先日の話になりますが、トランペット奏者・数原晋さんの訃報が流れてきました。
スタジオミュージシャンとして長く活躍されてきた方で、ジャンルを問わず、それこそクレジットされていないものまで含めると数え切れないほどの作品に関わってきた方です。有名な所だけでも「金曜ロードショー」の初代オープニングだった「フライデー・ナイト・ファンタジー」や「必殺仕事人」のテーマ、「ルパン三世のテーマ」、「天空の城ラピュタ」でのパズーの吹くトランペット「ハトと少年」、「ONE PIECE」や「さよなら絶望先生」などの劇判にも参加していたのでほとんどの方がそれと知らずともその音色を耳にしているはずです。
また一人、偉大な方が世を去っていきました。謹んでご冥福をお祈りします。
こんばんは、小島@監督です。
先週の「金曜ロードショー」では追悼と感謝の意味を込めて初代オープニングを復刻して放送されました。私としてはあれを聴いて育った、というか自分にとっての「映画」の原体験を象徴する曲でもあるのでやっぱり落ち着けるものがありますね。
さて、今回の映画は「るろうに剣心 最終章 The Final」です。
幕末の動乱の中で「人斬り抜刀斎」と呼ばれる志士がいた。新時代・明治を迎えその男・緋村剣心(佐藤健)は二度と人を斬らないことを誓い、刀を逆刃刀に持ち替え不殺の流浪人として市井の人々を護るために剣を振るう。
1879年、今は東京・神谷道場に身を寄せる剣心は日本転覆を目論む志々雄一派との死闘を終え、師範代・神谷薫(武井咲)や喧嘩屋・相楽左之助(青木崇高)らと共に穏やかな日々を過ごしていた。
元新撰組であり今は内務省警視局に勤める斎藤一(江口洋介)は志々雄一派に甲鉄艦を手配した武器商人の情報を得て横浜に来ていた。その男・雪代縁は斎藤を認めると不敵な笑みを浮かべて一つの質問を投げた。
「緋村抜刀斎の左頬に、十字傷はまだあるか?」
2012年に公開された実写映画版「るろうに剣心」は、興行的にも高い評価を収めその後2014年に原作の京都編に当たるエピソードを「京都大火編」「伝説の最期編」の二部作として製作、連続公開されました。それから7年、いよいよ原作の最終章に当たる「人誅編」と「追憶編」が映画化されます。本来は昨年の同時期に公開の予定でしたがコロナ禍を受けて1年延期に。時間ができたからなのか、映像と音声をアップグレードしたIMAX版も同時に公開となりました。
原作では「人誅編」の最中に「追憶編」が組み込まれ、その後「人誅編」の完結へと向かうのですが、映画版では「The Final」として人誅編を先に最後まで見せ、その後に「The Beginning」として追憶編を見せる構成を取っています。
その「The Final」は、物語の熱量とアクションのキレが高いレベルで融合した、見事なエンターテインメントに仕上がっています。アクション監督・谷垣健治が仕掛ける、いわゆる時代劇的なチャンバラとは大きく一線を画す剣戟アクションは更にアイディアとスケールが上がり、邦画でここまでの物が観られるのかという驚きがあります。
第1作を撮影した際はさすがにここまで製作できるようになるとは考えていなかったでしょう、原作では人誅編に登場する戌亥番神と外印が映画版では1作目に既に登場してしまっているため、登場人物にいくらかの変更が施されていますが、基本的なストーリーラインは原作と大きく離れてはいません。むしろ漫画でしかやれない部分を上手くオミットして構成したなという印象です。結果的にメインキャラでもモブみたいな扱いになってしまっている人もいて収まりが悪く感じる部分もありますが、「縁の剣心への復讐」という骨格がガッチリしているのでさほど不格好ということはありません。
また、コロナ禍が治まり切らない「今」観ているからこその感慨として、とにかくその「画」の強さが上げられます。明治の東京の街をセットで構築し多くのエキストラを動員して撮影するそのスケール、恐らく今はやりたくてもやれないことではないでしょうか。手間も人も惜しまずに作り上げた映画だけが為しうるダイナミズムをこの作品は持っています。本来であればこれは感慨など覚えなくても良いはずの箇所であり、またともすれば今後数年は断絶されてしまいそうな技術の結集でもある作り上げられた画の強さに、ある種の切なさのような感慨を覚えずにはいられません。
作中回想シーンで僅かに登場する剣心の妻・雪代巴を演じる有村架純の佇まいが実に美しく、彼女がヒロインとなる「The Beginning」への期待を否が応にも高めてくれます。結末を先に持ってきたことで最終作となる次作にも何かしらの「仕掛け」があるのではないか?という期待もありますね。
緊急事態宣言の発令区域が更に拡大されていく中で映画館への逆風もまた強くなりつつありますが、これからしばらくは難しくなりそうなスケール感を持って製作された「るろうに剣心 最終章」、上映されるエリアに居るファンたちには是非とも盛り上げてほしい1本ですね。
スタジオミュージシャンとして長く活躍されてきた方で、ジャンルを問わず、それこそクレジットされていないものまで含めると数え切れないほどの作品に関わってきた方です。有名な所だけでも「金曜ロードショー」の初代オープニングだった「フライデー・ナイト・ファンタジー」や「必殺仕事人」のテーマ、「ルパン三世のテーマ」、「天空の城ラピュタ」でのパズーの吹くトランペット「ハトと少年」、「ONE PIECE」や「さよなら絶望先生」などの劇判にも参加していたのでほとんどの方がそれと知らずともその音色を耳にしているはずです。
