ちゅうカラぶろぐ


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昨日の放送で遂に「HUGっと!プリキュア」が最終回に。
 ジェンダー論にまで踏み込んでみせた今期のプリキュアは、お仕着せの「らしさ」と向き合いながら常に「なりたい自分」を模索し続ける物語であり、そういう中で訪れる悩みや苦しみに立ち向かう人たち全てを抱きしめ応援する物語でもあり、シリーズ15周年という節目に相応しい、ある意味で2010年代を代表する作品になったと言って過言ではない気がします。ありがとう、最高に楽しい1年間をありがとう…!

 こんばんは、小島@監督です。
 来週からの「スター☆トゥインクルプリキュア」はどんな物語を描くのか。一ファンとしてはまた楽しみな1年間が始まります。

 さて、今回の映画は「Fate/stay night [Hevean's Feel] Ⅱ Lost Butterfly」です。

 それを手にした者の願いを叶えるという「聖杯」を巡り7人の魔術師(マスター)と彼らが召喚した英霊(サーヴァント)たちが戦う「聖杯戦争」。間桐臓硯(声・津嘉山正種)が召喚した真アサシン(声・稲田徹)の暗躍と、謎めいた黒い「影」の存在により戦いの行方は不気味に捻じれ始めていた。
 次々とマスターとサーヴァントたちが斃れていき、衛宮士郎(声・杉山紀彰)もセイバー(声・川澄綾子)を失った。しかし士郎は聖杯戦争から脱落したにもかかわらず間桐桜(声・下屋則子)を守るためにその戦いから降りようとはしなかった。そんな士郎の身を案じる桜だったが、彼女もまたその想いごと、運命にからめとられようとしていた…

 2004年にPCで発売されたビジュアルノベルゲーム「Fate/stay night」、2006年に初めてTVアニメ化されて以降度々映像化されてきましたが、2017年より原作の第3部に当たる桜ルート「Heaven's Feel」が3部作の劇場版として製作・公開され、現在その2作目が上映中です。製作は「Fate/ZERO」を始め「Fate」シリーズを高クオリティで映像化して定評のあるufotable、スタッフなどは3部作通しての登板になっているようで監督須藤友徳以下基本的に前作からのスライドになっています。

 1作目である「presage flower」も相当でしたが、こと精細な作画を楽しめるという点において現在他の追随を許さないとてつもないグレードのそれを堪能できる一本です。登場人物の所作にしろ背景美術にしろ動き一つ線1本全てが精緻を極め、画面そのものに引き込まれるようなパワーがあります。キャラクターを演じる声優陣も10年以上この役に接してきている方ばかりで作品への理解度も高く、物語への没入感の高さという面でもこの完成度は目を見張るものがあります。

 物語の方は、原作のプロローグ部分をばっさりカットするという大胆な構成をイントロに持って来て驚かせた1作目同様いささか駆け足気味な語り口が続くものの登場人物が絞られてきたこの2作目は割と焦点もはっきりして観易くなっています。ただいくつかの要素についてはいささかサラッとしていてもう少し「溜め」が欲しかったと思わざるを得ない部分もありましたが。
 物語が佳境に差し掛かり始めた今作の注目すべきポイントとして、もともと原作の「Fate/stay night」は18禁のアダルトタイトルとして製作されており、その後PS2などに移植された際そういった要素がマイルドにアレンジされて行ったのですが、今作ではそのPCタイトルの頃のエログロ要素を盛り込んできてるところです。上映レーティングの指定はされていないのでギリギリのラインではあるのですが、性的な要素が生々しくせめぎ合うことで桜の葛藤をより克明に活写してみせます。

 全てが堕ちるところまで堕ちていく中で士郎はある「決意」をします。そして物語は終幕へ向けての胎動が始まっていきます。来春予定という完結編の公開が今から待ち遠しい。沈鬱な作品ではありますが、ファンならマストで押さえておくべきでしょう。ハイグレードな作画を隅々まで堪能するためにもどうぞ映画館へ足を運んでみてください。


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