NHKで不定期に放送されている「みんなで筋肉体操」のスクワットの回を録画してやってみたら翌日見事に筋肉痛。あれ?こんなに使ってなかったの自分?というくらいビキビキきました。腹筋や背筋もきつかったもののまだそれほどではなかったのですが。せっかくだしこれを機に続けようかしら。
こんばんは、小島@監督です。
「みんなで筋肉体操」は腹筋、背筋、スクワットのほかに腕立て伏せの回もあるのですが、こちらは要求されるレベルの腕立て伏せが2回とできないので早々にギブアップしました(苦笑)
さて、今回の映画は「新聞記者」です。
東都新聞記者・吉岡エリカ(シム・ウンギョン)は帰国子女という出自と舌鋒鋭い質問で記者クラブだけでなく社内でも異端視されていた。ある時、東都新聞のFAXに匿名の文書が送られてくる。それは文科省ではなく内閣府が設立を進める大学新設計画に関する極秘文書だった。上司の陣野(北村有起哉)から調査を任された吉岡は行動を開始する。
一方、内閣情報調査室に所属する若手官僚・杉原拓海(松坂桃李)は「国民に尽くす」という信念を抱きながらも任される仕事は現政権に不都合なニュースをコントロールするウェットワークの日々に葛藤を抱いていた。そんな折、かつて外交官として北京大使館に勤務していた頃の上司である神崎俊尚(高橋和也)と久々に再会し杉原は楽しいひと時を過ごす。だが数日後、神崎はビルから身を投げ命を絶ってしまった。神崎は何に追い詰められていたのか、真実に迫ろうとする杉原。
記者と官僚、2人の人生が交差しようとしていた。
誰もが発信者になれるSNSの発達も後押しとなってジャーナリズムというものがその根幹から存在意義を問われている今、また「忖度」が横行し空気に合わないものには容赦ないバッシングが飛ぶ昨今では「政治」があまりにデリケートなテーマになってしまっています。そんなご時世にあって過去の政治的決断を俯瞰するのではなく現在進行形のファクターをモチーフにリアルなポリティカルフィクションを展開する極めて挑戦的な作品です。中日新聞記者・望月衣塑子の同名ノンフィクションを原案にし、フィクションの体を取ってはいますが作中に出てくる事件はどれも新聞のトップやヘッドラインを騒がせたものばかり。「タイムリーである」ということも時には映画には重要なファクターであったりするのですが、ドキュメンタリーではない劇映画でここまでの同時代性を持ち得る作品も昨今極めて珍しい存在でしょう。
さらに言えば小規模公開の作品ではなく松坂桃李のようなメジャー俳優を擁して100館に近い規模でのシネコンで上映するレベルに持っていったことに賞賛の念を禁じ得ません。ただ同時に主演の一人が日本人ではなく韓国人のシム・ウンギョンであるところに今現在の邦画の限界を見るような気もします。
全編にわたり体の芯にジクジク来るような緊張感が漂う中、何度もアップになるシム・ウンギョンと松坂桃李の視線の揺らぎがこちらにひたすら問いかけられるような気分を味わいます。
面白いことにこの映画、「新聞記者」というタイトルながら記者の職業人的な矜持を描くこと以上にグロテスクなまでの「保身」の構図を描こうとしている点にあります。ここにこそこの作品の醍醐味があると言ってもいいでしょう。
このきわどい作品の監督を務めたのは人間の二面性に振り回されボーダーラインを揺蕩う男の姿を描いた「デイアンドナイト」やドラマ「野武士のグルメ」などを手掛けた藤井道人。まだ30代前半の若い監督ですがその語り口は既に練達の域に達しつつあるといっていいでしょう。
ちょっと気になってしまった点としては、度々登場する内閣情報調査室のオフィスがPCがズラッと並んでいるのに照明が暗すぎること。いや確かにその方が画面の雰囲気に統一感があって良いんですけどね、でも一度気になり出すと止まらなかったんですよ(苦笑)。
野心的にして挑戦的、まだ邦画にこういう作品を生み出す力が残っていたかと感心する一本です。今観てこそ価値のある映画です。だいぶ夏も盛りになって暑くなってきた中こんなキリキリするような作品はちょっと…という気持ちもあるでしょうが、それでも多くの方に観てほしい一本ですね。