また一人、偉大な方が世を去っていきました。謹んでご冥福をお祈りします。
こんばんは、小島@監督です。
先週の「金曜ロードショー」では追悼と感謝の意味を込めて初代オープニングを復刻して放送されました。私としてはあれを聴いて育った、というか自分にとっての「映画」の原体験を象徴する曲でもあるのでやっぱり落ち着けるものがありますね。
さて、今回の映画は「るろうに剣心 最終章 The Final」です。
幕末の動乱の中で「人斬り抜刀斎」と呼ばれる志士がいた。新時代・明治を迎えその男・緋村剣心(佐藤健)は二度と人を斬らないことを誓い、刀を逆刃刀に持ち替え不殺の流浪人として市井の人々を護るために剣を振るう。
1879年、今は東京・神谷道場に身を寄せる剣心は日本転覆を目論む志々雄一派との死闘を終え、師範代・神谷薫(武井咲)や喧嘩屋・相楽左之助(青木崇高)らと共に穏やかな日々を過ごしていた。
元新撰組であり今は内務省警視局に勤める斎藤一(江口洋介)は志々雄一派に甲鉄艦を手配した武器商人の情報を得て横浜に来ていた。その男・雪代縁は斎藤を認めると不敵な笑みを浮かべて一つの質問を投げた。
「緋村抜刀斎の左頬に、十字傷はまだあるか?」
2012年に公開された実写映画版「るろうに剣心」は、興行的にも高い評価を収めその後2014年に原作の京都編に当たるエピソードを「京都大火編」「伝説の最期編」の二部作として製作、連続公開されました。それから7年、いよいよ原作の最終章に当たる「人誅編」と「追憶編」が映画化されます。本来は昨年の同時期に公開の予定でしたがコロナ禍を受けて1年延期に。時間ができたからなのか、映像と音声をアップグレードしたIMAX版も同時に公開となりました。
原作では「人誅編」の最中に「追憶編」が組み込まれ、その後「人誅編」の完結へと向かうのですが、映画版では「The Final」として人誅編を先に最後まで見せ、その後に「The Beginning」として追憶編を見せる構成を取っています。
その「The Final」は、物語の熱量とアクションのキレが高いレベルで融合した、見事なエンターテインメントに仕上がっています。アクション監督・谷垣健治が仕掛ける、いわゆる時代劇的なチャンバラとは大きく一線を画す剣戟アクションは更にアイディアとスケールが上がり、邦画でここまでの物が観られるのかという驚きがあります。
第1作を撮影した際はさすがにここまで製作できるようになるとは考えていなかったでしょう、原作では人誅編に登場する戌亥番神と外印が映画版では1作目に既に登場してしまっているため、登場人物にいくらかの変更が施されていますが、基本的なストーリーラインは原作と大きく離れてはいません。むしろ漫画でしかやれない部分を上手くオミットして構成したなという印象です。結果的にメインキャラでもモブみたいな扱いになってしまっている人もいて収まりが悪く感じる部分もありますが、「縁の剣心への復讐」という骨格がガッチリしているのでさほど不格好ということはありません。
また、コロナ禍が治まり切らない「今」観ているからこその感慨として、とにかくその「画」の強さが上げられます。明治の東京の街をセットで構築し多くのエキストラを動員して撮影するそのスケール、恐らく今はやりたくてもやれないことではないでしょうか。手間も人も惜しまずに作り上げた映画だけが為しうるダイナミズムをこの作品は持っています。本来であればこれは感慨など覚えなくても良いはずの箇所であり、またともすれば今後数年は断絶されてしまいそうな技術の結集でもある作り上げられた画の強さに、ある種の切なさのような感慨を覚えずにはいられません。
作中回想シーンで僅かに登場する剣心の妻・雪代巴を演じる有村架純の佇まいが実に美しく、彼女がヒロインとなる「The Beginning」への期待を否が応にも高めてくれます。結末を先に持ってきたことで最終作となる次作にも何かしらの「仕掛け」があるのではないか?という期待もありますね。
緊急事態宣言の発令区域が更に拡大されていく中で映画館への逆風もまた強くなりつつありますが、これからしばらくは難しくなりそうなスケール感を持って製作された「るろうに剣心 最終章」、上映されるエリアに居るファンたちには是非とも盛り上げてほしい1本ですね。
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せっかく買えたのに2ヶ月ほど放置していたPlayStation5を、
いまさらながらに重い腰を上げて設置することにしました。
ほぼ『4』と互換していて、データを転送して使えるので、
まずは使用するためにデータ転送をしなければいけません。
『5』はロード時間も爆速とのことなので、大変たのしみです。
(だったら買った直後に設置しろとのツッコミは無しです)
そして転送を始めると画面に表示されたのは・・・・
『転送予想時間:27時間』
え?????
というワケで現在も転送中。
楽しめるのは明日の会社からの帰宅後のようです・・・。
さて、新型コロナウイルス感染防止に緊急事態宣言が発令、
ちゃんと引き籠って感染防止には努めていますでしょうか?
