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ちゅうカラぶろぐ


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先週末のニュースで流れた声優・鶴ひろみさん急死の報に衝撃を隠せません。本当に膝から崩れ落ちるような感覚を覚えました。
ニュースで主に紹介された「アンパンマン」のドキンちゃん役や「ドラゴンボール」のブルマ役が一般的に広く知られているところでしょうが、個人的には「GS美神」の見た目イケイケのお姉さんで金にがめつくプライドの高い性格ながら実は情に厚い主人公美神令子をどこかキュートさをまとわせて演じていたことや、「メタルギアソリッド」シリーズでのソリッド・スネークへ愛憎渦巻く複雑な感情を抱き数奇な運命に翻弄された女性ナオミ・ハンターが印象的でした。
他にも「TRIGUN」のメリル・ストライフや「サイレントメビウス」のキディ・フェニルなど印象に残るキャラクターは枚挙にいとまが無く、皆さんの中にも忘れられないキャラクターがいるのではないでしょうか。まだまだ活躍のできるお歳だっただけに残念でなりません。
謹んでご冥福をお祈りいたします

こんばんは、小島@監督です。
しかしブルマやドキンちゃんは誰が受け継ぐことになるんだろう…?

さて、今回の映画は「GODZILLA 怪獣惑星」です。

20世紀末、突如として人類は巨大生物「怪獣」の襲撃を受けた。世界各地で甚大な損害を被り遂には人類と怪獣との戦争状態に突入した。
そして2030年、「ゴジラ」が現れた。人類はおろか他の怪獣すらも圧倒するゴジラに人類はなすすべもなく蹂躙されていく。その威容は地球だけでなく宇宙にもその名が知られるところとなり、母星を失った異星人「エクシフ」や「ビルサルド」が地球への移住を条件に共闘を持ち掛け、人類の科学技術を飛躍的に向上させることに繋がったが、しかしその共闘も虚しく敗れ去り、人類は生存のために外宇宙へ移民船団を出航させた。
それから20年後、物資の困窮する移民船の日々に疲れた者達の進言により、船は地球へ帰ってきた。ゴジラによって奪われた故郷を取り戻すために。その中に、ゴジラに対し激しい憎悪を燃やす青年ハルオ・サカキ(声・宮野真守)はいた。

何故か近年新作映画の公開が相次いでファンとしては嬉しいけどちょっと戸惑いもするゴジラシリーズの、初めてのアニメ映画が現在公開中です。
実はゴジラのアニメ化自体はこれが初めてではありません。1978年にアメリカのアニメ制作会社ハンナ・バーべラ・プロダクションにより製作されたTVシリーズを始め何度かアニメになっているのですが、劇場用作品として、また3DCGアニメとしては今作が初めての物になります。

脚本に「PSYCHO-PASS」「楽園追放」の虚淵玄、監督に「シドニアの騎士」「劇場版名探偵コナン」の静野孔文と、静野と共に「シドニアの騎士」を手掛けたほか「亜人」「BLAME!」などの瀬下寛之が務めた今作は、恐らく実写で製作したらもっとチープに見えてしまうであろう設定と世界観をうまくCGアニメで表現し、1つのSF映画として優れた作品に仕上がっています。
パワードスーツを筆頭に多用に登場するガジェットを活用したアクションシークエンスなどアニメならではの画面がバンバン出てくるのも楽しいところ。

何よりこの作品の優れている点は絶望的ですらあるゴジラの圧倒的な威容です。ゴジラを単なる「巨大生物」ではなく一種の「神格化された具象」として威風堂々とした姿をしていて目を引きます。この存在感を醸しだせなければアニメというより「ゴジラ」を冠した作品として失敗の烙印を押されてしまうところですが、この難題を製作に携わったポリゴン・ピクチャーズは見事に乗り越えてみせました。これまでの特撮映画における着ぐるみの構造的必然から解放されて少し前傾気味の体勢をしているのも特徴的ですね。

これまでのシリーズとは一線を画す世界観をしている一方でオリジナルへのリスペクトも強く感じられるところが窺えるのもこの作品の特徴です。かなりマニアックな東宝特撮映画の怪獣たちがカメオ出演していることもそうですし、主人公の名前が「ハルオ」なのも恐らく初代ゴジラのスーツアクターだった故・中島春雄さんから取っているのだろうと思います。

作中登場するキャラクターの中で強烈な存在感を放つのは異星人エクシフの神官メトフィエス。柔らかな物腰と穏やかな口調で喋りハルオを導くような態度をとりながら、しかし真意をなかなか掴ませないキャラクターを演じるのは櫻井孝宏。脚本虚淵玄の作品に登場する櫻井孝宏。もうそれだけで胡散臭さ全開。メトフィエスという名前も「ファウスト」の「メフィスト・フェレス」を想起させる響きしてるところも油断なりません。色んな意味で必見のキャラクターです(笑)

なお、今一つ浸透していない事柄として、このアニメ映画版「ゴジラ」は3部作としての製作・公開が決定されています。なので、今作は結構いいところで終わってしまい知らずに観るとちょっと呆気に取られてしまうかもしれないため、その点だけは把握した上で鑑賞に臨むとよいでしょう。

いずれにしても昨年公開の「シン・ゴジラ」同様に既存のファンだけでなく新たなファンにも訴求できるパワーを持った作品です。ここに来てこんな作品が連投されるあたり「ゴジラ」のポテンシャルはまだなかなかのもの。まだ「ゴジラ」を観たことの無い方も出演する声優のファンというだけでも構わないのでコレを機に「ゴジラ」に触れてみていただきたいですね。







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