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ちゅうカラぶろぐ


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先日、仕事を終えて最寄り駅から自宅までの夜道を歩いていたら、自分の少し前から聞こえてくる人間のものではない足音と気配。走る緊張感。周囲に注意を払いつつ身構えながら出来るだけ音を立てずに歩いていたら、エンカウントしました。
 カモシカと。
 大人しい性格というのは知っていて、不用意に刺激しなければ問題無いと知ってはいても夜道かつ至近距離で出くわすとさすがにビビります。カモシカの方は私に気づいた途端に走り去って行きましたがしばらく心拍数が上がりっぱなしでした。

 こんばんは、小島@監督です。
 ところで今回の歌会に参加出来なくてすいません。次回は参加する予定。

 さて、今回の映画は「オーメン:ザ・ファースト」です。

 1971年、ローレンス枢機卿(ビル・ナイ)に導かれ、見習い修道女のマーガレット(ネル・タイガー・フリー)はアメリカからローマへやってきた。正式な修道服を纏う着衣式に向け、孤児院の教師として赴任するためだ。折しもローマでは左翼活動が活発化し教会の権威が失墜しつつあった。そんな中、マーガレットは不安定な情動で他の子どもたちから孤立している少女カルリータ(ニコール・ソラス)と出会う。

 心なしか赤みがかった質感の色調と、古風なカメラワーク。新作であるにも関わらず非常にクラシックな雰囲気で、この映画は始まります。1976年に製作された伝説的ホラー映画「オーメン」、その後シリーズ化されリメイクも含めて5本の映画と1本のTVドラマが製作されました。2006年製作のリメイク版依頼18年ぶりとなる新作は、第1作へと繋がる前日譚。オリジナルへ多大なリスペクトを捧げた、極めて正統派のオカルトホラーです。

 特に前半はじっくりとスローな語り口で物語、特に教会にまつわる世界観の描写に費やしています。主要場面の大半が荘厳な教会の中で展開し、悪魔的なモチーフをアクセントとして落とし込むゴシックな雰囲気の映像とこの語り口が良くマッチしているほか、ビル・ナイ、ソニア・ブラガ、チャールズ・ダンスと言った名優たちが脇を固めて重厚な演技を見せてくれ、グロテスクな描写もそれほど多くはないのが特徴です。ショッキングな映像よりもむしろ雰囲気で観客に恐怖を見せる手腕は近年のフランチャイズなホラー映画のスタイルとしては少し珍しいように思います。
 この映画を手掛けたのはアルカシャ・スティーブンソン。なんとこれが長編デビュー作になります。今後が楽しみな監督がまた1人誕生しました。
 
 それにしても興味深いのは劇中の背景やそして後半に明かされるある謎と言い、映画の向こうに本当に教会への信頼が揺らいでいるのが伺えるところで、敬虔な方にとってはいささか眉をひそめてしまうかも。この辺り、世界中の教会で神父や牧師による性的なスキャンダルが相次いでいる現状を踏まえたものかもしれません。

 派手さに少し欠けるところがあるものの、プロが堅実にプロの仕事をしている作品で、個人的には結構お薦めの一本です。実のところ批評家筋の評価も高い出来栄えの良さとは裏腹に興行的には今ひとつらしく、続編を匂わせる描写があるものの実現するかどうかは不透明。なかなかままならないものですね。

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