この週末土日、なんの予定もなく一歩も家をでることなく、
プラモデルやゲームを淡々と嗜んでいるかときちです。
最近家にいる時はYouTubeを垂れ流しているのですが、
たまたま目に留まった『スーパーロボット大戦』の動画で、
登場ロボットの主題歌をまとめた動画に心が奪われました。
スーパーロボット大戦の曲なんてやはりロボットソングなので、
熱い曲や盛り上がる曲がメインなのでノリが良くてかと言えば、
そういうワケではなく、寂しい思いが前面に出てきたのです。
こういう熱い歌を当たり前に唄えていた歌会ができない今、
また以前の当たり前の状況に戻れる気がしない今を思うと、
なんか、どんどん聞いていると落ち込んでしまうんですよね。
歌会の準備などに時間をあまり使わないようになって、
私自身の生活はオタク度が一層上がっているのですが、
それを共有できる場がなくなったことが寂しいのでしょう。
メドレーで流れ続ける曲の中ではライブで聞いたものもあり、
カラオケのみならず、そのライブもほぼ全滅のこの状況です。
今のアニメなどはライブでの収入も見込んでいたりするので、
状況が続くと、この業界は一層冷え込むかも知れませんね。
と、寂しいとは言っても、やっぱり好きなアニソン達ですので、
聴いていて耳ざわりが良いので聴き入ってしまいます。
しばらくは引き籠りオタクを受け入れて楽しまないとですね。
いまさらながらに重い腰を上げて設置することにしました。
ほぼ『4』と互換していて、データを転送して使えるので、
まずは使用するためにデータ転送をしなければいけません。
『5』はロード時間も爆速とのことなので、大変たのしみです。
(だったら買った直後に設置しろとのツッコミは無しです)
そして転送を始めると画面に表示されたのは・・・・
『転送予想時間:27時間』
え?????
というワケで現在も転送中。
楽しめるのは明日の会社からの帰宅後のようです・・・。
さて、新型コロナウイルス感染防止に緊急事態宣言が発令、
ちゃんと引き籠って感染防止には努めていますでしょうか?
この週末土日、なんの予定もなく一歩も家をでることなく、
プラモデルやゲームを淡々と嗜んでいるかときちです。
最近家にいる時はYouTubeを垂れ流しているのですが、
たまたま目に留まった『スーパーロボット大戦』の動画で、
登場ロボットの主題歌をまとめた動画に心が奪われました。
スーパーロボット大戦の曲なんてやはりロボットソングなので、
熱い曲や盛り上がる曲がメインなのでノリが良くてかと言えば、
そういうワケではなく、寂しい思いが前面に出てきたのです。
こういう熱い歌を当たり前に唄えていた歌会ができない今、
また以前の当たり前の状況に戻れる気がしない今を思うと、
なんか、どんどん聞いていると落ち込んでしまうんですよね。
歌会の準備などに時間をあまり使わないようになって、
私自身の生活はオタク度が一層上がっているのですが、
それを共有できる場がなくなったことが寂しいのでしょう。
メドレーで流れ続ける曲の中ではライブで聞いたものもあり、
カラオケのみならず、そのライブもほぼ全滅のこの状況です。
今のアニメなどはライブでの収入も見込んでいたりするので、
状況が続くと、この業界は一層冷え込むかも知れませんね。
と、寂しいとは言っても、やっぱり好きなアニソン達ですので、
聴いていて耳ざわりが良いので聴き入ってしまいます。
しばらくは引き籠りオタクを受け入れて楽しまないとですね。
愛知県も緊急事態宣言下となってしまったので、対策やら現状やらについて自分の考えを、もろもろ言ってしまおうかと思ったけど、すんげーマイナス効果にしかならんので、やめときます。
じゃあ、楽しい事を!…と思ったけど、この1週間で何かあったというと…
なんもありまへん…。
しいていうなら、母の日にプレゼントを買ったんですが、やっぱ一生懸命考えて選ぶのは楽しいですね。
ちゃんと喜んでもらえたし。
歌会のイベント系に参加してないから、クリスマスもバレンタインも関係なくなってしまってますね。出費が、なくて助かったかな?(強がり)
ライブとかもオンライン開催ばかりで、人と人が会う機会もないわけですが、せっかくの趣味の合う人たちの交流できる場。このままフェードアウトしないようにしたいですね。
ホント「せめてブログだけでもアクティブに」ってのはあるかもです。
なんだかんだで、私も回数だけはこなしています。(おもしろいかはさておき)
昔みたいに、みんなでご飯行ったり、どこかに遊びに行ったりと、交流の機会を作れたらな。とは思いますから、とりあえずは歌会復活まで、サークルの存在を忘れずいてくれたら、これ幸いです。
まだ厳しい状況ですが、頑張りましょう!
