先週から始まった新しいスーパー戦隊シリーズ「動物戦隊ジュウオウジャー」、始まったばかりで物語がどうのというのはまだ無いのですが、被り物するわ笑顔で踊るわの寺島進と変身時のチョーさんの朗々としたボイスが強烈なインパクト。またルービックキューブをイメージしたであろう合体ロボのソリッドなデザインとギミックが何気に観てて楽しいです。
それはそれとして、その名の通り動物をモチーフとしたヒーローに変身するのですが、赤がイーグル、青がシャークと来るなら黄色はパンサーと続いてほしかったな~とうっすら思ってしまいました(苦笑)
こんばんは、小島@監督です。
え?最後は何の事を話してるか分からない?そんな方は1981年に放送された主題歌を串田アキラが歌っているテレビ番組を調べてみよう。
さて、今回の映画は「残穢~住んではいけない部屋」です。
怪談雑誌に連載を持つ「私」(竹内結子)の元には出版社を通じ読者からの怪奇談が寄せられてくる。その中に女子大生・久保(橋本愛)からの手紙が「私」の目に留まった。
「今住んでいる部屋で、奇妙な音がするんです。畳の上を何かが擦るような音が」
始めは怪談には良くあるものと手紙を読み飛ばした「私」だったが、数か月後に久保から届いた2通目の手紙の内容に引っ掛かりを覚えた「私」は過去の手紙のファイルをひっくり返してみる。そこには久保と同じマンションの住人から寄せられた手紙があった。興味を抱いた「私」は久保と連絡を取り、マンションについて調べ始めるのだったが…
「十二国記」などで知られる小野不由美の小説を原作にしたホラー映画です。
「リング」(1998年製作・松嶋菜々子主演)を筆頭に「Jホラー」として海外でも評価の高かった日本のホラー映画ですが、近年ではどちらかといえばアイドル映画の1形態としての意味合いが強くなり、物語もシンプルに音や映像で「怖がらせる」より「驚かせる」方にシフトしていっていますが、そんな中にあって久々に快作が生まれました。
それと、予備知識無しでアニメシリーズの劇場版をホイホイ観に行くような私ですが、珍しく今回観るより先に原作を読んでいます。いや、たまたまなんですけどね(笑)
橋本愛演じる「久保」の設定が大幅に変えられているものの(原作では30代の女性ライター)、それ以外はほぼ原作に忠実な内容です。
心霊現象に否定的なスタンスと低いテンションという主人公「私」のユニークな造形を竹内結子が見事に体現しています。
竹内結子、橋本愛以外にも滝藤賢一、佐々木蔵ノ介、不破万作とかなり重厚な俳優陣していることも大きな特色といえるでしょう。特に中盤から登場する怪奇小説家平岡(モデルは実話怪談の大家である平山夢明)を演じる恐らくホラーに出演するのは初めてであろう佐々木蔵ノ介の実に胡散臭い演技が最高に面白く、ある意味見どころの一つになっています。
この作品を他の同ジャンルのものと大きく差別化しているのは物語の運び方そのものにあります。
「部屋から奇妙な音がする」を発端に、そうなった原因をひたすら探り当てようとします。「前に住んでいた人」が原因なのか?そうでないとしたら「その前の人」は?更に「その前」は?いや「マンション建設以前」はどうだったのか?どんどんと掘り下げていくその様はホラーよりミステリのテイストが強いとも言え、その展開に、どこまでも尽きない怨みの連鎖を恐ろしいと思うか、土地の記憶を何世代も掘り下げることにある種の民俗学的好奇心を見出すか、怪異が分かりやすく姿を現さないことをつまらないと感じるかでこの映画に対する評価は大きく変わってくることでしょう。
この映画を手掛けた中村義洋監督は、「ゴールデンスランバー」(2010年製作・堺雅人主演)「奇跡のリンゴ」(2013年製作・阿部サダヲ主演)など多彩なジャンルの作品を精力的に発表し続けていますが、そのキャリアの初期には「ほんとにあった!呪いのビデオ」(1999年以降。現在も演出や監督が代替わりしながらシリーズ継続中)という低予算のビデオシリーズを手掛けており、「私」の淡々としたモノローグでセミドキュメンタリーチックに進行していく「残穢」は当時からのファンの方には古巣に帰ってきたような感慨を与えてくれるかもしれません。
「音」を起点にする物語だけあって音響効果もなかなかのもの。公開館の選択が可能ならできるだけ音響の良い映画館でご覧になることをお勧めしたいですね。
この映画の中でもったいないな、と思うのは終盤の展開。原作とは一味違うエピローグが用意されているのですが、そこまで保ってきていた「距離感」がそこでだけ崩れてしまうのがいささか残念です。原作がかなり唐突かつ淡泊に結末を迎えるのでそのまま映像化したのでは映画として締まらないと考えてのアレンジなのでしょうが、結果的にそれまで築き上げてきた「怖さ」が薄らいでしまうあたりに映画作りの難しさを感じさせます。
それでもこの「残穢」は「穢れ」という土着的な恐怖の概念を表現してみせた、観てるその時よりむしろ観た後がちょっと怖くなる、邦画ホラーとしては久々と言ってもいい佳作です。興味のある方はせっかくなので是非逃げ場の無い映画館でどうぞ。
