ちゅうカラぶろぐ


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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
 今回は入った部屋の人数が少なかったので、ま〜たくさん歌えました。滅多にやらない曲を引っ張り出したり楽しかったですね。今回初参加の方も楽しんで頂けてたなら嬉しいですね。

 こんばんは、小島@監督です。
 しかしここ5年くらいの曲のレパートリーが少ない自覚があるのでちょっと意識的に増やせるようにしたいかも。

 さて、今回の映画は「宝島」です。

 1952年沖縄・コザ。米軍基地から奪った物資を住民に安く分け与えたり裏社会へ流したりする「戦果アギヤー」と呼ばれる若者たちがいた。リーダー格のオン(永山瑛太)を筆頭にグスク(妻夫木聡)、レイ(窪田正孝)、ヤマコ(広瀬すず)らのグループはある時基地内で米軍に包囲され散り散りになって逃走した。その最中、「予定に無い戦果」を得たらしいオンはそこで消息を絶った。
 数年後、グスクは刑事に、ヤマコは小学校の教師に、レイはヤクザとなってそれぞれオンの行方を探しながら日々を過ごしている。そんな中でコザでは米兵による暴行傷害事件が相次ぎ住民たちの反米感情が高まりつつあった…

 1952年と言えばサンフランシスコ講和条約が発効し日本は独立を回復。しかし沖縄は未だアメリカ占領下。1972年に日本へ返還されるものの現在に至るもなお歪な状況が続いています。映画は1人の男の失踪を機に人生が変わった3人の男女の運命を縦軸としつつ1952〜1972年までの20年間に起きた頻発する米兵による暴行やレイプ事件だけでなく宮森小学校米軍機墜落事故(1959年)、嘉手納基地VXガス漏えい事件(1969年)などの主要事件を網羅した重厚な大河ドラマとなっています。
 太平洋戦争以前から続く日本本土の関係性を思うと100年以上に渡り日米両国から搾取され抑圧され続けた消えない「痛み」の切実さをこれほどスクリーンに焼き付けた映画も少ないのではないでしょうか。

 まるで本当に1950年代の沖縄に観客を放り込むような非常に作り込まれた画面に加えてセリフの大半はがっちり監修の入ったウチナーグチになっているのも大きな特徴で、私には正直なところ3分の1くらい何言ってるか分からなかったのでできれば字幕を入れて欲しい思いもありましたが(笑)、分からなくても俳優たちの演技が「激情」を伝えてくれるので外国映画を字幕無しで観るようなことにはならないはずです。むしろその「分からなさ」こそが迫力を生み出すことに一役買っています。というか妻夫木聡にしろ窪田正孝にしろ沖縄出身者ではないのにちゃんとウチナンチューに見えるのはさすがです。

 鬱積した怒りが沸点に達したように、映画のクライマックスでは1970年に起きたコザ暴動が描かれます。ニュース映像でお茶を濁さず劇映画として余さず作り上げてみせたこのシークエンスの異様とも言える迫力はまさに白眉。予算の注ぎ込み方が正しいと言うべきか、今の日本映画でこんな映像作れるとは思ってなかったくらいの圧巻の映像が展開します。

 欠点はと言えば非常に濃密でこれ以上削れるところも無いとは言え191分ノンストップは流石に長すぎる点です。今回たまたま通路沿いの座席だったのですが何度と無く中座してトイレに立つ観客が前を通って行ったのでここまで長いならもうちょっと上手く編集して途中休憩を入れて欲しかった。
 ただそうは言っても戦後80年という節目、そして冷戦終結後かつてないほど世界的緊張が高まっている現在にこの映画が公開されている意義は決して小さくありません。「歴史を知る」、その入り口として極めて優れた一本です。
 私たちはこの物語の地続きの先に生きている。