じゃあ、楽しい事を!…と思ったけど、この1週間で何かあったというと…
なんもありまへん…。
しいていうなら、母の日にプレゼントを買ったんですが、やっぱ一生懸命考えて選ぶのは楽しいですね。
ちゃんと喜んでもらえたし。
歌会のイベント系に参加してないから、クリスマスもバレンタインも関係なくなってしまってますね。出費が、なくて助かったかな?(強がり)
ライブとかもオンライン開催ばかりで、人と人が会う機会もないわけですが、せっかくの趣味の合う人たちの交流できる場。このままフェードアウトしないようにしたいですね。
ホント「せめてブログだけでもアクティブに」ってのはあるかもです。
なんだかんだで、私も回数だけはこなしています。(おもしろいかはさておき)
昔みたいに、みんなでご飯行ったり、どこかに遊びに行ったりと、交流の機会を作れたらな。とは思いますから、とりあえずは歌会復活まで、サークルの存在を忘れずいてくれたら、これ幸いです。
まだ厳しい状況ですが、頑張りましょう!
面積の差で休業要請の度合いが違っていたり、営業はしても良いから酒類の提供は禁止という業態があったりと言った緊急事態宣言とか蔓延防止措置と言っても腰の据わらない中途半端さに、連休前後は仕事の面でも振り回されて正直かなりうんざりしています。人が集まるのがよろしくない、という話なのにお酒だけ禁止したところで効果があるワケなかろうに。
こんばんは、小島@監督です。
東京の方ではドイツビールの祭典「オクトーバーフェスト」が開催していたりもするのですがビールはテイクアウトオンリーで会場内では飲めないという悪い冗談みたいな開催手法を強いられていたりしてどうにも忸怩たるものを感じます。
さて、今回の映画は「名探偵コナン 緋色の弾丸」です。
江戸川コナン(声・高山みなみ)と毛利小五郎(声・小山力也)、蘭(声・山崎和佳奈)と少年探偵団のメンバーたちは鈴木園子(声・松井菜桜子)のツテで4年に1度開催されるスポーツの祭典「ワールド・スポーツ・ゲームズ(WSG)」の東京大会開催を記念するパーティーへと出席していた。パーティーの最中、突然会場の照明が落ち、非常灯が点いた時には園子の父・史郎(声・松岡文雄)の姿が消えていた。停電中に青白い火花を目撃していたコナンは史郎がスタンガンで気絶させられ拉致されたと推測。時間的にまだパーティー会場であるホテルから出ていない可能性を推理し少年探偵団と共に史郎を発見することに成功する。
捜査に来ていた目暮警部(声・茶風林)から史郎同様にWSGスポンサーの社長で同様に拉致されていた者がいることを知る。コナンは更に15年前にアメリカでもWSGスポンサーが拉致される事件があった事を知るのだった。
当初は昨年4月に公開予定でしたがコロナ禍拡大により延期となり、1度は10月公開で調整していたものの再延期となり結局1年間の休止期間を余儀なくされた「劇場版名探偵コナン」がようやくスクリーンに帰ってきました。
大幅なプロモーション活動の変更を迫られた中で思わぬ副産物も生まれています。今作「緋色の弾丸」でクローズアップされる赤井一家をフィーチャーしたエピソードで構成された総集編「緋色の不在証明」が製作され劇場公開された点です。「緋色の不在証明」は音声を劇場仕様にリマスターし一部に新作映像が用意されてはいるものの、古いところで10年は前に放送されたエピソードを採録しているためか映像のクオリティがバラバラでスクリーン鑑賞に耐えないシーンも見受けられますが、軽く忘れかけていたところを再確認して映画への期待を高めてくれるに丁度良い1本だったといえるでしょう。これまでも1日限りのイベント上映という形態で劇場版でメインとなる人物に因んだエピソードが上映された事はありましたが、限定上映に近かったとは言えそれなりの規模でのロードショーは初めての試みであったと思われます。思いがけず興行成績も良かったようで、来年以降もこの手法は継続されるかもしれません。
「緋色の弾丸」の方に話を戻しましょう。
冒頭、ハーモニカのソロによるロッシーニの「ウィリアム・テル序曲」が奏でられる中でセリフも少なめに展開されるコナンシリーズにしては異色の導入部に引き込まれますが基本的には劇場版名探偵コナンのご多分に漏れず、今回もスケールの大きな事件にコナンたちが挑むアクション・エンターテインメントに仕上がっています。推理よりも画面のハッタリを重視した作りも近年の傾向そのままで、最終的には「これ被害総額どれくらいになるんだ…?」と思わずにはいられないくらいのカタストロフィがクライマックスに待っています。
今作のちょっとした見どころとして、物語の主舞台の一つが名古屋市(及び中部国際空港)である点が上げられます。名古屋城や金シャチ横丁、オアシス21など見慣れた場所がいくつも登場する、というだけでなくその場所を知っているが故に「ちょっと不自然な速度で移動している」のが見えてしまって何だかフフっとなります。名古屋に土地勘がある者だけの特権みたいな部分ですが、ご覧になる際は注目してほしい箇所ですね。黙ってても気になるところかもしれませんが(笑)
登場人物の多さに比して群像劇としてはキレが悪く、粗さも目立つ作品ではありますがゴールデンウィークの顔ともいえる作品が1つ帰ってきてくれたのは素直に嬉しい。またしても緊急事態宣言が発令されて、東京や大阪では上映が中断される憂き目に遭ってはいますが、観られる地域の方には是非とも足を運んで盛り上げていってもらいたい作品といえますね。
