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ちゅうカラぶろぐ


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新聞の懸賞で当選して「最強のふたり」のDVDを頂いてしまいました。
コレだけに限らず今年に入って試写会3件、チケット1枚、販促グッズ1つと当選してますし、それ以外にも昨年観れずじまいだった映画が2本今年に入って再上映されて観る機会に恵まれたり、こと映画に絡んで今年はなかなかの強運のようです。

こんばんは、小島@監督です。
良いよ良いよ、どんどん来い(笑)!

さて、今回の映画は一人のミュージシャンを巡る数奇な運命を追うドキュメンタリー映画、「シュガーマン 奇跡に愛された男」です。

1970年アメリカ、ミシガン州デトロイトに一人のミュージシャンがプロデューサーの目に留まりメジャーデビューを果たした。彼の名はロドリゲス。その音楽性からボブ・ディランと比較されるほど注目を集め、2枚のアルバムをリリースするも商業的に惨敗しレコード会社との契約を解除され、ロドリゲスは音楽シーンから姿を消してしまう。
そのまま埋もれて消えていくかに思われたロドリゲスの歌は、しかしそうはならなかった。
ほんのわずかに売れたレコードの内の1枚がどういう経緯でか海を渡り、南アフリカの地に辿り着く。
その歌は苛烈を極めるアパルトヘイト(人種隔離政策)に抑圧された人々の心を捉え、いつからか発売され出したレコードは実に50万枚以上のヒットを記録し、アパルトヘイトに抵抗する人々のシンボルとなり、時代を動かす原動力となっていく。
時代は動いて90年代後半、ロドリゲスのファンでもある2人のジャーナリストはアメリカに住む友人から「アメリカではロドリゲスの名を誰も知らない」事を知って愕然とする。2人はこの事をきっかけに南アフリカでは知らぬ者のいない、しかし誰も知らなかったミュージシャンの実像と、レコード会社契約解除以後の人生をたどるべく調査を開始する。

今年のアカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞したのは、「こんなことが起こりうるのか」と思うほど音楽の奥深さ・力強さを感じさせるエピソードを題材にしています。
とにかく題材そのものに非常にエキサイティングなパワーがあり、ロドリゲスの数奇な人生の実相を最後に持ってくるミステリアスな構成と相まって引き込まれます。
ロドリゲスの歌に感銘を受けた南アフリカのミュージシャンのインタビューも作中登場しますが、ロドリゲスの歌が与えた衝撃は、まさにマクロスで言う所の「ヤック・デカルチャー」であった事がうかがえます。その歌が広まっていきやがては国をも動かしていく様は「愛・おぼえていますか」を彷彿とするかのようです。
また、このドキュメンタリーは白人リベラル派アフリカーナからのアパルトヘイトでの抑圧を文化史的な観点から描いて見せたところもなかなか興味深いです。アパルトヘイトを材に取った映画には「遠い夜明け」(1987年製作・監督リチャード・アッテンボロー、主演デンゼル・ワシントン)等がありますが、多くは被差別人種であった黒人からの視点であったため、新たな視点で物事を観るチャンスとも言えます。

事実の持つパワーに少々頼りきりの感もありますが、それも致し方無し。映画館でわざわざドキュメンタリーなんてと言わず、是非多くの方にこの名も無きミュージシャンのアメイジングな旅路を味わって欲しいですね。

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ついこの間まで寒かったのにここ最近急に気温が上がり、すでに桜の開花が始まっています。
このはっきりした寒暖の差が桜には良いんだとか。
今年の桜は特に綺麗かもしれませんね。

こんばんは、小島@監督です。
まあ早い時間から巷に酔っ払いが溢れ返るのだけは何ともですが(苦笑)

