まさか突然小中高一斉休校なんて手を打つとは。職場でもお子さんが学童保育に預けられずに休まざるを得なくなった人が出た場合のフォローをどうするかの確認に追われたり、家は家で昨日はせっかくの1日日曜日だから映画観に行こうとしたら母親から「頼むから今日は出かけないでくれ」と散々言われて仕方なく取りやめ自宅に引きこもってました。そしたらよりにもよって今週行こうと思っていた愛知県美術館の「コートールド美術館展」が昨日までで期間を短縮して展示終了になってしまい軽く凹んでいます。
おかげ様で若干フラストレーションが溜まり気味。次の休みは絶対に映画観に行ってやる。
こんばんは、小島@監督です。
偶然でしょうがそんな折に地上波初放送してた「ランペイジ 巨獣大乱闘」はこういう気が滅入りそうな時にぴったりのあっけらかんと楽しいエンターテインメント。放送をご覧にならなかった方も配信やレンタルで巨獣と対等に渡り合ってしまうドウェイン・ジョンソンの活躍を見届けろ!
さて、今回の映画は「犬鳴村」です。
臨床心理士・森田奏(三吉彩花)は、昔から霊が見えてしまう体質の持ち主だった。その奏の周囲である時から奇妙な出来事が続発する。兄・悠真(坂東龍汰)の恋人・西田明菜(大谷凛香)はわらべ歌のようなものを口ずさみながら辺りを徘徊するようになり、悠真もまた弟・康太(海津陽)と共に姿を消した。そして奏の周囲で不可解な変死が相次ぐ。それら全てに共通していたのは日本で最も恐ろしいとまで言われる心霊スポット「犬鳴トンネル」だった。真相を突き止めるべく、奏は犬鳴トンネルへと向かうのだが…
いつ頃からか、ホラー映画の旬は夏場よりも冬から早春にかけてに変わっていきました。今くらいの時期は大作がひしめく年末年始やゴールデンウイークの狭間で映画ファン向けの個性的な作品を上映しやすいシーズンでもあるため結果的に寄り集まってくる、という部分もあるかもしれません。それを差し引いても何故か今年は何だか今まで以上にホラーやスリラー系の映画がこの時期に集中しており、邦画も1本名乗りを上げています。それがこの「犬鳴村」。監督は「呪怨」シリーズで知られる清水崇、脚本は「貞子3D2」などこちらもホラージャンルで活躍している保坂大輔が手掛けています。
なにぶん多少でもオカルトをかじったことがある方なら名前くらいは聞いたことがあるであろう、その道ではトップクラスに知名度の高い都市伝説と心霊スポットを題材にしていることも手伝ってか、なかなか好調な動員を記録しているようですね。
これぞ和製ホラーというべきか、怪談噺を思わせるじめっとした湿度の高い質感を楽しめるホラー映画です。トンネルの中だけでなく全体的に雨模様のような雰囲気を漂わせる画面が続くのは、作中でも水が重要なファクターの一つであるだけでなく物語の軸足が地縁的な情念の中にあることも示唆しているのでしょう。土俗的なところに核を置いた物語の構図について近い雰囲気では2016年に公開された「残穢」を思い起こさせますが、あちらよりは恐怖演出がダイレクトなのが特徴です。
いわゆるPOVスタイルで見せる冒頭のシークエンスから、不穏さ全開のシーンが続き実にコワくて楽しいのですが、残念なのはそれが前半だけであること。主人公・奏が核心に迫っていくにつれ、また「核心」の方から奏の方に近付いていくにつれ「それら」が自重しなくなってくるというか隠さなくなってくるのでせっかくの「湿度」も下がってきてしまう点です。映画的で派手なクライマックスも重要ですがもっと怪談噺的テイストを前面に押し出して欲しかったというか。
観ててスカッとするタイプの映画ではなく、不完全燃焼な部分も多いため手放しで褒められるような作品でもないですがたまにこういうのが出てくれないとちょっと物足りなくなるどこかオーセンティックなジャパニーズホラー、なかなかに外出も憚られるご時世ですが、できればスクリーンでご堪能あれ。
おかげ様で若干フラストレーションが溜まり気味。次の休みは絶対に映画観に行ってやる。
こんばんは、小島@監督です。
偶然でしょうがそんな折に地上波初放送してた「ランペイジ 巨獣大乱闘」はこういう気が滅入りそうな時にぴったりのあっけらかんと楽しいエンターテインメント。放送をご覧にならなかった方も配信やレンタルで巨獣と対等に渡り合ってしまうドウェイン・ジョンソンの活躍を見届けろ!
さて、今回の映画は「犬鳴村」です。
臨床心理士・森田奏(三吉彩花)は、昔から霊が見えてしまう体質の持ち主だった。その奏の周囲である時から奇妙な出来事が続発する。兄・悠真(坂東龍汰)の恋人・西田明菜(大谷凛香)はわらべ歌のようなものを口ずさみながら辺りを徘徊するようになり、悠真もまた弟・康太(海津陽)と共に姿を消した。そして奏の周囲で不可解な変死が相次ぐ。それら全てに共通していたのは日本で最も恐ろしいとまで言われる心霊スポット「犬鳴トンネル」だった。真相を突き止めるべく、奏は犬鳴トンネルへと向かうのだが…
いつ頃からか、ホラー映画の旬は夏場よりも冬から早春にかけてに変わっていきました。今くらいの時期は大作がひしめく年末年始やゴールデンウイークの狭間で映画ファン向けの個性的な作品を上映しやすいシーズンでもあるため結果的に寄り集まってくる、という部分もあるかもしれません。それを差し引いても何故か今年は何だか今まで以上にホラーやスリラー系の映画がこの時期に集中しており、邦画も1本名乗りを上げています。それがこの「犬鳴村」。監督は「呪怨」シリーズで知られる清水崇、脚本は「貞子3D2」などこちらもホラージャンルで活躍している保坂大輔が手掛けています。
なにぶん多少でもオカルトをかじったことがある方なら名前くらいは聞いたことがあるであろう、その道ではトップクラスに知名度の高い都市伝説と心霊スポットを題材にしていることも手伝ってか、なかなか好調な動員を記録しているようですね。
これぞ和製ホラーというべきか、怪談噺を思わせるじめっとした湿度の高い質感を楽しめるホラー映画です。トンネルの中だけでなく全体的に雨模様のような雰囲気を漂わせる画面が続くのは、作中でも水が重要なファクターの一つであるだけでなく物語の軸足が地縁的な情念の中にあることも示唆しているのでしょう。土俗的なところに核を置いた物語の構図について近い雰囲気では2016年に公開された「残穢」を思い起こさせますが、あちらよりは恐怖演出がダイレクトなのが特徴です。
いわゆるPOVスタイルで見せる冒頭のシークエンスから、不穏さ全開のシーンが続き実にコワくて楽しいのですが、残念なのはそれが前半だけであること。主人公・奏が核心に迫っていくにつれ、また「核心」の方から奏の方に近付いていくにつれ「それら」が自重しなくなってくるというか隠さなくなってくるのでせっかくの「湿度」も下がってきてしまう点です。映画的で派手なクライマックスも重要ですがもっと怪談噺的テイストを前面に押し出して欲しかったというか。
観ててスカッとするタイプの映画ではなく、不完全燃焼な部分も多いため手放しで褒められるような作品でもないですがたまにこういうのが出てくれないとちょっと物足りなくなるどこかオーセンティックなジャパニーズホラー、なかなかに外出も憚られるご時世ですが、できればスクリーンでご堪能あれ。
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