こんばんは、小島@監督です。
東京の方ではドイツビールの祭典「オクトーバーフェスト」が開催していたりもするのですがビールはテイクアウトオンリーで会場内では飲めないという悪い冗談みたいな開催手法を強いられていたりしてどうにも忸怩たるものを感じます。
さて、今回の映画は「名探偵コナン 緋色の弾丸」です。
江戸川コナン(声・高山みなみ)と毛利小五郎(声・小山力也)、蘭(声・山崎和佳奈)と少年探偵団のメンバーたちは鈴木園子(声・松井菜桜子)のツテで4年に1度開催されるスポーツの祭典「ワールド・スポーツ・ゲームズ(WSG)」の東京大会開催を記念するパーティーへと出席していた。パーティーの最中、突然会場の照明が落ち、非常灯が点いた時には園子の父・史郎(声・松岡文雄)の姿が消えていた。停電中に青白い火花を目撃していたコナンは史郎がスタンガンで気絶させられ拉致されたと推測。時間的にまだパーティー会場であるホテルから出ていない可能性を推理し少年探偵団と共に史郎を発見することに成功する。
捜査に来ていた目暮警部(声・茶風林)から史郎同様にWSGスポンサーの社長で同様に拉致されていた者がいることを知る。コナンは更に15年前にアメリカでもWSGスポンサーが拉致される事件があった事を知るのだった。
当初は昨年4月に公開予定でしたがコロナ禍拡大により延期となり、1度は10月公開で調整していたものの再延期となり結局1年間の休止期間を余儀なくされた「劇場版名探偵コナン」がようやくスクリーンに帰ってきました。
大幅なプロモーション活動の変更を迫られた中で思わぬ副産物も生まれています。今作「緋色の弾丸」でクローズアップされる赤井一家をフィーチャーしたエピソードで構成された総集編「緋色の不在証明」が製作され劇場公開された点です。「緋色の不在証明」は音声を劇場仕様にリマスターし一部に新作映像が用意されてはいるものの、古いところで10年は前に放送されたエピソードを採録しているためか映像のクオリティがバラバラでスクリーン鑑賞に耐えないシーンも見受けられますが、軽く忘れかけていたところを再確認して映画への期待を高めてくれるに丁度良い1本だったといえるでしょう。これまでも1日限りのイベント上映という形態で劇場版でメインとなる人物に因んだエピソードが上映された事はありましたが、限定上映に近かったとは言えそれなりの規模でのロードショーは初めての試みであったと思われます。思いがけず興行成績も良かったようで、来年以降もこの手法は継続されるかもしれません。
「緋色の弾丸」の方に話を戻しましょう。
冒頭、ハーモニカのソロによるロッシーニの「ウィリアム・テル序曲」が奏でられる中でセリフも少なめに展開されるコナンシリーズにしては異色の導入部に引き込まれますが基本的には劇場版名探偵コナンのご多分に漏れず、今回もスケールの大きな事件にコナンたちが挑むアクション・エンターテインメントに仕上がっています。推理よりも画面のハッタリを重視した作りも近年の傾向そのままで、最終的には「これ被害総額どれくらいになるんだ…?」と思わずにはいられないくらいのカタストロフィがクライマックスに待っています。
今作のちょっとした見どころとして、物語の主舞台の一つが名古屋市(及び中部国際空港)である点が上げられます。名古屋城や金シャチ横丁、オアシス21など見慣れた場所がいくつも登場する、というだけでなくその場所を知っているが故に「ちょっと不自然な速度で移動している」のが見えてしまって何だかフフっとなります。名古屋に土地勘がある者だけの特権みたいな部分ですが、ご覧になる際は注目してほしい箇所ですね。黙ってても気になるところかもしれませんが(笑)
登場人物の多さに比して群像劇としてはキレが悪く、粗さも目立つ作品ではありますがゴールデンウィークの顔ともいえる作品が1つ帰ってきてくれたのは素直に嬉しい。またしても緊急事態宣言が発令されて、東京や大阪では上映が中断される憂き目に遭ってはいますが、観られる地域の方には是非とも足を運んで盛り上げていってもらいたい作品といえますね。
『まん防』や『緊急事態宣言』が発令されたところで、
新型コロナウイルスの感染者はもう増える一方ですよね。
歌会もすでに両手を上げて『やれません』と降参です。
そんな中でも時折参加希望のメールは届いているので、
一応再開の際にはぜひ来てくださいと返信はしています。
本当は募集は一旦停止するのがいいのかもしれませんが、
再開時に新人さんも一緒にとの思いがあったりします。
もう来月はやれるかな?なんて希望は持っていませんが、
そのための準備だけはしておきたいと思っています。
歌会でなくても何かを企画してやれたらと思うのですが、
やっぱり人が大勢集まるというのはのは難しいですよね。
さて、ゴールデンウイークとはいえ暦通りお休みの人には、
飛び飛びで意外ともどかしいのかも知れませんが、
自動車業界で働く私には長いゴールデンウイークでした。
しっかりと一週間以上ありましたが、もう今日で終わりで、
思い返してみれば特に出かけることも思い出もありません。
唯一、劇場版ヱヴァンゲリヲンを見に行ったくらいで、
25年の長い歴史に区切りができたことが印象くらいです。