さて、今回の映画はそんな雅なイントロをぶち壊す非常に珍妙でユニークなホラー映画、「キャビン」です。

大学生の男女5人がメンバーの1人のいとこが買ったという山小屋へバカンスに出掛ける。5人が飲んで騒いでの楽しい夜を過ごしていると突然地下室への扉が開いた。怪訝に思いながらも一行は地下室へと降りていく。
その一行の行動を逐一監視している者たちがいた。彼らはある「目的」を持って5人を山小屋へ誘導していたのだ。彼らの用意したステージが整った時、5人にとっての悪夢の一夜が始まる。

主にB級品を中心に世界中で毎年数えきれないくらい製作されているホラー映画。それ故ホラーには「定石」や「お約束」と言ったパターンが出来上がり、よく観ている者にはある種の先入観が形成されていたりします。
この「キャビン」はそうした「先入観」に挑戦した映画と言えるでしょう。
敢えてホラー映画の定石をなぞっているのを意図的に明示しながら進むこの映画はしかしその定型を微妙に外しながら展開します。
これだけなら実は「スクリーム」(1996年製作。監督ウェス・クレイブン)と言う先例もあったりするんですが、「キャビン」が特異なのは物語も3分の2を経過し物語の大枠が見えたかに感じられた辺りからです。
ここから物語はホラーと言うジャンルすらも超越し始め、冒頭のシーンからはとても想像もつかない結末へと疾走していきます。
このラストシーンの斜め上どころではないブッ飛びぶりは半端ではありません。私はそれなりに楽しめましたが、正直な所もし自分がシナリオライターだったらこんなラストシーンは思いついても書きません(笑)

「キャビン」は観客がある程度ホラーの定石を知っていることを前提にしている映画であるという性質上非常に間口の狭いマニアックな映画です。ホラーファンであればトライする価値はさらに倍。「我こそは」と思う方は是非ご覧になってみてください。そうでない方は春休みシーズンの今、他に色々楽しそうな映画も上映してますし、あるいは花見に行ってる方がきっと無難です(笑)

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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
私は久しぶりにレイさんとデュオる事も出来たし、初参加された方が思いのほか良い引き出しを持っていて楽しませて貰えたので非常に充実した時間を過ごせました。

こんばんは、小島@監督です。
それにしても今日の豪雨と強風には参りました。持ってた傘がぶっ壊れてしまいましたですよ。

さて今回の映画は、今週末23日より公開が始まる原作・鈴木おさむ、脚本・監督・内村光良の「ボクたちの交換日記」です。先日試写会で観てきました。

田中(伊藤淳史)と甲本(小出恵介)の2人はコンビ「房総スイマーズ」を結成してお笑い芸人として生活している。しかし結成から12年経ち30歳も目前にしながら未だメジャーにはなれないまま、田中はバイトで糊口を凌ぎ、甲本に至っては家賃滞納でアパートを追い出され恋人(長澤まさみ)の収入に頼りきりと言うありさま。この状況を打破したいと考えた甲本が閃いたアイディアは、互いの本音をさらけ出すために「交換日記」をしようというものだった。

全編にわたり芸人たちへの優しい目線に溢れたこの映画、内村光良の脚本や演出の手腕と伊藤淳史・小出恵介の主演2人の演技力に唸らされます。
特に感心してしまうのがやはり芸人をモチーフにしてるだけあり、何度となく登場する漫才のシーン。何に感心したかって「物語上漫才がつまらなくあるべき所では確かにつまらない」上に「面白くあるべき所ではちゃんと面白い」点です。結構サラッとやってますがこれはかなり凄い事のはず。
主演2人の確かな演技力がこの映画の質を大きく下支えしています。

作中の主人公である房総スイマーズは全く芽の無い芸人と言うより実力はそれなりにありながらなかなかチャンスをものにできない存在として描かれ、2人に目をかけるTV局のプロデューサーやかつて2人の先輩で今はバーのオーナーになった元芸人など彼らを支える人物もおり、チャンスの影がちらつく点が2人をお笑いの世界から抜けられない理由なのかなと思わせる点がある意味余計にリアルです。
先んじてトップへと駆け上がりそうになった後輩芸人も思わぬ形で足を掬われたりしてある種の残酷さから目を逸らさせないようになっています。