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日本時間では昨夜11時頃にフランス・パリで開催された「凱旋門賞」、ご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。レースの結果とは別にしてちょっと面白かったのがフランスが配信している映像の中に府中の東京競馬場でのパブリックビューイングの模様がインサートされていたところ。フランス競馬における日本の立ち位置ってどうなってるんだw

 こんばんは、小島@監督です。
 そう言えば7月に開催されたパリ大賞典ではCygamesがメインスポンサーになったりしていたし半世紀以上も執念深く凱旋門賞に挑み続けているしでちょっと無視できないのかもしれませんね。

 さて、今回の映画は「ワン・バトル・アフター・アナザー」です。

 ボブ(レオナルド・ディカプリオ)はかつては世を騒がせた革命家であったが、闘争の末に妻ペルフィディア(テヤナ・テイラー)を失って十数年後、今は愛娘ウィラ(チェイス・インフィニティ)と共に静かに暮らしていた。しかしある時からウィラが執拗に狙われるようになってしまう。白人エグゼクティブで構成される極右組織への加入を望む軍人ロックジョー(ショーン・ペン)がウィラが自身とペルフィディアとの子どもである可能性を疑い拉致しようとしていたのだ。持ち得る権力を振りかざして執拗にウィラを追跡するロックジョーに、ボブとウィラは徐々に追い詰めらていく。

 1920年代の石油業界を舞台に欲望に溺れる人間たちを描いた「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」や一見すると無関係に思える男女の24時間を描く群像劇「マグノリア」などで評価を集め、カンヌ・ベルリン・ベネチアの三大国際映画祭で受賞経験を持つ巨匠ポール・トーマス・アンダーソン。その新作は、かつての感覚も錆びついた頃に窮地に陥りテンパっちゃうオヤジと執拗に追い詰める変態軍人とが狂気のチェイスを繰り広げる逃走劇です。ストーリーの密度に加えてアイディアとバリエーション豊かなアクションシークエンス、それを支える見事なカメラワークと編集の妙が加わり先の読めないツイストに観客を引きずり込みます。

 娘のために文字通り転がりながら奔走するイマイチ冴えないオヤジを演じるレオナルド・ディカプリオと変態的性癖が自分の野心の障害になったばかりにあらゆる手を尽くして排除しようと追う軍人役にショーン・ペンという2人の名優の演技を観ているだけでも楽しいところに何故かボブを気前よく助けてくれる空手道場の「センセイ(先生)」役ベニチオ・デル・トロが加わり、更にボブの娘ウィラ役の新星チェイス・インフィニティがディカプリオら名優たちに負けない演技で張り合って見せて160分時間いっぱい楽しませてくれます。

 なかなか味わい深いのがロックジョーやペルフィディアと言ったイかれた人間と深く関わってしまったとは言えボブ自体は「イカれようとしたけどイカレられなかった」人間として描かれているのが特徴的で、感情的になっても変にキレるところまで行かない、知恵が回ってもヒーローにはなり切れない、ボブのどことない凡庸さをディカプリオが見事に体現しています。レオナルド・ディカプリオ、その風貌で長らく二枚目であり続けてましたが円熟して壮年期に差し掛かって来たここ数年は性格俳優としての色が強くなってきました。どこか名優ジャック・ニコルソンを思わせるキャリアと貫禄が付いてきて、今後どんな映画でどんな役柄を演じるのか、楽しみですね。
 
 極左組織の革命闘争を発端にして極右組織も闘争に絡んでくるのでそう言ったものの縮図が見て取れるものかと言えばそうではなくむしろ自己顕示欲が強すぎる愚者が人を動かせる権力を持ち得てしまうことのおぞましさを描いている作品ですが、そこそこ前から準備している作品だというのに見事なまでに昨今の情勢に対する強烈な風刺とアイロニーになっていて、結果的にかなりの激辛な寓話になっています。

 キレッキレの演出が160分続く、癖も強いながら娯楽性と社会性が共にトップスピードなジェットコースターの如き傑作です。秋の入り口に差し掛かったところで凄いのが現れました。「スピルバーグが3回観た」もこれは誇張ではないかも。クライマックス、圧巻のカーチェイスにどうぞ痺れてください。

