ちゅうカラぶろぐ


[3900]  [3899]  [3898]  [3897]  [3896]  [3895]  [3894]  [3893]  [3892]  [3891]  [3890
ありがたいことにというか、先週から「アイドルマスター ミリオンライブ」がこれまでに開催された単独大型ライブイベントの全公演を約1か月かけて配信するという企画を展開中です。昨日は2ndライブDay2が配信されていました。開催時期は2015年4月初頭。この約3か月後にアイマス10周年記念ライブが西武ドームで開催されて私も観に行っています(何ならブログも書いてます)が、このミリオン2ndは観に行けずじまいだったので嬉しい限り。
 ライブから5年経った今でも語り草となっている「曲がサビの手前で止まってしまうが観客が曲を歌い繋いで、それを受けて出演者がアドリブでアカペラのまま歌いきる」というハプニングの模様の全貌をようやく観ることができました。というかその瞬間が来るまで、コレがそのライブだったことを失念していたのでかなりの驚き。恐らく急ピッチで機材復旧していたであろう長い暗転もハンドクラップとコールで場の空気を冷まさないようにする観客たちに刺激されたのか、再開後の出演者たちのパフォーマンスも明らかにスイッチが入っていてその熱量がうねりを生み、初見の身にも熱くなるものがありました。観終えた後これをその日その時に観られなかったのが少しだけ悔やまれましたね(苦笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 そのミリオンライブ、今週は初のツアーとなった3rdライブ全公演を14日の日曜日まで毎日日替わりで配信しています。多くの出演者がツアー中にブレイクスルーを果たしているのが分かりますし、千秋楽にはこれまた今でも語り草となっている名台詞が飛び出す瞬間もあるのでアイマスPでない方も是非。

 さて、今回の映画は「ひまわり」(HDレストア版)です。

 第二次世界大戦のさなか、ナポリの海岸で出会い恋に落ちたジョヴァンナ(ソフィア・ローレン)とアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)。アントニオは徴兵が決まっていたが結婚すれば休暇がもらえることを知り2人は結婚。しかし休暇は瞬く間に過ぎ去り、戦地へ派遣されたくないアントニオは精神病を装って兵役を逃れようとするが看破され、極寒のソ連戦線へ送り込まれてしまう。
 時は流れ終戦の時を迎えたがアントニオは帰還しなかった。彼の母親(アンナ・カレナ)と共に引き揚げを待ち続けるジョヴァンナだったが行方不明の報が届くのみ。しかし復員兵の一人がアントニオを覚えていた。諦めきれないジョヴァンナは微かな可能性を信じソ連へと向かう。

 冒頭とラストシーンに映し出されるどこまでも広がるひまわり畑のショットが印象的な、1970年にイタリア・フランス・ソ連の合作で製作され日本でも同年公開されたメロドラマの傑作です。今年公開50周年を記念しHDレストアを施されて現在営業再開した各地の映画館で順次公開が始まっています。主演にはイタリアを代表する女優で度々来日もしているソフィア・ローレンと、1960年代から1996年に没するまで同じくイタリアを代表する名優であったマルチェロ・マストロヤンニ。監督は1940年代から「靴みがき」や「自転車泥棒」など市井の悲喜劇を描き、イタリアの作劇スタイル「ネオ・リアリズモ」の旗手として活躍したヴィットリオ・デ・シーカが手掛けました。この映画について更にいえばヘンリー・マンシーニの手によるテーマ曲も有名で、知らず聞いたことのある方も多いのではと思います。

 映画は序盤イタリアの男女の恋を軽妙に描いたのち、アントニオが戦地へ派遣されてから一気に悲劇性が高まります。そして夫を探してソ連へ赴いたジョヴァンナに思わぬ事実が付きつけられます。
 半世紀前の映画に対して言うのも何ですが、筋立てだけで言えば「良くある話」です。ただ繊細な男女の機微の表現に加え、それを演じる主演2人の演技の見事さと耳に残る音楽が重なると、「良くある話」も「類まれな作品」へと変わる好例と言えるでしょう。

 実はこの映画、面白いことに本国以上に特に日本でだけ評価が高い作品です。描かれている事柄やその描き方に日本人の琴線にことさらに触れる何かがあったのでしょうか。デ・シーカ監督作品としてもソフィア・ローレン主演作品としても各国の映画祭などでの評価は他と比べるとそれほど高いわけではありません。それゆえ作品資料も少なくマスターテープも残っておらず(現時点では)一つのネガも見つかっていないため、上映用のポジからHDマスターを作成しそれを基本素材として傷などを除去するレストア作業を行ったそうです。しかもその作業の一連は日本で行われました。そのため結果的に最も修復度合いが高い素材を日本が有している形になっているとか。日本よりフィリピンでの知名度の方が高い「ボルテスV」のような例もありますし、作品というのは時に数奇な形で生き残ります。

 日本でこそ愛されたこの普遍的で抒情的な物語、今観るからこその味わいもあるのではと思います。クラシックだからとスルーせず、スクリーンで楽しめるこの機会に是非どうぞ。

拍手[1回]

この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
/