昨日朝方長野南部を見舞った震度5強の地震、我が家にもその余波が及びました。
震度4クラスなので怪我したとか物が落ちてきたとかそういうのはなかったのですが数十秒に渡って続く長い揺れを体感するのは久しぶりでさすがに本能が「やばい!」と叫んでました。
実はニュースなどではほとんど報じられていませんが、昨日はあの地震の後、夜まで震度1あるかないかくらいの弱い地震が何度も発生しています。これが余震ではなく前兆だとしたらと思うとちょっと不安になってしまいますね。
こんばんは、小島@監督です。
ズボラなのでこういう時に非常持ち出し袋のチェック。う~む、水は良いけど食糧が足りてない…
さて、今回の映画は「ローガン」です。
おや?昨日アイマスライブのライブビューイング行ってなかったかって?ええ、その通りなんですけどね。今回は現地を全力で満喫してきた方がいらっしゃるのでそちらに全面的にお任せします(笑)
2029年、ミュータントは絶滅寸前にまで激減していた。ローガン(ヒュー・ジャックマン)も年老いてかつての能力にも陰りが差し「ウルヴァリン」の名を捨てリムジンの運転手として細々と生計を立てていた。
ローガンが生活の拠点にしているメキシコの廃工場にはチャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュアート)の姿もあった。齢90を超えたエグゼビアは認知症を患いその能力を制御できなくなりつつあり、ローガンと、共に暮らすミュータント・キャリバン(スティーブ・マーチャント)の介護を受けて最晩年を迎えつつあった。
そんなある日、ローガンの下にガブリエラ(エリザベス・ロドリゲス)と名乗る女が訪ねてくる。ガブリエラはローガンにローラ(ダフネ・キーン)という少女をノースダコタ州のカナダ国境付近まで送り届けてほしいと懇願する。面倒事に関わりたくないローガンはその願いを突っぱねるが、やがてローラが自身と同じ能力を秘めていると知り、行動を共にすることになる。
今やハリウッドを代表する俳優の一人と言って良いヒュー・ジャックマン。「X-MEN」(2000年製作)以降実に17年間9作品に渡り演じ続けてきたウルヴァリンに別れを告げる作品が現在公開中です。ヒュー・ジャックマン自身が「全力を尽くした」を言い切った「ローガン」はまさにその集大成に相応しい傑作が出来上がりました。
「R-15」にレイティングされた今作は、確かに首や手足がすっ飛ぶ戦闘描写に目が行きがちですが、それ以上に作品冒頭いきなり観客に叩き付けられる衰弱しきったローガンの姿に驚かされることになります。
年老いたローガンが更に老いさらばえたエグゼビアを介護している様はまさに「老老介護」そのもので、よもやアメコミ映画でそういうものが描かれる日が来るとは思わずなかなかに衝撃的でした。
罪の意識に苛まれ全てに疲れ切ったローガンの前にローラという少女が現れます。「X-MEN」におけるミュータントとはある意味でマイノリティとそれに対する社会という構図の戯画化みたいな側面がありましたが、今回は更に老人と少女という一見して分かる社会的弱者がローガンの双肩に託されます。出来上がる構図に生っぽい重さとキツさをまとっているのがこの映画の特徴です。
そしてもう一つ、この映画を作り上げている特徴、それは言わば「映画的記憶」とでもいうようなものでしょうか。西部劇や日本の時代劇の匂いが嗅ぎ取れるシーンが数多く登場するのです。特に強く感じるのは「許されざる者」(1992年製作。監督・主演クリント・イーストウッド)ともう一つ。こちらは嗅ぎ取れるどころか作中ダイレクトにフッテージが登場する上にセリフやシチュエーションも引用されるのでここでは敢えて伏せておきましょう。
「戦いに明け暮れた者が子供を守ることになる」というモチーフ自体古今数多く描かれてきました定番とも言えるもので、「レオン」や「子連れ狼」を連想する方も多いのではないでしょうか。
「許されざる者」は「最後の西部劇」とも言われている傑作で、言うなればフロンティアとガンマンの伝説の終焉を描くような物語で、ミュータントの黄昏を描く今作の雰囲気はそれに似たものを感じます。
「年老いた」という部分は当然アクション面でも強調されます。今作ではローラの方はともかくローガンについては意識的に爽快感に欠ける泥臭いアクションで構成されていてその「重さ」もまた「哀しさ」を滲ませて、胸を締め付けて来ます。
ローガンの話ばかりしてしまいましたが、この映画のもう一人の主人公でもあるローラを演じるダフネ・キーンの演技も語らないわけには行きません。感情も未成熟な少女がローガンと出会うことで一人の強い「戦士」へと成長していく様を見事に演じて観る者を驚かせます。アクションの大半もスタントダブル無しで演じ切ったというその身軽さも相俟って強烈な印象を残す彼女、今作だけで終わりにしてしまうのはもったいない。いつか作られるであろう新しい「X-MEN」で是非またローラを、今度はウルヴァリン(コミックではローラが2代目ウルヴァリンを名乗るようになる)として演じてほしいものです。