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これを僥倖と言うべきか、思いもかけない形で職場で万博のチケットを譲り受け、先日急遽予定を組んで閉幕も秒読みとなった大阪万博へ行って来ました。
 大阪メトロ中央線の夢洲駅が万博会場東ゲートに直結しているのですが、そこから行こうとしたら係員から「今だとここから入るだけで1時間近くかかるのでできるなら西口から入場して欲しい」と促され、あのリングの外側を半周するところからスタート(笑)
 入場後、事前予約は完敗だったがフリー入場も行けるというので速攻でイタリア館を目指すものの「早くて6時間待ち」と言われて断念。その後溢れ返りそうな人をかき分けながら入れそうなところを探し、結局セネガル、バングラデシュ、トルクメニスタンなどのパビリオンを見て回ったり英国館のバーやオーストリア館の屋上でカクテルを味わったり水上ショーや花火を観たりと持ち時間いっぱい楽しんで来ました。

 こんばんは、小島@監督です。
 普段の4倍以上の歩数を歩いて足が痛くなったり翌日普通に出勤したもののま〜疲れが残っててポンコツも良いところでしたが、貴重な体験ができました。でも行くならもっと早めに行きたかった。いやもう人が多すぎ(苦笑)

 さて、今回は配信作品からご紹介。Netflixにて8月末より配信された「木曜殺人クラブ」です。

 高級養護施設「クーパーズ・チェイス」で余生を楽しむエリザベス(ヘレン・ミレン)、ロン(ピアース・ブロスナン)、イブラヒム(ベン・キングスレー)、ジョイス(セリア・イムリー)の4人は毎週木曜日にサロンに集まり「木曜殺人クラブ」と称して未解決事件の調査を楽しんでいた。ところが自分たちが暮らす施設の関係者が殺害される事件が発生。気楽な探偵ごっこは本物の殺人捜査へ一変。4人は危険と隣り合わせの状況の中を嬉々として犯人探しを開始する。

 原作はベストセラーとなったリチャード・オスマンのミステリ小説。小さなコミュニティで日常の中で起きた事件を描く、いわゆる「コージー・ミステリ」と呼ばれるジャンルに類する作品で、様々な経歴を持った個性的でアクの強い4人の老人が事件解決に奔走します。監督は「ホーム・アローン」や「ナイトミュージアム」などで知られる名匠クリス・コロンバス。ちょっぴりクラシカルながらも軽妙洒脱な語り口で楽しませてくれます。
 軽快なテリングに乗る主演陣もノリノリです。ヘレン・ミレン、ピアース・ブロスナン、ベン・キングスレーら大ベテランたちの老いを隠さないのにお洒落な佇まいと伸びやかな演技とがただ観てるだけでも楽しく作品の妙味をより芳醇なものにしています。
 老人たちが主人公ながら意外なほど物語のテンポが早く、リズミカルに話が進んで行くのに加えて結構二転三転するので退屈しません。ミステリとしてはいささか凡庸ではあるものの深刻になり過ぎない絶妙なバランス感覚の一方で人生の喜怒哀楽を包み込むような大きさもあり、心地良い余韻を残します。

 ようやく涼しくなって来た秋の週末、仕事で疲れた夜に観るならこういうのが良い。スクリーンで観るよりも自宅でワインでも飲みながら楽しみたい一本ですね。原作の小説は未訳も合わせると5作あるそうなので続編も期待したい。

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先日、毎年恒例の健康診断を受けて来ました。昨年と同じところで受診したので友人がそこに勤めていることは既に把握済み。何も驚くことは無いぜ!と思って検査着に着替えてクリニックに入ったらもうそこにいてまたしても驚かされてしまうことに(笑)。