実はこの映画大きな欠点が一つあり、物語として一つ大きな決着がついたかに思えた後更に20分以上続いてしまう点です。
その「決着がついたように見えるシーン」が物語としても映像としても決まり過ぎてしまっているため観てる側としてそこで満足してしまったのにそこから20分以上続くのはエピローグとしては冗長すぎてダレてしまいます。

最後がイマイチなのは何とも勿体ない気がしてなりませんが、トータルで見ればなかなかの佳作。
特に主演2人のファンな方がいらっしゃったらこの質の高い演技のアンサンブルを見逃す手はありませんよ。

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今日の昼休みに声優・納谷悟郎さんの訃報を知りました。
銭形警部や沖田艦長、ショッカーを始め、吹き替えでもチャールトン・ヘストンなどを担当し、長く第一線で活躍され、別にオタクでもなんでもなくても誰でも一度はその声を聴いた事のある数少ない声優でした。
謹んでご冥福をお祈りします。

こんばんは、小島@監督です。
そして今日は東日本大震災からちょうど2年。さすがに14時46分はさすがに仕事の真っ最中だったので黙とうするワケにはいきませんでしたが、決して忘れたりはしません。

さて、気分を変えて今回の映画は「劇場版とある魔術の禁書目録 エンデュミオンの奇蹟」です。
アニカラサークルのブログなのにアニメ映画をピックアップするのは「青の祓魔師」以来実に2か月ぶり。マイペースですいません。

今や電撃文庫の看板タイトルと言っても良い「禁書目録」。スピンオフでもある「とある科学の超電磁砲」も含め3度のTVシリーズを経て満を持しての映画化です。
TVシリーズのレギュラーキャラがほぼ総登場する充分なお祭り感に加え、TVシリーズより精緻になり学園都市のソリッド感が増した背景作画や超能力や魔法のエフェクト作画も充実していてスクリーンの大画面に負けないゴージャスぶりです。
物語の方も単純すぎず複雑すぎない程良い塩梅の構造で90分を駆け抜けます。
もちろん主人公・上条当麻の説教屋ぶりと女性にも遠慮しないスパルタンぶりは健在(笑)

欠点としてはゲストヒロインであり物語の鍵を握る歌姫・アリサのライブシーンの演出がどうみてもあるアニメシリーズのそれと似通いすぎているのでその辺もう少し一工夫欲しかったところですね。

とは言えファンに向けてのプログラムピクチャーとしては充分及第点な出来栄えで、気になっている方は是非映画館で味わってほしい所です。

……ところで、どなたか「10万3000冊」をゲットできた方はいらっしゃいますか?できたら見せていただけるととても嬉しいのですが(苦笑)

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明日会社の健康診断なので今から微妙に憂鬱。
バリウム飲むのも確かに嫌だけど、それ以上に朝食抜かなきゃいけないのに普通に出勤して作業しなきゃいけないのが憂鬱。
もっとも勤め先に腹部X線撮影も可能なゴツい巡回車が来てくれるので人間ドックまで行くワケではないんですけどね。

こんばんは、小島@監督です。
しかし明日バリウム飲みが40人もいる状況で作業が円滑に進むのか…?

さて、今回はつい先日アカデミー賞作品賞を受賞したベン・アフレック監督・主演の「アルゴ」です。
公開したのは昨年の10月末だったんですがその時には観に行けずじまいでちょっと後悔していたところ、公開時と同等規模での再上映が始まってくれました。なんだかんだ言ってもアカデミー賞は偉大(笑)

