コレを書いているまさに今、私、帰宅困難者の真っ最中!「所により雷を伴う強い雨」と天気予報では言ってましたが自分の通勤経路にストライクでしたわよ(苦笑)
こんばんは、小島@監督です。
今日を無事に乗り切れるのか、事件はリアルタイムで起こっている。
さて、今回の映画は「真夏の夜のジャズ 4K」です。
1958年夏、アメリカ、ロードアイランド州ニューポート。街は熱気と狂騒に包まれ始めていた。全米各所から人が集まり、移動遊園地が営業を始める。野外ステージの前には大量の座席が並べられ来場者の訪れを待つ。そしてジミー・ジュフリー・スリーの「トレイン・アンド・ザ・リバー」がフェスの始まりを告げた。
1954年に初開催されたニューポート・ジャズフェスティバルは何度か中止の憂き目に(コロナ禍の影響を受けて今年も中止になった)あったことはあれど現在に至るまで続けられ、ジャズフェスの代名詞ともいえる存在です。また多くの演奏がラジオやTVで中継されたりするのと同時に録音もされ、後にレコードやCD化されてリリースされたりもしてきました。そんなジャズフェスの1958年開催の模様を撮影しドキュメンタリー映画として製作され1960年に公開されたのがこの「真夏の夜のジャズ」です。音楽映画の一つの金字塔としてミニシアターなどで度々リバイバル上映されるタイトルでもありますが、公開から60周年という今年4Kリマスター版が製作され現在全国公開されています。
まず何より伝説的ともいえるミュージシャンたちのプレイを楽しめるのが最大のポイントです。「ジャズの父」とまで言われたルイ・アームストロング、カリスマ的な即興演奏のスタイルで魅せるセロニアス・モンク、ハスキー・ヴォイスと独特の歌唱法でスターとなったアニタ・オデイ、ギターリフを駆使したスタイルを確立させ「ロックの創始者」と言われたチャック・ベリーなどが次々と登場しそのパフォーマンスで楽しませてくれます。映画には登場していませんがこの年のニューポート・ジャズフェスティバルにはモダンジャズを代表する名サックスプレイヤーであったジョン・コルトレーンも出演していたそうで、一線級が勢揃いしていたんですね。
この映画を特徴づけるもう一つの要素、それはステージ以外の映像にあります。かなり観客を写したショットが多く1950年代後半のファッションを楽しめるほか、同時期にニューポートで開催されていたヨットレース、「アメリカズカップ」の様子も収録されています。音楽とスポーツ、人々を熱狂させる2つが同時期に開催されていたニューポート、それはもう熱かったことでしょう。
また一方で、出演者の顔ぶれに対して観客の方は黒人の方の比率が少ないことが分かります。いわゆる「公民権運動」が盛んになるまでにはもう数年の時間が必要で、そうなる前の様子をわずかながら見て取ることができます。
そのショットやどこかMVっぽさもかんじさせる編集まで含めてとにかくクールでカッコいいこの映画を撮影・監督したのはバート・スターン。当時は新進気鋭の写真家で、後年エリザベス・テイラーやオードリー・ヘプバーン、トルーマン・カポーティなどを撮影したことで知られ、特に死去6週間前のマリリン・モンローを撮影した写真集「The Last Sitting」が彼の名を不動のものにしました。
83分と短い上映時間でありながら濃密な映像・音楽体験を観る者に与えてくれる、60年経っても今なお色褪せない逸品です。ジャズに興味があっても無くても是非ご覧になっていただきたい。
ところで今年の秋は音楽映画が目白押し。ルチアーノ・パヴァロッティの生涯を綴った「太陽のテノール」、オアシス解散以後のリアム・ギャラガーを追った「アズ・イット・ワズ」、ジャズの帝王と言われたマイルウ・デイヴィスの人物像を紐解く「クールの誕生」、世界の音楽を変えたとまで言われる音楽レーベル・モータウンを考察する「メーキング・オブ・モータウン」などドキュメンタリーだけでも花盛り。片っ端から観たいぜ!しばらくブログの内容が偏ったらすいません(笑)!