 こんばんは、小島@監督です。
 健診はだいたい健康体だけど血中脂肪と血糖値がちょいと高めという見たままの結果に。ダイエットを心がけないとな〜。アイマスも最近アイドルと体を動かすエクササイズ動画を配信してくれているし続けられることから始めよう。

 さて、今回の映画は「映画キミとアイドルプリキュア♪お待たせ!キミに届けるキラッキライブ!」です。

 咲良うた(声・松岡美里)らアイドルプリキュアのメンバーたちは珊瑚の妖精トット(声・津田篤宏)に招待され不思議な島アイアイ島で10年に一度開催される「スーパーミラクルアイドルフェスティバル」に出演することになった。しかしフェス前夜、島が突如謎の怪物の襲撃を受ける。島が危機的状況に陥る中、あろうことかうたたちは過去へ飛ばされてしまった。そこでうたはアイドルという存在を嫌う少女テラ(声・内田真礼)と出会う。

 残暑もようやく収まろうかという中、今年もプリキュア映画の季節がやってまいりました。劇場版としてはシリーズ34作目。歴史の風格を感じさせる数になって来ました。いくら上映時間が70分しかないとは言ってもドリフのコントでも見ているのかくらいに強引に主題に導入するイントロからは想像もつかないほど感動的なストーリーが展開します。
 アイドルをテーマにしている今年のプリキュアらしく今作では劇中曲も充実しておりダイナミックなステージ演出も合わせて映画館の大音響で観るとなおさら楽しい一本になっています。
 近年ではシリーズの過去作とコラボレーションするのが常態化している映画プリキュアですが今作でも「わんだふるぷりきゅあ」と「ひろがるスカイ!プリキュア」のメンバーが登場。単なるゲスト出演かと思いきや意外と今作のテーマに沿ったセリフが用意されていたり更にもう一つ贅沢なサプライズも仕込んでいたりと華々しいお祭り感に満ちていて映画を盛り上げてくれます。

 とは言え今作の魅力はやはり70分でやるにはかなり凝った題材と展開を見せるストーリーです。恐らくは日本神話の「天岩戸」を横軸にしつつ、一方では島の女神アマス(声・佐倉綾音)と少女テラがアイドルに対し抱く複雑な感情の根源に横たわるやるせない悲しみが縦軸に走っており、だからこそその上でステージ上での一瞬の輝きに全てを懸ける「アイドル」に憧れ青春と魂を燃やすうた達の思いが光を放ちます。アイドルものも溢れ返るようになった昨今ですが、今一度その原点を物語に取り入れ語ろうとする試みが作品に深みと意義を与えてくれています。

 近年のフィルモグラフィからすると珍しいくらいにどツンデレなキャラクターを演じる内田真礼を始め声優陣の演技も楽しく、非常に骨太で味わい深い作品に仕上がっています。SFとしてもかなり良くできていますし、私としては割と本気でお薦めしたい一本。プリキュアファンだけでなくアイドルものが好きな方、激重な感情に突き動かされる者たちの物語が好きな方たちにも刺さるはず。そしてある女性の生き様に涙していただきたい(笑)。

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昨日名古屋城二の丸広場で開催された「THE ENCORE 5thワンマンライブ ECHOES OF SUMMER」を観に行って来ました。だいたい半年に一度くらい大きなワンマンライブを行うTHE ENCORE、今回は名古屋城を舞台に初のバンドセットワンマンです。アイドルとして着実にレベルアップしている彼女たち。バンドの生音と相まっていつも以上にパワフルなパフォーマンスを堪能。推すようになってから1年半、彼女たちがどこまで行けるのか楽しみ。推せる間は推しますぞ。
 