とは言っても、それで部屋の隅っこやカーテンの隙間に何か見えたり変な音が聞こえるようになっても当方は責任を負いかねますのであしからず(笑)
それはそれとして、その名の通り動物をモチーフとしたヒーローに変身するのですが、赤がイーグル、青がシャークと来るなら黄色はパンサーと続いてほしかったな~とうっすら思ってしまいました(苦笑)
こんばんは、小島@監督です。
え?最後は何の事を話してるか分からない?そんな方は1981年に放送された主題歌を串田アキラが歌っているテレビ番組を調べてみよう。
さて、今回の映画は「残穢~住んではいけない部屋」です。
怪談雑誌に連載を持つ「私」(竹内結子)の元には出版社を通じ読者からの怪奇談が寄せられてくる。その中に女子大生・久保(橋本愛)からの手紙が「私」の目に留まった。
「今住んでいる部屋で、奇妙な音がするんです。畳の上を何かが擦るような音が」
始めは怪談には良くあるものと手紙を読み飛ばした「私」だったが、数か月後に久保から届いた2通目の手紙の内容に引っ掛かりを覚えた「私」は過去の手紙のファイルをひっくり返してみる。そこには久保と同じマンションの住人から寄せられた手紙があった。興味を抱いた「私」は久保と連絡を取り、マンションについて調べ始めるのだったが…
「十二国記」などで知られる小野不由美の小説を原作にしたホラー映画です。
「リング」(1998年製作・松嶋菜々子主演)を筆頭に「Jホラー」として海外でも評価の高かった日本のホラー映画ですが、近年ではどちらかといえばアイドル映画の1形態としての意味合いが強くなり、物語もシンプルに音や映像で「怖がらせる」より「驚かせる」方にシフトしていっていますが、そんな中にあって久々に快作が生まれました。
それと、予備知識無しでアニメシリーズの劇場版をホイホイ観に行くような私ですが、珍しく今回観るより先に原作を読んでいます。いや、たまたまなんですけどね(笑)
橋本愛演じる「久保」の設定が大幅に変えられているものの(原作では30代の女性ライター)、それ以外はほぼ原作に忠実な内容です。
心霊現象に否定的なスタンスと低いテンションという主人公「私」のユニークな造形を竹内結子が見事に体現しています。
竹内結子、橋本愛以外にも滝藤賢一、佐々木蔵ノ介、不破万作とかなり重厚な俳優陣していることも大きな特色といえるでしょう。特に中盤から登場する怪奇小説家平岡(モデルは実話怪談の大家である平山夢明)を演じる恐らくホラーに出演するのは初めてであろう佐々木蔵ノ介の実に胡散臭い演技が最高に面白く、ある意味見どころの一つになっています。
この作品を他の同ジャンルのものと大きく差別化しているのは物語の運び方そのものにあります。
「部屋から奇妙な音がする」を発端に、そうなった原因をひたすら探り当てようとします。「前に住んでいた人」が原因なのか?そうでないとしたら「その前の人」は?更に「その前」は?いや「マンション建設以前」はどうだったのか?どんどんと掘り下げていくその様はホラーよりミステリのテイストが強いとも言え、その展開に、どこまでも尽きない怨みの連鎖を恐ろしいと思うか、土地の記憶を何世代も掘り下げることにある種の民俗学的好奇心を見出すか、怪異が分かりやすく姿を現さないことをつまらないと感じるかでこの映画に対する評価は大きく変わってくることでしょう。
この映画を手掛けた中村義洋監督は、「ゴールデンスランバー」(2010年製作・堺雅人主演)「奇跡のリンゴ」(2013年製作・阿部サダヲ主演)など多彩なジャンルの作品を精力的に発表し続けていますが、そのキャリアの初期には「ほんとにあった!呪いのビデオ」(1999年以降。現在も演出や監督が代替わりしながらシリーズ継続中)という低予算のビデオシリーズを手掛けており、「私」の淡々としたモノローグでセミドキュメンタリーチックに進行していく「残穢」は当時からのファンの方には古巣に帰ってきたような感慨を与えてくれるかもしれません。
「音」を起点にする物語だけあって音響効果もなかなかのもの。公開館の選択が可能ならできるだけ音響の良い映画館でご覧になることをお勧めしたいですね。
この映画の中でもったいないな、と思うのは終盤の展開。原作とは一味違うエピローグが用意されているのですが、そこまで保ってきていた「距離感」がそこでだけ崩れてしまうのがいささか残念です。原作がかなり唐突かつ淡泊に結末を迎えるのでそのまま映像化したのでは映画として締まらないと考えてのアレンジなのでしょうが、結果的にそれまで築き上げてきた「怖さ」が薄らいでしまうあたりに映画作りの難しさを感じさせます。
それでもこの「残穢」は「穢れ」という土着的な恐怖の概念を表現してみせた、観てるその時よりむしろ観た後がちょっと怖くなる、邦画ホラーとしては久々と言ってもいい佳作です。興味のある方はせっかくなので是非逃げ場の無い映画館でどうぞ。
とは言っても、それで部屋の隅っこやカーテンの隙間に何か見えたり変な音が聞こえるようになっても当方は責任を負いかねますのであしからず(笑)
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