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ちゅうカラぶろぐ


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あまり時間が作れないのでゆっくりしか進められないとも言いますが「デス・ストランディング」、ちまちまと進めています。このゲーム、ユニークなシステムしていて、広大かつ不毛な大地のそこかしこに梯子やロープをかけて道が作られています。これ、オンラインで接続状態にしているとプレイヤーの誰かが本当に道を整えているのが反映されているのです。後から始めた人の方が有利というより先駆者の切り拓いた道を辿っている感じがちょっと熱い。下手な攻略サイト見るより誰かが設置した梯子やロープを元にどう移動ルートを構築するかを考えている方が多分有意義というのも面白いですね。

 こんばんは、小島@監督です。
 もし誰も見つけていない登攀ルートを発見したらそこにロープは掛けておこう。いつか誰かが辿れるように。

 さて、今回の映画は「ゾンビランド:ダブルタップ」です。

 新型ウイルスが世界中に蔓延しゾンビが溢れ返るようになって十数年後、縁と絆によって共に行動するようになったコロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)、タラハシー(ウディ・ハレルソン)、ウィチタ(エマ・ストーン)と妹のリトルロック(アビゲイル・ブレスリン)の4人は、今や無人となったホワイトハウスに居を構え終末世界「ゾンビランド」をたくましく生きていた。
 今や恋人同士となったコロンバスとウィチタだったが、コロンバスがプロポーズすると束縛を嫌うウィチタはそれを拒絶。リトルロックもまた自分に対し常に父親風を吹かせるタラハシーをうざったく感じており、遂に姉妹はタラハシーお気に入りのトラックでもって家出してしまった。

 それまでB級ホラー映画の定番題材だったゾンビ映画に、「ゾンビさえいれば大体何をやってもいいんじゃね?」と作品のテイストの幅が大きく広がっていったのは恐らく1990年代の終わりごろじゃないかと思います。そんな折2004年に「ショーン・オブ・ザ・デッド」(監督エドガー・ライト、主演サイモン・ペグ)が製作され、ゾンビ映画にコメディの道が切り拓かれていきました。それから5年後の2009年に製作された作品が「ゾンビランド」です。引きこもりだからゾンビ禍を免れたオタク青年のコロンバス、ガンマニアなおっさんタラハシー、コソ泥と詐欺を繰り返しながら渡り歩くウィチタとリトルロックの姉妹というボンクラなメンバーたちがひょんなことから行動を共にするようになり明るくたくましくサバイバルしながらやがて家族のようになっていく姿を描き低予算ながらスマッシュヒットを飛ばしました。
 それから10年、まさかの続編が登場です。

 驚くことに前作の主要キャストとスタッフが再集結。この10年間にジェシー・アイゼンバーグは「ソーシャルネットワーク」の主演で話題になり、ウディ・ハレルソンは「スリー・ビルボード」「記者たち」など社会派や文学作品へ度々出演、エマ・ストーンに至っては「ラ・ラ・ランド」でアカデミー主演女優賞を獲得するなどキャリアを伸ばし、脚本のレット・リースとポール・ワーニックは「デッドプール」2作のシナリオを、監督ルーベン・フライシャーは「ヴェノム」を手掛けたりとマーベル作品を担うまでになりました。そんな今や「錚々たる」という言葉が似合うようになったメンバーが結集してそれまでのキャリアで培った技を軽やかに振るう、実に楽しい作品に仕上がっています。

 一番特徴的なのは作中の時間もちゃんと10年経過している点です。家族のように寄り集まった4人も10年も経てばその関係性には様々な変化が起こるもの。それが物語に良いうねりを産んでいます。
 そして今作では、実は結構生き残っている人たちが新キャラとして続々と登場します。割と頭の軽いギャル・マディソン(ゾーイ・トゥイッチ)やコロンバスとタラハシーの鏡写しのようなコンビ・アルバカーキ(ルーク・ウィルソン)とフラッグスタッフ(トーマス・ミドルディッチ)、極め付きはこの状況で非暴力を貫いて何故か何事も無く生き残ってるヒッピー・バークレー(アヴァン・ジョーギア)と揃いも揃って面白おかしい人たちばかりが物語を更に珍妙な方向に加速させていきます。
 セットの規模にしろVFXにしろ予算規模は前作を大きく上回っていてスケールアップしているはずなのに、程良く前作のような緩いB級感を残したままなのもおかしくて良いですね。

 「とにかく良いシナリオが生まれるのを辛抱強く待ち続けた」と監督が語るだけある、10年のブランクをものともしないコメディもアクションもドラマも大盛りの実に楽しい作品です。前作のファンならばマストで、未見の方も気楽に肩の力を抜いて楽しめる1本になっているので何かノー天気なものを観たいときは選択肢の一つにどうぞ。

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