 こんばんは、小島@監督です。
 ところでTHE ENCORE、CDリリースが決定したのが何気に嬉しい。ようやく車の運転中に聴けそう。

 さて、今回の映画は「8番出口」です。

 地下鉄に乗っていた男(二宮和也)のもとに元恋人(小松菜奈)から電話がかかって来た。彼女は男に妊娠を告げ、産むかどうか迷っていると伝える。予期せぬ連絡に困惑する男は動揺を隠せぬまま駅を彷徨い歩いているうち徐々に電波が弱くなって遂には通話中に電話が切れてしまった。気づけば見知らぬ通路に独り。しかし行けども行けども出口に辿り着かず何故か何度も白いシャツの男(河内大和)とすれ違う。
 男はやがて「ご案内」と書かれた注意書きの看板に気づいた。「異変を見逃さないこと」「異変を見つけたら、すぐに引き返すこと」「異変が見つからなかったら、引き返さないこと」「8番出口から外に出ること」、男は無限に繰り返すループから脱出することができるのか。

 原作はKOTAKE CREATE氏によるインディーズゲーム、2023年にリリースされた後ゲーム配信者の紹介などで評判になったタイトルです。それが主演に二宮和也を迎えてまさかの実写映画化。そもそもストーリーらしいストーリーの無いゲームをどう料理するんだと思っていたらヒットメーカー川村元気の個性が爆発して日本ではあまり見かけないタイプの極めてユニークなソリッドシチュエーションスリラーに仕上がっていました。
 時間がループする作品は多くあれど場所がループする作品というの自体がまず珍しく、近年だと2014年製作のメキシコ映画「パラドクス」くらいでしょうか。こちらかなり難解な作品で気軽には薦めづらいですが、「8番出口」を観て同種の作品が無いか気になった人は挑戦してみて欲しいですね。

 冒頭主人公がループに囚われ主題が始まるまでの数分間、主人公の男の主観によるワンカット映像で始まるこの映画、作劇、映像ともにかなり凝ったことをしている作品で、100館以上の規模で公開するメジャータイトルにしては相当に挑戦的です。音響設計も極めて緻密に構築されており、天井の低い地下鉄の通路というロケーションに加えて主人公の男が喘息持ちという設定が合わさり全編で強い閉塞感を作り出しているのが大きなポイント。この呼吸が苦しくなるような感覚を生み出す映像はどこかスタンリー・キューブリックを思い起こさせます。

 主要人物が10人に満たないごく少人数しか登場しない中で、物語を牽引する二宮和也の深みを感じさせる演技はさすがの一言ですが、それより何より今作は「歩く男」役の河内大和の演技が強烈。「通路の端から端まで歩く」という動きをほぼ寸分違わず何度もやって見せてるだけでも驚き。河内大和、舞台をメインに活躍している方でドラマや映画の出演歴はそれほど多くはない方ですがこの作品をきっかけに大きく知名度を上げるんじゃないかと思うくらいにインパクトがあります。

 この作品を敢えてジャンル付けするならホラーに分類されるだろうとは思います(実際そう言う描写もある)が、あまり意識的に怖がらせようとはしていないのが特徴でそう言ったものを観たい人や原作により忠実にあって欲しい向きには相当に肩透かしを食うのは間違い無く、そりゃヒットに反して賛否両論なのも頷けます。こういう作家性の強い作品がメジャータイトルから出てくるあたり、今邦画は意外と裾野が広くなっているようです。
 個々人で感想が違うタイプの作品と思われますし、興味のある方は是非スクリーンでどうぞ。ちょっと地下鉄に乗るのが怖くなるかもしれませんが(笑)

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こんばんは、小島@監督です。
 2ヶ月連続で歌会欠席してすいません。しかもどちらもアイドルマスター案件。何ならどちらもKアリーナ横浜。

 というわけで「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th MEMORIAL LIVE STARLIGHT STAGE 」day2を観てきました。アプリゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージ」(デレステ)リリース10周年を記念し今年3月から大阪、東京、沖縄、福岡と渡り歩いてきたツアーもこの横浜公演で千秋楽。5ヶ所10公演の締めくくりとして2日間で延べ70人以上が出演する最大規模での公演が開催されました。
 個人的に昨年開催のユニットツアーはチケットが全く入手できずに終わり、今回のツアーは何だかんだとこの最終公演まで都合が付かず、シンデレラガールズのライブに現地参加するのは2年ぶり。久しぶりのお祭り感を堪能してきました。