この映画を監督したのはジェームズ・マンゴールド。「17歳のカルテ」(1999年製作。主演ウィノナ・ライダー、アンジェリーナ・ジョリー)や「ウォーク・ザ・ライン/君に続く道」(2005年製作。主演ホアキン・フェニックス、リース・ウィザースプーン)などを手掛けた人物ですが、アメコミ映画ファンにとって一番通りが良いのは「ウルヴァリン:SAMURAI」(2013年製作)でしょう。あのブッ飛んだ作品と文学的な香りも高い今作が同一人物の手によるものとはにわかには信じ難いですが事実です。そこら辺は割り切って楽しみましょう(笑)
個人的には「ダークナイト」(2008年製作。監督クリストファー・ノーラン、主演クリスチャン・ベール)にも匹敵するアメコミ映画のオールタイムベストになり得る1本ではないかと思えるほど、震えるような感動を味わいました。もし「X-MEN」という作品に少しでも思入れがあるのなら、この作品は絶対に見逃さないでください。
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実はニュースなどではほとんど報じられていませんが、昨日はあの地震の後、夜まで震度1あるかないかくらいの弱い地震が何度も発生しています。これが余震ではなく前兆だとしたらと思うとちょっと不安になってしまいますね。
こんばんは、小島@監督です。
ズボラなのでこういう時に非常持ち出し袋のチェック。う~む、水は良いけど食糧が足りてない…
さて、今回の映画は「ローガン」です。
おや?昨日アイマスライブのライブビューイング行ってなかったかって?ええ、その通りなんですけどね。今回は現地を全力で満喫してきた方がいらっしゃるのでそちらに全面的にお任せします(笑)
2029年、ミュータントは絶滅寸前にまで激減していた。ローガン(ヒュー・ジャックマン)も年老いてかつての能力にも陰りが差し「ウルヴァリン」の名を捨てリムジンの運転手として細々と生計を立てていた。
ローガンが生活の拠点にしているメキシコの廃工場にはチャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュアート)の姿もあった。齢90を超えたエグゼビアは認知症を患いその能力を制御できなくなりつつあり、ローガンと、共に暮らすミュータント・キャリバン(スティーブ・マーチャント)の介護を受けて最晩年を迎えつつあった。
そんなある日、ローガンの下にガブリエラ(エリザベス・ロドリゲス)と名乗る女が訪ねてくる。ガブリエラはローガンにローラ(ダフネ・キーン)という少女をノースダコタ州のカナダ国境付近まで送り届けてほしいと懇願する。面倒事に関わりたくないローガンはその願いを突っぱねるが、やがてローラが自身と同じ能力を秘めていると知り、行動を共にすることになる。
今やハリウッドを代表する俳優の一人と言って良いヒュー・ジャックマン。「X-MEN」(2000年製作)以降実に17年間9作品に渡り演じ続けてきたウルヴァリンに別れを告げる作品が現在公開中です。ヒュー・ジャックマン自身が「全力を尽くした」を言い切った「ローガン」はまさにその集大成に相応しい傑作が出来上がりました。
「R-15」にレイティングされた今作は、確かに首や手足がすっ飛ぶ戦闘描写に目が行きがちですが、それ以上に作品冒頭いきなり観客に叩き付けられる衰弱しきったローガンの姿に驚かされることになります。
年老いたローガンが更に老いさらばえたエグゼビアを介護している様はまさに「老老介護」そのもので、よもやアメコミ映画でそういうものが描かれる日が来るとは思わずなかなかに衝撃的でした。
罪の意識に苛まれ全てに疲れ切ったローガンの前にローラという少女が現れます。「X-MEN」におけるミュータントとはある意味でマイノリティとそれに対する社会という構図の戯画化みたいな側面がありましたが、今回は更に老人と少女という一見して分かる社会的弱者がローガンの双肩に託されます。出来上がる構図に生っぽい重さとキツさをまとっているのがこの映画の特徴です。
そしてもう一つ、この映画を作り上げている特徴、それは言わば「映画的記憶」とでもいうようなものでしょうか。西部劇や日本の時代劇の匂いが嗅ぎ取れるシーンが数多く登場するのです。特に強く感じるのは「許されざる者」(1992年製作。監督・主演クリント・イーストウッド)ともう一つ。こちらは嗅ぎ取れるどころか作中ダイレクトにフッテージが登場する上にセリフやシチュエーションも引用されるのでここでは敢えて伏せておきましょう。
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