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ちゅうカラぶろぐ


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昨日の歌会に参加された皆さんお疲れ様でした。
今回はしばらくぶりにじゃんけん大会に参戦して水樹奈々ライブポストカードをゲット。帰宅後自室で一人ニヤニヤしておりました。

こんばんは、小島@監督です。
先日のMAAさんのブログを読むとさいたまスーパーアリーナのなーなライブも良かったんだろうな~、Blu-ray化を楽しみにしていよう。

さて、今回の映画は「劇場版PSYCHO-PASS」です。

人間の犯罪傾向を数値化し「犯罪係数」を測定する事で治安を守る「シビュラシステム」が敷かれた近未来の日本。
その日本への密入国を図ろうとした外国人テロリストを鎮圧した常守朱(声・花澤香奈)ら公安局刑事課一係のメンバー達。テロリストへの取調の結果、かつて公安局刑事課一係の執行官であった狡噛慎也(声・関智一)の関与が疑われる。その真相を確かめるため、朱は単身テロリストたちの出身地である「SEAUh(東南アジア連合/シーアン)」へと渡るのだった。

2度のテレビシリーズを経て「サイコパス」が遂に劇場版に。シーズン2のラストから更に1年半後の世界を舞台に新たな物語が紡がれます。
先々週のショーグンさんのブログにも登場している作品ですが、今回は私なりの観点で語ってみようかなと思います。いや、観ちゃうと語りたくなるんだって、この映画(笑)

先ずは桁違いに情報量の上がった画面や、オーケストレーションとコーラスをふんだんに使用してより重層的になった音楽が支える音響面など全てがテレビシリーズより格段にスケールアップしています。年間通して絶えず何がしかアニメ映画の新作が公開される昨今ですが全編に亘りスクリーンの大画面と大音響での鑑賞に堪えるアニメ映画、というのはさすがになかなか無いのでそれだけでもこの映画を楽しむ価値はありますね。

この映画、物語の構成も他のアニメ映画ではなかなか見ない要素が多いのも特徴です。
最たるものが「英語は基本的に英語のまま喋って字幕が表示される」ところで、吹替えとかではなく演じてる声優がそのまま英語のセリフを喋っています。
主要人物に子供がいないというのもアニメでは意外に珍しいですね(子供っぽい考え方してる人はいますが)
また、シーズン1の頃から様々な小説などからの引用がセリフに組み込まれる作品でしたが劇場版でもそれは変わりません。むしろさらに洗練されている感じです。
因みに今回のブログのタイトルは個人的に作中最もツボにハマったセリフから拝借させてもらいました。こんな気の利いた(?)罵倒が飛ぶなんてアニメそうそう無いですよ(笑)
既にご覧になってる方の為にちょっぴり説明すると「ポストコロニアル」とは「独立を果たした植民地がその後も植民地主義的な遺産や関係性が持続しているような状況、またはその文化的な研究」とでもいうような意味合いの言葉です。その発端と確立はエドワード・サイードの「オリエンタリズム」からと言われています(さすがにまだ読んだ事無い)学生時代にサラッと触れた事がある程度の言葉をまさかここで聞くことになろうとは。どんな勉強もやっておく価値があるってもんです(笑)
このシーンに限らず作中のセリフや掛け合いからその含意を深読みしてみるのも楽しい作品です。
フィリップ・K・ディックの「マイノリティ・リポート」を彷彿とするシビュラシステムはどうもインテリをアウトローにしてしまう様で、テレビシリーズの頃からインテリマッチョが多い作品です。彼らが引き合いに出すセリフやタイトルをきっかけに様々な作品に触れてみるのもまた一興。
実はもう一つ物凄くツボにハマった箇所があるのですがさすがにネタバレがヒドイのでここでは黙っておきます(笑)

そうそう、「キャラ萌え」的な面で観ると、この映画ぶっちぎりで宜野座伸元(声・野島健児)の独壇場です。シーズン2ではイマイチの扱いでしたが今作では大活躍。彼のファンでまだご覧になっていない方は是非観に行っておきましょう。

1980年代に黎明期を迎えた「サイバーパンクSF」というジャンルは一時衰退したものの種々のテクノロジーの進化によってイメージを喚起しやすくなり、「近未来」という言葉により「現実味」が増して近年再び活気づいてきている印象です(無論「ニンジャスレイヤー」のヒットも要因の一つでしょう)。日本でその旗手足りえたであろう伊藤計劃氏が既に故人になっているのは残念ですが、それでも「サイコパス」のような作品が生まれ、そこから新たなファンが増えると嬉しいですね。その故・伊藤計劃の作品のアニメ映画化も控え、まだまだ目が離せそうにありません。

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