1979年11月、イランの過激派が渡米した前国王の引き渡しを求め在イランアメリカ大使館を占拠。混乱の中かろうじて6人が脱出しカナダ大使の邸宅に逃げ込む事に成功する。
大使館職員名簿はシュレッダーにかけられたものの、過激派たちは大量の子供たちを動員して紙片をつなぎ合わせ名簿の復元を図っていた。復元されてしまえば6人の逃亡が露見し公開処刑されてしまう事は避けられない。国務省はCIAに応援を要請。人質奪還のプロ、トニー・メンデス(ベン・アフレック)を召喚する。トニーが閃いたのは偽映画を企画し6人をロケハンに来た映画クルーに仕立て上げて出国させるという作戦だった。

非常に奇想天外でユニークなプロットなのに何とこれ史実!1990年代の終わりに当時のクリントン政権が機密扱いを解除するまでトップシークレット扱いだった作戦の顛末を描いています。

はっきり言ってこの映画とてつもなく面白い!!!そりゃ賞の1つや2つ獲ろうってもんですよ。

前半は作戦を遂行するために偽映画の企画を立ち上げるまでをユーモアを交えて描いています(なんとわざわざ製作発表の記者会見まで敢行する!)。
ここではCIAの協力者として知る人ぞ知るビッグネームが登場し、彼が裏でCIAと繋がっていたのかとある種の知的興奮を味わわせてくれます。
そして後半はいよいよ6人を脱出させるまでの数日間を、一瞬の判断ミスが、1分1秒の遅延が死へと繋がりかねないタイトロープな状況を非常な緊張感を持って描写されています。

ベン・アフレックの演出手腕は細部に至るまで徹底しており服装や小道具に至るまで79年を再現することに注力しています。当時私はまだ物心つくかつかないかなのであまり覚えは無いですが、当時を知る人には共感しうる部分も多いのではないでしょうか。
そして巧みなストーリーテリング!緩急を絶妙に配合した作りは圧巻で、史実を描いているから結果は分かりきっているはずなのに喉がカラカラになりそうなほどの緊張感です。
しかもこの映画の凄い所は全編通じてほとんどアクションシーンが無い点です。高質のサスペンスを演出するのにアクションなんか必要無い事を圧倒的に見せつけます。

「アルゴ」は実は来週にはBlu-ray&DVDがリリースされるので家で鑑賞するのも間もなく可能になるんですが、観るのを検討されてる方はせっかく再上映されてるので是非逃げ場の無い(笑)映画館でこの上質の緊張感を堪能してほしいですね。




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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
今回はダイモスさんより「灼眼のシャナ」のTシャツを頂いてしまいました。ご承知の通りくぎゅうファンなのでニヤニヤしてしまいます。

こんばんは、小島@監督です。
それからショーグンさんとライダー君には今更ながらドラクエ6を始めた私とすれちがい通信をしようとDSを持ってきてくれたのに私がそこまで進められてなくて申し訳無かったです(苦笑)
次こそは必ず…!

さて、今回の映画は気付けば5作目となったブルース・ウィリス主演の人気シリーズ最新作「ダイ・ハード・ラスト・デイ」です。

5作目にしてついにジョン・マクレーンはアメリカから飛び出し今度はモスクワで暴れ回ります。
マクレーン演じるブルース・ウィリスも「エクスペンダブルズ2」でもそうでしたが、弛まぬ努力の賜物か肉体的にはほとんど衰えを見せず動きにキレを維持していてさすがの貫録。

物語としては大雑把で脳筋も良い所ではっきり言ってサスペンス性など皆無に等しいです。マクレーンに銃を向ける=死亡フラグの様な展開で、ほとんどセガール映画の様な無敵ぶり。前作はまだ「ハイテク犯罪に立ち向かうアナログオヤジ」と言う構図が面白く、ロジカルをフィジカルで打ち砕く流れは爽快でしたが今回は敵も結構ゴリ押しなので「機転」を感じさせるシーンはほとんどありません。
そもそも「ダイ・ハード」シリーズはマッチョなだけのアクション映画に一石を投じるべく製作されたというのに回を重ねるごとにその「マッチョなだけのアクション映画」へ変貌していくのは空しいというより逆にちょっと捻くれた興味を感じてしまいます。