 今ツアーの大きな特徴はライブの演出にデレステのゲームに模した演出が取り入れられており、それはこの横浜公演でも踏襲されており、セットリストも特に前半はそれに沿うように構成されていました。出演者全員が個別のSSR衣装を着用していて華々しく、賑やかなセットリストで楽しませてくれます。

 中盤には「DJぴにゃpresentsスペシャルメドレー」と題して名曲の数々をこの日だけの歌唱メンバーで披露。アイドルの個性と楽曲の個性のマッチアップが見せるダイナミズムに熱狂。個人的には北条加蓮役渕上舞さんと神谷奈緒役松井恵理子さんのデュオによるEDMソングの傑作「バベル」がもう最高。
 セットリストにおいてライブでは必ずしもCD音源のオリジナルメンバーに拘らないのがアイドルマスターの味でもありますが、何せ今回は8年ぶりの出演となる輿水幸子役竹達彩奈さんを筆頭に久しぶりに登場する出演者が少なくなく、数年越しどころか下手をするとここで初めてオリメンが揃う曲が一つや二つではない中でそれを最大限拾いに行ってくれていたのも嬉しいところで「オレンジタイム」「純情midnight伝説」を現地で浴びれてどこまでも燃え尽きるほどヒート。

 終盤はシンデレラバンドと呼ばれるバックバンドが登場しアレンジを加えた生演奏で畳み掛けます。その数実に14曲。中にはももクロとのコラボ曲「Majoram Therapy」が初めて全員揃ってコールも入れられる形で披露してくれたり、ライブ数日前に足首の靱帯を損傷して大きくは踊れない関裕美役会沢紗弥さんがステージセンターに椅子に座って登場する逆転の発想が冴えた「レッド・ソール」も強い印象を残しました。アンコールも含めて全48曲、4時間半に渡るライブで私は声も腕も足腰もまあまあ限界まで酷使ですよ。今も特に足が重いですよ。ただとにかく充実した時間でした。

 デレステは10年稼働し今実施中のイベントをもってアプリ自体は継続するものの更新は停止することが告知されていてその行く末も案じられていましたが、シリーズ15周年へ向けて様々な企画を打つことが告知され(告知映像で一度は落ち切った砂時計を逆さにするイメージが挿入されたのは象徴的)、全然終わる気は無い決意が感じられました。まだ半数近いアイドルにボイスが付けられていませんしまだまだシンデレラガールズは道半ばというところでしょうか。そろそろもう2、3人ボイスを足そうぜ。長年待ち続けたPさんたちが狂喜乱舞するところも見たいし。これから先も楽しみにしています。
 まあでもそれはそれとして終了時間が22時近くなるライブは翌日休みを取っていてもちょっぴり勘弁して欲しいかな。

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昨日名古屋では千秋楽を迎えた劇団四季の「ゴーストアンドレディ」、最終公演は配信もやってくれるということで観てました。ミュージカルとして洗練されつつも藤田和日郎原作らしい泥臭い熱さも持ち合わせた珠玉の名作を映像でも堪能。やっぱり痺れるほどにエモーショナルで震えるほどに熱い。12月からは大阪でも公演が始まるそうですが、瞬く間に人気を獲得した演目でもあるので鑑賞のハードルが低くなるこう言った配信公演も折々でやって欲しいですね。

 こんばんは、小島@監督です。
 ところで「ゴーストアンドレディ」を現地で観たとき私は「藤田和日郎原作なのに女性客がい多い!」と思ったのですが、劇団四季ファンの家族に言わせると「劇団四季なのに男性客が多い!」と思ったそうで、触れてるものの違いで全く真逆の印象を受けるのが何とも(笑)