こんばんは、小島@監督です。
「みんなで筋肉体操」は腹筋、背筋、スクワットのほかに腕立て伏せの回もあるのですが、こちらは要求されるレベルの腕立て伏せが2回とできないので早々にギブアップしました(苦笑)
さて、今回の映画は「新聞記者」です。
東都新聞記者・吉岡エリカ(シム・ウンギョン)は帰国子女という出自と舌鋒鋭い質問で記者クラブだけでなく社内でも異端視されていた。ある時、東都新聞のFAXに匿名の文書が送られてくる。それは文科省ではなく内閣府が設立を進める大学新設計画に関する極秘文書だった。上司の陣野(北村有起哉)から調査を任された吉岡は行動を開始する。
一方、内閣情報調査室に所属する若手官僚・杉原拓海(松坂桃李)は「国民に尽くす」という信念を抱きながらも任される仕事は現政権に不都合なニュースをコントロールするウェットワークの日々に葛藤を抱いていた。そんな折、かつて外交官として北京大使館に勤務していた頃の上司である神崎俊尚(高橋和也)と久々に再会し杉原は楽しいひと時を過ごす。だが数日後、神崎はビルから身を投げ命を絶ってしまった。神崎は何に追い詰められていたのか、真実に迫ろうとする杉原。
記者と官僚、2人の人生が交差しようとしていた。
誰もが発信者になれるSNSの発達も後押しとなってジャーナリズムというものがその根幹から存在意義を問われている今、また「忖度」が横行し空気に合わないものには容赦ないバッシングが飛ぶ昨今では「政治」があまりにデリケートなテーマになってしまっています。そんなご時世にあって過去の政治的決断を俯瞰するのではなく現在進行形のファクターをモチーフにリアルなポリティカルフィクションを展開する極めて挑戦的な作品です。中日新聞記者・望月衣塑子の同名ノンフィクションを原案にし、フィクションの体を取ってはいますが作中に出てくる事件はどれも新聞のトップやヘッドラインを騒がせたものばかり。「タイムリーである」ということも時には映画には重要なファクターであったりするのですが、ドキュメンタリーではない劇映画でここまでの同時代性を持ち得る作品も昨今極めて珍しい存在でしょう。
さらに言えば小規模公開の作品ではなく松坂桃李のようなメジャー俳優を擁して100館に近い規模でのシネコンで上映するレベルに持っていったことに賞賛の念を禁じ得ません。ただ同時に主演の一人が日本人ではなく韓国人のシム・ウンギョンであるところに今現在の邦画の限界を見るような気もします。
全編にわたり体の芯にジクジク来るような緊張感が漂う中、何度もアップになるシム・ウンギョンと松坂桃李の視線の揺らぎがこちらにひたすら問いかけられるような気分を味わいます。
面白いことにこの映画、「新聞記者」というタイトルながら記者の職業人的な矜持を描くこと以上にグロテスクなまでの「保身」の構図を描こうとしている点にあります。ここにこそこの作品の醍醐味があると言ってもいいでしょう。
このきわどい作品の監督を務めたのは人間の二面性に振り回されボーダーラインを揺蕩う男の姿を描いた「デイアンドナイト」やドラマ「野武士のグルメ」などを手掛けた藤井道人。まだ30代前半の若い監督ですがその語り口は既に練達の域に達しつつあるといっていいでしょう。
ちょっと気になってしまった点としては、度々登場する内閣情報調査室のオフィスがPCがズラッと並んでいるのに照明が暗すぎること。いや確かにその方が画面の雰囲気に統一感があって良いんですけどね、でも一度気になり出すと止まらなかったんですよ(苦笑)。
野心的にして挑戦的、まだ邦画にこういう作品を生み出す力が残っていたかと感心する一本です。今観てこそ価値のある映画です。だいぶ夏も盛りになって暑くなってきた中こんなキリキリするような作品はちょっと…という気持ちもあるでしょうが、それでも多くの方に観てほしい一本ですね。
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