこでギルベルトの兄ディートフリート(声・木内秀信)と再会する。戦後数年の時を経てもその消息の掴めないギルベルトをもう忘れるべきだとディートフリートに訴えられるがヴァイオレットはそれを拒んだ。
そんな折、ヴァイオレットの元にユリス(声・水橋かおり)と名乗る少年から代筆の依頼が入り、ヴァイオレットはその少年の元へと赴く。一方、C.H.郵便社では社長のクラウディア・ホッジンス(声・子安武人)が郵便物の保管庫で宛先不明で戻されてきた1通の手紙を発見するのだった…
暁佳奈の小説を原作に2018年に製作されたTVシリーズの完結編に当たるエピソードであり、同時に昨年7月の火災事件で多数の死傷者を出した京都アニメーションの再建後第1作となる映画です。当初1月公開の予定だったと聞きますが、2度の延期を経て先週ようやく封切りとなりました。丁度公開2日目となる先週19日から映画館の席数制限が解除となり、私が鑑賞した回も7割以上の客入りになっており、ようやくこういう光景が戻ってきたかと感慨深い気持ちになりました。
渾身、と言っていい出来栄えの映画です。髪の毛1本、僅かな所作一つとておろそかにしない繊細なビジュアル、出演している声優陣の熱のこもった演技、時に荘厳に、時にリリカルに奏でられる音楽、それら全てが相乗して観客の感情に訴えてきます。TVシリーズを観ていない私でもボロボロ涙が出てくるほど響いてくるくらいだったので思い入れの強い方にとっては尚更揺さぶられるものがあったでしょう。「京都アニメーションはこういう作品を作ってくれるところだった」と思い出させてくれるに十分です。
想いを代筆し、人と人との心をつなぎながら「心」への理解を深めていくヴァイオレットの姿は、SNSを始めとした伝達ツールが発達しながらむしろ拒絶や断絶が広がっていったり、コロナ禍でこれまでと同じような人との接し方さえままならない昨今にあっては示唆するものが多いことでしょう。奇しくも昨年発売され世界的にも高い評価を得たゲーム「デス・ストランディング」が同じように隔絶された人々を繋ぐ配達人の物語であったこととも相似した印象を受けます。また期せずして、というべきでしょうか、京都アニメーションの再出発となる作品がこういう物語をしていることにどこか運命的なものを感じずにはいられません。
映画とは、本来ならばその作品で見せている、語られているものが全てであり、完成に至るまでの背景が作品の評価に直結するべきではないと思っています。しかし「完成して世に出たこと自体が一つの奇跡」であることを私を含めこの作品を見に足を運ぶ観客の大半が知っている今回に限っては例外にならざるを得ないでしょう。恐らくこの作品がフラットに評価されるようになるにはあと5年か10年か、事件のことを知らない人が知らないまま観るようになる日が来るまで待たねばならないと思われます。ですがこの想い、この感覚を居合わせた観客たちと共有できるのもまた今だけのもの。TVシリーズを見たかどうかなど関係無くあの事件に衝撃を受けた方ならばどうか、この新たな旅立ちの物語を映画館で見届けてほしいと思いますね。
この曲に乗せて展開する15周年記念PVも絶品。マジで涙目。
こんばんは、小島@監督です。
来年2月の開催が告知されたバンダイナムコフェスではきっとこの歌も披露されるはず。またアイマスに限らず多くのファンにとっても約1年ぶりのライブになるかもしれず、何としても現地に乗り込みたいですね。
さて、今回の映画は「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」です。
C.H.郵便社で代筆業を勤めるヴァイオレット・エヴァーガーデン(声・石川由依)は、かつて戦場で、誰より大切な人であったギルベルト・ブーゲンビリア少佐(声・浪川大輔)から別れの際に聞かされた言葉の意味を理解できぬままに生きてきたが、代筆業を営む中で人の心の機微を学びその真意を探る日々を過ごしていた。
ヴァイオレットはギルベルトの母の月命日に彼の代わりを担うかのように花を手向けに訪れていた。そこでギルベルトの兄ディートフリート(声・木内秀信)と再会する。戦後数年の時を経てもその消息の掴めないギルベルトをもう忘れるべきだとディートフリートに訴えられるがヴァイオレットはそれを拒んだ。
そんな折、ヴァイオレットの元にユリス(声・水橋かおり)と名乗る少年から代筆の依頼が入り、ヴァイオレットはその少年の元へと赴く。一方、C.H.郵便社では社長のクラウディア・ホッジンス(声・子安武人)が郵便物の保管庫で宛先不明で戻されてきた1通の手紙を発見するのだった…
暁佳奈の小説を原作に2018年に製作されたTVシリーズの完結編に当たるエピソードであり、同時に昨年7月の火災事件で多数の死傷者を出した京都アニメーションの再建後第1作となる映画です。当初1月公開の予定だったと聞きますが、2度の延期を経て先週ようやく封切りとなりました。丁度公開2日目となる先週19日から映画館の席数制限が解除となり、私が鑑賞した回も7割以上の客入りになっており、ようやくこういう光景が戻ってきたかと感慨深い気持ちになりました。
渾身、と言っていい出来栄えの映画です。髪の毛1本、僅かな所作一つとておろそかにしない繊細なビジュアル、出演している声優陣の熱のこもった演技、時に荘厳に、時にリリカルに奏でられる音楽、それら全てが相乗して観客の感情に訴えてきます。TVシリーズを観ていない私でもボロボロ涙が出てくるほど響いてくるくらいだったので思い入れの強い方にとっては尚更揺さぶられるものがあったでしょう。「京都アニメーションはこういう作品を作ってくれるところだった」と思い出させてくれるに十分です。
想いを代筆し、人と人との心をつなぎながら「心」への理解を深めていくヴァイオレットの姿は、SNSを始めとした伝達ツールが発達しながらむしろ拒絶や断絶が広がっていったり、コロナ禍でこれまでと同じような人との接し方さえままならない昨今にあっては示唆するものが多いことでしょう。奇しくも昨年発売され世界的にも高い評価を得たゲーム「デス・ストランディング」が同じように隔絶された人々を繋ぐ配達人の物語であったこととも相似した印象を受けます。また期せずして、というべきでしょうか、京都アニメーションの再出発となる作品がこういう物語をしていることにどこか運命的なものを感じずにはいられません。
映画とは、本来ならばその作品で見せている、語られているものが全てであり、完成に至るまでの背景が作品の評価に直結するべきではないと思っています。しかし「完成して世に出たこと自体が一つの奇跡」であることを私を含めこの作品を見に足を運ぶ観客の大半が知っている今回に限っては例外にならざるを得ないでしょう。恐らくこの作品がフラットに評価されるようになるにはあと5年か10年か、事件のことを知らない人が知らないまま観るようになる日が来るまで待たねばならないと思われます。ですがこの想い、この感覚を居合わせた観客たちと共有できるのもまた今だけのもの。TVシリーズを見たかどうかなど関係無くあの事件に衝撃を受けた方ならばどうか、この新たな旅立ちの物語を映画館で見届けてほしいと思いますね。
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