 さて、今回の映画は「近畿地方のある場所について」です。

 オカルト雑誌の編集長・佐川(夙川アトム)が失踪した。残された編集部員・小沢(赤楚衛二)は出版社からこのまま次号を落とすようなことがあれば雑誌を廃刊にすると通告され佐川が残した資料から特集記事を組み直すためにフリーライターの瀬野(菅野美穂)に協力を求めた。資料の再検証と再取材を通して小沢と瀬野は佐川が調べていた事件や怪現象が全て近畿地方のある場所に繋がっていることに気づく。

 民俗学者折口信夫氏によれば夏場が怪談の季節となったのは死者の魂が帰ってくるとされるお盆の時期に「涼み芝居」と称して「東海道四谷怪談」などの幽霊譚や怪異譚で冷んやりしてもらう趣向が定着していったからだとか。私の子どもの頃も夏場にホラーなTV番組が良く放送されていましたし、「仮面ライダー」や「スーパー戦隊」などでもちょっぴりホラーテイストなエピソードが登場するのが定番だったように思います。1990年代後半に花開いた「Jホラー」ムーブメントも遠い日の残響と化して夏場にホラーもすっかり廃れてしまったかと思いきや今年はひと味違います。「ドールハウス」「事故物件ゾク恐い間取り」、洋画では「アンティル・ドーン」「V/H/Sビヨンド」「IMMACULATE聖なる胎動」が相次いで公開、更に先週「8番出口」が封切られ「カラダ探しTHE LAST NIGHT」「侵食」「男神」が9月公開待機と今までの冷遇ぶりはどこへ行ったんだくらいのホラー過剰供給(笑)。さすがに全ては見切れそうにありません。

 そんな中で目玉として公開されたのが2023年に発表されるや大評判となった小説を原作にした「近畿地方のある場所について」です。監督は昨年の「サユリ」のスマッシュヒットも記憶に新しい白石晃士。脚本には原作者背筋も参加する形で製作されました。
 
 いわゆる都市伝説を紐解いていくことになる前半は様々な形で語られる怪異譚をPOVホラーの名手白石晃士が本領を発揮していてビデオテープやWEB動画の質感を活かした趣向を凝らした恐怖映像が次から次へと飛び出して来てかなりガチめに怖いことに加えて、見せ方のバリエーションの多さにカタログ的な面白さがあります。この導入部、ショート動画が席巻しつつある昨今らしいとも言えますね。
 物語のギアが少しずつ上がって行き後半に突入することになりますが、ここで白石晃士監督ならではの味というか作風が炸裂しており、早い話が怪異に物理で挑みかかるようになる上に変なドライブがかかります。これが良くも悪くもと言ったところで私みたいに白石晃士監督作品を見慣れてる人は楽しめると思いますが原作のざわりとした感触を楽しみたい向きには特にラストの展開はだいぶ趣旨が違うように感じられるでしょう。賛否両論がかなり大きいのも分かります。

 また、今作の見どころの一つとして菅野美穂が主演している点が挙げられます。菅野美穂はキャリアの初期は路線を探っていたのか意外とホラーにも出演していて「世にも奇妙な物語」では3作で主演していたりします。映画の方でも1999年に伊藤潤二の漫画を原作にした「富江」で主演しており今作で実に約25年ぶりのホラー主演はいちファンとしてアガリます。そして期待を裏切らないカッ飛んだ演技を見せてくれ、それに受けて立つ赤楚衛二も良い演技していてこの2人の掛け合い観ているだけで元が取れた気になりました。これを機にまたこう言ったジャンルにも積極的に出て欲しいですね。

 個人的にはもうちょっと「見せ切らない」方向に作ってくれる方が好みなんですがB級的な楽しさを提示してくれるので猛暑から少しでも逃げたい時に観るにはちょうどいいかと思います。冷んやりは…しないかもしれませんが(笑)

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