そんな最終日のブログを書くにあたって思うことがあって、
やっぱり最近は歌会自体が開催できていないので、
ブログだけを淡々と更新していくことが息苦しくあります。
それでももともとブログをやり始めたのはホームページの
定期的な更新で活動中をアピールすることだったので、
そういう意味でこんな状況にこそ意味があるのでしょう。
ブログを現在も書いてくれる人には感謝しかありません。
あらためて今となってブログを書いてくれた人を見ると、
今ではサークルにいなくなってしまった人も含めると、
大変多くの方に書いてもらっていることに驚きました。
そして書いていただいた回数に至ってはこれもまた驚きで、
単純に週一回の更新ですので50回書いてくれている方は、
それだけで1年続けてくれていることになるのですよね。
私みたいに大して内容の無いことを書いているのに比べ、
小島@監督さんなんか、いつも映画縛りみたいな感じなのに、
もう500回に迫る勢いとなっていて頭が上がりません。
見た映画に対して書くことが基本になっているのですから、
この10年に迫る間にどれだけの映画を見たというのか、
驚きを通り越して、恐ろしさを感じてしまうレベルです。
歌会が開催されない中で、このブログを読んでくれる方、
今でもこのブログを書いてくれる方、ありがとうございます。
新型コロナウイルスの感染者はもう増える一方ですよね。
歌会もすでに両手を上げて『やれません』と降参です。
そんな中でも時折参加希望のメールは届いているので、
一応再開の際にはぜひ来てくださいと返信はしています。
本当は募集は一旦停止するのがいいのかもしれませんが、
再開時に新人さんも一緒にとの思いがあったりします。
もう来月はやれるかな?なんて希望は持っていませんが、
そのための準備だけはしておきたいと思っています。
歌会でなくても何かを企画してやれたらと思うのですが、
やっぱり人が大勢集まるというのはのは難しいですよね。
さて、ゴールデンウイークとはいえ暦通りお休みの人には、
飛び飛びで意外ともどかしいのかも知れませんが、
自動車業界で働く私には長いゴールデンウイークでした。
しっかりと一週間以上ありましたが、もう今日で終わりで、
思い返してみれば特に出かけることも思い出もありません。
唯一、劇場版ヱヴァンゲリヲンを見に行ったくらいで、
25年の長い歴史に区切りができたことが印象くらいです。
そんな最終日のブログを書くにあたって思うことがあって、
やっぱり最近は歌会自体が開催できていないので、
ブログだけを淡々と更新していくことが息苦しくあります。
それでももともとブログをやり始めたのはホームページの
定期的な更新で活動中をアピールすることだったので、
そういう意味でこんな状況にこそ意味があるのでしょう。
ブログを現在も書いてくれる人には感謝しかありません。
あらためて今となってブログを書いてくれた人を見ると、
今ではサークルにいなくなってしまった人も含めると、
大変多くの方に書いてもらっていることに驚きました。
そして書いていただいた回数に至ってはこれもまた驚きで、
単純に週一回の更新ですので50回書いてくれている方は、
それだけで1年続けてくれていることになるのですよね。
私みたいに大して内容の無いことを書いているのに比べ、
小島@監督さんなんか、いつも映画縛りみたいな感じなのに、
もう500回に迫る勢いとなっていて頭が上がりません。
見た映画に対して書くことが基本になっているのですから、
この10年に迫る間にどれだけの映画を見たというのか、
驚きを通り越して、恐ろしさを感じてしまうレベルです。
歌会が開催されない中で、このブログを読んでくれる方、
今でもこのブログを書いてくれる方、ありがとうございます。
ゴールデンウィークは終わりました?まだ連休中ですか?
私は今日から、お仕事しております。
数年前であれば、サークルのスポットイベントで、皆でボウリングで遊ぶ。というのが恒例だったんですけど、今やメインであるカラオケも開催ができないという事態。
蔓延等防止措置も延長のようですので、歌会の再開はまだ遠そうです…。
んで、今年のゴールデンウィークは何をしていたかというと、何もしてませんでした!…といっても、ゲームやって、プラモ作って…と、いつも通りっちゃあ、いつも通りの時間の使い方でしたね。
今回は連休を頂けたので、ちょっと前にリリースされたPS4ソフト『ニーアレプリカント』をクリアまでもっていく事ができました。
このタイトルはPS3で発売された同タイトルのアップデート版で、グラフィックの強化と追加要素を加えたものです。1度プレイした人には、たぶんそこまでの目新しさはないとは思いますが、サブキャラを含めたフルボイスとか、エンディングの追加など、世界観を堪能したいという気持ちが強ければ、十分魅力的なタイトルなのではないでしょうか。
前作というか同シリーズの『ニーアオートマタ』をプレイしましたが、全体的に悲劇的というか、どちらかプレイした方は察しがつきますが「だいたいみんな幸せになれない」というシナリオが多いわけですが、なぜか惹かれてしまう不思議な世界観ではあります。
実は古くはPS2ソフト『ドラッグオンドラグーン』シリーズから世界は繋がっており、その頃からダークな感じが…というか当時はそのシナリオが話題になりましたね。