こんばんは、小島@監督です。
今日を無事に乗り切れるのか、事件はリアルタイムで起こっている。
さて、今回の映画は「真夏の夜のジャズ 4K」です。
1958年夏、アメリカ、ロードアイランド州ニューポート。街は熱気と狂騒に包まれ始めていた。全米各所から人が集まり、移動遊園地が営業を始める。野外ステージの前には大量の座席が並べられ来場者の訪れを待つ。そしてジミー・ジュフリー・スリーの「トレイン・アンド・ザ・リバー」がフェスの始まりを告げた。
1954年に初開催されたニューポート・ジャズフェスティバルは何度か中止の憂き目に(コロナ禍の影響を受けて今年も中止になった)あったことはあれど現在に至るまで続けられ、ジャズフェスの代名詞ともいえる存在です。また多くの演奏がラジオやTVで中継されたりするのと同時に録音もされ、後にレコードやCD化されてリリースされたりもしてきました。そんなジャズフェスの1958年開催の模様を撮影しドキュメンタリー映画として製作され1960年に公開されたのがこの「真夏の夜のジャズ」です。音楽映画の一つの金字塔としてミニシアターなどで度々リバイバル上映されるタイトルでもありますが、公開から60周年という今年4Kリマスター版が製作され現在全国公開されています。
まず何より伝説的ともいえるミュージシャンたちのプレイを楽しめるのが最大のポイントです。「ジャズの父」とまで言われたルイ・アームストロング、カリスマ的な即興演奏のスタイルで魅せるセロニアス・モンク、ハスキー・ヴォイスと独特の歌唱法でスターとなったアニタ・オデイ、ギターリフを駆使したスタイルを確立させ「ロックの創始者」と言われたチャック・ベリーなどが次々と登場しそのパフォーマンスで楽しませてくれます。映画には登場していませんがこの年のニューポート・ジャズフェスティバルにはモダンジャズを代表する名サックスプレイヤーであったジョン・コルトレーンも出演していたそうで、一線級が勢揃いしていたんですね。
この映画を特徴づけるもう一つの要素、それはステージ以外の映像にあります。かなり観客を写したショットが多く1950年代後半のファッションを楽しめるほか、同時期にニューポートで開催されていたヨットレース、「アメリカズカップ」の様子も収録されています。音楽とスポーツ、人々を熱狂させる2つが同時期に開催されていたニューポート、それはもう熱かったことでしょう。
また一方で、出演者の顔ぶれに対して観客の方は黒人の方の比率が少ないことが分かります。いわゆる「公民権運動」が盛んになるまでにはもう数年の時間が必要で、そうなる前の様子をわずかながら見て取ることができます。
そのショットやどこかMVっぽさもかんじさせる編集まで含めてとにかくクールでカッコいいこの映画を撮影・監督したのはバート・スターン。当時は新進気鋭の写真家で、後年エリザベス・テイラーやオードリー・ヘプバーン、トルーマン・カポーティなどを撮影したことで知られ、特に死去6週間前のマリリン・モンローを撮影した写真集「The Last Sitting」が彼の名を不動のものにしました。
83分と短い上映時間でありながら濃密な映像・音楽体験を観る者に与えてくれる、60年経っても今なお色褪せない逸品です。ジャズに興味があっても無くても是非ご覧になっていただきたい。
ところで今年の秋は音楽映画が目白押し。ルチアーノ・パヴァロッティの生涯を綴った「太陽のテノール」、オアシス解散以後のリアム・ギャラガーを追った「アズ・イット・ワズ」、ジャズの帝王と言われたマイルウ・デイヴィスの人物像を紐解く「クールの誕生」、世界の音楽を変えたとまで言われる音楽レーベル・モータウンを考察する「メーキング・オブ・モータウン」などドキュメンタリーだけでも花盛り。片っ端から観たいぜ!しばらくブログの内容が偏ったらすいません(笑)!
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