しかしさすがにダイ・ハード、シリーズの看板のお陰か予算規模がかなりのものなのでヘイローの実機を飛ばしたりして凄い迫力です。
アイディアに欠けるとは言え全編にわたり迫力あるアクションが目白押しな事と、シリーズ最短の98分と言う上映時間のためにダレが少ないので派手な画面を楽しめさえすれば良い向きには最適な作品だと言えるでしょう。
個人的には終盤のデリカシー無さすぎる展開とそこでポロっと出てしまう誤訳のせいで色々引いてしまって正直視聴後の印象があまり良くなかったんですが。
もうちょっとあそこは違うやりようがあっただろう…

ところでこの映画、チケット購入の際にトニックシャンプー貰えたんですが、これは一体何のキャンペーンなのでしょう?そこまでブルース・ウィリスの頭頂部をネタにせんでも…(苦笑)。

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先週のバレンタインデーに一つの訃報が。
ミニシアターの先駆けともいえる「岩波ホール」の総支配人・高野悦子さんがお亡くなりに。
北欧やアジア各国のそれまで陽の当たらない国々の映画の公開に尽力された方で現在ほぼ世界中の国の映画が年中どこかしらで鑑賞できる土壌を築き上げたと言っても過言ではありません。
1映画ファンとして心よりご冥福をお祈りします。

こんばんは、小島@監督です。
映画は鑑賞する側にも文化がある。

さて、最近ライブの話が続きましたが今回は久しぶりに映画の話。
いわゆる9.11事件より2011年5月にあったビンラディン暗殺事件に至る過程を1人の女性CIA情報分析官の目を通して描いた「ゼロ・ダーク・サーティ」です。タイトルの由来は作戦の決行時刻であった午前0時30分の事を指す軍事用語なのだとか。

名も無き一般市民である自分には正直泥沼にしか見えなかった対テロ戦争にいきなり降って湧いたように見えたビンラディン暗殺事件は何と言うか、異様な衝撃を受けた事を覚えています。
それからまだ2年と経っていないのに製作されたこの映画は、その題材故に「ホットな話題のモノ」というよりはある種の生臭さがどうしても拭えない作品です。この生臭さがアリに思えるかどうかがまず最初のハードルと言えるでしょう。

映画の作りは徹底的に冷徹な視点で貫かれています。
主人公はマヤと言う若き女性分析官で、彼女がどうビンラディンに辿り着いたかが物語の肝ですが、カメラは彼女に寄り添っているというより随行している感じで、事象は詳らかに追うものの彼女の心象には迫るほどには寄っていきません。それは終盤の約40分ほどをかけて展開される暗殺作戦の顛末を描く際も同じで、この際は兵士の真後ろからカメラが付いていく感じです。
9.11以降作戦に至るまでの10年間の主要な事象を断片的にピックアップして取り上げている点や、2005年にロンドンであったバス爆破事件や2009年のCIA局員を巻き込んだアフガニスタンでの自爆テロについても触れられますがその際には実際のニュース映像も使用され、全体的には一種のフェイクドキュメンタリーのイメージです。

上映時間は158分。はっきり言ってその間ずっと張りつめたような緊張感が続き、気の休まるタイミングは一度とてないままクライマックスの作戦まで突き進むので観ててとても疲れます(苦笑)。

マヤとカメラとの距離感が唯一崩れるのがラストシーン。圧倒的にリアルな映像の中でここだけは劇映画の様相です。
しかしここでの非常に象徴的ともいえるやりとりはこの映画の結末には相応しい味わいを持っています。

正直この映画、個人的にはかなり楽しめたんですが、かと言って人に薦めやすい映画でもありません。
緊張感溢れ過ぎるサスペンスを楽しみたい方、アカデミー賞候補作は取り敢えず押さえておきたい方、「今のアメリカの心象」を読み取ってみたい方、そんな方にはトライしてみる価値のある一本だと言えるでしょう。

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