ニーアシリーズを知る上で、ぜひプレイしてほしいタイトルなので、そっちも移植してくれないかなぁと思います。
でも、ドラッグオンドラグーンしかり、ニーアシリーズしかり、シナリオは、ズーン…ってなる流れが多いので、苦手な方は要注意です。
てか、今回ある意味、明るい話題ねーな(笑)
私は今日から、お仕事しております。
数年前であれば、サークルのスポットイベントで、皆でボウリングで遊ぶ。というのが恒例だったんですけど、今やメインであるカラオケも開催ができないという事態。
蔓延等防止措置も延長のようですので、歌会の再開はまだ遠そうです…。
んで、今年のゴールデンウィークは何をしていたかというと、何もしてませんでした!…といっても、ゲームやって、プラモ作って…と、いつも通りっちゃあ、いつも通りの時間の使い方でしたね。
今回は連休を頂けたので、ちょっと前にリリースされたPS4ソフト『ニーアレプリカント』をクリアまでもっていく事ができました。
このタイトルはPS3で発売された同タイトルのアップデート版で、グラフィックの強化と追加要素を加えたものです。1度プレイした人には、たぶんそこまでの目新しさはないとは思いますが、サブキャラを含めたフルボイスとか、エンディングの追加など、世界観を堪能したいという気持ちが強ければ、十分魅力的なタイトルなのではないでしょうか。
前作というか同シリーズの『ニーアオートマタ』をプレイしましたが、全体的に悲劇的というか、どちらかプレイした方は察しがつきますが「だいたいみんな幸せになれない」というシナリオが多いわけですが、なぜか惹かれてしまう不思議な世界観ではあります。
実は古くはPS2ソフト『ドラッグオンドラグーン』シリーズから世界は繋がっており、その頃からダークな感じが…というか当時はそのシナリオが話題になりましたね。
ニーアシリーズを知る上で、ぜひプレイしてほしいタイトルなので、そっちも移植してくれないかなぁと思います。
でも、ドラッグオンドラグーンしかり、ニーアシリーズしかり、シナリオは、ズーン…ってなる流れが多いので、苦手な方は要注意です。
てか、今回ある意味、明るい話題ねーな(笑)
何か今日でTwitterを使い始めて丁度9年らしいです。実は最初は中学の同窓生との連絡用に作ったアカウントだったのですが、今やすっかり映画とアニメとアイマスのことばかり呟くオタクアカウントに(笑)。始めて半年くらい経った辺りからハッシュタグを使ってこのブログと紐づけるようになったので「#chukara」のタグももう8年以上使っている計算になります。
こんばんは、小島@監督です。
気づけば遠くまで来てしまったものよ。しかも全然成長している感が無い(苦笑)
さて、今回の映画は「ナタ転生」です。
かつて神々の死闘が繰り広げられた大陸。それより3,000年以上の時を経た現在、「東海市」では財閥企業である「徳興グループ」が支配し激しい貧富の格差に晒されていた。バイク好きの青年・李雲祥(声・楊天翔)は時にストリートレースで賞金を稼ぎ、普段は非合法スレスレの荷物を運ぶ密輸屋として奔放な生活を送っていた。幼馴染みで妹分でもあるカーシャ(声・朱可兒)と共に過ごす裕福とは言えないが充実した日々。しかし徳会長(声・宣曉鳴)の息子である三公子(声・凌振赫)が李雲祥のバイクに目を付けそれを欲しがった事で急変する。三公子は部下を伴い李雲祥とカーシャを襲撃。どうにかそれをかわして三公子に反撃することに成功する李雲祥だったが、激昂した三公子はその手から氷の矢を放った。それにより形勢は逆転される。しかし重傷を負ったカーシャの姿と自身の生命への危機が李雲祥の中に秘められた力を呼び起こした。李雲祥の中には3,000年以上前に神々と死闘を繰り広げたナタの魂が眠っていたのである。
日本もアメリカも凌ぎ今や世界一のアニメ大国となった中国。製作本数だけでなく質的な面でも今や日本を凌駕しつつあります。日本でもロングヒットとなった「羅小黒戦記」が記憶に新しいところですが、またしてもパワフルな作品が日本へ上陸してきました。
日本でも藤崎竜の手による漫画版などで知られる「封神演義」、それをベースに人気キャラクターであるナタ(哪吒)の魂を持った青年が戦いの渦に巻き込まれる姿を描く3DCGアニメーションです。
冒頭、「AKIRA」や「レディ・プレイヤー1」を思わせるバイクレースのシーンから始まるこの映画は、ハリウッド映画やゲームなどの影響を随所に感じさせながらもエネルギッシュな語り口で観る者を強烈に引っ張ります。かなり展開が早い部類に入る作品ですが映像とセリフを組み合わせて設定を理解させるバランス感覚が見事で、親切で観易い作品と言えるでしょう。エンドクレジット後にもうワンシーンある、マーベル映画によく観られる作りをしているのですが、ちゃんと「続きがあるよ!」と字幕で表示される辺りも親切です(笑)
3DCGというツールの使いぶりも見事でスピード感を出したいあまりに観客を「酔わせてしまう」というようなことがありません。しかも驚くことにこういった観客への配慮を怠っていないにも関わらずやりたい事を全部盛りにしてしまう、できてしまう「勢い」があるのがポイントです。特にアクションシークエンスのアイディアと演出の豊富さは驚異の一言。このクリエイターの熱量の凄みにはどこか1980年代から90年代にかけて急伸長した日本アニメに観られるものと似たようなものを感じます。それだけ今の中国市場には勢いがあるといえます。
もう一つ、この作品の主舞台である「東海市」の1930年代の上海を思い起こさせるような頽廃的な背景や美術も見事です。驚くことに背景については場面単位で建物の要素を抽出して街を自動生成するアルゴリズムを作り上げたそうで、その技術力にも感服します。
どこかアール・デコ調の車やバイクのデザインや、意外に義手や義足をした登場人物が多く機械的な要素が前面に出ている点などサイバーパンクやレトロフューチャーのテイストも強く、この世界観自体が「刺さる」人も多いことでしょう。
当初からシリーズ化する気満々だったらしく、いくつかの要素は語り切らないまま終局を迎えますが、とにかくどのキャラクターも活き活きしていてラストまで来る頃には多くの方が「こいつらをもっと観ていたい!」と思えるようになっているんじゃないでしょうか。実際は私は続きが観たい。次回作にはナタに負けず劣らず人気の高い「あの人」も登場するようですし。
「羅小黒戦記」と比べるとだいぶ公開規模が小さいのが難点ですが、現代中国のエンターテインメントのエネルギーを如実に感じられるこの作品、できれば多くの方に観て頂きたいと思いますね。
こんばんは、小島@監督です。
気づけば遠くまで来てしまったものよ。しかも全然成長している感が無い(苦笑)
さて、今回の映画は「ナタ転生」です。
かつて神々の死闘が繰り広げられた大陸。それより3,000年以上の時を経た現在、「東海市」では財閥企業である「徳興グループ」が支配し激しい貧富の格差に晒されていた。バイク好きの青年・李雲祥(声・楊天翔)は時にストリートレースで賞金を稼ぎ、普段は非合法スレスレの荷物を運ぶ密輸屋として奔放な生活を送っていた。幼馴染みで妹分でもあるカーシャ(声・朱可兒)と共に過ごす裕福とは言えないが充実した日々。しかし徳会長(声・宣曉鳴)の息子である三公子(声・凌振赫)が李雲祥のバイクに目を付けそれを欲しがった事で急変する。三公子は部下を伴い李雲祥とカーシャを襲撃。どうにかそれをかわして三公子に反撃することに成功する李雲祥だったが、激昂した三公子はその手から氷の矢を放った。それにより形勢は逆転される。しかし重傷を負ったカーシャの姿と自身の生命への危機が李雲祥の中に秘められた力を呼び起こした。李雲祥の中には3,000年以上前に神々と死闘を繰り広げたナタの魂が眠っていたのである。
日本もアメリカも凌ぎ今や世界一のアニメ大国となった中国。製作本数だけでなく質的な面でも今や日本を凌駕しつつあります。日本でもロングヒットとなった「羅小黒戦記」が記憶に新しいところですが、またしてもパワフルな作品が日本へ上陸してきました。
日本でも藤崎竜の手による漫画版などで知られる「封神演義」、それをベースに人気キャラクターであるナタ(哪吒)の魂を持った青年が戦いの渦に巻き込まれる姿を描く3DCGアニメーションです。
冒頭、「AKIRA」や「レディ・プレイヤー1」を思わせるバイクレースのシーンから始まるこの映画は、ハリウッド映画やゲームなどの影響を随所に感じさせながらもエネルギッシュな語り口で観る者を強烈に引っ張ります。かなり展開が早い部類に入る作品ですが映像とセリフを組み合わせて設定を理解させるバランス感覚が見事で、親切で観易い作品と言えるでしょう。エンドクレジット後にもうワンシーンある、マーベル映画によく観られる作りをしているのですが、ちゃんと「続きがあるよ!」と字幕で表示される辺りも親切です(笑)
3DCGというツールの使いぶりも見事でスピード感を出したいあまりに観客を「酔わせてしまう」というようなことがありません。しかも驚くことにこういった観客への配慮を怠っていないにも関わらずやりたい事を全部盛りにしてしまう、できてしまう「勢い」があるのがポイントです。特にアクションシークエンスのアイディアと演出の豊富さは驚異の一言。このクリエイターの熱量の凄みにはどこか1980年代から90年代にかけて急伸長した日本アニメに観られるものと似たようなものを感じます。それだけ今の中国市場には勢いがあるといえます。
もう一つ、この作品の主舞台である「東海市」の1930年代の上海を思い起こさせるような頽廃的な背景や美術も見事です。驚くことに背景については場面単位で建物の要素を抽出して街を自動生成するアルゴリズムを作り上げたそうで、その技術力にも感服します。
どこかアール・デコ調の車やバイクのデザインや、意外に義手や義足をした登場人物が多く機械的な要素が前面に出ている点などサイバーパンクやレトロフューチャーのテイストも強く、この世界観自体が「刺さる」人も多いことでしょう。
当初からシリーズ化する気満々だったらしく、いくつかの要素は語り切らないまま終局を迎えますが、とにかくどのキャラクターも活き活きしていてラストまで来る頃には多くの方が「こいつらをもっと観ていたい!」と思えるようになっているんじゃないでしょうか。実際は私は続きが観たい。次回作にはナタに負けず劣らず人気の高い「あの人」も登場するようですし。
「羅小黒戦記」と比べるとだいぶ公開規模が小さいのが難点ですが、現代中国のエンターテインメントのエネルギーを如実に感じられるこの作品、できれば多くの方に観て頂きたいと思いますね。